2009/04/19

日記「カナダ教師の書く手紙」

「萌からの手紙」「CM消費者」ほか。

=======================
■09/04/13(月) □ おばあちゃんへの手紙
=======================

萌からの手紙が届いたよと、母さんが電話してきた。「誰からだろうと開けてみたら萌ちゃんなんで、久々にうれしかったよ」。萌がまったく自発的に書いてきたものなのだが、味があっていい手紙である。カナダの子が日本文を書くと、「熱がきたりいったりして (←fever comes and goes)」といった英文和訳がどうしても出てきてしまうのだが、そこがまた味がありイイ。

=======================
■09/04/18(土) □ CM消費者
=======================

萌とMは久々に一緒にお出かけ。萌は靴と一緒になんかキャンディにシロップをたらして食べる駄菓子みたいなものを買ってきた。よくこんなものをMが許したなと思う甘くて体に悪そうなものを、ランチ後うれしそうにペロペロとなめている。萌はこの頃買い物に行くときは必ず自分の財布を持っていき、TVのCMで見たものとかを買っているんだよな。日ごとひそかにあれを買うぞと心に決めているのだろう。

 学校でも水曜日にはライスクラッカーなどのスナックが買えるそうで、自分の貯金箱からいそいそと50セントを出して持っていく。CMのターゲット消費者になってるのは困りものだが、その心の動きはよくわかるしかわいらしい。こういう一連の、自分で何かを決めて行うことがインディペンデントでうれしいのだろう。

=======================
■09/04/22(水) □ Verbathon 再び
=======================

フランス語動詞活用リレーゲーム Verbathon の学校レベル大会を見に来た。チームは前回とメンバーが替わっており、萌のチームは遅い子が多くて、2回のトライの両方で負けていた。後で聞くと学年最下位=4位だったそうで、萌は悔しくてちょっと泣いたとのこと。泣かなくていいよそんなの。1位と2位を発表してモチベーションを上げるのはいいが、3位4位まで発表したら悔しさと遅い子を責める気持ちが生まれるだけではないか。こんなリレーの勝ち負けなんて組み分け次第なわけで、努力が実るとは限らないのである。

 放課後クラスのENのお母さんが、「SVのチームが勝って区の大会に行くことになったけど、SVと○○がクラスで一番速いんだから、一緒にするのはフェアじゃないわよね。別々のグループにすべきなのよ。私は先生に言うわ」と俺に不満をぶちまけてきた。あーそれは気づかなかったなあと答えたが、そんな勝ち負けを真剣に気にするほどのイベントじゃないだろうこんなもの。なんか全般にずれてるよなあ、この順位付けワールド。Mはカナダはコンペティティブな人が多すぎるというが、ENお母さんの出身地中東もそうなのかもしれん。

=======================
■09/04/23(木) □ カナダ教師の書く手紙
=======================

 台湾おじさんが放課後また、プリント通知がわからないと質問に来た。こないだの英語教育意味なき礼賛にはゲンナリしたが困ってるのを助けるのはまったく問題ないので読んであげると、そのうち3枚は俺が読んでも意味がわからず保留にしといた奴だった。

 あーこれね。これはね、僕が読んでもわからなかったんだよ。たぶんこういう意味だと思うけど、はっきりわからないんだよね。これは文章が下手なのであって、あなたのせいではないよと力づける。

 だいたいカナダの学校通知って喋り言葉をそのまま書くからさ、全部読まないとなんの通知かすらわからないでしょ。一目でわかるようにポイントを抜き出して書いてくれ(箇条書き)といつも思うよ。日本じゃこんなわかりにくい通知の書き方はしないよ。台湾でもそうなんじゃない? ―――と尋ねると、そうだそうだとうなづくおじさんであった。

 たかだか学校行事の通知なのに、書き手が下手だから TOEFUL の長文読解のごとく難しいのである。俺が翻訳でやるビジネス文書も下手な文章だと常々思うが(※)、カナダの教師は簡潔な通達の書き方を習わんのだろうか。
(※)こないだのアップル社のはよかったな、公文書なのに「Nice」なんて言葉が出てきて。

=======================
■09/04/24(金) □ チャイニーズペインティング
=======================

フィールドトリップ:チャイニーズペインティングというから水墨画かなと思ったら、墨と絵の具を合わせて文字と絵を描くというものだった。ナイス。筆の使い方などの説明がまずある。この筆が懐かしいぜと萌のグループを手伝った。

 萌は張り切って知ってる漢字を書く。萌の友達ALはもうチャイニーズスクールに行ってないのだそうだ。聞けぱAL母のMYも漢字は書けないそうで、漢字ってやはりそれほどに難しいのねえ。

 しかし先生は中国おばさんだが、愛想が悪く、そして教え方がえらい古い。コミュニケートが下手で子供の注意を引き付けられないし、春だから寒色は使ってはいけないと強制するし、萌やKLが俺から漢字を習って書いてもまるで無反応だし、上手な子の絵も一向にほめない。子供とコミュニケートしほめて伸ばすといったといった、ごく普通の現代性がないのである。先生がこんななので、あまり盛り上がるフィールドトリップではなかったのでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿