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■09/03/30(月) □ ショーンにびっくり
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テープに残っていた「英語で喋らナイト」ショーン・レノンの巻を見る。ジョンとヨーコの子なんだからショーンもクセのある気性の人なんだろうと想像していたら、信じられないほどいい人なんで驚いた。控えめで穏やかに話しくだらぬ質問にも丁寧に答え、日本の親戚との付き合いもあるそうで日本文化に通じており、日本語が飛び交う状況でも動じずわかる部分を拾っては反応している。「英語で喋らナイト」史上最も気遣いのある外国人ゲストだったんじゃないかと思うくらいナイスな人だった。驚き。
残念ながらミュージシャンとしての才能はあまりないっぽいが(エレキギターの構えもなってない)、声はちゃんとジョンの血が入りいい声である。彼はよく日本に招かれてセッションしているが、それはこの声に加えこの性格のよさが日本のミュージシャンに愛されてるんだろうなあ。
萌もこのショーを興味深げに見ていた。片親が日本人という同じ境遇に興味を感じたのかもしれない。軽井沢でのジョンの写真は同じものを俺も土屋写真館で買い壁に貼ってあるし、去年みなで行った鬼押し出し園でのレノン一家のスナップもあり、あーっといって喜ぶ。
ジョン・レノンってどうして死んだのと途中で萌に聞かれた。「うーん、クレイジーな、あまりにもジョンを好きだった奴がさ、友達になってくれって感じでジョンのところに来たわけ。でジョンが、知らない奴だったし、忙しいからってただ行こうとしたら、そいつがガンで撃っちゃったのよ」「それは本当にクレイジーじゃない!」「そうなんだよ」。
世の中のひどい暴力や悲しい事件について、子供はどのように学び耐性をつけていくのだろうか。どのように伝えていけばいいのだろうかと考えてしまう。
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■09/04/04(土) □ 春恒例のモールプレイランド
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萌が行きたがった春恒例のショッピングモール移動式プレイランドへ。カナダのプレイランドのライドはすべて俺が適当と思うより 1.5 倍くらい速くて、遠心力でぐるぐる系は見ていてストレスを感じるくらいの勢いでキリキリと回っている。あんなものに乗ったら自分がどうなってるかなんてまったくわからんだろう。上下左右むちゃくちゃにされ頭真っ白になるのが快感なのかなあ。
場内を一周してエクストリームじゃないのはメリーゴーラウンドと小さなローリングボートだけだとわかり、萌と相談しその両方に乗ることにする。幼児用のこのメリーゴーラウンドですら、なにかにつかまってないと横Gがきつくてふらつくくらいの勢いで回っている。
俺は乗り物に弱くライドは絶対に酔うのだが、ローリングボートはゆっくりした横揺れに回転が加わる程度でもっともウィーニー(しょぼい)だし時間も短いので、萌に付き添って乗ってみた。この手のライドに乗るのは昔しこたま酔った西武園以来20年ぶりだったが、うわーっと叫びながら視線を遠めに取っていればぎりぎりOKであった。降りた後はグラグラしたが楽しかった。萌ともども苦手を克服した感覚があり、機嫌よく帰る。
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■09/04/07(火) □ 動詞活用当てゲーム
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明日から天気が崩れるようだが、今日も昨日同様の夏日。萌の学校の動詞活用当てゲーム Verbathon というイベントで隣町の小学校へ。
「フランス語は動詞にみな苦労するでしょ? それをゲームで楽しく学べるのが Verbathon なのです」てな先生の長い長いペアレンツ向け説明があり、やっとゲームが始まるかと思ったらその後も、ルール、いかにキッズをモーティベートするか、全国レベルでの盛り上がりといった英仏まじりの PowerPoint プレゼンが延々と続く。
今日は萌の学校のキッズがこの学校の生徒にゲームのデモンストレーションを行うというので、こうして大挙(生徒+送迎の父兄で100人ほど)隣町まできてるのに、こんな長話をされても...。この学校の子供が集中して聞くわけがないしこの学校の父兄はいないわけで、なんで俺たちはここでこんなことをしてるのかと思う。結局1時間半この学校にいて、キッズがゲームを披露したのは5分少々。これではうちの先生の長話を聞くためにわざわざ大勢で隣町の学校まで来たとしかいいようないではないか。彼が PowerPoint を持って1人でここにくれば済んだイベントである。
どうもカナダの学校行事はこういうのが多い。つまりアクティビティよりも教師の話が多く、そして教師が子供よりも親に向かって喋っているという図式がある。それは彼らが努力や方針を親に伝えたいからなのだろうが、要点を手短に述べ子供を解放してやってくれと毎度思う。
まあ子供というものは退屈に強く、俺はイラついたが5分のアクションでもキッズは楽しかったようである。萌はスクールのチームシャツがえらい気に入り、このまま帰り日本語学校に着ていきたいという。明日返せばいいと先生にも許可をもらえたのでそうしておいた。萌はなにかチームに入りたい年頃なのかなあ。
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■09/04/09(木) □ 日加スピーチ大会の違い
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久々の生徒集会。萌のクラスがダンス演技をするというので見に来たのだが、ダンスではなく単なる「ホッキポッキ(幼稚園児がやる輪になったお遊戯)」だった。ジム全体を「くだらん」という空気が包む。やってる子供らはウケてないことには気づいていないだろうが(※)、当然終わっても拍手はまばらであった。
クリスマスコンサートもそうだが、せっかくの年に一度のクラス発表の機会に、こうして価値ないものをやらせる多くの教師の考えが理解できない。子供はみな Public Recognition(公衆に認めてもらうこと)を求めていて、ここでいいものを作りバリっと発表させてやればその気持ちが報われるのに。
(※)萌も実は気づいていて、次の日ビデオを見ながら「観衆がこんなつまらないのを見なきゃならないなんてひどいよね。こんなのただ子供が遊んでるだけだもんね、見てもつまんないよ」というので驚いた。子供だってわかってるのである。おざなりでごまかせやしないのだ。まったく教師はしっかりしてもらいたい。
メルはうちの小学校が保守的で、カリキュラムに知的挑戦が欠けていると不満を持っているのだが(フランス語なので俺にはカリキュラムは皆目わからない)、俺はむしろ学校の楽しさを生かしてくれないこうした教師の気の利かなさ、義務感丸出しの仕事ぶりにイラだつのである。昨日のゲームイベントだってもっと楽しくできたはずだろう。
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でもまあ萌が日本の学校なんか行ってたら俺はきっともっとイラついてるんだろうな。こないだ行ったバンクーバー日本語学校連盟のスピーチ大会なんかまさしく「日本の学校行事」で、誰がそう意図したわけでもなかろうが威圧的だったもんなー。
今日午後うちにきたSVと萌が、昨日クラスでやったフランス語スピーチをお互いに披露しあったのだが、これが2人とも声音の多様さとジェスチュアと表情の豊かさに満ち溢れたスンバらしいものであった。内容はまるっきりわからないが見てるだけで楽しいのである。沈うつな日本語スピーチ大会と正反対である。
だいたい日本語スピーチ大会はスピーチを「暗誦」しなきゃならないというところからしてスポ根的で馬鹿ばかしく、メモを持つくらい別にいいだろうと尋ねたのだが受け入れられなかったんだよな。シーンとした中「○○番××さん」と呼ばれ、過緊張のなか宙を見つめて暗記したものを言えという日本式は困難を克服することに意味があると信じるポンニチ我慢大会系行事であって、カナダ式スピーチは自分の能力と魅力を存分に披露し、拍手歓声を受け Public Recognition を味わいなさいという開いたものなのである。カナダ式のほうが圧倒的に楽しく好ましいのであった。スピーチ内容は日本の夏について書いたオリジナルな前回(↓)のほうが間違いなくよかったと思うが。
日本の夏
こんにちは。今日は、去年の夏に日本に行ったときのことを話したいとおもいます。ひこうきで成田について私がまず思ったこどは、『本当に日本にいるの?しんじられん!あつい!しぬほどあつい!」ということです。せみの声も気持ちよかったです。
私たちは、おばあちゃんのすむ長野に行ぎ、一ヶ月いろんなことをしました。とくに楽しかったのは、おまつりとニンテンドーDSとキャンプりょこうです。お祭りでは、スーパーボールを紙ですくって、花火をやって、カキ水を食ベて、流しそうめんをやって、とても楽しかったです。
ニンテンドーDSは、七夕様にニンテンドーDSをお願いして、私のおばあちゃんに買ってもらいました。たいこの達人で、いとこと一緒にたくさん対戦して遊びました。ほかのいろんな楽しいニンテンドーDSのゲームも遊びました。ニンテンドーDSをもらえてよかったと思います。キャンプは、いとこの家族といっしょに行ぎました。ごはんが、超おいしくって、どっても楽しかったです。
最後に、私の母は、日本語をあまりしゃベらなくて、おばあちゃんは英語をしゃベらないので、日本にいるあいだはずっと二人のために、私が通訳をしてあげました。私はとてもうれしくて、誇らしくおもいました。どうも、ありがとうございました。
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