2014/05/23

日記「鉄道写真修業」

「ツイッターは難しい」「娘が嫁いだ朝のように」「ティーン旅行記」「大久保と憲剛」「W杯代表発表」「娘ハードロック化計画」「謙虚な本田が好ましい」

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■14/05/01(木) □ ツイッターは難しい
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 ツイッターでジェンダー系の主張が強い人にブロックされてしまった。ブロックされた日の彼女の発言から見て、「ナウシカの胸が年齢不相応に大きいと妻に指摘された、知らんて(笑)」と俺が軽口を叩いたところがロリコン肯定派と認定されたらしい。ポリティカリーコレクトなツイーターは気難しい。あの方が毎日大量に流していたフェミニズム RT はダウナー(気がふさぐ)だったので、アンフォロー自体はいいのだけども。

 俺は女性人権論者の意見には賛同するが、毎日その説教を読みたくはない。ツイッター上の正しい主張は、主張を聞くべき側よりもすでにそれに賛同している側に重点的に届くという難しさがある。

 ブロックされたのは俺が知る限りこれで二度目で、この人はまあいいんだけど朝ドラ関連のあるシャープな人にそうされたのはショックであった。アンフォローは発言に興味がなくなったということで致し方ないが、ブロックはお前のような愚物に自分のつぶやきを読まれるのも嫌だということだからなあ。「ごちそうさん」の杏さんの役に魅力を感じられないと俺が書いたからだろうか。それ以外に思い当たるフシがない。書かなきゃ誰も気分を害さないことをどうしても書いてしまうところがつぶやきたるところで、ツイッターは難しい。

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■14/05/03(土) □ 娘が嫁いだ朝のように
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 今日から萌はモントリオール・ケベックシティへ修学旅行。昨夜は荷造りが間に合わず夜遅くなり、こうなるのが嫌だから先週から荷造りしろしろと言い続けただろうと俺が叱り萌が泣き、阿鼻叫喚であった。やれやれ。

 写真をたくさん撮ってこい、お母さんに電話しろと空港で萌を降ろし、娘が長期留守となって落ち込んだMと帰る。

 カメラは俺の Pen E-PM1 を持たせる予定だったのだが、電池管理とレンズ操作が面倒だなと直前に考え直し、ポケットに入り扱いが簡単丈夫で USB 充電できるという強みがある防水コンデジ の TG-630 を持っていかせた。子供は友達と盛り上がるために行くのであって、写真を撮るのがメイン目的じゃないんだしな。

 Mは娘が嫁いだ朝レベルのダウナーで、寂しさをゼルダのザコ敵に叩きつけている。俺はそこまでじゃないが、「ああ萌がいないからこれ買っても食べきれないな」とスーパーで買い出しをセーブしている。子供が家を出た老夫婦寂しいなあ侘しいなあと思った(寂笑)。

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■14/05/05(月) □ ティーン旅行記
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修学旅行のケベックホテルの PC を借りて、萌がメールをくれた。これはちょっとは親の恩に報いろと学校側が義務化してるのだが(笑)、PC 割り当てのわずかな時間で2ページも書いてきた。しかも生き生きして旅行記としてすごく面白い。

「モントリオール最高! いやほんとは最初のホテル周辺は最低に退屈な景色でなにこれって思ったんだけど、翌日行った旧市街からはもうラブ最高! 完全にヨーロッパ!」

 みたいな調子でぶっ飛ばしている。さすがテキストチャット世代で、書くネタさえあれば光速のコミュニケーション能力だなー。

 萌の作文はいつもうまいのだけども、借りてきたスタイルを縦横無尽に使いこなす技術志向がちょっとなアレだなと俺はいつも思っていた。しかし赤毛のアンのごとき言葉の奔流となったこのメールには胸を打たれた。やっぱ役者もバンドも人前でやらんと本領が出ないように、ライターも旅をしないとね。

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■14/05/09(金) □ 大久保と憲剛
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 【川崎-鹿島】今年初めて川崎戦を見れた。やはり大久保はモノが違うな。身体の強さ速さ、判断の速さと敵を制する意思の強さ、ボールを止め運ぶうまさとシュート力。J リーグに置いてマルキーニョスと双璧のミッドサイズ万能型である。大久保が海外と代表でその力に見合う正当なチャンスを与えられていないのはまことに謎だ。

 川崎がパスでじっくりじっくりと崩し、小林がマークを引き剥がす見事なトラップから追加点、2-1。鹿島も立派に戦っており、無駄球がまったくない大変に面白い試合である。ACL も戦っている川崎が疲れるかと心配したが鹿島の脚も順調に止まっており、川崎のパス回しがいまは上回っている。



 大久保は実際超連戦で明らかに疲れており、後半左サイドボックス内でボールを受け、可能性が低い位置からあっさり打ってしまうシーンがあった。試合はリードしてるんだし普通の状況ならばこのシーンで大久保には交代を入れる頃合いだが、代表発表前最後の試合。ここで点を取らせて大久保を代表に送りたいというチームの思いがひしひしと感じられる大久保や川崎のためにではなく、日本のために。

 あ本山だ! なつかしいなあ。もう30も大きく超えているが、トップ下に入るとしゅぱーっと突破を試み攻撃を活性化する。スタミナ面がわからないが、スピードとスキルはまだ全然やれるじゃん。―――おおお大久保、来た! 完全に脚が止まりもうここまでかという空気が漂っていても、カウンターからフリーでボールを受けると迷わず突き進み、冷静に GK を操り逆を取り流し込む。これだけ疲れていてもこうして点が取れるということですよこの男。ザック監督!

 大久保さらに2点目! W杯の延長戦で、双方ヘロヘロの中大久保がこういう仕事をするのが目に浮かぶではないか。過酷状況下でも一瞬の加速と読みで相手を手球に取れるのはアシストした憲剛も同様で、この2人のベテランは極限状態でも集中力の高さで素晴らしい働きができることをこの試合証明している。この2人の才能を日本は連れて行かないんですかブラジルに。ザック監督!

 インタビュアーに「代表でもあんなアシストが見たい」と言われ、憲剛はニヤリと相好を崩す。選んでくれたらもちろんやれるさと思ってるんだろうなあ :-)。本田より憲剛のほうが調子がいいのは明らかである。それも大幅に。

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■14/05/10(土) □ 修学旅行写真
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 萌が帰宅する。短い旅だったなあ。まあ修学旅行は短い中にイベントが詰め込まれているから思い出は深いだろうが。ハイになってたあの手紙や電話でのキーが高い声を聞いてたときはこちらも盛り上がったが、帰るとやはりいつものダルそうなティーンであった。

写真は500枚撮ってきた。やっぱコンパクトカメラっていいな。どこでも取り出し瞬間を躊躇なく捉えられる。だから枚数を撮りまくれる。失敗しても構わない。いいのがあればうれしい。うちのは防水なので雨の中でも全然大丈夫。楽しそうだよ修学旅行。 だいたい5枚に1枚がセルフィー(自画撮り)なんだから、一眼なんか持ってたら足手まといで大変だったろう。

 この修学旅行写真をパラパラ眺めていると、この利便性で画質があともう一歩よければなあとと思う。フォーカスも手ブレも問題なく撮れているのだが、1/2.3 1200 万画素はほんとバカバカしいほど細部が潰れている。レンズはちゃんと解像してるのに画素のところで潰れているわけだから、画素数をこの半分にしとけばよかろうに、なんでそうしないんだろうカメラメーカーは。

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■14/05/11(日) □ W杯代表発表
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 「本田トップ下も前半で交代・ミラン首脳が不満」と聞いてアタランタ戦タッチ集を見ると、いい位置でボールをもらってもすぐに詰められ持ち上がることも前に出すこともできず、後ろに戻すかプレイを切られるかの繰り返し。ボールコントロールが遅く判断にひらめきがなく、前にボールを進めることができない。

 周りが本田のイメージで動いてないのはあるだろうが、しかしミランの選手ならば自らボールを持ち動いて敵を翻弄し、コースを作って攻撃につなぐのを期待されているだろう。これまで見たミランの数試合では右ハーフだったので苦手ポジションをやるハンデを感じたけれども、真ん中でもこんなもんだったのか。これは文句を言われるのも当然である。プレイスピードが遅すぎる。

 06年W杯直前にボルトンの中田を見て、ドリブルで自分がボールを持って動けずつなぎのパスしか通せない中田はもう普通の一流MFでしかないなと寂しく感じたのだが、今のミランの本田は当時の中田と同じだな。

 今日W杯代表が発表になるが、憲剛が呼ばれずコンフェデ杯同様本田のコンディションと心中コースならば、日本のW杯は望みなしだと思う。



 【代表メンバー発表】はライブで見れた。「多くのメンバーはアジア杯から一緒にやっている」とザックの前置きにあったように(――その時点でワクワク感は消えた――)、予定外は大久保1人だけ。つまりこれまでと同じサッカーをやっていくということだろう。怪我人が回復してコンディションが上がり、調子の悪い選手が復調するのを待つことが最重要な大会準備となるわけである。準備というより神頼みという感がある。

 ザックが大久保をついに呼んだのが、本田が期待したレベルに戻らない場合を想定してのことと思いたい。希望はそれだけだ。ため息。あれほどキレキレの憲剛を代表で見れずに終わるのかと、俺はめちゃくちゃ落ち込んでいる。

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■14/05/19(月) □ 娘ハードロック化計画
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 最近萌が車の中でかけるオルタネイティヴロックに飽き飽きしているのだが、どこかで耳にした「カシミール」に興味を持ったらしいのでこれ幸いと Zep を5~6曲みつくろって iPod に入れようとしたら、自分で Youtube で聞くからいいと言われた。「それにいらないのまで入れられるから」。バレている。

 萌中3がいま聴いてるノイズ多めの米英加ロックは、オルタネイティヴ(代替的)ロックとはよく言ったもので、いいコードやメロディやカッコいい楽器演奏といった旧来ロックのおいしがり部分は切り捨て、強度つまみだけをぐいっと上げた作りになっている。なぜそうしているのかは俺にはわからない。そこは世代の違いとしか言いようがない

 俺にとってはおいしいところが少なく物足りない音なのだが、音楽においてインテンシティ成分が最重要な年頃なんだろう。好きな Perfume の音も強度が高いしな。そういうキツイ音を聞きながら iPod で友達とテキストしたり宿題するというのが、彼女の音楽消費スタイル。

 今日は転送拒否に遭ったが Zep を入れてやれば、強度的には彼女の耳にも響くと思う。強度がほしいならハードロックを聴いてくれ。「カシミール」の他に今日選んだ曲は「ブラックドッグ」「ロックンロール」「アキレス・ラストスタンド」など。あと強度を上げるためパープル「バーン」とクリムゾン「21世紀の精神異常者」も選んどいた(笑)。パープルなんて中学以来初めて聴いた気がするがやっぱカッコ良かった。

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■14/05/19(月) □ 謙虚な本田が好ましい
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 本田の今日のインタビューが良かった。コンディションはいいのだそうだ。しかし「やはり個では個にトライしてきても、たった4年間では通用しない…そこで競争する必要がないのかなっていう風に思うようになってきました」と言っている。

 去年本田は「全員が個の力を上げないとW杯で勝てない」と観念的なことを言っていたが(――だってそこを上げるのが一番難しいから日本は得意の組織で戦ってるのではないか――)、ミランでホラ個の力で勝負してこいとボールを渡されて、「そこで何かを起こすことが、できなくてつぶされての 4 か月半です」と自分の力を謙虚に認識していた。

 ワールドレベルでは個の力だけでは難しいと彼が身にしみて感じたというのは、これは好ましいことである。香川はマン U 加入後のコンフェデではすでに懐深くボールをキープし、『相手を抜けないが、取られることは絶対にない』プレイを選択して動き効いていた。本田は逆に今の『取られることはないが、攻撃スピードが落ちる』プレイから脱却する方法を模索すればいいのだ。

 もとから本田や香川がバロテッリのレベルになってくれとは誰も思っていない。ただ日本代表がグループとしてならば、イタリー代表を倒す可能性があるわけである。自分の力を認識した本田は代表で前以上に周りを活かすというか、周りの力に頼る MF になってくれるかもしれないと、これを読んで思った。

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■14/05/20(火) □ 鉄道写真修業
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 【鉄道写真】ばば様を駅でドロップし、いつも素通りする貨物列車ターミナルの陸橋たもとに車を止め、買い出しの前に鉄道を撮ってみた。しかし鉄道写真って撮り方がわからない(笑)。レールのこのR(曲がり具合)なんかステキですよね。それは俺にもわかるので撮ってみる。

 陸橋は金網があって列車自体はうまく撮れなかった。しかし徒歩で上がってみて初めて知ったのだが、駅構内にたくさんのカナディアンギース(でかく凶暴なガチョウ)が住んでいる。水もない砂利場になぜ? 中学校庭にはカモメが大量に住んでるんだよな。鳥住謎(※貨車からこぼれた穀物を食べに来ているに決まっているではないですか! by タマコー氏)。

 こうして撮ってみると俺は列車自体より「トレインのある風景」を撮りたくなるので、意外と望遠側は使わないな。最長で 60mm 程度。150mm なんか必要なかったかなあとこの頃感じる。80mm くらいまでなら低速シャッタースピード時にブレに悩むこともなかったろうしなあと思う(俺の E-PM1 は 150mm だとブレやすい)。まあ望遠でのブレと狭い画角に悩むとは使ってみるまでわからなかったのだから仕方ないのだが。



自分で撮った線路写真を眺めていて、線路付近を切り抜いてみたらRが際立ちズシっと迫力が出た。―――そうか。わかったぞ。俺は線路がいいと思ってこの写真を撮ったのだから、グッとズームし線路を強調する構図を考えればよかったのだ。62mm の 130% 増し、80mm あたりで。それを現場でイメージできないのがビギナーで、小さなモニターではうまく切り取れないのがミラーレスなわけだが。

 LD 家周辺路地散歩時のぱっとしない写真も、「40mm じゃ撮りたいものに近すぎる」と感じながら撮っていたわけだが、標準 14~19mm とは撮るものを探す目を切り替えるべきなんだろうな。標準レンズ的な目で見た景色の広がりを望遠で撮ろうとするとただ画角が狭く、写したいものが全部収まらない写真ができる。その景色の中から主題を切り抜いて写せばいいのだ。それがズームレンズの使い方なんだ。このコンバートが頭のなかですっとできるよう考えていこう。

 あとから切り抜きとはいえこの1枚が撮れたのはうれしい。よく見るとはるか彼方で工事をしてる人足もちゃんと写っている。レンズの解像はバッチリだったんだな。やはりこのレンズは力がある。

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 移動車内で萌ハードロック化作戦決行。

「ブラックドッグ」無反応
「バーン」無反応
「21世紀の精神異常者」無反応

 血も凍る沈黙、まさにスターレス・アンド・バイブルブラック。親が聞かせる音楽は全部耳からこぼれ落ちるバイパスが通ってるのかもしれない。

2014/05/15

【カメラ日記】望遠でブレない設定探し



薪を売る民家。裏庭に重機が置かれている。

前後吹き抜けの自動車工場、向こうに見える
ラーメン屋にはいつか行ってみねばなるまい。

交差点で見たカッコいい自転車女子。顔が
隠れて残念だが、よその人なのに顔をはっきり
写してしまっては申し訳ないのでそれもよし。
今日は車をオイル交換に持って行き、待つ間あたりを散歩して写真を撮った。MZ40-150mm を買って以来望遠側の手ブレ(手ブレ補正の弱さ)に悩んでいたのだが、望遠にしたときによく使う 1/160s が特にブレやすいので、その明るさでは 1/180s になるようにカメラを設定したのである。これで適当にバシバシ撮りテスト。

 結果として、やはりブレがほとんど出ない。40 枚撮ってブレは1枚しかなかった。望遠側も安定している。やっぱ俺のカメラ+このレンズでは 1/160s だとなにか共振が起こり(1/〔40 の倍数〕秒が不安定な感じ)、それがブレの原因なのだと思われる。

 共振が出にくい設定が見つかり、これでようやく手ブレに気を使わずにガンガンと撮れるようになって、気軽にまわりを見渡し撮り歩く。好きなモノクロもひと月ぶりにオン。建物ぐらいしか撮るものはないが。自動車工場を抜けて見える向こうの風景とか、望遠レンズで撮って面白いものが俺にも見えるようになってきたかな。ガレージの向こうのあのラーメン屋は実は通りの反対側なのでかなり遠いのだが、望遠レンズ効果ですぐそこにあるように見えて面白い。

 もうこれで手ブレテストは必要ない。家にいる間は SIGMA 19mm に戻し、MZ40-150mm は外出時に楽しもう。



 W杯代表に憲剛が選ばれず、俺は落ち込んでいる。今の本田香川がやる1-2ばかりの遅いパスサッカーはつまらないのだ。高速ショートパスでプレスを交わす力は世界一流レベルにあると思うが、交わしているだけで FW がシュートに持ち込めるボールが一向に出てこないのだから。

2014/05/04

日記「中学演劇シンデレラ」

「信号待ちカメラマン」「日本語音読問題」「手ぶれは連写するしかない」「気軽に外食したい」

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■14/04/14(月) □ 信号待ちカメラマン
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信号待ちの目に飛び込んでくるカナダの春

クルミを見つけ割る場所を探すカラス

近くの草花の質感はやはりSIGMA単焦点に
負けるが、これはいいデキ。背景ボケは上回る
手持ちのマイクロフォーサーズレンズが標準 MZ14-42mm、SIGMA 19mm、MZ40-150mm の3つとなり、出かけるときにどのレンズをつけるか悩ましい。これまではずっと 19mm をつけっぱなしだったが、車の中から外を見たくらいの距離感のものを撮るには換算 38mm ではやはり短い。SIGMA の写りにはいつも惚れ惚れさせられるが、どれほどきれいに撮れていても広角レンズでは、目で見た大きさは写真から感じ取れないわけである

 望遠レンズの喜びは目で見てきれいだなと思ったものを、見たままの迫力で PC モニター上に再現できることだ。標準 MZ の望遠端換算 84mm では目で見るよりもやや小さくしか撮れないが、40-150mm の 70mm(換算 140mm)くらいになるとビジュアルセンセーションをモニター上に再現できる。車の窓から見てきれいだなと思った木の緑を撮ると、葉っぱの一枚一枚まで解像している。気持ちいい。こういう写真を撮れるので、退屈な家族送迎時の信号待ちが楽しくなった。春なので毎日色が違う、信号脇の緑たち。



 しかし散歩時に路地で見つけた桜のきれいな交差点の景色を撮ろうとしたら、ワイド端 40mm では全然画角が足りず木の一部しか撮れなかった。山を背景にした家を撮ると家しか写らない。湖面に写る木陰を写すと木そのものが写らない。どれも「どこの何であるのか」という情報がごそっと抜け落ちて、意図不明でジェネリックな写真になってしまうのである。一般的にきれいな桜。一般的な民家などなど。かようにレンズの大は小を兼ねないので、やっぱり短いレンズも持って歩かないとならんか。うーん。

 というわけで 14-90(換算 28-160)mm くらいのもう少し小ぶりなレンズがあれば完璧に便利なのだが、オリンパスもパナもそういうレンズは作ってないので、なにか光学的に難しいレンジなんだろうな。オリンパスの 14-150mm ならば同サイズでワイドをカバーするが、値段がなんと4倍の600ドル級で、望遠側は 40-150mm よりも弱いそうなのだ。望遠レンズって作るのがよほど難しいのだろう。

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 朝ドラ【花子とアン】は、面白いが端々が気になって仕方がない。あの校長だって、国に帰りなさいというときにあんな「ゴオォォォォホオォォォオム!」なんていくら昔の偏屈校長でも言わぬと思う。ああいう芝居をつけられ、外国人役者陣はこれが日本のドラマかと呆れてるだろうなと余計な心配をしてしまう。

 うちの娘が日本のドラマを見ないのはああいう不自然な演技やベタな展開があるからで、米カ人は前思春期にはそういう作為的でワザワザでトカトントンなものをよくも悪くも受け付けなくなる。映画「ロストイントランスレーション」の主人公が最初日本に超違和感を示すのもそういうところ。

 まあ映画「ロストイン~」はそういう「日本」に主人公が折り合っていくところが実にリアルでイイんだけど。朝ドラはお年寄りなどがわかりやすくするために特にそういうベタな傾向が強いらしいが、「カーネーション」「あまちゃん」がわかりにくいと批判されたわけでもなかろうにと思う。

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■14/04/22(火) □ 日本語音読問題
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 学校帰りに萌が俺の背がアジア人としては高いとか友達と話した云々と久しぶりに日本語で機嫌よく話し、するといつもの英語口調とあまりにトーンが違い幼く感じられ、俺のほうが居心地が悪かった(笑)。小学生以降日本語は進歩してないんだもんな。生意気盛りな自分のメンタリティにマッチした喋り方ができないから萌は日本語を(より一層)使わないのかもしれないと気がついた。

 萌のいまの英語口調は虚勢不遜成分が多すぎてまったく好かんが(みんなあんな口調で喋ってるんだろうから、カナダ中学性はある意味幼い)、歳相応の日本語が話せるようにはしてやらんとなあと思う。その参考になればと日英とも若々しくもマイルドな喋り方をするバイリンガルニュースを聞かせていたのだが(※)、やっぱ普段日本語を話す友達がいないと身につくわけもない。
(※)この番組に登場する日本育ちのバイリンガル女子はみな、カナダのティーンと比べとにかく声が澄んでいてきれいなのだ。たとえ学校はインターナショナルスクールでも、低い威圧的な女声がまったく好まれない日本の社会に住んでいるからだと思う。

 バイリンガルニュースを使った日本語リスニングと語彙学習はちゃんと成果が上がっていたのだが、日本語学習で口を動かす練習にはやはり音読しかないのだろう。しかし教科書などいまさら読む気はしないし、面白い本は学習者の語彙力ではまともに読めないというジレンマがある。なんかないかなー、会話主体でふさわしいテキストが。

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■14/04/23(水) □ 手ぶれは連写するしかない
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 俺の E-PM1+MZ40-150mm の望遠側はやはりブレやすいのだが、ネットで学んだコツ、

>     撮影の瞬間は息を止める
>     シャッターは押してすぐ離すのではなく、撮影がちゃんと完了するまで押したままにしておく
>     自分の持ち方を見なおす

 というこの【シャッターを押し切り戻さない】のが大事なのだとわかってきた。俺は知らず知らずにチョンと押してカメラを揺らしていたのである。シャッターを押す指でカメラ本体を抑え安定させるのだ。これでヒット率が大幅に上がった。

150mm 近辺はこれでも 1/200s ないとブレやすい。シャッタースピード優先で 1/200s にしてしまう手もあるが、それよりは連写で対処したほうが賢明なようである。秒間3枚撮れば1枚はヒットするし、必然的にシャッターを押したままになるので安定する。後から残す写真を選ぶのは手間だが、その分シャッターチャンス的にも単発より圧倒的に有利になる。いい瞬間が撮れやすいのだ。

 道の向かいであいあい傘のご夫婦を連写したこれはフォーカスもボケも完璧で嬉しくなる。こういう街写真が撮りたかったのだ。

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■14/04/29(火) □ 気軽に外食したい
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 郵便受けに入っていたファミリーレストランのチラシを見てここに行ったことないなと思い、というかカナダでファミレスって行ったことがないなと改めて思う。セブンイレブンと同じでファミレスというのは味の分からぬ貧乏人が行くところという扱いになってるので、いい年をした大人は行けないのだ。

 でいつもMにちゃんとした店に連れて行かれるが、そういう店はメニュー品数が限られてるので食いたいと強く思うものがたいてい見つからず、味はわざわざ言うほどのこともなく(どんな店にも5つ星をつけるカナダ人に比べたら、日本人の外食評価っぷりはみんな鬼である)、値段とチップは高い。というわけで俺はあまり外食をしたくならない。

 チップという仕組み自体が非合理的で、支払い総額×標準15%なので、高い店で団体が来たら1テーブル50ドルだってときにはもらえるだろう。注文を取り皿を持ってくるだけで。そして%なので安い店と高い店では同じ仕事でもらえるチップが異なる。これは労働条件として理不尽なことで、だから安い店ではウェイトレスの態度が悪くなりやすい。店員の愛想がいいなんてのはカナダじゃ当たり前のことなので(いい国だ)、はなから愛想よくをデフォルトにし、店が従業員にチップ分を支払うべきなのだ。

 逆に言えば西洋の飲食業は、ウェイトレスに支払うべき給料からチップ分を差し引いて支払っているわけである。バカバカしい。こんなんだから成功したレストランはオーナーが早くに引退して船を買い外遊に出かけ、定期的に味が変わるのである。

 ウェイトレスは感じがいいが味がめちゃくちゃまずかったり、空腹なのに異様に長く待たされた場合が難しい。不快でチップなど払う気がしない。しかしウェイトレスのせいではないのにダメージを食らうのは彼女となってしまう。まったくあらゆる角度からオーナーが守られた理不尽なシステムである。



 日本でそうしていたように、もっと気軽に飯を食いに行きたい。メニューを見れば○○セットいくらと事前にわかり、ウェイトレスに媚を売られチップ満額のプレッシャーをかけられることもなく、そしてお札1枚程度の定食でもちゃんとうまい日本の定食屋は世界最強だ。

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■14/04/30(水) □ 中学演劇シンデレラ
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萌の中学演劇、「シンデレラ(改)」を見てきた。想像の10倍よかった。萌の演技も演劇全体も素晴らしい。練習後萌が愚痴を言うほど演劇パッションを持ち指導が細かく長いという先生のおかげだろう、どの子も表情から指の先まで文句のつけようのない演技であった。

 キッズが受け持つ音響や照明の具合も完璧。「ハッシュタグ セルフィー(#自画撮り)」やら「YOLO(You Only Live Once→一度きりの人生だから楽しまなきゃ損)」といったティーンラングエッジが盛り込まれた脚本も適度にストーリーを端折っていて楽しい。ブラバンでは日本とカナダは高校生と小学生くらいのレベルの違いがあるが、演劇ではカナダ圧勝だな。



 人種がフルミックスなのもよかった。プリンスはスケートの高橋に似たアジア系少年だったが、彼はバレエをやってるそうで身のこなしや演技まで高橋みたいで完全にスタアであった。どうせかわいいホワイトがメインなんでしょお高いんでしょと俺自身が偏見を持っていたのだが、全然違ったすいません。そういう(バレエをやってて芝居がうまい)子がバカどもに冷やかされたりしないところが、多様性あるカナダの偉いところである。

 幕間にぴょんと出てきて「まあなんてことでしょう、かわいそうなシンデレラ! この子にいったい幸せな日々なんてやってくるのかしら? そんなことあなたたちも知らないわよね!」と客を煽り笑わせるストーリーテラーもアジアンガールで、この子がまた声の抑揚や表情に魅力ありまくりのハマリ役であった。この子の声の魅力を見出しこの役を与えた先生は眼力がある。

 シンデレラのママ母は異様に声がガラガラで太い子で、よくあんな意地悪ババアみたいな声が出るなスゴイ声帯模写力だと感服してたらあとで男子だと判明した。男だったのかよ! ならばそれはそれでおばさん仕草がすごい。こうしたぱっと見には目立たない生徒たちが、ステージに立ち動き喋ると耳目を集めずにおかない魅力を放つ。そういう演劇的マジックがステージ上で展開していた。まったく素晴らしいキャスティングとしか言いようがない。




背の高さが際立つムスメ。(Sigma 19mm)
萌は意地悪な義理のシスター1で、バカ殿系化粧をして不愉快極まる高笑いでシンデレラをいじめ抜いており、実にスバラシかった。そういえばあの動きを家でやってたなと思うさまざまな仕草をストーリーの中で見て、なるほどこういう場面の練習をしてたのかと今頃合点がいく。流れの中では家で見てるときの10倍良かったよ。俺もMも芝居なんてやったことがないが、萌に演技の才能があるとはね。

 コメディだったので俺はゲラゲラ笑いながら見てたのだが、笑うツボが他の人たちとちょっとずつズレてたらしく、萌やその友だちに聞こえていてステージ裏で「あれ萌のダッドでしょ」と笑われてたらしい。いいよそんなの。俺のウケ方のほうが他の人たちよりどこかセンスが優れていたよきっと :-)。