2014/12/20

日記「エリーの英語長文」

「スカイウォードソード終了」「桐島、部活やめるってよ」「健さんの訃報」

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■14/11/15(土) □ スカイウォードソード終了
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 最後の敵との戦いが面倒で夏中放置していた【ゼルダ・スカイウォードソード】を、今日ようやく終了した。バトルは嫌いだがめんどうな積み重ねは厭わないMが虫を集め3分間無敵ポーションを2ボトルも調合しておいてくれたので、ラスボスとの戦いは2度めのトライで勝てた。前作トワイライトプリンセスはラスボスだけで5回くらいやり直した気がするので、あっちのほうがはるかにハードであった。助かった。ゲーム世界と謎解きが楽しければ、ボス敵は多少歯ごたえ不足でも俺は構わないのである。

 エンディングは短かったが非常によかった。あちこちの風景を見せてくれたので「ここは面白かったよね」と語り合う。ゲーム全体の厚みは「トワイライトプリンセス」のほうがあった。ストーリーもダンジョンも。スカイもすべてのワールドが面白かったが、ストーリーと世界は狭かった。広かったのは空だけであった。その広い空の飛行移動に苦労させられた割には、遊園地島とかまるで発展しなかったしな。エンディングで従者ファイとのお別れシーンがちゃんとあるのだが、任天堂はこのどんな緊迫時にも「バッテリーが減ってますご主人様」と言ってくる超イラつくやつにプレイヤーが愛着を感じてると思ってるのだろうかと失笑した。



 Mは自分が救った世界を周り人々が幸せになっているのを見たかったというが、それができた RPG はゲーム後も延々世界を戦って歩けた昔のドラクエ3?しか知らない。あれは世界中の人たちのテキストが「ありがとう、世界は平和になりました」と差し替えられてただけだが、今のゲームはもっと大掛かりなのでクリア後の世界までは作り込めないのだろう。

 しかしどの RPG を終えたときにも思うのだが、苦労してクリアしたご褒美に冒険の旅を振り返るリプレイ機能くらいはせめてつけてほしい。ダンジョンや村々をゆっくりと、敵との遭遇を心配せずに眺めて回りたいではないか。スーファミの「マザー2」に、各地のイベント後に記念写真を撮りあとから眺められるご褒美があったような気がする。あれから20年でテクノロジーがこれほど発展したのに、記念のビデオも撮れないのかい。

 「トワイライトプリンセス」のオープニングムービーはゲームのハイライトシーンを3分ほどにまとめていて素晴らしいデキなのだが、リプレイが無理なら何度見ても気持ちがいいくらいのああいう映像を、エピローグとしてゲーム後にじっくりと味あわせてほしい。そしたらもっと後味がよくなるだろう。


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■14/11/16(日) □ 桐島、部活やめるってよ
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 【奥様ゼルダ・トワプリ】うちの奥様は「これほどの達成感が他で味わえるだろうか」とゼルダの謎解き冒険を気に入っており、まだ未プレイの「トワイライトプリンセス」にすぐさま突入。俺と萌はやりこんだゲームなのだが、ほどよく忘れているのでみな楽しい。

 思うに任せぬ狼の操作性に奥様はイラつきつつも、ハイラル城の屋根を渡り城に忍び込み村で道具を探しと、テンポのいい冒険を楽しんでおられる。ミドナもかわいいしね。いや最初にやったときはなんだこいつと腹も立ったんだけど、二度目だと彼女の全部が許せる :-) ストーリーも二度目だとすべてのシーンの意味がよくわかる。やっぱりどんなゲームのストーリーも初回ではハァ? なもんだよなと今Mがやってるのを見ていて思う。

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 映画【桐島、部活やめるってよ】「クールキッズとそれ以外」のお話かな、つらいかなという浅い理解で見始めたけれど、いやめちゃ良かった。懸念したような浮き世の価値観が対立する話じゃなかった。すれ違いも肩のぶつかり合いも無理解も勘違いもあるが、それぞれが持つ光をほんの少し交わすこともある。素晴らしい。

 この映画をこそカナダの高校生の萌に見せるべきなのだが、萌は俺がオファーするものは TV でも音楽でもすべて拒否する反抗期なので、素直に見てはくれない。クリスマスくらいにメルも含めて3人でじっくりと見る機会をつくろう。

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■14/11/17(月) □ 健さんの訃報
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 ああ健さんが。つい最近…去年かな、NHK にたくさん出たばかりだったのに。渥美清が亡くなった時もショックだったなあ。海外に住んでる自分にとって、彼らは日本のアイコンだったんだと思う。

 一人健さん追悼映画祭として『遙かなる山の呼び声』を見た。高倉健、倍賞千恵子、吉岡秀隆、ハナ肇。健さんがというよりも倍賞千恵子さんがなんとも愛おしい。彼女を悲しませることがいつか起きそうな予感が耐えがたいほどに彼女が愛おしくなっていく2時間だった。2時間がそのためにゆっくりと使われていく。いやー映画って本当にいいですね。

 あまりにもよかったのでレビューを読んで噛み締めつつ寝たのだが、「山田洋次の最高傑作かも」「高倉健作品で一番好き」という声も多数見つかるほどの名作なのであった。知らなかったがこれが見れて本当によかった。これを TV でもしやってくれたら、家族にも見せたい。

 物語と演技は絶品だし絵も素晴らしい。北海道の牧場地帯ってカナダにそっくりだ。公開が80年だからすでに現代なのだが、やはり本州のその時代とは風物が違うな。日本経済の繁栄が届きそうで届かなかった昭和の僻地の匂いがする。

 引退した名馬を見に日高地方に行ったことがあるが、そこの町場で感じた寂寥感はカナダの僻地にも同じようにある。一緒に日高に行った父も健さん同様乗馬好きだったので、草競馬のシーンも超懐かしかった。見ている間俺の顔はずっと、微笑か涙顔かのどちらかだったのです。

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■14/11/21(金) □ エリーの英語長文
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 「マッサン」一時帰郷中の広島で、将来生まれるだろう子供について夫婦が語り合う。商売を継いでここで子供を育ててもいいと言う政春。大阪よりも広島の田舎のほうが二人にとってハーフの子供を育てやすいのだろうか。わからない。しかしマッサンは気弱になっているが、これは先に進まないウィスキーづくりの停滞ゆえの弱気だからね。酒を作りたくなっているわけではない。

 そしてエリーが日本での来し方を語る。「本当にハードだったわ。日本のことなんて何も知らなかったし。からかわれたり。仕事したくてもなかったり。

My love, I will be the first to tell you how hard it is(大変じゃないなんてとても言えないわ). …だけどいつもマッサンがいてくれたから」

 時代が違うから彼女の本当の大変さはわからない。だけど結婚というのは時代が変わっても同じことだな。相手がいてくれるから、ただそれだけでこんなハードなことができるのです。俺が自分の境遇を思ってもそれ以外の言葉は出てこない。でなければなんでカナダで生きてこれただろう。生きていけるだろう。

 「だけど…いつもマッサンがいてくれたから」というのはそのまま逆も当てはまる。エリーがいてくれたから政春はただのドリーマーとして歴史に埋もれて行かなかったのですという物語。エリーは政春を支えるためになぜかやってきた妖精みたいなものだね。あなたが好きという以外に何も理由はなく。

 「だから私たちの子供もきっと何があっても大丈夫、安心して」と説くエリーの言葉に、マッサンがちゃんとありがとうと言ったのがよかったな。いつもは泣いてガーガー名前を呼ぶだけだもんね。これだけでも広島に帰り労働に汗した効果があったといえよう。

 早苗が給金をくれ、「こんなバカを置いてこれで国に帰りなさい」と、本気であっても違ってもとにかく優しさ/親切さがギュッと詰まった風呂敷をエリーに押し付けてくれると、ピン子いいじゃんと俺はコロッと気が変わってしまった。前に文句を言ってすいませんでした(笑)。エリーもきっとそうだったろうね。



 エリーが「マッサン」はじまって以来初めての英語長文を喋ったのだが、言葉と字幕が例によって違うのが気になる(誤訳ではなく違う。字幕はおそらく脚本の日本語原文で、それを元にシャーロットさんの台詞チームが自然な英文を作ってるのだと思う)。しかし今回は訛っていて聞き取れない箇所があった(笑)。そこですまんのうとムスメとMに見せて教えてもらいました。カナダ人さすがやで。全部わかるで。

 ちなみに聞き取れなかったのは [I've been] made fun of(からかわれた)、I like job - I've yet to find one(仕事は好きよ―まだ見つかってないけど)の2点。聞き取りは難しいけど彼女の訛りは実に味があって良い。

 そして最後の一言「My love, I will be the first to tell you how hard it is」。こういう言い方は初めて聞いたので奥様に聞くと、ほんとうに大変だ、そうじゃないなんてとても言えないわという強調だそうです。つまり I'll tell you の上位か。

 大事なことだからと英語でも言葉を探しつつ慎重に、そっと喋るエリーが実によかった。英語だとシャーロットさんはやはり自在に言葉を操れる。しかし驚くべきはそこから日本語に切り替わっても彼女の演技は何も変わりなく素晴らしく、政春の胸をわし掴みオイオイ泣かせてしまうことである

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