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■14/04/14(月) □ 信号待ちカメラマン
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手持ちのマイクロフォーサーズレンズが標準 MZ14-42mm、SIGMA 19mm、MZ40-150mm の3つとなり、出かけるときにどのレンズをつけるか悩ましい。これまではずっと 19mm をつけっぱなしだったが、車の中から外を見たくらいの距離感のものを撮るには換算 38mm ではやはり短い。SIGMA の写りにはいつも惚れ惚れさせられるが、どれほどきれいに撮れていても広角レンズでは、目で見た大きさは写真から感じ取れないわけである。
望遠レンズの喜びは目で見てきれいだなと思ったものを、見たままの迫力で PC モニター上に再現できることだ。標準 MZ の望遠端換算 84mm では目で見るよりもやや小さくしか撮れないが、40-150mm の 70mm(換算 140mm)くらいになるとビジュアルセンセーションをモニター上に再現できる。車の窓から見てきれいだなと思った木の緑を撮ると、葉っぱの一枚一枚まで解像している。気持ちいい。こういう写真を撮れるので、退屈な家族送迎時の信号待ちが楽しくなった。春なので毎日色が違う、信号脇の緑たち。
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しかし散歩時に路地で見つけた桜のきれいな交差点の景色を撮ろうとしたら、ワイド端 40mm では全然画角が足りず木の一部しか撮れなかった。山を背景にした家を撮ると家しか写らない。湖面に写る木陰を写すと木そのものが写らない。どれも「どこの何であるのか」という情報がごそっと抜け落ちて、意図不明でジェネリックな写真になってしまうのである。一般的にきれいな桜。一般的な民家などなど。かようにレンズの大は小を兼ねないので、やっぱり短いレンズも持って歩かないとならんか。うーん。
というわけで 14-90(換算 28-160)mm くらいのもう少し小ぶりなレンズがあれば完璧に便利なのだが、オリンパスもパナもそういうレンズは作ってないので、なにか光学的に難しいレンジなんだろうな。オリンパスの 14-150mm ならば同サイズでワイドをカバーするが、値段がなんと4倍の600ドル級で、望遠側は 40-150mm よりも弱いそうなのだ。望遠レンズって作るのがよほど難しいのだろう。
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朝ドラ【花子とアン】は、面白いが端々が気になって仕方がない。あの校長だって、国に帰りなさいというときにあんな「ゴオォォォォホオォォォオム!」なんていくら昔の偏屈校長でも言わぬと思う。ああいう芝居をつけられ、外国人役者陣はこれが日本のドラマかと呆れてるだろうなと余計な心配をしてしまう。
うちの娘が日本のドラマを見ないのはああいう不自然な演技やベタな展開があるからで、米カ人は前思春期にはそういう作為的でワザワザでトカトントンなものをよくも悪くも受け付けなくなる。映画「ロストイントランスレーション」の主人公が最初日本に超違和感を示すのもそういうところ。
まあ映画「ロストイン~」はそういう「日本」に主人公が折り合っていくところが実にリアルでイイんだけど。朝ドラはお年寄りなどがわかりやすくするために特にそういうベタな傾向が強いらしいが、「カーネーション」「あまちゃん」がわかりにくいと批判されたわけでもなかろうにと思う。
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■14/04/22(火) □ 日本語音読問題
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学校帰りに萌が俺の背がアジア人としては高いとか友達と話した云々と久しぶりに日本語で機嫌よく話し、するといつもの英語口調とあまりにトーンが違い幼く感じられ、俺のほうが居心地が悪かった(笑)。小学生以降日本語は進歩してないんだもんな。生意気盛りな自分のメンタリティにマッチした喋り方ができないから萌は日本語を(より一層)使わないのかもしれないと気がついた。
萌のいまの英語口調は虚勢不遜成分が多すぎてまったく好かんが(みんなあんな口調で喋ってるんだろうから、カナダ中学性はある意味幼い)、歳相応の日本語が話せるようにはしてやらんとなあと思う。その参考になればと日英とも若々しくもマイルドな喋り方をするバイリンガルニュースを聞かせていたのだが(※)、やっぱ普段日本語を話す友達がいないと身につくわけもない。
(※)この番組に登場する日本育ちのバイリンガル女子はみな、カナダのティーンと比べとにかく声が澄んでいてきれいなのだ。たとえ学校はインターナショナルスクールでも、低い威圧的な女声がまったく好まれない日本の社会に住んでいるからだと思う。
バイリンガルニュースを使った日本語リスニングと語彙学習はちゃんと成果が上がっていたのだが、日本語学習で口を動かす練習にはやはり音読しかないのだろう。しかし教科書などいまさら読む気はしないし、面白い本は学習者の語彙力ではまともに読めないというジレンマがある。なんかないかなー、会話主体でふさわしいテキストが。
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■14/04/23(水) □ 手ぶれは連写するしかない
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俺の E-PM1+MZ40-150mm の望遠側はやはりブレやすいのだが、ネットで学んだコツ、
> 撮影の瞬間は息を止める
> シャッターは押してすぐ離すのではなく、撮影がちゃんと完了するまで押したままにしておく
> 自分の持ち方を見なおす
というこの【シャッターを押し切り戻さない】のが大事なのだとわかってきた。俺は知らず知らずにチョンと押してカメラを揺らしていたのである。シャッターを押す指でカメラ本体を抑え安定させるのだ。これでヒット率が大幅に上がった。
150mm 近辺はこれでも 1/200s ないとブレやすい。シャッタースピード優先で 1/200s にしてしまう手もあるが、それよりは連写で対処したほうが賢明なようである。秒間3枚撮れば1枚はヒットするし、必然的にシャッターを押したままになるので安定する。後から残す写真を選ぶのは手間だが、その分シャッターチャンス的にも単発より圧倒的に有利になる。いい瞬間が撮れやすいのだ。
道の向かいであいあい傘のご夫婦を連写したこれはフォーカスもボケも完璧で嬉しくなる。こういう街写真が撮りたかったのだ。
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■14/04/29(火) □ 気軽に外食したい
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郵便受けに入っていたファミリーレストランのチラシを見てここに行ったことないなと思い、というかカナダでファミレスって行ったことがないなと改めて思う。セブンイレブンと同じでファミレスというのは味の分からぬ貧乏人が行くところという扱いになってるので、いい年をした大人は行けないのだ。
でいつもMにちゃんとした店に連れて行かれるが、そういう店はメニュー品数が限られてるので食いたいと強く思うものがたいてい見つからず、味はわざわざ言うほどのこともなく(どんな店にも5つ星をつけるカナダ人に比べたら、日本人の外食評価っぷりはみんな鬼である)、値段とチップは高い。というわけで俺はあまり外食をしたくならない。
チップという仕組み自体が非合理的で、支払い総額×標準15%なので、高い店で団体が来たら1テーブル50ドルだってときにはもらえるだろう。注文を取り皿を持ってくるだけで。そして%なので安い店と高い店では同じ仕事でもらえるチップが異なる。これは労働条件として理不尽なことで、だから安い店ではウェイトレスの態度が悪くなりやすい。店員の愛想がいいなんてのはカナダじゃ当たり前のことなので(いい国だ)、はなから愛想よくをデフォルトにし、店が従業員にチップ分を支払うべきなのだ。
逆に言えば西洋の飲食業は、ウェイトレスに支払うべき給料からチップ分を差し引いて支払っているわけである。バカバカしい。こんなんだから成功したレストランはオーナーが早くに引退して船を買い外遊に出かけ、定期的に味が変わるのである。
ウェイトレスは感じがいいが味がめちゃくちゃまずかったり、空腹なのに異様に長く待たされた場合が難しい。不快でチップなど払う気がしない。しかしウェイトレスのせいではないのにダメージを食らうのは彼女となってしまう。まったくあらゆる角度からオーナーが守られた理不尽なシステムである。
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日本でそうしていたように、もっと気軽に飯を食いに行きたい。メニューを見れば○○セットいくらと事前にわかり、ウェイトレスに媚を売られチップ満額のプレッシャーをかけられることもなく、そしてお札1枚程度の定食でもちゃんとうまい日本の定食屋は世界最強だ。
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■14/04/30(水) □ 中学演劇シンデレラ
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萌の中学演劇、「シンデレラ(改)」を見てきた。想像の10倍よかった。萌の演技も演劇全体も素晴らしい。練習後萌が愚痴を言うほど演劇パッションを持ち指導が細かく長いという先生のおかげだろう、どの子も表情から指の先まで文句のつけようのない演技であった。
キッズが受け持つ音響や照明の具合も完璧。「ハッシュタグ セルフィー(#自画撮り)」やら「YOLO(You Only Live Once→一度きりの人生だから楽しまなきゃ損)」といったティーンラングエッジが盛り込まれた脚本も適度にストーリーを端折っていて楽しい。ブラバンでは日本とカナダは高校生と小学生くらいのレベルの違いがあるが、演劇ではカナダ圧勝だな。
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人種がフルミックスなのもよかった。プリンスはスケートの高橋に似たアジア系少年だったが、彼はバレエをやってるそうで身のこなしや演技まで高橋みたいで完全にスタアであった。どうせかわいいホワイトがメインなんでしょお高いんでしょと俺自身が偏見を持っていたのだが、全然違ったすいません。そういう(バレエをやってて芝居がうまい)子がバカどもに冷やかされたりしないところが、多様性あるカナダの偉いところである。
幕間にぴょんと出てきて「まあなんてことでしょう、かわいそうなシンデレラ! この子にいったい幸せな日々なんてやってくるのかしら? そんなことあなたたちも知らないわよね!」と客を煽り笑わせるストーリーテラーもアジアンガールで、この子がまた声の抑揚や表情に魅力ありまくりのハマリ役であった。この子の声の魅力を見出しこの役を与えた先生は眼力がある。
シンデレラのママ母は異様に声がガラガラで太い子で、よくあんな意地悪ババアみたいな声が出るなスゴイ声帯模写力だと感服してたらあとで男子だと判明した。男だったのかよ! ならばそれはそれでおばさん仕草がすごい。こうしたぱっと見には目立たない生徒たちが、ステージに立ち動き喋ると耳目を集めずにおかない魅力を放つ。そういう演劇的マジックがステージ上で展開していた。まったく素晴らしいキャスティングとしか言いようがない。
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萌は意地悪な義理のシスター1で、バカ殿系化粧をして不愉快極まる高笑いでシンデレラをいじめ抜いており、実にスバラシかった。そういえばあの動きを家でやってたなと思うさまざまな仕草をストーリーの中で見て、なるほどこういう場面の練習をしてたのかと今頃合点がいく。流れの中では家で見てるときの10倍良かったよ。俺もMも芝居なんてやったことがないが、萌に演技の才能があるとはね。
コメディだったので俺はゲラゲラ笑いながら見てたのだが、笑うツボが他の人たちとちょっとずつズレてたらしく、萌やその友だちに聞こえていてステージ裏で「あれ萌のダッドでしょ」と笑われてたらしい。いいよそんなの。俺のウケ方のほうが他の人たちよりどこかセンスが優れていたよきっと :-)。
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