2011/01/18

日記「シャキーン・ザ・ライブを世界に」

『「20 世紀少年」3部作』「Wii にふるえる子供心」「カルカソンヌの拡張考察」「岡崎はえらい」ほか。

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■11/01/04(火) □ 「20 世紀少年」3部作
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 映画「20 世紀少年」3部作を見終わる。3部作通じて物語はマンガ的すぎて(まあマンガなのだが)、面白さとうーむの微妙なあたりにある。(以下、ネタばれは書いてません)。

主役のケンジは、友人としての魅力はあるがなにか特別な人物とも見えない。その彼に数十年ぶりに会った幼なじみが全員命を預け、彼の姪を「最後の希望」と崇め助ける。この友情物語のキモ部分がすべて日本マンガ&ドラマ的リアリティのなさでできてるのが難しい。日本のハナシは「交通事故から助けてくれた人が実は会ったことがない双子の弟だった」みたいなのが多すぎるんだよな。

 全篇通じて彼が歌いまくりそれが人類の希望の詩となるという図も変であった。だってその歌が売れないバンドマンにふさわしく超つまらないのである。

 しかし昭和の町並み再現、大人にそっくりな子役発見、東京を囲む壁(永井豪の影響ありあり)、そしてもちろんあのロボットなどもろもろの映像はまさに「20 世紀日本マンガの映像化」で、すごかった。こんな映像が作れるとは、日本の特撮技術は飛躍を遂げたのね。マンガの歴史と円谷プロからの積み重ねが完璧に結びついている、20 世紀ニッポン文化の結晶だ。

 そして最後10分ほどのエピローグは、賛否両論あるだろうがよかったな。あれがなくてコンサートのシーンで終わっていたら、かなりハラホロヒレハレだっただろう。

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■11/01/07(金) □ Wii にふるえる子供心
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 久しぶりに萌と甥MKのところへ行く。カルカソンヌ2をクイックに1戦。萌は Wii をやりたかったのだがTVが壊れていてできない。しかしTVがなくてどうせ使えないのだからと、この Wii システム一式を萌が借りられることになった。萌は大喜びである。帰ってうれしさに飛び跳ねながらセットアップし、Wii スポーツを楽しむ。

 Wii は改めていろいろやってみると、実に優れた スポーツゲームばかりである。ボーリングやテニスなど、「本物ではないということ以外はすべて本物と同じである」という感じ。タイミング、手首の角度、スピード、スナップの効かせ方などなど、体技を上手に行うために必要なもののすべてがコントローラから画面に伝わっていくのだ。ほんとすごいわ。

 中にバスケットボールがあったのだが、これがまた驚きであった。ジャンプシュートのポーズを取らないと画面上のキャラのジャンプが足りず、打つ前に足がついてトラベリングになってしまう。なんでジャンプしてるかどうかが Wii に分かるんだ? すごい。角度だけじゃなくて上下方向の慣性も読み取っているのだろうか。結果萌の圧勝。俺は天井が低くてジャンプシュートできず、1点も取れなかった(笑)。

 任天堂ってほんと革命的だよな。ソニーや他社がグラフィック命のモンスターと化して行くなか、どうしたらもっと面白い遊びができるかと考え、Wii とか DS をばーんと作っちゃうところが任天堂はすごい。

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ひとしきり遊んだ後萌は、「このくらいにしとく」と興奮疲れで自ら早めに終了し、「Wii ってほんっっとにいいよね!」と俺に心から語りかけ、そして日本のイトコAちゃんに電話したいと言い出した。そして「Wii をもらったってAちゃんに言いたいの、そう言っていい?」と聞くのだ。なにか複雑な子供の胸のときめきがそこにあるようである。Wii がうちにあることがうれしくてうれしくて、そのうれしさを「借りてるだけ」ということで水で薄めたくないのかもしれない。

 こりゃこれから俺は貸してくれたMKに働きかけてだな、「こんなに喜んでるのに返せと言えないぞお前」と、そのような方向に持って行きたい。父として。

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■11/01/06(木) □ カルカソンヌの拡張考察
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 うちはカルカソンヌ購入以来ずっと俺が拡張セット1のデカコマ抜きのハンデでやってきたのだが(総手コマ数は同じ8個、つまり大人はデカコマを得点ボード上のマーカーとして使う)、最近は萌があまりにも強く、俺がどれほど頑張っても勝てなくなってきた。ここのところ1勝4敗くらいなのである。ここまで差がつくとやはりつまらない。もう萌に対しデカコマハンデは無理が来ているのである。

 そこで萌といろいろ試してみて、俺もデカコマを使い、萌にはうちで使ってない「修道院と市長」セットの市長コマを2個目のデカコマとして持たせることにした。何度か試したがこれはバランスがいい。俺もデカコマがあればこれまで不可能だった乗っ取りができるし、萌は当然デカコマ2つを1つの都市に送り込んだり(つまり4コマ相当!)、2箇所で同時に乗っ取りを敢行したりとクレバーに使える。全体としては萌が有利なまま、しかしこれでより競ったゲームが増えるはずだ。

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 カルカソンヌは疑いの余地なく最高級のゲームだが、この市長コマなど拡張セットの追加ルールはバランスに難があるものが多い。俺がやったことがあるものを列挙してみると、

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 【拡張1:大聖堂と宿屋】
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 大聖堂都市タイル数x3点は点が大きすぎて、エキサイティングではあるのだが大都市1個で勝敗が決まってしまうことが多々ある。逆に未完成でゼロ点制も酷すぎる場合が多い。そこで大聖堂都市はサイズに関わらず+ボーナス5点、未完成時はマイナス5点くらいが手頃なのではないかと思う。
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 【拡張2:商人と建築士】
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 オンライン BrettspielWelt で一番人気があるのだが、建築士コマのために勝っても負けても常に大差になる。要は追加タイルを引ける建築士コマの活用度で引けるタイル数が大きく異なるからで、相手の建築コマを凍結し(クローズしにくい場所に追い込み)、自分だけ多くのタイルを引くというのが最重要キラー戦術となる。これに成功したほうが大勝するわけだ。同じ持ちリソースから多くの点を取るのがゲームの技量というもので、持ちリソースが大きく違ってはフェアネスを欠くと思う。商品も人の都市を完成させたらその分相手の点を削れるというルール(商品2枚で4点奪取とか)なら面白いが、ポイントをためるというのはまだるっこしい。
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 【拡張5:王女とドラゴン】
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 これも BrettspielWelt でやってみたが、置いてあるコマを除去できるというのは無茶苦茶なルールで、大きな都市に誰もおらず、次に都市タイルを引いた人のものになるなんて馬鹿げた事態が多発する。これじゃカルカソンヌではなく別のゲームである。
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 【拡張9:修道院と市長】
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 クリスマスでもらったが、追加コマはゲームバランスを崩すので1つも使っていない。都市にあるクレスト (紋章) の数と強さがイコールになる市長コマは、大きな都市では4コマ相当にもなり無敵すぎ、カルカソンヌの基本戦術を壊すので没。敵の農場を奪い取る大農場も同じく没。完成した地形からその隣へと移動できるワゴンは使ってみると全然機能しない。それにそもそもコマが3つも増えるとコマ不足が発生しなくなり、面白さが減る。

 というわけで、ほしいルールだけを採用し、さらにその家に合ったようなルールでやるのが一番楽しいのである。他のルールでやってる人とプレイするときは公式ルールでやるしかないけれど。

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■11/01/11(火) □ シャキーン・ザ・ライブを世界に
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 昨年秋に放送された「シャキーン・ザ・ライブ」を Youtube にアップロードした。ほんとにいいコンサートだったので、多くの人に見てもらいたいのだ。



①ザ・シャキーンズのテーマ

メインボーカルの気弱さが歌詞のテーマにどんぴしゃ。そしてサビに入ってくるセカンドボーカルの声にぶっ飛びます。誰だこのベースはと調べてみると、外人部隊というユニットの ACKO という人らしい。なんてかっこいいんだ。



②かんじてごらん
楽器の音色、コード、コーラスとすべてがビートルズで、歌詞は全部小1の学習漢字でできているというもう、傑作工芸品といえる曲であります。メインボーカルのテツロー、サイドのサキタの両者とも声量と技巧がないのが実にロック。エンディングのこの圧倒的なサイケ音を現場で浴びた親子は幸せものだ。



③知るや君
古典の教養がない私たちにも島崎藤村の美しさが分かる名曲、「知るや君」。この曲が音楽教科書に載り、作曲のサキタハヂメが毎月のお米代を終生もらってもいいくらいの曲だと思う。ノエ(熊本野映)さんの歌も素晴らしい。



④いっしょにいるから
弱い心と体を持ち才能はあるがなかなか日の当たらない(ように見える)テツローを、お日様のようにつよく照らし、その温かさを知るノエ。JPOP は「あなたを信じてるそばにいる待っている」てな、いわば無条件サポートを謳う保証書みたいな歌ばっかりですが、この歌にはそれらとは違う、人という字は支え合ってるのだという普遍的な善美があります。メンバー間でボーカルを回していくというクラシックなことをしてくれる二番にもほんとに泣ける。ここでもベース ACKO 氏の声が突き抜けている。



⑤うた時計
御大ムッシュかまやつもくるみ割りソルジャーとなり登場。このコードとメロディの豊かさよ。この曲のアニメ版は3分で地球の歴史が学べておおおと勉強になるんだよね。どこかに残っていないものか。というわけで、後世になんとか伝えたいすばらしいコンサートでした。

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■11/01/13(木) □ アジアカップ・ネット観戦
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 ネットで日本シリア戦がライブで見られた。ありがたい。見たのは後半だけだが、シリアが予想以上にいいサッカーをやってるなあという感じ。中東はどこも昔から日本より足技はうまいわけだが、その技巧とチーム全体のマネージメント力が釣り合ってきたのだろう。攻撃に人数をかけているし、守りも前から仕掛けているので日本がそうそう自由にはプレイできない。日本の失点シーンでも相手の詰めがあったからミスが連鎖したのだ。

 日本は格上サッカーをやっており、結果も幸いそうなったのだが、本田、香川あたりがもうチト「モノが違う」プレイをしてくれないと今後も点はなかなか入らないだろう。この試合ではどちらもJリーグの普通のうまい選手としか見えなかった。とりあえずWCでのイタリーのように、苦しみながら勝ち進み調子を上げてくだされ。

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■11/01/17(月) □ 岡崎はえらい
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 【日本-サウジ】セカンドハーフに間に合うよう6時に起きると、なんとすでに3点入っていた。岡崎が裏に抜けてループ、ニアに飛び込んで完璧なダイビングヘッド。前田がクロスに合わせ3点目。非常にイージーなゲームのようである。柏木が入っているらしい。本田を休めているのかな。

 後半早々伊野波のクロスから前田が2点目。内田がイエローをもらったから次の試合に慣らすために伊野波を出したとのことで、その彼がさっそくアシストなんだから日本にはツキもある。

 サウジがやけになってラフなプレイをすることはなく、プレスはゆるくなっている。サウジってこれだからWCでいつも大敗するんだよな。日本にとっては相手のボールをしっかりと奪い攻撃というちょうどいい練習になっている感じ。香川が相変わらずJリーグレベルなのを除けば磐石の日本であるようだ。まあJリーグレベルで国際マッチでも十分通用するんだけど。吉田に換えて岩政、ザッケローニはジーコや岡田監督と違って合理的にサブを使ってくれていいなあ。このあと李にもチャンスが与えられるだろう。

 日本は柏木がズバっと意外性のあるスルーやミドルを狙うことが多い。カナダユースの時も思ったが前園みたいだ。ああいうファンタジスタな角度とタイミングのボール出しって中田俊輔が衰えて以来日本代表じゃ見てないので、どんどん狙い成功し代表に定着してもらいたい。

 岡崎ハット! 狭いところを前田とのコンビで通していきステップなしのトゥキックで撃ちぬく素晴らしいゴールだった。あれができれば移籍と噂のドイツでもどんどん点が取れるだろう。あんなシュートが打てるならどんな相手からだって点が取れる可能性があるよな。才気にあふれ器用な選手ではないのだが、一発で得点機に持ち込むことだけは死ぬほど反復してやってるのだろう。えらいえらい。

 ありがたやありがたやの5-0勝利。早起きの必要もないほどゆるい後半だったが、ダイジェストじゃ見られないだろう柏木のひらめきを何度も見ることができたので満足である。

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