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■11/01/19(水) □ 過ぎ去っていく子供らの子供時代
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萌の前の学校の友達ALがカルガリーに引っ越すことになり、サヨナラの手紙と写真を渡しに行く。転校で会う機会が減って以来2人のフレンドシップはトーンダウンしてしまい、永の別れとなるであろうこの引越しに関しても萌はセンチメンタルなところがあまりない。こないだ遊んだ帰り際に「じゃカルガリーで元気でね」とえらいあっさりと別れを告げたので、それだけじゃALがなんか気の毒だと俺が思い、萌に手紙を書かせ、写真を選んでプリントしてあげたのだ。
実際2人よりも俺のほうがはるかにセンチメンタルになっており、去年の夏の写真をプリントしながらしんみりとしてしまい、「あの海に行った日は、去年の最良の夏の日だったよ」とAL少年にメールを書いてしまった。子供ってまったくアッサリしてるよ。親がこんなことにセンチになるのはたぶん、過ぎ去っていく子供らの子供時代に対して、本人たちよりも惜別の情が強いからなのだろう。
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■11/01/20(木) □ カタンを習う
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カルカソンヌに死ぬほどハマり4ヶ月、依然まったく飽きていないが他のボードゲームもやりたくなり、ボードゲームの歴史を変えたという名作カタンのオンライン・チュートリアルをやってみた。「何もない緑は丘→羊毛が取れる、→木と土と麦と羊で町が作れる」といった、リファレンスがないと覚えられないタイプのルールだらけで難しい。説明書抜きで誰でも分かるカルカソンヌは偉大だ。
2日で7~8回のデモゲームをし、あちこちでヒントを読んでようやくコツが飲み込めてきた。確率的に着実にポイントが出る土地を抑え、そこの町を拡大して毎ターン入ってくる資源を最大化し、トレードを活用して開発を波に乗せるのである。このベーシックな段取りが掴め、最後のゲームは計画通りに開発が進み「こうしてうまくいくとたしかに楽しいな」と思っていたのだが、突然敵が何かカードを引いて勝利。得点カードを引いたらしい。へえ(嘆息)。他のユーザーも言っているが、「カードを引いて点が入り終了」というのは実にしらける。
【カタンの感想】資源セットアップがうまくいくと面白く、そうでないとつまらない。選択や運が悪く資源の役が揃わないときに、せめて枚数をためて何がしかの有効利用に使うという道があればいいのに、8枚以上は盗賊に持っていかれる「バースト」ルールのせいでコツコツためることすらできないのが腹立たしい。いい位置を取り正しく資源計画を立てほしいサイコロの目を出し資源を常に無駄なく使いきり増築していく者だけが幸せになれる、スイートスポットがえらい狭いルールだと感じるのだ。むろんナイトで勝つとか生産で勝つとかいくつかの勝利の道筋はあるのだろうが、整然たる計画を立てうまく行った人にしかこれは面白くないだろう。
それに毎回最長ロードや最多アーミーで唐突に勝ちが決まりばっさりとゲームが終わるのもつらい。俺だって劣勢にせよいろいろ考えて仕込んでいるわけで、ちょっともう少し遊ばせてくれよと言いたくなる。終了後にボーナス&精算ポイントが入るわけじゃないから逆転の余地はまったくない。制作物の総合的な「出来栄え」で勝負がつくほうがクリエイティブで楽しいはずで、早いもの勝ちというのはゲームの終わり方として最も味気ない。
全体的にせせこましく幾何学的なゲーム盤の見た目通りの、カツカツして遊びの広がりが感じられないゲームだった。もっとゆるやかに広く美しい地形で豪勢に資源を掘り出し、自分の陣地を拡げていくという爽快なゲームがやりたい。
しかしカタンにあるこの「生産・取り引き」というシステムは実に楽しく、ドラクエでRPGを初めてやったときのようなときめきがある。面白い生産ゲームをぜひともやりたいなあと思う。探してみよう。
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■11/01/21(金) □ カタール戦
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【カタール・日本】6時に起き後半から見る。カタールの堅守に日本が攻めあぐねている感じ。カタールの前線アフリカ南米勢はみんな脚が強烈に速いので、日本の守備陣はファウルを取られ苦しんでいる。厚く守ってボールを飛ばせば前線がなんとかしてくれるので、カタールのほうがチャンスは多い。
香川は相変わらずボールが今ひとつ脚に吸いつかない状態だが、混戦からこぼれ球を香川が持ち出し左足で決める。よし。華麗ではなかったがあの落ち着きはさすが普段リーグで点を取りまくっているだけある。
長谷部が前にドリブルで持ち出したり、飛び出してボールを引き出そうと変化をつけている。キャプテンらしい働き。本田はなぜか中盤にいるストライカーといった感じのプレイで、後ろ向きでボールを受けポストプレイばかりしている。シュートに持ち込めない中距離でポストなどしていても効果はない。ドリブラーがいないのだからトップ下はもっと早くボールを散らさないとチャンスは作れないだろう。パッサーとしてひらめきを見せていた柏木を出してほしい。
残り 10 分、日本がボールキープできず相手のCKが増えてきて、負けるとは思わないがこのままではもう1点取れる気もしないと思っていると、長谷部の高速スルーを香川がぎりぎりコントロールして持ち出し倒され、伊野波がこぼれ球を決める。あのスルーを出した長谷部もそのボールを失わずあそこまで持ち出した香川もえらかった。素晴らしい。
というわけで、やれやれの辛勝。日本は勝ったもののトップフォームとはとても言いがたい。香川はなんでブンデスで点をボカスカ取ってるのかわかるプレイを2回見せてくれたがまだまだ本領はこんなものじゃないだろうし、グレイトなのは長谷部だけだった。これで韓国には勝てんだろう。本田のポジションを変えるか、彼のプレイ選択を変えていかないと。
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■11/01/22(土) □ チケットトゥライド
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カタンでコンピュータ相手のボードゲームの気楽さを知ると、破壊型プレイヤーに会うこともままあり、いったん始まったらしばらくPC前から離れられない BSW でのオンライン・カルカソンヌ対戦を重く感じるようになる。カタン以外にもなにかソロプレイができるボードゲームはないものかと探してみる。と、なんとほしかった最強初心者向けゲーム「チケットトゥライド」のデモが見つかった。やっ・た。ルールを読みながらやってみよう。
デモでやれる3ゲームを終了。1戦目はルールがわからず何度も中断してルールを確認し、2戦目で要領がわかってロボット相手に2位となった。面白い。敵が自分に近い路線に来ていると、先に取られたらつなげなくなるぜと焦る。欲しいカードを取りたいが、あの路線を今取らないとヤバいというジレンマがある。取れなかった路線を回してつないでいくあたりはなんとも楽しい。
しかしルールが「これだけ?」ちゅうくらいシンプルなゲームで、楽しいけれどえらいあっさりしているなと思う。なにかメインの路線接続以外の得点法はないのかな(※)。まあカルカソンヌも最初は対戦プレイヤーとの絡み方や草原がわからず肩すかし感があり、そこが分かってからとめどもない熱狂が始まったので、チケライも慣れて相手と路線を奪い合うようになればもっと盛り上がるのだろう。
(※)調べてみると3の「メルクリン」は乗客ルールというものがあり、それで 30 点どーんと取れることがあるらしい。それがカルカソンヌの「草原ルール」に相当するサブ得点法だな。
続いて同じくデモの【チケットトゥライド・ヨーロッパ】。1の北米大陸よりも路線が密集したマップ、トンネルルールがやや面倒。せせこましいので、人にワルシャワ線を取られたらもうベルリン→モスクワがつなげなくなってしまった。それくらい狭い。
しかしあとから「駅舎」をつかえばあの取られたワルシャワ線を自分の線路とカウントしていいのだと知り、それを使って2駅をつなぎ2戦目はポルトガルからストックホルムへの21点最長距離を見事接続した。気持ちイー。しかしこの「駅舎」は自分でつないだわけじゃないのでややチートっぽい気もする。これが1個ならまだしも、3個もあるんじゃどんな路線だって人の線路でつなげてしまうではないか(※)。
(※)Takkun 氏の評によれば、実際のボードでは単に駅舎コマを使わなければよく、このバージョンは最高とのこと。なるほど。
USA と比較すると、追加ルールがなく広々した1のほうが楽しいかな。しかしデモだけでは甲乙付けがたい。どちらも文句なく楽しいけれど、やはり今俺はもう少しいろんなことがやれる生産系のゲームをやりたいな。
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■11/01/25(火) □ アジアサッカーのショーケース
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朝5時半から【日韓戦】。序盤は日本が速く短いパスをつなぎ攻める。プレスも速い。韓国は中2日でやや疲れが残っているのかもしれないが、日本の動きが前の4試合より明らかにいい。
12 分、韓国も反撃。長谷部がパクとばちばちやり合っている。韓国はいつ戦っても「やっぱり強いなあ」と思わせるものがある。現チームでは日本のほうがタレントが揃っていると感じるが。
遠藤がワンタッチで完璧なスルー、長友のクロスに岡崎のヘッドがゴールポストでぎりぎり止まる! 素晴らしい攻撃だった。日本のパスの速さと正確性はWCより一段上がっている。これはいいぞ。
20 分:―――え! PK。ロングボールに競ってパクにショルダータックルした今野にPK。15 番が決める。この甘いマスクの 15 番が韓国の新エースなんだろうか。しかし唐突で事故的な失点だが、時間はある。この試合は日本が明らかに支配している。技術に加えフィジカルコンディションで上回っている。パクも調子はよくなさそうだ。
そして本田→長友→前田のビューティフルゴール。これだけ強い相手にあれほど美しいゴールを決めたというのは、日本代表史上に残るようなシーンだろう。スルーを出した本田もそれを紙一重でつるはげチャドゥリの裏で受け全速のままコントロールした長友も、ただ者ではないことを示すゴラッソなプレイだった。それこそ全盛期の中田英寿に匹敵するワールドクラスな2人である。香川もついに本領を発揮しており、ボールタッチが素晴らしい。この3人がフル稼働したら、これは強いわ日本。
前半終了。素晴らしい。本田香川長友内田となぜ騒がれるのかよくわかる強さ巧さとクレバーさ、岡崎前田遠藤は J リーグのレベルを示す速さと巧さ、まさに日本サッカーのショーケース。前の4試合とは段違いだ。しかし韓国も出だしの重さが取れるとやはり強い。アジアサッカーのショーケースといえる試合になっている。
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しかし前半飛ばしすぎたのか韓国が戦術的に対応してきたのか、後半はガラっと趨勢が変わってしまった。日本がまったく攻められない。韓国もアクシデント的にしかチャンスを作れないけれど、それを危険に結びつける力は十分にあるので怖い。この審判も怖い。
後半60分:韓国が2人でごりごりと突破しシュート。代表歴の少ない岩政あたりは、あそこまで倒れず前に進み打ち切る相手とはあまりやったこともないかもしれない。すごい経験である。65 分、往時の中田ヒデを思わせる本田の絶品なトラップ、しかしそれに振り切られずついていてシュートを打たせなかった韓国 DF もたいしたものである。
韓国のパスワークにも素晴らしいものがある。前半見せた日本のワンタッチパスは昔の小野のワールドユースチーム並みに美しく、韓国にはああいうサッカーはできないが、個人が個で持ちこたえここしかないというところに乾坤一擲のパスを送るという韓国のサッカーもほんとにさすがである。魂を感じる。
延長5分:岡崎はまだ走っている。―――PK! えー。まあいいけど(笑)。やっぱ一番疲れてない細貝が一番最初に追いついた。
延長後半、岡崎はまだ走っている(笑)。残り10分、韓国は放り込みを開始。そしてうわ、来た。やっぱいつもの諦めない韓国。うーむ。
しかし川口同様頭脳はどうかと思うが PK 戦には無茶強そうだという国民の期待に応え、川島が止めてくれ試合終了。よし! いつもいつも勝てそうで勝てなかった韓国に勝て、無茶苦茶気分がいい。
というわけで、今日の前半は素晴らしかった。素晴らしすぎた。あんな素晴らしい=神経が張り詰めるような絶妙なダイレクトパスサッカーを後半まで維持できるのかなと思ったら、やっぱり全然できなかった。決勝ではあの前半の9割程度を前後半通じて出せれば、もう楽勝だと思われます。ウシシ :-)。
こんばんは、ぐんまです。
返信削除こちらでは初めまして。
娘さんの出来事や、サッカーの分析などとても読み応えのある日記ですが、やはりボードゲームについてコメントさせていただきます。
カタンは私も何度かプレイしたことがありますが、ルールの敷居の高さや、賽の目でどうしようもなくなるドライな部分は仰るとおりで、よくドイツでファミリーゲームとしてヒットしたなぁ、と思います。
各プレイヤーが慣れてきて、トップ目を止めるために、共同して最長ロードや最多アーミーを奪い合う駆け引きが出るようになると面白くなってくるのですが(CPU相手では無理ですが)、どちらかと言うと有限のパイを奪い合っている感覚で、拡大開発の爽快感ではないかもしれませんね。
開発ゲームの名作としてはプエルトリコ(カードゲームならサンファン)などが挙げられますが、建物の特殊効果を覚えるのが難しく、そのような意味でも直感的に楽しめるカルカソンヌは偉大だと感じます。
チケットトゥライドの本作が気に入ったのであれば、メルクリンはオススメなので、ぜひ一度遊んでみてください。
少人数ならスイスや北欧版も面白いですよ。
>ぐんま様
返信削除実はサンファンのソロプレイ用PCプログラムをその後見つけまして、ルールを学び楽しんでおります。これは私の生産開発をやりたいという望みにかなり合致しており、面白い。しかしゲームが短い (^-^;。よおし生産体制が整ったぞ、これからガポガポ稼いで建物を建てるぞと思う頃には12件建ちゲームが終了してしまいます。そこはやはり手軽なカードゲームゆえであり、もっとやりたかったら本家プエルトリコに行くしかないのでしょうか。しかしルールが実に難しいなーあれは。