2014/11/27

日記「弾き語りをやってくれ」

「クールキッズという歌」「シャーロットさんの記者会見」

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■14/11/01(土) □ クールキッズという歌
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 萌を迎えに車を出すと、晴れた外の寒さに驚いた。冬だ。タイヤを交換しないと。

 車の中で萌が俺にこの歌を聞かせる。


Echosmith - Cool Kids

――彼女は言うの、『あたしもクールキッズみたいになれたらなと思う。苦労せず周りにフィットしてるみたい。なんでも手に入るし。人の視線も気にならないんでしょ。あたしは背景のその他大勢』

 いいね。歌詞がすごくいい。クールキッズ(人気のある奴ら)とそれ以外というのは、日本にもカナダにもある普遍的な悲しみだ。

 しかし家に帰ってからこのビデオを見て一気に俺の気持ちが下がった。歌ってる子きれいじゃん(笑)。カッコつけてるじゃん。明らかにクールキッズ側の子じゃん。

 これはギークっぽいバンドメンバーや背景に写ってる人たちが歌うべき歌だ。売れないバンドを売るために事務所が声のきれいなモデルを探してきたみたいに見えちゃう。そしてきっとそれは大筋外れてないだろう。

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■14/11/05(水) □ シャーロットさんの記者会見
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 「マッサン」シャーロットさんの英語記者会見がアップロードされていた。第一声で「ああうちの親がこれを見れたら、喜んでもらえるだろうなあ」と喋りだしております。Youtube だから見れるよきっと。 見ながら概略をツイッターに流す。


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今朝皇居の前を通りながら、いったい何がどうなってここにいるのだろうと非現実感を感じました。いまだにこれをやっていることを信じられない。本当に名誉に思うしもったいないほどだと思うし感謝しています。女性の一生を描き日本で撮影というオーディションの概要を見たとき、「すごいな。まあ自分がやれるわけないけど」と思いつつ応募しました。そして米国のほとんどの女優がそうであるように生活のためにさまざまな仕事をし舞台の仕事をしながら過ごしていたら、スクリーンテストを日本でと連絡が来たんです。完全に忘れていたのに! ジョークかと思ったわ。

そしてわずか10日後に日本へ飛んだのですが、心底怖かったです。一言も日本語を喋れず、知る顔もなく。オーディションを受けたのですが台詞を忘れて手も脚も震えまくって、けれど演技は止めずに英語と仕草と表情、使えるものすべてを使い演じ続けたんです。

オーディションでもう一つ覚えてるのは150回分の台本がそこに積んであったことで、これは大変な仕事なんだぞと応募者に警告するためだったと思うんです。でも私はそれを見てウォウこれはエキサイティングだわと思いました。もちろん今になって『大変』の意味を痛感していますが(笑)。

このすべての経験は…いつも…私の人生で為したことで最もハードであり続けています。他に言いようがないし嘘はつけない。毎日が。毎日がです。最初の頃は本当に、毎日が人生で最もハードな日でした。たとえばこういうスピーチをしなければならない日に、朝起きてみたら言葉を忘れていて、「仕方がないからそのスピーチの【音】だけをクイックに暗記する、みたいな。最初はそんな感じだったんです。今は言葉を理解できてきたけれど。

それほどにハードだったのだけれど一方でこの仕事は、私の人生で最も大きな報いを与えてくれています。女性として女優として職業人として、強くなれたのです。日本が何もかも与えてくれたことを感謝しなければ。これは NHK にとっても大きな賭けで、櫻井さんは私が特別なものを持っており、日本から逃げることはないと NHK を説得しなければならなかったんです。よく私のパスポートを取り上げたりしなかったものだわ(笑)。

毎日モニターを見ながら、どうやってこんなアートを作れたのと信じられない思いがします。こんな(言語文化的に)不可能的な状況の中、どうやってお互いを理解してこんなシーンを作れたのって。でも現実にやっているんです。

このドラマがどれほどのものなのか、つい先日のBKイベントで心底理解できました。1500人が待つステージに上がって手が震え、その暖かさに圧倒されました。人々がこのショーからどれほどの喜びを得ているのかを本当に理解し、朝ドラとはなんなのかがわかったんです。朝ドラの意義も、そして私が日本の人々に対して負っている義務も。これからもすべてを正しくやっていけるよう願っています。これからも本当に頑張ります。ありがとうございます
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初々しくラブリィなシャーロットさんのスピーチでした。俺は知り合いに役者はいないけれども、表現の才能があっても仕事には結び付かなかった人々や日本に住む外国人女性はよく知っているので、シャーロットさんにすごくシンパシーを感じてしまう。彼女が日本でいいときを過ごしておられることが伺えてうれしい。



 しかしこの会見にいたのであろうウォールストリートジャーナル Japan の記者は、「米国人ウエートレス、日本のテレビスターに」というクソみたいなタイトルのクソつまらない記事を書いていた。ここにまさしくシャーロットさんを発見できなかった米メインストリームのつまらなさを感じる。米国芸能以外眼中にないという。

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■14/11/07(金) □ 弾き語りをやってくれ
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 ドラマ「Nのために」の鬼父が映画「博多っ子純情」でデビューしたと聞いてへーと検索してたら、すてきな女の子の弾き語りを見つけてしまった。実にいい声でギターがうまい。◆ 博多っ子純情/チューリップ(宮原良仕子)

70~80年代の歌をたくさん歌ってる子みたい。この子が隣の女子校の学園祭で歌っていたら俺は絶対見に行って、クドカンドラマの男子連中みたいにうううと泣いてたと思う。◆9月には帰らない/宮原良仕子(ユーミン) 

 この宮原良仕子さんを今夜10曲くらい聴きまくったのだが、弾き語りはどれも素晴らしい。高音がキンキンしないユーミンという感じの声と、しっかり親指でベースを弾くギターの味わいと。バンドやマイクで歌うとやや力が出ない印象を受けた。ギター込みのシンガーなんだな。



空と君のあいだに/中島みゆき(宮原良仕子) 

 これなんかすごくいい。美しい声に力がある。楽器も共に歌うから弾き語りは素晴らしいのだというのがよく分かる。

 萌はお母さんの血筋を引いて歌がうまい。どんな歌も MP3 に合わせて見事に歌う。しかしギターの弾き語りは恥ずかしがってやらないので困っている。カラオケじゃ駄目なんだ。自分で弾いて歌えばこんなに力がこもるんだ。強さも速さも自分が操れるんだ。弾き語りとカラオケとじゃ、空と君とのあいだくらい違うのだとこれを彼女に見せる。

 反抗期の萌は結局歌いはしなかったが、リビングの向こうでなぜかスガシカオの「黄金の月」を弾き始めた。コードがカッコいいよねと以前彼女が拾ってたのである。俺も併せて弾く。続いて「戦場のメリークリスマス」。――あ、俺が好きな曲を弾いてるのか。そうか。特に話すこともないのだけれど、部屋の向こう側とこっち側でしばらく合奏が続いた。

王蟲の怒りは大地の怒り

ムスメ高校の陶芸クラスのオームが焼き上がりました。美しく輝いている。すばらしい。




「――でもババ様、オームの攻撃色がまだ収まっていないわ! ムスメはそのへんちゃんと考証してなかったの?」
「王蟲の怒りは大地の怒りじゃ」
「姫ねえ様!!!」



彼女は宿題で「あと5分」という英詩を書いてきた。「もうやめよう、指はしびれ目が痛い。心は画面の裏側に入っちゃった。それでも私の指はタップを続ける。あと5分、あと5分」

――おおカッコいいではないかと俺がAm/G/Fと曲をつけようとすると、やめてくれと止められた。へ? なんで? コードがありがちすぎた? (^-^;



【カメラ日記】初冬

冷えてまいりました。今週末はバンクーバーアイランドの親戚を訪ねるのだが、こんな寒い季節にそんな遠出をできるものなのだろうかと思う。フェリーは動いてるのか。海とか道とか凍ってないのか。こんな季節にフェリーに乗ったら、ひとはみな無口で海鳴りだけを聴いてるような気がする。




初霜。初冬のフレイジャーリバーとマウントベイカー。


晴れた朝は車の窓がガリガリ。晴れると鳥たちが餌を探し飛び回る。


秋冬雨季のバンクーバーはずっとこんな感じ。雨の中じりじりと工事が続くスカイトレインの陸橋。

2014/11/14

日記「女子サッカー:カナダvs日本」

「言ったじゃないか」「スタジアム写真反省」「ミカサのハロウィーン」

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■14/10/27(月) □ 「言ったじゃないか」
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昨日台所で飯を作りながらリビングルームの日本語 TV から聞こえる M ステの音を聞いていて、J ソウルというのが音楽としてすごく古いなと感じ、関ジャニというのがおお新しいと感じて TV 前に行ったら、「泣くなはらちゃん」の田中さんと「ごめんね青春」の先生が歌ってた。どっちもこのグループの人たちだったとは(笑)。

 「言ったじゃないか」。あそうか、クドカンが書いた「ごめんね青春」の主題歌なのか。そりゃイイわけですね。クドカンがやってたバンドより若い分馬鹿さが噛み合ってていい。クドカンという人はバカだった俺たち私たちのロックンロールを歌い続ける人なんだなと俺にもわかってきた。Exile や J ソウルの人たちの美意識の対極にある。

 世の中は音楽に限らずロックンロール的なものを感受する人としない人に分かれているらしい。「ごめんね青春」の視聴率が悪いそうだけど、俺の見た M ステにその理由のひとつが見えた。ロックンロールより Exile に反応するアンテナも日本には多いのだろう。



 「ごめんね青春」2回目を見る。満島ひかりの「で?」という前のめりのツッコミと同じで、1シーンを切るのが普通のドラマより 0.5 テンポくらい明らかに速いなこれは。だからながら見の俺は処理速度が追いつかず、何かを見落としてる感が常にある。まあ自分が悪いので前回同様二度見ます。

 録画を巻き戻しつつチビチビ見ると実に楽しい。本当にハイファイというかハイレゾリューションで、隅から隅まで拡大して見たくなる。シーンのつなぎをコンマ数秒ずつ切り詰めた上に蜂矢先生が「私の言葉をリピートするな1行無駄!」と説教する、この究極の高密度感よ。

 日本語 TV での「ごめんね青春」の英題が「Saving My Stupid Youth」となってるのにさっき気がついた。いいですね。「我が愚かなる青春の救済」かな。救うことができなかった3つの青春を救う平助先生のお話なんだね。




【SEX PISTOLS - The Great Rock'n Roll Swindle】

 「言ったじゃないか」を聞いてこれを思い出した。英国のバカな俺たち私たちが歌いまくる「偉大なるロックロールの詐欺師」。クドカンはグループ魂でギターを弾くとクラッシュのミックジョーンズそっくりなんだけど、やってること全般はセックスピストルズっぽい。

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■14/10/28(火) □ 女子サッカー:カナダvs日本
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 学校で萌をピックアップしローヒード駅へ向かう。学校で萌と仲がいいという日系少年をはじめ今日試合に行くやつがけっこういるとのことで、萌が非常に盛り上がっている。久々に車で一緒の遠出なので、用意しといた「ジョンの魂その他これ聞かなくてどうすんだお前集」を聞かせる。「マザー」と「ゴッド」はスゴイ…と感じてた様子。「ジェラスガイ」「ウーマン」は一緒に歌った。



 6時に無事スタジアム入り。明るいスタジアムの光景にすげえと言いながら食べ物を取る。目の前で川澄ちゃんたちがウォームアップをしている。なんと小さいのだ日本女子代表選手たちはとしみじみ驚く。川澄は結局試合では見れなかったのだが、彼女らスターは全員ベンチスタートだったので目前でウォームアップを念入りにやってくれ、ボールを蹴るところをたっぷり見れて眼福であった。



 昔カナダ男子代表のW杯予選を見に行ったら、カナダに住む相手国出身の移民が超集まってて超国歌うたって超感動したんだけど、昨日の君が代も俺の後ろに声の大きなおじさんがいて熱唱しなかなか感動的だった。ムスメは君が代を「荘厳すぎてむしろ不吉!」といつも笑うのだが、昨日は歌っていた。試合開始。

日本の先発は前ワールドカップ優勝メンバーがDF2枚と阪口のみというBチームだったのだが、カナダに力みがあり中盤で突っかけてはプレスを交わされ、ラインを上げすぎた3バックがサイドの裏を日本の20番に取られ何度もピンチを招く。20番いいなと思ったらなんと大儀見の妹、永里だった。ゴールは時間の問題と思っているとコーナーからのこぼれ玉を永里が左足で見事にミートしゴール。ベンチのお姉ちゃんに駆け寄って喜んでおりました。

 カナダも散発的に攻め込むが前半いいところなし。フィジカルな競り合いでもボールを奪えない。逆に日本は小さいんだけど、若手でさえもカナダのフル代表とバチバチ当たり体を前に差し込んでボールをキープできる。やはり世界レベルで戦えるよう鍛えられてるんだなと思った。カナダがボールを持てるのは無為に高い位置にいる DF3枚だけで、ここからいいボールが出るわけではないので攻撃の手がない。


日加キャプテンのつばぜり合い。
実際ピッチを見てうまいのはシンクレアだけなのだ。シンクレアがキープし崩すとゴール前にシンクレアがいない。シンクレアがゴール前に行くと真ん中で組み立てるシンクレアがいない。大学生の頃から絶対主力でいま31の彼女が、今もカナダ随一のワールドクラスと言わざるをえない。女子W杯カナダ大会は来年なのにこれではと心配になる。0-1のまま前半終了。後半早々にカナダが追いつき、日本が早めに主力を全部出すという展開を希望。



 【後半】大野と大儀見が入る。しかしカナダの組織に修正が入り、左の永里と右の大野にボールがまったく渡らなくなった。これでようやく五分の展開となり、カナダが人数をかけ押し込んで同点。この後は日本も次々にスターが入り、双方好機を作る楽しい展開。俺は日カ双方をほぼ均等に応援しており、日本を応援する娘が「なんでカナダを応援するの」と文句をいう。いやだって来年W杯のホストなのにホームでいいとこなく負けたらかわいそうじゃん。双方いいゲームをして日本が勝つというのが理想なのだ。

 シンクレア、大儀見、大野、宮間などがボールに触るとやっぱり違うな。崩れた体勢で触っていてもボールを活かしてしまうワールドクラスは、本当にすごいね。たとえミスでボールを失っても、あれだけうまい彼女らが触ってコントロールできなかったのだから他の誰にもできないと感じさせるだけの説得力がある。宮間はハーフタイムにはリフティングをやってたのだが、もう小野でしたよ小野。すごいスキル。その宮間が後半遅くに入ると GK や CB に猛烈なプレスをかけてペースを作っていた。日本女子は強いよやっぱり。ボール扱いがうまいだけじゃない。

そして大儀見のファインゴール、カナダが魂の反撃から押し込んで最後に追いつき、最後の最後にサブの鮫ちゃんがロスタイムに敵からかっさらい独走し、1対1を見事にぶち破り決勝ゴール。いやはや盛り上がった。日カ半々観衆皆満足のゴールフェストであった :-)

 萌の横はカナダ女性だったのだが、勝利に喜ぶ萌に「あなた日系カナダ人なんでしょ。グッドゲームになってよかったわねえ」と微笑みかけてくれた。前半のカナダは相当にしょうもないデキだったのだが太鼓やボコボコ音がするスティックで観衆はみな鼓舞し続けていたし、本当に頑張ってほしい、来年のW杯。

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■14/10/29(水) □ スタジアム写真反省
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 昨日スタジアムで萌の同級生の日系少年と会ったのだが、今日は当然ながら学校でえっらい盛り上がったらしい。「サメジマがすごかったよね最後、that wasインクレディブル!」って。はは。鮫ちゃんが左サイドを抜けてくたびに「サメちゃん走ってる!」と俺は叫んでいた。気持ちよかったなあ。

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 昨日のスタジアム写真は、明るかったので屋外設定 ISO800 のまま MZ40-150mm をつけて撮っていたのだが、シャッタースピードがだいたい 1/125s あたりだったので換算 300mm の最望遠はブレが多かった。連写したのでいいコマはあるが、決定的瞬間がブレてたのも多い。

 ISO 上限を 1600 くらいにしとけば 1/160~1/200s になりもっとヒット率が上がったはずだが、試合に熱中していてカメラ設定など詰めてる余裕がなかった。何事もやってみて初めて分かることがあるカメラ修行。

 しかし点が入る流れというのは現場で見てるとわかるもので、ゴール時は全部シャッターを切っていたな。フレーム内にボールがちゃんと入りブレが止まったのは少ないが。

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■14/10/31(金) □ ミカサのハロウィーン
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ハロウィーン、萌は見事にミカサとなった。これまでのハロウィーンベストはカオナシだったんだけど、夏休みからこつこつとアイテムを手に入れ用意してきたこの「進撃の巨人」ミカサも相当にいい。今夜はうまい具合に週末のハロウィーンなので、友達のところに泊まり込みで盛り上がるとのこと。



6時半、西海岸もハロウィーンが始まりました。あちこちで、花火が上がり、興奮したグースたちがギャーギャーと鳴きわめき不気味に盛り上がってまいりました。

 萌が作ったかぼちゃランタンに初めて火が入った写真を、友達の家でハロウィーンパーティ中の彼女に送る。パーティで盛り上がるガールズの写真がリプライで手元に届く。毎年恒例の行事の過ごし方が少しずつ変わっていくな。

 子供たちが通りからいなくなるまで玄関に待機してなきゃならないのだが、いまの俺にはギタレレがある。ギターは最高のヒマつぶしツールだ。ニールヤングのコードを拾い気分よく歌っては、ドアのノックで我に返る。

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 8時、15分以上誰も来なくなったので2階に上がりお茶を入れ、「マッサン」を見る。大作社長が今さらエリーとの結婚について恨み言をいう。エリーのせいでウィスキーが作れなくなったわけじゃないのだが。思い描いた政春との未来がすべて水に流れ、悲しみがそうしてこぼれ落ちたのだろう。

 退社していく政春の姿が叙情的にゆっくりと描かれる。優子を見送り、エリーが政春の胸で泣く。政春がエリーの子供じゃなく、50/50な大人のパートナーらしい振る舞いをしたのはこれが初めてだよね多分。ケンカも友情も仕事も全部優子さんのおかげだった、住吉時代の終わり。