2006/06/30

日記「サッカー日本代表であることの絶望」

「ドーハ以来初めての苦汁」「貧乏クジ」「ブラジル戦-9年間の夢」ほか。
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■06/06/16(金) □ 魅惑のコートジボワール2戦目
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 ジムナスティックス:今日は最終日なのだが、N先生が新しいダンスを導入している。この先生は本当に素晴らしい。萌を本格競技体操の道に進めたいとは思わないが、楽しみとしてN先生のクラスを続けていくことはできないのだろうかとスケジュールを聞いてみたのだが、とりあえずサマーコースは受け持っていないそうだ。残念。

 しかし毎週 1.5 時間キッチリ喋っている付添いのこの喋くりオババはなんなのだろう。ただただ喋くり続けて子供の体操は全く見ず(だからどの子がオババの子なのか1年経っても分からない)、長時間姉さんを待たねばならない気の毒な妹は完全に放置し、その子がおしっこしたいと話しかけても「Costcoでおむつが$2も安い」といった喋りに夢中で返事もしない。人が話しかけたら返事くらいしろ阿呆ババ。買い物と喋くりをするために主婦をやっているとしか思えない。世界中どこでも、こういう下らないペアレントはいるのだろうなあ。

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 帰って Netherlands vs. Ivory Coast を見ると、アイボリーコーストが早々に2点も失ってしまった。FKはすごかったので仕方がないとして、2点目はまたもやオフサイドトラップ崩れ。ニステロイを見ていたDFはニステロイをきっちりオフサイドにしていたのだが、逆サイドにDFが1人残っていたのである。アイボリーコーストの国民はもうオフサイドルールを一生呪うであろう。気の毒。まあしかし能力を出せず惨敗した日本よりは負けても能力を見せている分マシなのであって、今日もとにかく華麗な点を取ってほしい。今日もDFがダッチ攻撃陣をドリブルで突破してます(笑)。

 出た、スーパーゴール! オーウェンが98年に見せたようなすごいストライクをドログバの相方が決めた! これは負けてもどころか、追いつけるだけの攻撃力は十分にある。ダッチももちろん黙ってやられているわけではなく、文句なく楽しい攻め合いが続く。

 結局ダッチが守り切る。アルゼンチンに続きさすがに伝統国という感じでDFは最後まで崩れなかった。コートジボワール残念。しかしこの国の選手はどうしてこんなにも揃いも揃ってうまいのだろう。ダッチとやってもボール扱いのうまさやわらかさがパスの正確さ、繋がりが際立っている。不思議だ(※)。これまでのところコートジボワールのサッカーが、一番美しいと感じる。

(※)あとで欧州系の「国立サッカー学院」があり、皆がそこの出身なのだと判明。なるほどねー。

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 代表ニュースは、怪我で満身創痍の中村がまた(ドイツ入り後二度目)熱を出したとの知らせ。1戦目の何もできなさは、開幕前からすでに体調がベストではなかったのではないかという気もする。豪戦で勝っていたならば1戦休ませ体調回復に努めることもできるのだが(今の中村ならば、誰が入ってもおそらく彼よりマシだし)、だがしかし「発熱入院寸前でも先発は不動」のジーコだからなあ.....。去年はあれほど機能した 4-4-2 もうまく回っていないらしく、ムードはよくないらしい。うーむ。

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■06/06/17(土) □ ドーハ以来初めての苦汁
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 萌に起こされ Portugal vs. Iran を見る。イランはポルトガルに普通に押されているが、きちんと実力は発揮している感じ。イランのいいプレイにはいつもマハダビキアが絡んでいる。97年にジョホールバルで戦ったときには中田とマハダビキアの実力は五分で、その後中田がイタリーでブレイクして知名度で大差をつけたが、今は逆転されている。

 しかしそれを思い返していて気づいたが、豪州戦の負けは、日本サッカーにとって93年ドーハ以来初めての、実に13年ぶりの絶対負けてはいけないゲームでの負けだったのだ。ショックを受けるのも当然なり。

 あれから日本はずっと右肩上がりで、中田の出現とジョホールバルによりそれは大きく実を結び、やがて 2002 年トルコ戦で苦い現実を味あわされ、アテネオリンピックで世界に通用する才能がどんどん生まれてくるという意味での右肩上がりは終わったことが分かり、現在に至るわけである。この10年のピークを迎えた現代表世代の4年間を、ジーコでかくも無意味に使ってしまった日本サッカーは、これからどうなってしまうのだろう。

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 20分過ぎからポルトガルの圧力が下がりイランの攻撃シーンも増えてきた。韓国もそうだがイランもドリブルでボールをキープできるのが大きい。日本は何よりもボールをキープできなかったのが最大の敗因なのである。中盤の圧力に苦しんだ中田と中村が簡単にボールを離してしまいすぎて、チーム全体が攻撃に上がる時間がなかったのだ。

 後半もハードマークとドリブルでポルトガルを苦しめるイラン、さすがに強い。ポルトガルが勤勉なアジアにちょっと弱いのだともいえるが。そういえば日本はトルシエ時代にはダーティタックルを奨励されていたよなあ。今の日本はそれはまったくやっていないわけである。タックルをできるMFは稲本だけで。

 ポルトガルの攻め手もなくこれはドローかなと思ったところでデコのミドルが決まる。その後PKで2-0。今大会はボールのせいなのか、ミドルが勝負を決する試合が実に多い。ハードマークに弱いという意味で日本に近いポルトガルなのだが、デコやロナウドという大駒が勝負を決めるのであった。

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 イタリー対 USA は、隣の英国オバサンが来ていて盛り上がってるMSさんのところで見たのだが、トッティ不在のイタリーは手詰まりな状況で、豪戦の日本に劣らずヘボいカルチョだった。

 しかしこの英国オバサンがおかしくて、ファウルで痛がるイタリア人を全部フェイクだフェイクだと笑い飛ばしている。どうも英国人というのはファウルは痛くないと信じているらしい(笑)。そういう風土がハードなプレミアリーグを型作っているのね。

こんな笑える映像もあり:「シミレーションの練習をするイタリアチーム(島田佳代子)

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 明日のクロアチア戦を思うと、加地の復帰以外は何のプラス要因もなく(加治も復帰初戦で 100% は望めないし)、聞こえてくるのは「ここまできたら勝つしかない」といった決意表明のみ。勝つしかないと思ってるのは双方同じであり、クロアチアが初戦を見てうちをあなどってくれているらしいのがありがたいが、正直言って気が重い。頭痛がしてくる。誰かこのモヤモヤを晴らしてはくれまいか。

 ただひとつ、岡田前監督の、「なめてかかるだろうから、つないでくる。1人で打開できる選手もいないし、チャンスはある」というコメントだけが、今日見つけた希望の綱だ。

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■06/06/18(日) □ クロアチア戦-返す返すも豪州戦が
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 今日もこないだと同じ、寝不足で試合を迎える。カナダ解説陣の予想は、日本1-2クロアチア。ピッチは快晴。加地、頑張ってくれ。

 クロアチア国歌、ものすごい歌声。そういえばドイツにはクロアチア移民が多いのだ。日本にとってはアウェイになっている。まあこれは相手がカサにかかってきてくれたほうが日本も攻めやすいのでよし。

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試合開始、日本は強いプレスからゲームを開始した。試合が始まってしまえば、強い相手にボロクソにやられるという悪夢的展開への恐れは消えていく。日本が普通でさえあればどことやっても、たとえブラジル相手でもボールを持てるのだ。

 中村のドリブルからFK。CKへ。中村の怪我が心配だったが動けているし、相手は中村をつぶしにはきていない。返す刀でクロアチアがシュートまで持っていく。落ち着いてキャッチ。やはり中盤をパスで持ってくるので、プレスにかかりやすく戦いやすい相手である。

 ロングスローでクロ押し込む。落ち着いて跳ね返すがセカンドボールを拾われる展開が続く。日本は中村からの対角線パスでで大きく展開しようとする。日本は意外にもクロよりも長い時間ボールを持てているが、技術がイマイチでシュートまではなかなかいけず。しかし中村がつぶされていないのはなによりだ。逆に中田・福西などが相手に激しく当たってボールを奪っている。8分プレスからショートカウンターからの大チャンス、しかし相手の戻りも機敏で完全に守られてしまった。しかし日本は良い。

 17分:加地が抜けてセンタリング! 小笠原が飛び込むがDFに抑えられる。惜しい! 初めてのビッグチャンスであった。やはり加地は素晴らしい。駒野はタイミングよく抜け出し使われるタイプでクロスがガックシだったが、加地は意図を込めたクロスを入れている。走りながら中が見えているのだ。

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 21分:高いバウンスのボールを宮本がFWと競って後逸し後ろからのタックルでPK。うーん、1点くらいは取られても今日の調子なら取り返せるが、完全に日本がペースを握って何もないところからの唐突な失点なので、ただただもったいない。―――が川口が止めるー! 川口恐るべし。川口はヘマさえしなければ神だ。1試合で1度くらいはたいていヘマをするのだが、止めてくれるショット数でそれをはるかに上回る。

 このクロアチアははっきりいって弱い。ああいう高いルーズボールをどんどん使ってこられると豪戦同様苦しいが、それ以外では日本が今日のようにしっかりしたデキであれば問題ではない。―――と思ったら28分、クラニチャルのミドルがバーを叩く。きゃー弱いとかいってすいませんでしたクロアチアさん、シュートを打たないで。そこから日本のカウンター、しかし時間がかかり相手が揃ってしまった。日本は速いとよくいうがそれは小兵ゆえの初速の高さのことだけであって、長い距離での走り合いでは全然速くはない。豪戦でも今日もカウンターでシュートまでは持っていく走力はないのだから、カウンター狙いでボールを無為に失うことだけは避けてもらいたい。

 日本もミドルを狙い始める。小笠原のいいミドル。クロアチアが簡単なパスを数本つないでからのスルーでシュート! 華麗である。日本はつないでつないでコツコツ積み上げないとシュートを打てないが、クロアチアは個人の力量が高く縦パス1本反転1発でこうしてきっちりシュートを打てるところが強みだ。FWの力だけではなく、中盤もDFもしっかりと強い。今のところDFがきちんと対応しているので川口を脅かすほどのシュートは来ていないが。

 32分:ヤナギが倒されFK。壁に当たりGK。中村は序盤以降はやや消え気味である。やはり病み上がり怪我ありで動きが少なく、ボールが集まらないのだろう。

 35分:中村のフェイントから中田のミドル! 素晴らしいショットだったがGK好守。やはり中村のファンタジーは、いったん発動すると敵にも味方にも魔法をかけてくれる。意表を突かれた相手の動きが止まり、大きなチャンスが生まれる。彼のコンディションゆえそれがなかなか出ないから苦しんでいるのだ。

 39分、クロ小味の利いた組み立てからシュート、川口が止める。クロアチアが続けて何度か攻め込む。双方足が止まり気味になってきた。最後に加地の突破があって前半終了。

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 8年前のクロアチア戦とほとんど同じ展開で、8年前はこれでスーケルにやられたわけである。相手の戻りが意外に早くて(相手の最終ラインがあまり上がってこないともいえる、暑くて飛ばせないのか)、日本は豪戦の反省か無理に攻め急がずつないでいるせいもあり、つなぐことに異存はないのだがとにかくシュートに持っていけない。相手PKエリア前で手詰まり状態。そこでさっきのような中村のファンタジーが炸裂すれば大きな展開があるわけだが.....。現時点でデキはいいが、このままじゃ1点ポコンと取られて負ける可能性のほうが高い。どうしたものか。この2試合高原もヤナギも横に開いてしかボールを触ることができないので、巻を入れてPKボックスに駐在させ戦わせてほしい。彼自身はシュートを打てずとも、競って相手DFをつぶしこぼれ球を作るだけでいい。

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 後半、クロアチアが押し上げてくるか、相手の監督の指示が気になるところ。ドリブルで上がってくる選手を入ったばかりの稲本がいきなりファウルで倒す。PKボックスには前半より多くのクロ選手、だが中田が率先してアタックしクロの攻撃を跳ね返す。

 50分:クロアチアのクロスを稲本がカット。通っていたら危なかった。やはり福西より稲本の方が、守備力は普段から欧州で鍛えられている感じがある。

 51分:加地の1・2からヤナギ、しかしシュートをはずす! ぐわーーー!日本のFWは点で合わせるゴールしかできないから自力で点は取れなくても仕方がないと諦めてはいるが、ていねいに作ってもらった点を合わせ損ねおった。これは重要さからいってもヘボ度合いからいっても、ヤナギ@シュート失敗人生最大、そして日本サッカー史上でも最大級のシュートミスであろう。ジーコの絶望と鈴木さんの呆然とした表情がリプレイされる。ああ....。いやしかしほんと、加地様が日本を救う。要は自信の問題だよなあ。加地は自分のボール扱いとスピードに自信を持っているが、ヤナギも高原も自信をなくしている。昔カズがはずしてもはずしても次のチャンスにはためらうことなくシュートを打っていて、その精神的なタフさに感心したことがあったのだが、ヤナギと高原にはそれは望めない。力がないことは仕方がないことなのだから、とにかく早く元気な選手に替えてやってほしい。

 54分:日本の誇るMFによる華麗なパス交換での崩しから、またもカウンターでクラニチャルのシュート! ぷふー! 中田がほぼ振り切られていた。危ない。しかし稲本も加わり日本のMFの技巧対クロアチアのカウンター&シュート力の戦いとなっており、試合としてはかなり面白い。

 59分、一進一退でややペースの落ちた展開。―――あ、玉田! 待っていたぜ。頼む。高原に替えて巻も入れて相手DFへの圧力をかけてほしいが、しかし中村も交替させたいところで.....しかしジーコは交替カードを有効に使う人ではないので期待薄か....。

 65分:玉田が1・2を狙うも読まれてカット。玉田は非常に精力的にプレイに絡んでいる。これだけでも交替FWを入れる価値はある。

 67分、高原アレックスでCKを取る。この中村のキックもいいところへ飛んでいない。彼のためにも日本のためにも残念だが、これは中村のWCではなかったということで、FKはもう別の選手に任せるべきだろう。アレックスが突破を仕掛けてさらにFK。角度はない。もうここは中村ではなく小笠原が蹴れ。蹴ったが弱い。

 小笠原も頑張ってはいるが、やはりパッサーが増えても受け手が捕まえられスペースは埋められているので、何かを起こすのは難しいと豪州戦に続き思う 。マークを振り切るために両FWはサイドに開くわけだが、相手DFは上がってこないし日本の攻撃も遅いので、真ん中にもサイドにも相手は十分にいてシュートまでいけない。真ん中で頑張れる巻がほしい。昔の鈴木の役割だ。

 71分、CKからのカウンターを止めるためにアレックスがイエローをもらう。今日のアレックスは非常によくやっている。これまで俺が見た中で彼のベストゲームといえる。1対1ではたとえ失敗しても仕掛けるという気配で相手を威圧しており、Jリーグで MVP を取ったシーズンのようだ。

 74分:稲本ミドル、枠を超える。相手の足は止まっている。あーしかし時間が。クロアチアはドローでも大きな希望は残るが、日本はほぼ一巻の終わりなのだ。巻を入れてくれ。

 77分:中村のワンタッチから玉田がオフサイドを破って左を走る、が足が滑り一瞬遅れシュートを打てず高原へ流し、カットされる(コメントでシュートミスだったと判明)。あー。しかしあれしかない。玉田の速さを生かすしかない。ジーコはフラストレーションに雄たけびを上げている。

 79分カウンターで破られ、折り返してシュートまで持っていかれる。シュートを打った選手には中田がついていた。中田が見せている執着心はすごいものがある。

 あと10分。ふー。攻め手がない。攻めては失いカウンターを受けるの繰り返しで時間がつぶれていく。相手は中盤で奪いシュートまで持っていくので、日本は休めずカウンターもできず、実に苦しい。中田も疲れている。あー。

 84分、高原に替え大黒。シュートに一度でも持っていければ可能性はあるが、これでは10分遅い。ここまで両者疲れてしまえば、大黒がシュートを打つシーンなんて作れない。シュートが打てないのはFWだけの問題ではないのである。

 87分、セカンドボールを拾えず押し込まれる。苦しい。日本つないで加地の折り返し、誰もいず、こぼれ球をアレックスが突破して折り返し、だが誰も飛び込んでおらずクリア! あー.....。CKを中澤が折り返し大黒、シュートを打てず。

 それが最後のチャンスで、日本は最後のピンチを何本かDFが必死に防ぎ、期待のドリブラー玉田がレフェリーにボールを奪われたりして(脱力)、試合終了。クロアチア選手がアレックスの吊った脚を押してくれている。双方よく戦った。が双方決め手なし。日本もがっくりだが、クロアチアも「スーケルがいたなら」と思っているに決まっている。

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 クロアチアとドローというのは開幕前のベストプランだったわけで、返す返すも豪州戦が、としか言いようがない。

 はあ。仕方がない。豪州戦は監督がジーコじゃなかったら勝てただろうが得点は実際マグレだったし、この試合は誰が監督でもたぶん、引いた相手を崩すには日本選手の技術とひらめきと判断力が足りなかった(※)。稲本の投入はよかったし、ポストをできていない高原を見切って巻を入れたらどうだったか、それくらいしか戦術的なバリエーションはつけられなかっただろう。日本の力は「欧州中堅に負けない」というあたりで4年前から足踏みをしているというのを表す、順当な結果であった。欧州中堅の力がついたことには贅沢をいう筋合いはないので、返す返すも豪州戦がとしか言いようがない。やはり日本だけが永久に右肩上がりで50年後にWCを優勝するなんて、なかなかそううまくはいかない。

(※)後から考えれば、相手が戻ってしまえばどうやっても崩せないのであって、相手が戻る前に高い位置でボールを奪って攻められるよう、守備ラインを上げ中盤をコンパクトにしプレスをかけるという組織を作っておくべきだった=ジーコには作れなかったということ。

 日本の目標はグループ突破じゃなくてベスト8だったのだから、全力で行って欧州中堅クロアチアを倒せなかったという結果は、実力をはかるという意味では明瞭な結果だった。運と戦略があれば 2nd に進む力はあったが、欧州トップを下してベスト8に進む力はなかったのである。これがジーコ日本の実力(マイナス久保マイナス万全な中村)という実感なり。

 まあ、もう1試合楽しめる。今日のように思い切りやってくれれば楽しい試合になる。もう豪州戦みたいな、力をまるで出せず負けということはありえない。もう一度豪州とやったら、今度はタックルを交わしてきちんとパスを回し勝てるだろう。

 とにかく巻を見たい。PKボックス内から出ず相手DFと競れという指示を与えて送り出したい。ヤナギは当然大黒にスイッチする。大黒は小兵すぎてDFからボールを隠せないという弱点を感じるので本当は玉田の方がいいのだが、玉田は与えられたチャンスを生かせなかったのだから出番を譲るしかない。

 中村の体調が突如上がってくるならばともかく、そうでないなら小野にもう一度チャンスをやりたい。そして稲本と中田コでゴール前を堅め、中田を小野と並べて、中田に守備をやらせず存分に攻めさせたい。これが中田時代のおそらくは終わりなのだ。もうあんなに走って戻らなくていいから、最後にブラジルから点を取ってくれ。中田秀寿、頼む。

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France vs. South Korea
 韓国がまったく物怖じせずにフランスとがっぷり組んで戦っているのだが、PKエリアのこぼれ球をアンリがうまくコントロールしてシュートを決め早々に1点入る。韓国が勝ったりすると悔しさが募るが、日本とはまったく違うドリブル&走力勝負というアプローチでアジアの道を探る韓国には、可能性を見せてほしい。

 後半はフランスの体力が落ち、韓国が優勢に攻めたて、ついに追いついた。見事。10m のパスを速く確実に通すために選手がさぼらず動き、パスを受けたら勝負してまたこぼれ球を拾い、ついにフランスを崩してしまったのである。日本はメキシコと韓国のボールへの執着心を見習わなければならない。

 フランスはアンリへの縦パス1本ですぱーっというきれいなイメージしかなく、そこをケアされると韓国のマーク力を上回る他の攻め手が湧いてこなかった。ジダンにもキープ力はあったがドリブル突破やキラーパスは出ず。というかアンリはジダンが鬼キープすると、飛び出すタイミングが掴めず前へすぱーっと走れないんじゃないだろうか。2人のサッカーのイメージは全然合わないのかもしれない。

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■06/06/19(月) □ 貧乏クジ
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 今日も今日とてアジアのサウジが惨敗中。この調子では次のWCでアジア枠が....と心寒し。たしかに現状の4あれば競争は事実上ゼロで、日韓イランサウジが毎度出られるので超ぬるいし、そのうち3カ国がいいところなしなのだから1枠くらいは減らされても文句の言いようがないのだが、0.5 を持つ豪が入るのだから最低でも 3.5 にはしていただきたい。ここ10年くらい日本にも歯が立たないサウジがさくっと落ち、日韓イラン豪のうち1つがプレイオフに行くというのがフェアな競争だと思う。

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 昨日の試合について、ジーコの仕事の経緯を知らない海外メディアの一部は、「才能のない選手たちに当たってしまい、ジーコが気の毒だ」と評しているのだそうだ。ジーコのフラストレーションと絶望の表情がよく画面に出ていたからなー。「ジーコがいい仕事をして日本は強くなった」と知りもせずにいってる海外メディアも多いし、やっぱサッカー僻地のことなんてこの程度の偏見で見られているのである。指導実績のないスーパースター監督を雇うのは、あらゆる意味で貧乏クジであった。よければ監督のせいと思われ、悪ければ選手のせいだということになってしまう。

 まあ、うちは何を言われても文句は言えない。結果がすべての世界である。連続して好成績を残さなければ、実力としてカウントはされないのだと身にしみて思う。

 それに、たとえば韓国もWCではずっとずっと負け続けてきて、近くは8年前に1-3、0-4で凄惨な目に遭ったわけだしな。WCに出ていれば、こういう経験はいつかやってくるものなのだろう。日本の場合は黄金世代のピークだったのに4年間を無駄にしたという、単なる敗戦以上のつらさもあるわけだけど。

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■06/06/21(水) □ カナダの自転車事情
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 萌が朝自転車で軽く転び、やっぱり危ないからきちんとしたサイズにアップグレードしてやろうと自転車屋に行ったのだが、カナダの自転車は日本と構成が全然違う。子供バイクにはほとんどハンドブレーキがついてないことにも驚いたが(コントロールの難しいペダルブレーキだけ)、大人バイクは左・前、右・後ろと、ハンドブレーキが日本と反対についている。俺の自転車はそうなってないのだが今日チェックしたバイクは全部そうだった。なぜ? これだとモーターサイクルと逆になるので、超違和感がある。

 Mが萌のために目をつけていたバイクは20インチホイール&大型フレームで、20インチはともかくフレームとハンドルが無駄に大きくて、重い上に手も足も伸びきった状態になってしまう。これじゃハンドルを切れないのでコントロールできず、何かあればたちまち転ぶ。ところが自転車屋のおばちゃんは、「これが正しいサイズよ、ハンドルをサドル方向に調整すれば大丈夫」などというのだった。本当に自転車に詳しいのかこのオバサンはと疑ってしまう。ハンドルを手前に引いても、切ったときの外腕の遠さには変わりはない。乗り物としてデザインが悪いのである。

 それは問答無用だが、他にちょうどいいものもなし。16インチだと現在の萌にぴったりすぎて来年には小さくなってしまい(だいたい今の12インチを買ったときに有無を言わせず14インチにしとけばあと1夏くらい乗れたのだが説得できなかったのであった)、悩ましい。子供が握れる軽さ=工作精度のブレーキがついた子供バイクは1台もなかったし、カナダは自転車の品質低し。やっぱスポーツとしてしか自転車が使われておらず、実用車=オバチャリが普及していない国は駄目なり。

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 明日はブラジル戦。最後の練習はシュート練習だけというのは、ジーコはやはりコーチではなくテクニカルアドバイザーだったのだなあとしみじみ思う。98年にジーコをそうして使ったブラジルは物事が分かっており、川淵会長は自由サッカー幻想に包まれていたのであった。会長やマスジマさんら「自由と信頼が日本代表の最高の力を引き出すかもしれない」と夢を語っていた人々は、豪戦後完璧に沈黙してしまった。彼らにはどう語ることもできない結果が出てしまったということである。

 ベンゲルも中田を前に出すことを推奨している。中村が組み立て中田を縦に送り出しシュートを打たせろと。FWは「強く高い選手」と巻の使用をサジェストしている。まあ外から見ていれば、誰でも同じことを感じるということに過ぎないが。

 このベンゲルの記事であっと思ったのは、プロが初めて公に「中田のピーク」を語っていることである。これはこの記事が最初だろう。もちろん中田のマーケット価格の暴落を見れば現場の評価は明らかなのだが、それでも中田は現在長いスランプと噛み合わせの悪さの中にあり、自分に合ったチームに行ければまた華麗な仕事をしてくれるかもしれないというかすかな期待は俺にはあったのだ。が、やっぱりプロから見てもそうかとため息が出る。

 最後に、本当に最後にジーコさん、中田に攻めさせてやってください。お願いします。2点差で勝ちたいなんて贅沢は言わない。この中田時代黄金世代のトロフィーとして、記憶の棚に飾れる1発を見たいのである。

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■06/06/22(木) □ ブラジル戦-9年間の夢
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 11:36 あ、日本は巻、玉田! やっ・た。これで思いきり戦える。中田は今回もボランチで、AMFは小野ではなく中村のままだが。ブラジルはロビーニョとジュニーニョが入ってきた。FWの高さがなくなりMFは前2戦より守備力が下がっている。付け入る隙はある。

 入場。アレックスがブラジル選手とさかんに歓談しているのが目立つ。彼もWCでブラジルと戦うんだから誇らしいだろう。いいゲームをする自信も当然あろうし。2点差をつけろとは言わないが、勝ちたい。勝つのは不可能ではない。

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静かな立ち上がり。まずは日本がボールをまわし、玉田が裏を取りかける。惜しい。中田が奪いカウンターからまた玉田、折り返しをカットされる。玉田のスピードは効いている。非常にいい立ち上がり。

 5分、ブラジルが攻撃を開始する。ロナウジーニョのスルーから坪井を交わしてロナウドのショット、川口が弾く。現時点で必死さが違うので、日本がペースを握り続ける。

 ロビーニョのショット、川口が止める。ブラジルは個人技一発でシュートが打てるため、PKボックス前あたりで簡単に打ってくれるのがありがたい。小笠原と巻が現時点で1対1の力量差でボールを保持できずにいる。やっぱりどんな相手でもプレイに絡みまくる中田はすごいのである。

 中村中田の組み立てからこぼれた球を稲本がミドル、浮く。ついでブラジルが華麗につないでロビーニョ! 川口が弾く。とにかくPKボックスの中には入れないことだ、外からのショットはほとんど川口が止められる。

 加地が抜け出し小笠原のボールを呼び込んでクロス、合わない。ボールを奪ってロナウジーニョがカウンターをかけるが、日本はラインを上げているので落ち着いて対処。巻が右に走りボールを引き出し小笠原に返してクロス、飛び込んだのは玉田で高さが足りず。反対だったら良かった。

 ロナウドがシュート、川口止める。これは弱かったがコースが最高だったので、よく止めた。えらい。しかしロナウドがリハビリ中で本当に助かる。あの距離から強いショットだったら止めようがない。

 22分、ジュニーニョのシュート、だんだんと枠内に強いシュートが飛んできている。中村・加地・オガサ・加地とつないで折り返し、DFがコーナーへ逃げる。これがこれまでで最高のチャンスであった。こうして3本4本とつなげばブラジルも崩れる。これをやりたいのだ。縦パスぽーんから巻の初シュート。よし。得点の可能性はゼロでも、体を張ってゴール方向へ打つだけ高原ヤナギより有効だ。皆が守備に帰る時間が作れる。

 ロナウジーニョの華麗なトリックプレーをつぶしてカウンター、玉田のパスミスでつぶれたが惜しかった。パスがつながればビッグチャンスだったので、スタジアムがため息に包まれる。しかしブラジルがこうして軽いプレーをしていてくれるのはありがたい。ロナウジーニョのヒールキックを見て、アナウンサーは「出るか、WC史上に残るビッグプレイ!」なんて興奮しているが、密集したPKボックス内でヒールで浮かせてシュートなんてのを許すほど日本は崩されてはいないのだ。だがしかし日本は、もっとつながないと。

 おおおお玉田! 中田→玉田→稲本→アレックス→玉田でゴール! 完璧、完璧だ。これを見せるために日本はWCにやってきたのである。やってくれた\(;_;)/。

 すぐさまブラジルの猛反撃があるかと思ったが日本が皆ゴールで乗っており、ペースを渡さない。皆落ち着いているし、玉田も巻も体が軽い。よし。このままハーフまでは、あまりことを荒立てずにそーっといきたい気持ち。

 巻がオフサイドライン突破を常に狙っているのが、他のFWと違って頼もしい。FWがその場所で頑張ることで相手のDFラインを下げられるし、万が一突破できればサッカーでは何が起こるか分からないのである。

 う、ハーフ直前ロナウドのヘッドで追いつかれる。しっかりボックスを固めていたが、右サイドにもう1人上がってきたのをロナウジーニョが見逃さす振って、折り返しをロナウドに押し込まれた。ゴール後ずっとそーっと行けていたのだが、1つだけ対応を誤った。ロナウドは全然切れがないのにやっぱりWCでは点を取ってしまう。やれやれ。ここでハーフ。リードを保って行きたかったが仕方がない。

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 う、裏は1-1。クロアチアもう1点頼む。いつものことながら格上好みのカナダ解説陣は、ブラジルが完全に支配していると言い日本の健闘をたたえる言葉はないが、日本がブラジルを相手に引かず攻め合っているのだからシュートまで持っていかれるのは覚悟のうえであって、アトランタのときのように手も足も出ないとは感じない。ここまでは最後の右サイド対応遅れ以外は完全に日本のプラン通りのゲームをやっており、この後も点は取れる。失点を抑えるのは、それはもう甚だしく難しいだろうが。

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 後半:ブラジルは日本陣内で回して回して仕留めるチャンスを狙っている。そうはさせないぜ。あれ中田が前目にいるか? カウンターで前に走っていた。

 ロナ・ロナの華麗な1・2でシュート、完璧にやられたがロナウドがはずしてくれた。あれをはずすとはロナウド、相当に悪い。決勝トーナメントではサブではないかと思われる。まあロビーニョも皆が期待するほどの決定力はなく、今日ははずし続けているけれど。

 やはり中田が2列目に入っている。ということは中村が中田の後ろでボランチ? 単なるポジションチェンジだろうか。活動量のある中田が前に行くのは俺の願いどおりなのだが、中村が後ろではえらいことである。

 うわ! ジュニーニョのロングショットが川口の頭上をぶち抜く! 35m?これは川口止めてほしかったが、すごいのを止めながら取れそうなのを取れないのが昔から川口の特徴ともいえる。オランダの真正面のFKをコートジボワールのGKが触れなかったのと同じで、あの速さでまっすぐくるボールはGKには見えないのかもしれない。

 これで1-2、ブラジルが一気呵成に追加点を取りに来ている。浮き足立たつな日本、ボールをキープするのだ。2点差で勝つという希望ははなから抱いてはいなかったが、まだ点を取って勝つことは可能だ。

 中田コが入る。今日も結局何もできていない中村に替えるのかと思ったら小笠原。これは悪手だ。小笠原は序盤以降は攻守に絡んでいるのだから。これで中村が最後まで出ることは確実になった。中村だってこんなプレイしかできないならば、替えられたほうが助かるだろうと思う。正式に前に出た中田がさっそくミドルシュート、だが弱い。

 日本が長いボールキープを生かせず奪われたところで、カウンターからロナウジーニョが素晴らしいロングスルーを左サイドバックに通しきれいにゴール。1-3。仕方がない、だが日本はまだ点を取れる。あきらめるな。高原が巻に代わる。うーん、巻は力がはるかに上の相手DFに翻弄されても、愚直に戦い続けていたので替えてほしくなかった。

 ブラジルが回して回してシュートを打ちまくる。アナウンサーは「次はロビーニョがゴールする番でしょうか、かわいそうな日本」などといっている。負けるな、ボールをキープして押し返せばまだ点は取れる。と思ったら高原は入って最初のプレイで怪我をしてしまった。高原と中村にとっては、まったく思い出したくもないWCとなってしまった。大黒イン。

 そこから後はまったくボールを奪い返せなくなる。もうこのへんはさすが世界最強チームとしか言いようがない。辛抱して守り、ボールを持ったら蹴り出さずに地道につなぐ、日本はそれ以外にどうしようもない。

 73分、ブラジルが延々とつなぎ、日本は奪ったら抵抗を試みるがつなげず奪い返されるということが続き、終戦ムードに場内が静かになってきてしまった。大黒が必死にボールを追っているが、ブラジルのパス練習のようになってしまい手も足も出ない状態。全員がせーので大黒くらい追えればボールを奪えるだろうが、日本はボールを回されすぎて足が止まってきている。もともと組織をコンパクトにしてボールを奪うことを必死に練習してきたトルシエ時代を否定して、選手のその場その場の判断で「自由」にやらせろというのがジーコの4年間なので、こうして相手が自分たちよりもはるかにキープ力が上でミスをしてくれないと、何もできないのは道理。せめて中村を遠藤に替えたいのだが、高原の怪我で交替の3人は使ってしまった。

 中村は結局3試合で、ほとんど何もできなかった。稲本や中田コら控えの選手がよかっただけに、体調が戻るまで中村を早めに交替させるなりしてほしかった。結局選手のコンディションよりも格を重んじるジーコ先発は、高原・ヤナギ・中村と全滅だったと言える(泣)。ジーコは無言でピッチを見つめている。

 完璧にゴール隅にコントロールされたロナウドのミドル、1-4。ぐー彼のリハビリまでも日本が順調に進めてしまった。

 残り10分、GKのサブまで入れてリラックスしているブラジル陣内に大黒の頑張りで何度か攻め込めたが、現実的なチャンスまでは作れず。終わった。

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 はあ。お疲れ様でした。チーム内の選手の判断の揃い方、パスを回し隙を伺いシュートチャンスを作るという意思の統一感、そして決断力と実行能力、すべてにおいてブラジルは雲の上であった。つまり超絶にうまいチームが組織として動いているわけで、そこそこうまい程度のチームが個々の判断で頑張っても、どうにもならなかった。前半はそこを日本の必死さでカバーできたが、これだけの差はやはり隠しきれるものではない。頑張りが通じる相手ではないのである。

 豪に負けたことに比べれば今日の敗戦はショックではないが、力の差でねじふせられた2~4点めは悔しかった。中田は試合後泣いていたそうだが、言葉や精神力では追いつけない違いを嫌というほど見せ付けられ、一度は欧州頂点を垣間見た人であるだけに悔しかったことだろう。

 俺たちは皆中田とともにこの9年間、同じ夢を見てきたのである。その夢はついに結実することはなかったのだけれど、楽しかった。いやWCの戦績という形では結実しなかったが、たとえば今日のブラジル相手の美しい1点やパス回しといった局面局面では、夢が現実となっていた。それを快い記憶として喜びたい。次のWCにはどんなメンバーが挑み、俺はどんな気持ちでそれを迎えるのだろうか。今はイメージできない。

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 ジーコは4年間日本サッカーについてネガティブなことはまったく言わず、そこがトルシエと正反対で川淵会長(やマスジマさんら「自由」サッカー信奉者)に惚れられたところなのだが、豪戦後は日本にはプロフェッショナリズムと技術が不足し、自分には改善できなかったということを盛んに言っている。今日のコメントも同じ。トルシエは在任中は無茶苦茶を言っていたが、ヘボい采配でトルコ戦を負けたあとは、ジーコよりも静かに負けを受け入れていたよなあと思い出す。

 ジーコと川淵会長を除く日本サッカーファンはこの4年間ずっと、

「中田中村小野のワールドクラス3人を揃えて世界に立ち向かえるのはおそらく今度が最後。組織をカリカリにチューンしても個人の力が足りず負けるのは8年前からの経験で慣れているが、組織力の不足で負けるのは甚だしい悔いが残るだろう。ジーコだけに任せていたらそうなるのは必定と思えて仕方がない(05/06/08 感慨薄いWC予選突破)」

 と感じていたわけで、個人の力は上がったはずなのに組織力と采配力が落ちたゆえ惨敗したとしか思えない。ジーコ日本のマックス値はチームのすべてが噛み合った「コンフェデのブラジル戦」ということは分かっており、だがそのとき噛み合った理由はジーコ自身にも分からないので強さはまるで持続しておらず(※)、「とにかく本番で『あれ』が出ますように」と皆が祈り続けたのであった。結局コンフェデ以降1年間で、「あれ」はドイツ戦の1回しか出なかったわけである。今日の前半は「あれ」に近いものが出たが、相手はコンフェデ時よりも本番は当然強く、日本は中村のコンディション不良を筆頭に弱くなっていた。はあ。

(※)このWCから振り返ればあのコンフェデ時は単に、中村をはじめ全員の調子がよかったというだけのことだったのかもしれない。みんな暑くても走っていたし。

 「おばあちゃんがガックリしてるだろうから電話しよう」と、萌と日本に電話したのだが、明日から志賀高原でフォークダンスの合宿だとかで、ババさまは俺よりずっと元気だった。はあ、それはよかった (^_^;;)。

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■06/06/23(金) □ サッカー日本代表であることの絶望
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 韓国がスイスと戦っている。前半は見れなかったのだが、やや押され気味で0-1というところか。アジアのために勝ってほしいような、前回に続き取り残されるつらさを感じるような複雑な気持ちだが、アジアサッカー絶頂期であった4年前から、日本は自由自由と夢を語って地に落ちたわけで、普通にプロの監督に率いられたコリアはどう伸びたのか(あるいは低下を防いだのか)、そこを見たいのである。現Jリーグの選手が2人、前J選手が2人頑張ってるんだから、それも応援したいし(Jリーグ選手がベスト16を戦っているのに一言も言及しない、日本のマスコミの知的好奇心の欠落には恐れ入る)。

 後半、韓国は点を取り返そうと前がかりになり、カウンターで危ないシーンを何度も迎えている。スイスの守りが堅いらしく攻めては何も起こせない。全体に前の試合のようなキビキビ感と躍動感を感じない、このままではまずいなというところでまたもアンジョンファンとソルギヒョンを投入。彼ら切り札を後から入れることに価値があるという監督の考えなんだろうか。

 何も決定的なことをできないでいるうちにまたもカウンターを受け、今度はオフサイドの誤審で1点を失ってしまった。はあ。コリアは1戦2戦はよかったのに、どうしてこの試合は勢いがないんだろう。謎だ。相手が実直にプレスをかけてくる守備的チームだと鏡合わせで手が合わないのかな。この辺も知りたいところである(※)。

(※)翌日の中田徹コラムで、韓国チームは準備期間に移動が多く、全体にコンディションが悪くて、先発メンバーがことごとく不発だったとの指摘あり。やりくりで2試合は対応できたが、3試合目にして疲れも限度にきたというところだっただろうか。まことWCは難しい。

 これで、やはりベスト4はマグレだった、ヒディンクの手腕であったというあたりに世界の認識が落ち着いてしまうのだろうな。日韓揃って評価はゼロ査定に戻ってしまった。コリアは普通にプロ監督を雇った分アウェイでの初の1勝を得、日本はそれをしなかったゆえにアウェイでは勝ち点1に留まったことになる。

 学校へ萌を連れて行くと、ジャマイカ出身のSH母さんが「昨日見たわよー」と笑いかけてきた。「あー (^ー^;;)。しかしほら、うちが先に点取ったでしょ、ビューティフルなやつを」「信じられなかったわよね。だけどその後はまるでチャンスがなかったじゃない」「まことにそうです」「あたしなんか再放送も見ちゃったわよ」「僕をからかうために?」「違うわよ、トモがかわいそうだと思ったわよ」「ありがたいです。まあ4年後は、カナダもジャマイカも予選を通って戦いましょう」。

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 日本代表はコンディショニングに失敗したと大住さんや後藤健生らが断言している(※)。ドイツ戦後練習を休んだFW2人と中村の発熱以外にはそういう情報は流れてきていないのだが、シュート練習何百発とか終始オーバーワーク気味だったのは明らかで、そのあたりが試合にも響いたのだろうか。豪代表選手も試合後「勝負はフィットネスの差」と指摘していたし。まあ今となってはそれも川淵ジーコ体制のありとあらゆる失敗のうちのたった1つに過ぎないが、それが今回の日本のデキのひどさを解く大きな鍵かもしれないので、どうであったのか真実を知りたい。ジーコは就任初期にコンディショニングで大きな失敗をしていたし、「調子よりも格」という強い信念を持つことは中村を3試合出したことでも明らかである。

(※)日程の作り方(国内のキャンプに客を入れて張り切らせたこと、ドイツ戦を入れたことでチームがいやがおうにも盛り上がって戦いすぎ結果的にそこがピークになってしまったこと)、シュート練習のやりすぎなど、協会とジーコとコーチ陣の失敗であるといっている。

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 ネット上どこへ行っても日本代表評論を見かける日々だが、サッカーを分かってないオヤジな人々は―――というかオヤジ型感性の人というのはサッカーを語らせると一発で分かってしまう―――、野球はイチローで世界一になったがサッカーはうんぬんだとか、「中田はイチローになれなかった」うんぬんと、実にまことに低脳なことを言っていて、コメントを読むことが苦痛だ。アフリカ貧困国から信じられないほど素晴らしいサッカーをするチームが出てくるように汲めども尽きぬ底の深さがある世界の頂点と、野球のミニ大会(フルメンバーの総力戦ではないのだからコンフェデと同等だろう)とを比べて何事かを語ろうとする感性は、オヤジとしか形容しようがない。

 まあどうでもいいのだが日本代表選手を批判する人々は、自分もサッカーの下手な日本人であることを棚に上げて文句をつけているようにしか感じられない。サッカー日本代表であることの絶望に立ち上がれなかった中田の気持ちは、彼らには決して分からないだろう。

2006/06/22

WC 2006: 9年間の夢

ほぼ願った通りのメンバー、パスをつなぎ組み立て打たれても川口が止めるという理想の展開、そして玉田の先制点。完璧、完璧だ。これを見せるために日本はWCにきたのだと胸が熱くなった。

豪に負けたことに比べれば今日の敗戦はショックではないが、力の差でねじふせられた2~4点めは悔しかった。中田は試合後泣いていたそうだが、言葉や精神力では追いつけない違いを嫌というほど見せ付けられ、一度は欧州頂点を垣間見た人であるだけに悔しかったことだろう。

俺たちは皆中田とともにこの9年間、同じ夢を見てきたのである。その夢はついに結実することはなかったのだけれど、楽しかった。いやWCの戦績という形では結実しなかったが、たとえば今日のブラジル相手の美しい1点やパス回しといった局面局面では、夢が現実となっていた。それを快い記憶として喜びたい。次のWCにはどんなメンバーが挑み、俺はどんな気持ちでそれを迎えるのだろうか。今はイメージできない。

2006/06/20

WC 2006: クロアチア戦の感想

 クロアチアとドローというのは開幕前のプランの一部だったわけで、返す返すも豪州戦が、としか言いようがない。

 仕方がない。豪州戦は監督がジーコじゃなかったら勝てただろうが得点は実際マグレだったし、この試合は誰が監督でもたぶん、引いた相手を崩すには日本選手の技術とひらめきと判断力が足りなかった。稲本の投入はよかったし、ポストをできていない高原を見切って巻を入れたらどうだったか、それくらいしか戦術的なバリエーションはつけられなかっただろう。日本の力は「欧州中堅に負けない」というあたりで4年前から足踏みをしているというのを表す、順当な結果であった。欧州中堅の力がついたことには贅沢をいう筋合いはないので、返す返すも豪州戦がとしか言いようがない。やはり日本だけが永久に右肩上がりで50年後にWCを優勝するなんて、なかなかそううまくはいかない。

 日本の目標はグループ突破じゃなくてベスト8だったのだから、全力で行って欧州中堅クロアチアを倒せなかったという結果は、実力をはかるという意味では明瞭な結果だった。運と戦略があれば 2nd に進む力はあったが、欧州トップを下してベスト8に進む力はなかったのである。これが日本の実力(マイナス久保マイナス万全な中村)という実感なり。

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 まあ、もう1試合楽しめる。今日のように思い切りやってくれれば楽しい試合になる。もう豪州戦みたいな、力をまるで出せず負けということはありえない。もう一度豪州とやったら、今度はタックルを交わしてきちんとパスを回し勝てるだろう。

 とにかく巻を見たい。PKボックス内から出ず相手DFと競れという指示を与えて送り出したい。彼自身はシュートを打てずとも、競って相手DFをつぶしこぼれ球を作るだけでいい。ヤナギは当然大黒にスイッチする。大黒は小兵すぎてDFからボールを隠せないという弱点を感じるので本当は玉田の方がいいのだが、玉田は与えられたチャンスを生かせなかったのだから出番を譲るしかない。

 中村の体調が突如上がってくるならばともかく、そうでないなら小野にもう一度チャンスをやりたい。そして稲本と中田コでゴール前を堅め、中田を小野と並べて、中田に守備をやらせず存分に攻めさせたい。これが中田時代のおそらくは終わりなのだ。もうあんなに走って戻らなくていいから、最後にブラジルから点を取ってくれ。中田英寿、頼む。

2006/06/17

日記「WC2006: 4年間待ち続けた結果が」

「うれしすぎる誕生日」「なぜあれほどまでに日本のデキが悪かったのか」「早くお天道様の下を歩きたい」ほか。
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■06/06/02(金) □ うれしすぎる誕生日
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昨夜のカンシャク炸裂で心配した萌の喉の痛みなどはなく、無事誕生日を迎える。元気にジムナスティックスへ。皆にハッピーバースデイを歌ってもらってます。

 学校でもそのあとも、萌はもう会う人すべてに「今日は私の誕生日なの」と言いまくっていた。もう明日のパーティが待ちきれないよという萌を、バースデイディナーでインド料理屋に連れていく。本格的に辛いものはまだ食えないが、この店のバターチキンが萌は大好きなのだ。ここでも店主のおじさんに誕生日であることを告げ、アイスクリームをおごってもらう。

 そして明日のパーティで出すケーキやスティッカーなどを買いに行って一日がおしまい。ケーキに名前を入れてもらうと、もう信じられないくらいうれしいと萌は震え、レジのおばさんにもよかったわねえと喜ばれていた。

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■06/06/03(土) □ パーティは大成功
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 朝からLちゃんを呼んで遊び、パーティを待つ。ただ待っていては萌が待ちきれないので、お客があって助かった。

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【2枚並べ】【横】s400 【縦】s320 height="300"

そしてパーティは大成功であった。最初のうちは物怖じしていたRB・IS・HNらも、キッズパーティのプロであるコミュニティセンターに蓄積された盛り上がるパーティ黄金律ともいうべきクラフト→フード→プレゼントオープン→ジムで大騒ぎ→ケーキという流れに乗って途中からご機嫌になってくれ、全員が最高に楽しんでくれたと思う。萌もこれまでで最高のバースデイパーティだったと大満足。よかったよかった。



 朝から夕方の6時近くまでバースデイ行事にかかりっきりで、俺とMはヘロヘロ。萌はパーティの余韻で興奮して眠れないだろうなと思ったが、意外にも夜は静かに一人で本を読んで寝てくれた。このパーティという大イベントに向かって彼女は突っ走ってきたわけで、無事に済んでやれやれである。

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■06/06/04(日) □ クーリングダウンの日曜日
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 昨日もらったプレゼントのクラフトをしたり本を読んだりして過ごす、クーリングダウンの日曜日。萌はこの頃英語の本を自力で読めるようになってしまった。知ってる語彙であれば 100%読める。英語は正しいスペルで書くのは難しいが、読むのはさすがに漢字がないので簡単なのである。日英読み書き難度がここから逆転していくかもしれない。漢字をどうやって教えたらいいのかなあと考えてしまう。

 午後からはゲームなどで盛り上がり穏やかでよい日だったのだが(「ポケットムームー」最高)、萌は「今日私は一度も叱られて泣いたりしなかったよ」などと夜になって言っていた(笑)。最近気持ちが上ずって物事に不注意になり叱られることが非常に多く、今日はそれがなかったと自覚しているらしい。

 ハリソン行き前後には、この興奮が誕生パーティでピークを迎えたら、カンシャクを起こすわ眠れないわ夜泣きが出るわでえらいことになるのではないかと思っていたが、昨日今日といい感じに興奮し、いい感じに落ち着いてくれた。何度も限度を越え泣いて、感情コントロールを学んでいくのでしょう。

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■06/06/07(水) □ 自転車に乗れました
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萌が家の前でスクーターではなく珍しく自転車に乗っているので、最近自転車の調子はどうなのだろうと見てみると、補助輪はもうほとんど接地せずぐるーりと走っている。これは多分もうすでに乗れているなと、補助輪をはずしてサドルの後ろを俺がサポートし、走り出してから手を離すとおーそれみよ。萌はもうまったく問題なく、そのまますいーっと走り続けるのであった。

 「ホラ萌、もうお父さんはホールドしてないよ」と両手を見せると、うれしくてうれしくて「うわー」といいつつ俺の顔を見ながら萌は走る。うわー前を見ろーと笑いながら追いかける。萌は大喜びしながらぐるーりときれいにリーンして回って帰ってきた。パーフェクト。

 これはスクーターで2輪のバランス感覚が身についたのだろうなあ。すばらしい。おーい見せたいことがあるよとMを呼び、萌がまたするーと走る。お母さんもきゃーと感動しています。走り出しと止まるとき(足ブレーキング)の技術がまだ未熟だが、それはもう練習で簡単に身につくことである。いやーめでたいめでたい。俺は小学1年で乗れるようになったので、萌は1年早いのであった。

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■06/06/09(金) □ ワールドカップが始まってしまった
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 ワールドカップが始まってしまった。ついに始まった。

 国歌斉唱には毎度ながらジーンとするが、12分でたちまち1-1となり、またすぐに2-1となる。エキサイティングといえば言えるが、なるほどドイツは大味だと思う。日本がこのドイツから2点先取したのも道理という感じ。そして、豪州は強いだろうがドイツ以上ということはなかろうから、失点を1点に抑えればいけるだろうと想像しながら見る。

 対豪州戦は、2001 年コンフェデ時の豪雨の中日本苦戦の末 1-0 という結果が一番今回のシチュエーションに近いと思うが、あのときと比較すると、

◎日本は中村が入る 豪はビドゥカとキーウェルが加わる
○好天で日本はパスが生きる 大物監督が(短期)就任
▲ホームではない 暑くなりそう

 というわけで共にトータルでプラス1という感じ。所属チームを見れば豪州のほうが格上だというのは 2001 年と変わらず、データ的にはこちらが不利だが、中村の魔法と円熟味を増した中田の戦術眼、そしてジーコの放任下で育った勝負強さがある....はずなのだ。チームにはトルシエ時代の遺産が確かに受け継がれているわけで、中田と宮本がジーコに委任されてそれを磨き上げているのだと思いたい。

 オーストラリアの強さは、おそらく4年前のトルコと同レベルにあるだろう。あのとき破れそうでついに破れなかった壁を破れば、4年間皆が抱き続けた悔いを、初戦で払拭できるのだ。

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■06/06/10(土) □ 夢のコートジボワール
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 朝録画しておいたイングランド-パラグアイを見る。パラグアイのオウンゴール&GK負傷というえらい気の毒から試合は始まったが、ベッカム・ランパード・ジェラードの大駒3枚が絶頂にあるイングランド(こうして序盤を着実に戦っているうちにルーニーも復活してくるだろう)に対するパラグアイの抵抗もさすがに頑強で、こういう試合を見ているとウヒウヒとWCの喜びを感じる。あさってにはここに日本が立つのだ。8年前はお客さんで力が足りず、4年前はドローに恵まれすぎて対戦相手以外世界の誰も日本を見ていなかったと思うが、今回はこういう強国と堂々と戦い世界に見せ付けられるのだ。日本にとって、ついに本当のワールドカップがきたという気がする。

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 その後に見たアルゼンチン・コートジボワールがすごかった。信じられないほどの美技と素晴らしいセンスで、コートジボワールがアルゼンチンを圧倒してるのである。DFが鋭いインターセプトからアルゼンチン攻撃陣の包囲網をドリブル突破し \(^o^)/、びしっと飛んだパスを絶品のタッチでコントロールしたドログバがシュートに持っていく。すんばらしー \(^o^)/。手ごわいという噂は聞いていたがそんなレべルの話ではなく、全員がもう素晴らしすぎる。

 結果としてはセットプレー崩れとオフサイドトラップ崩れで2-1で負けたのだが、こういう超絶チームがどこからともなく湧いて出てくるから、WCはやっぱり面白い。完全にイタリーでのカメルーンの再来だ。画期的なものを見た喜びに胸が震えた。このグループはオランダもいるわけで、面白すぎる。

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 今日は萌は久々に一日KT家へ。MSさんとサッカーの話をしがてら様子を見に行ってみると、実に幸せそうであった。よかったよかった。萌は初めてKT家へ自転車で自走し、帰りは一度も足をつかず走り通した。自転車に乗れると楽しいよなあ。

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■06/06/12(月) □ 4年間待ち続けた結果が
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 寝付けず、そして必要以上に早く目が覚めてしまった。仕方がない、このときを4年間待っていたのである。

 5:30 ピッチが出た。快晴だ。よし。TSN 解説陣はいつものように日本(とアジア)を軽視しているが、解説者の予想は「4年前のベルギー戦と同じ、ドローと見る」とのこと。05:53 入場。よおおし。

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 試合開始1分でのっけからFKのチャンス。これは俊輔が壁にひっかけたが、双方慎重にゲームを運び、オーストラリアもいきなりのロングボール放り込みはやってきていない。意外に静かな感じの序盤で、日本はスロースターターなのでこれは悪くない。

 うわわビドゥカのシュート2発。川口が反応で止めたが危なかった。徐々に豪が身体能力でポーゼッションを高めている。日本はインターセプトから速攻で勝負をしている。

 13 分:豪がボックスに詰めてクロスとシュートの雨を降らせる。スキル的に大したことはないので決定的なことにならず助かっているが、日本は体格差で押されセカンドボールを拾えない。もっとつないでボールポゼッションを高めないと苦しい。

 19 分:うーん、つなげない。それほど危ないシュートにはつながっていないが、ボール保持率で負けるとは意外な展開で、どうしたのだ。久々の攻撃から高原のミドル、これは初めてのまともな攻撃であった。これで一息つくとともにリズムを立て直せそうな気配。

 ビドゥカの見事なポストから決定的シュート! 川口が左手1本で止める。ビドゥカにはやはり苦しんでいる日本DF。

 うわ。中村のクロスがそのまま入ってしまった。GKがクリアにきて触れなかったという凡ミス。ボールの位置にGKの体が入っていれば高原と接触してもボールには触ったはずだが、触れなかったのでミスといえる。しかし点が入ったことはありがたいが、まだ日本が全然まともに機能してないので、ここからの相手の猛襲が恐ろしい。

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 そこからの豪の怒りの逆襲をうまく抜いて交わしたことで、日本に余裕が出てきてボールがつながり始めた。豪の圧力も序盤より落ちてきている。32 分:柳の個人技によるシュート、弱し。中村がかなり蹴られているのが嫌である。

 35 分:柳が傷んでブレイクを取り、両者水を摂る。かなり暑そうだ。豪も暑い国であるはずだが、スタミナではやはりアジアであろう。ビドゥカがオフサイドに引っかかり始める。宮本がラインを上げてきたようだ。フィールドをコンパクトにすればもっとボールも拾えパスもつなげるはず。俺はここに至りやっとリラックスできてきた。失点はするかもしれないが、ラインをコントロールし日本の実力さえ出れば問題なく取り返せるわけで。

 ハーフタイム:ふー。後半はこのままラインを上げていくしかない。慎重に下がり気味でゲームに入ったゆえに、ゴール間際の浮き球勝負が多すぎたのだ。そこでビドゥカにかなうわけがない。ここまで日本は耐えてカウンター&ミスでシュートに至らずの繰り返しで退屈なゲームをやっていて期待はずれではあるが、初戦だからとにかく勝つしかない。ボールをキープせねば勝てない。

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 後半開始:豪の勢いはブレイク後も蘇っておらず、日本のラインも下がってない。よし。宮本がビドゥカをオフサイドにかけてきっちり殺している。よし。ここから中村の魔法を繰り出して追加点を奪うべし。

 パルマのブレシアーノが下がった。これは吉兆か。ここまでヒディングの魔法は、試合前のメディアコントロール以外には特に感じられない。う、坪井の脚が吊っている? こんな時間に? やはり暑いのか。あ、自分からサブを頼んでいる。茂庭か。頼むぞ。現時点ではラインコントロールで1対1は避けているので、ゲームになじむ時間はあろう。

 58 分:相手GKのフィードエラーから攻め込む。シュート力が弱い欠点は改まっていないが(柳澤は強いシュートを打つ力がないんだなと改めて思う。シュート以外は一流なのだが、ばしっとシュートを蹴るとJリーグレベルになってしまう)、時間を削り取るにはよい展開。豪DFを下げてFWを投入。これで4トップか。韓国が4年前にイタリーとスペイン相手にやったパターンである。日本はボールを奪えば数的有利で攻められるので、落ち着いて息の根を止めればよし。中村などはゲームのペースを落としていこうというのか、ゆったりとドリブルしている。実に退屈だが、中村を含め攻撃陣がこれほど低調では、時間をつぶす以外に方策はないかもしれない。

 しかし相手の動きが落ちて、日本は攻撃になればこうして時間もスペースもあるのに、ほとんどまともなシュートにつなげられない。パスが売りのチームなのに勝負パスやクロスの精度がひどいのである。大きな大会の初戦という難しさはあるにしても、ゲームを通して一向にいいプレイが出ないまま終わるというのはどういうことなんだろう。ラックで1点はもらえたとはいえ、これで勝てても凡戦としか言いようがない状態である。直前のドイツ戦で素晴らしかったんじゃないのか。どういうことなんだろう。

 66 分:双方動きが落ちて、豪がFWの大きな反転など身体能力一発でシュートに持ち込もうという展開が続く。日本DFにはかろうじてボールをブロックするという程度の能力しかないので、これを何度もやられるとつらい。DFライン前のプレッシャーを上げてFWへ入るボール自体を止めたいのだが、全体的に双方ともボールホルダーへのアタックは非常に緩慢で、WCとは思えぬ遅いゲームだ。気候のせいもあるのかもしれないが。

 69 分:PKボックス前で豪にFK、うーんまずい。川口止めた! これは失点を覚悟したが川口さすが(※)。しかし日本はいい加減追加点を取らないとまずい。残り 20 分、サブをお願いします監督。今日は魔法が出そうにない中村に替えて走れる選手を。いっそ玉田を入れてほしい。ここで点を取るにはドリブル勝負しかない。頼みます。

(※)あとでビデオを見たら福西が攻撃から戻っていなかったがゆえのピンチだった、もう走れず歩いていたのである。MFはいくらでもいるのに....。中村は前半蹴られすぎて怪我をしていたらしいし....。

 残り 12 分:やっとサブが入る。柳に替わって小野? ということは1トップ? 神のみぞ意図を知る交替といえよう。走れる選手がほしいのに、中田中村より足の遅いパッサーを入れても何かが起きる気がしない。

 川口またFKを止める! 見事。入れられていても文句は言えないほどの....と思っているとその混戦からのスローインをパンチしにいって触れず、ついに失点! これはあれだけ攻撃機会があったのにシュートを打てなかった攻撃陣の精度の低さを嘆くしかない。ここまで得点機会よりもはるかに多かった失点機会を守備陣が頑張って抑えていたわけで。

そして 90 分、豪の見事なミドルが決まり逆転。これはもう追加点を取ってゲームにケリをつけておかないと相手に勢いが乗ってこうなるという見本のような展開で、勝負弱かった昔の日本代表を見ているようだ。さらにロスタイムに茂庭を下げ大黒を入れ4バックしたところをドカンと追加点。1対1になると欧州クラブの選手には勝てないなと痛感する(同時に高原と柳沢が欧州で成功しない理由も、この試合で残酷なほど明白に)。最終的に完敗となり、ジーコの姿が画面に映った。はあ。

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 全体的な感想としては、守備がいくら頑張っても攻撃が稚拙でシュートまでつながらず、最終的に押し切られたところが8年前のようであった。キーワードは「8年前と4年前のリベンジ」のつもりが「8年前とおんなじ(で4年前よりダメ)」になってしまった。

 すべて監督の責任だと思えれば気がラクになるが、最後に壊滅したのはいつもの通り交替を使わなかったジーコの無策としか言いようがないとはいえ、攻撃陣全体のこの低調さはジーコにも予想できなかっただろうと思う。フレンドリーで十分にいい結果を得てきたチームがこれほど不発というのは、これがWCだからなのだろうか。

 試合後コメントによればヒディンクは、「中村、中田、ストライカーをチェックしたいと思い、中盤からストライカーへの部分を崩すこと、それを後半のプランの 1 つとした」とのことである。しかし中村は確かに削られていたし中田と柳沢も倒されながらファウルをもらえない場面はあったが、豪がエグくくるのは分かっていたことで、メキシコのようにそれを交わしてショートパスをつないで崩していくのが日本のプランであったはずだ。前半はそれがほとんど一度もできなかったことがショックである。そして後半はせっかくDFが安定し相手の圧力が落ちて点を取るためのスペースと時間があったのに、無残なほどアイデアと技術に欠けた攻撃しかできなかった。全員が足に来ていたとはいえ、ショックである。

 4年間待ち続けた結果がこれか。コンフェデとドイツ戦がこの日本黄金世代の成果でおしまいなのか。誰もが危惧したとおり、俺たちは4年かけてプロの監督でなければWCは無理だと実証しただけなのか―――とがっくりするばかりだが、まあとにかく去年のコンフェデと同じく次に勝ってブラジルにドローを取れば、クロアチアが豪を破ってくれるという条件で次に進める。計算してみるとクロアチアに4点差をつけて勝ち次にクロアチアが豪を破ってくれれば、うちは1勝でも次に進めます! キーワードは「8年前とおんなじ」ではなく『去年のコンフェデと同じ』なり、ここからまだ勝負はできるのだ。

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■06/06/13(火) □ なぜあれほどまでに日本のデキが悪かったのか
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 録画しといたコリア対トーゴを観戦、コリアはいい感じでやっている。自信を持ってビシッと力を発揮している感じ。いったい日本はなんであんなにも普段の力が出なかったのか。謎だ。

 あれ、安貞桓とソル・ギヒョンがサブだ。システムが違うのだろうか。あ、アフリカン瞬発力一発で点を取られてしまった。あちゃー。全体的に押しているのだが、やはりWCは怖い。8年前はコリアも、メキシコに先制しながら今回の日本並みに惨敗したしなあ。メキシコ1-3、オランダ0-4だったと思う。あのチャブンクンコリアは予選を楽勝して大会前えらい自信を持っていたし、なんか今回の日本の運命はそれをたどっているような気がしないでもない(^_^;;)。

 前半終了。しかし4年前日本敗退後にコリアを見てた気持ちとほぼまったく同じで、コリアいいわやっぱ、日本よりうまくて速い。4年前とほぼ同等にいい。まあ疑惑の判定は出ないだろうから、あんなに上位まではいけないだろうが。

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 うわ後半早々にFKで追いついた。すばらしいイチョンス@髪型4年経っても違和感あり。コリアはお国柄か、大久保や松井のようなドリブラーを重視してる感じである。そうした選手がボールを持って走り、周りが連動している。日本はやっぱ国民&ジーコの趣味でパッサーばかり育て集めすぎているため、昨日のように中田中村でどうにも点が取れないときにはオルタネイティブな打開策がない。「日本はアジリティで豪を破る」なんてマスコミはあおり結局一度も豪DFの裏を取れなかったわけだが、この韓国のキビキビさはまるでなかったのである。こぼれ球にこれだけ早く反応できるのは中田だけだし、瞬間的なドリブルの速さで勝負にいける選手は玉田しかいない。

 あああああアンジョンファン! 早送りしながら見ていたらいつの間にか出ていて、トレードマークの強シュートを決めてしまった! 素晴らしい。くー。愚痴を言うわけではないが、日本のFWにはやっぱこの強シュートを打つ筋力がないよなー。昨日などはフィニッシュにつながるパスなどまるでなかったとはいえGKへのショートパスみたいのばっかで、実にJリーグの下位チームを見ているかのようであった。自力でシュートコースをこじ開けこのシュートを打てる日本人FWは、かつて横浜でアンと2トップを張った、久保だけだったのである。

 アンジョンファンかっこいい笑顔で試合終了。見事。この直球勝負のトーゴになら日本も勝ったとは思うが(日本は初戦にあんなトリッキーな監督がいる国と当たったのは不運だった)、コリアはブラックアフリカにスピードで負けてないのがえらい。

 岡野前日本サッカー協会会長の言うとおり、「日本は韓国にはスピード・スキル・スタミナ・スピリッツの全ての面で負けている」「しかし、戦術理解や判断で互角に持ち込んでいる」のだなあと感じる。トルシエ時代は実際そうであった。で昨日は日本の戦術理解と判断のよさが、監督勝負で消されてしまったというところだろう。

 残り2戦、玉田を使ってほしい。やはりドリブル勝負に行くことがどれほどチャンスを広げることか、韓国を見て感じるのである。

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 ブラジル-クロアチアはもう次元が違うサッカーをやっていて、もう日本サポーター俺のモラル(志気)は地に落ちてるので、見ていて「こんな国に張り合おうなんて本気で思っていたのだろうか」といった具合の自嘲心が湧いてしまう。ブラジルは状態がフィジカル7分チームの練度5分という感じでまだまだなのだが、クロアチアが本気で勝ちにいっていた。日本と豪から勝ち点を取ればいいという感じでいくのかと思ってたが、とんでもないのであった。しかしブラジルは何もないところから個人の力で脈絡なく点を取ってしまうので―――4年前もまったくそういうチームであった―――、カカーのミドル一発で勝つ。

 しかしクロアチアもすごいわ。決定機の数ではブラジルを上回っていただろう。そういえば2年前のユーロでもクロアチアはフランスよりずっといいサッカーをしてたのであった。この国と今度はやるのだ。やれやれ。

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 なぜあれほどまでに日本のデキが悪かったのかという分析は一昼夜経っても誰もしてくれなかったが、TV Japan での井原解説(※)つき再放送を見ながら自分なりに考えると、前半は豪の圧力をしのぐのに精一杯で、ボールを奪っても相手の詰めがいいので展開をするスペースがなかった。また中盤とFWは最初から最後まで速攻を狙いすぎていて、結果ボールが足につかずにチャンスをつぶしたり、シュートレンジに至る頃には脚力を使い果たしシュートを打つ力が残っていなかったシーンが多すぎた。この辺はジーコが、急がずマイボールを大事にするよう指示すべきだった。

(※)井原はのっけからラインが低すぎるから苦しいのだと、リアルタイムで的確な分析をしてくれて面白かった。実体験と勉強がほどよくミックスされた将来の代表監督という感じがする。

 ゴールのおかげで一息ついたあたりからは豪の圧力が落ちてパスがつながり始めたが、中村がすでに削られすぎて力を半減させており、中村の切れがないとやはりこのチームには点を取るオプションが非常に少ないということなのだろう。

 中田は4年前と攻撃で同等、守備面ではあれ以上の仕事をしていたが、ペルージャ・ローマ時代の高速ドリブルで中盤を切り裂きスルーをスパーンという夢のようなプレイは、4年前と同じく今回も見れなかった。中田のよさは何よりも、FWがトラップ一発でシュートまたは次のプレーに持っていける連続性を生み出すグラウンダーの高速パスにあったのだが、今回イングランドのジェラードが見せているあの美しいグラウンダーパスは、もう中田からは出なくなってしまった。ドリブルで相手=ゴールから離れつつ、可能性の低いロブをDFの頭越しにFWに送るシーンばかり(この試合は特に、ボールを持って何かを仕掛けたら中村同様たちまち削られることが明らかだったのでそうせざるを得なかったのかもしれないが)。30 億の値がついたあのスーパーな能力は、00/01シーズンにどういうわけなのかパルマで失われてしまったのだ。

 今の中田はボルトンで今シーズン見た通り、普通の一流MFでしかない。好選手だが、クラブでも代表でもゴールやアシストをするような選手ではないのである(※)。悲しいことだがそれはもう分かっていたので中村のミラクルに俺たちは頼ったのだが、ついに一度も出なかった。物理的な圧力と蹴りによるヒディンクの中村つぶしが効いたわけである。日本のマスコミは「川淵会長が豪のラフさを懸念し、FIFA も豪をマークしている」と報じていたが、カナダと英字メディアは逆に、「日本の会長が豪のフィジカルな持ち味を消すためにそういう発言をしている、アンフェアだ」というヒディンクの抗議のほうを大きく取り上げていた。実際に豪は中村がらみのイエロー1枚で彼を無力化できたのだから、政治ゲームはヒディンクの勝ちだったわけである。そういうゲームで勝ってもうれしくはないが。

(※)ボルトンで一度だけドリブルで敵を引き付けスルーを決めて俺を狂喜させてくれたが、続かなかった。やはり高速ドリブルができなくなってしまったのがビッグプレイをできなくなった原因だろうか、自分が動いてパスコースを広げることができないのだ。

 高原と柳沢の実力は実際あの程度であって、アジア相手以外の真剣勝負で彼らが点を取ったこともないので、「8年前の城」状態でシュートを打たなかったりGKに取りやすいショートパスを出したりしていても、さほど腹は立たなかった。久保がリタイヤした時点で、得点はMFの組み立てにFWが合わせるというオプションしかなくなったわけで、それ以上の仕事はもし出たらうれしいボーナスに過ぎなかったのである。

 昨日は前半は柳沢のランによる展開以外組み立てはまったくなく(MFへのマンツーマンマークで消されていた)、後半は双方疲れから中盤が空洞になっていて、FWが自力で1対1に勝ち打つしかなかった。豪のFWは走らなくてもボールを足元にキープしDFを手で抑えて反転一発でシュートに持っていけるのだが、日本のFWはドリブルで抜かねばならない。高原にはスピードはないし、柳沢は抜いてもシュートを打つ力がないのは分かっていたことであり、しかも2人とも疲れていたのである。早い時間に玉田・巻・大黒を見たかったが、そこはもう監督がジーコである以上どうしようもない。負け試合での交替の無策さはトルシエにもあったことで、ヒディンクみたいにベタなFW投入をするほうが珍しいのだろう。

 というわけで考えてみると、前半中盤の圧力をとことん高めて日本の組み立てをつぶし、後半は攻撃陣を投入してDFに圧力をかけたヒディンクの作戦が全部当たったということなのだろう。日本がそれに対抗するには後半サブの投入により相手ゴールを脅かすかDFラインの前で敵をつぶすしかなかったのだが、ジーコはどっちもやってくれなかったのである。加えて、攻めるならオガサか玉田を入れ(小野は脚が遅いからサブで相手DFをかき回す効果は薄い)、守るなら中田コを入れるべきだと誰もが思っても、ジーコはそういう実戦テストもしてなかったわけである。トホホ.....。

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 ここまで考え抜いて俺自身はけっこうすっきりしたが、問題はクロアチアと戦えるのかということだ。自身もパスワークを重んじるクロアチアが、自力の中盤組み立てよりも中田中村のマークを重視することはないだろうが、今日の試合を見ても 190cm 級の大男が猛然とイーブンボールに飛び込んでくるあの迫力は、豪を上回るものがある。そこをかいくぐって中田中村が今回は攻撃を組み立てられるのか。分からぬ。分からないが、日本が生んだこの最高の2人のMFが通用しなかったら、それはもう仕方がないことである。中村が豪州戦レベルのことしかできないなら、ジーコが他のMFに賭けてくれることを祈る。

 これまでこのチームで見せたいい試合のすべてがマグレであったはずはない。ボルトンで今期中田が一度だけ見せたスルーパスも、もしかしたらやればまだ出せるのかもしれない。それが出て日本がゴールをしたら、俺はきっとそれがこのワールドカップで一番うれしいだろう。ひどい負け方だったが誰を責める気もない。頼みます、日本代表。

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■06/06/14(水) □ 早くお天道様の下を歩きたい
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 今日はカード的に興味のある試合がないので、久々のサッカー休み。出かけてあれこれと用を足す。

 萌をピックアップに学校に行くと、カナダには珍しく「ジャーマニーがもうシュート打ちまくりでさあ....」と、WCのことを話しているお父さん2名を発見。これがたとえば日本が出ていないユーロの話なら俺も混じっていきたいのだが、現時点では日本人であることをひた隠してコソコソと通り過ぎるのみであった(汗)。

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 日本の4バックがクロアチア・ブラジルに通用するのか、というか4バックで日本の真の力が出るかどうか、そればかりが頭をグルグルめぐる。去年のブラジル戦のテープをつい見てしまう (^_^;;)。これを見ると、どんな強豪とやろうと同じ11人のサッカー選手だよなと気持ちが落ち着いてくる。最初から最後まで90分間で振り回されるわけではないのだ。そしてカジが戻ってくる。大丈夫だ。

 そしてものすごく悔しくなる。こんなにいいサッカーをするポテンシャルを持ったチームが、初戦で完全に持ち味を消されてしまったことに。無論コンフェデとWCじゃ本気度が違うから、こんなにクリーンなサッカーをやらせてくれる国などどこにもないだろうが、月曜みたいな甚だしいヘボサッカーにまで陥るのはちょっとその差が極端すぎる。ヒディンクのMFつぶしもあったが、それだけではなく―――あるいはその術中にはまったがゆえの―――日本の自滅という部分もあるんだろうな。圧力に押されてラインが下がり、前へ前へと急ぎすぎてボールが繋げず消耗し、悪いサイクルに突入.....という具合に。

 ヒディンクはジーコとは比較にならないほどプロフェッショナルな監督だが、相手の長所を消す手法を誇る人に日本のサッカーを託したいとは思わない。ブラジル戦は捨てて(メンバーを落として)クロアチアに全力で行くらしいが、もし必要ならば俊輔にしたように、ロナウジーニョの爪が割れるほど削らせるのかねと問いたい気持ちである。

 4年前はどれほど格上を相手にしても韓国選手に100%勝負をさせる手腕にすごいなとただ驚いたのだが、自分が彼の手管にやられてみると、イタリーとスペインもこうしてフィジカルなゲームに持ち味を消され、悔しく負けたのだろうなあと思うのであった。

 ともあれクロアチア戦だ。クロアチアと立派に戦い、早くお天道様の下を歩きたい。

2006/06/13

WC 2006「とにかくクロアチアに勝つのだ」

WCネタでどんどん更新していこうと思ってたんですが、昨日の試合でお祭り気分は一気にさめました。

試合後、「キーワードは8年前と同じ―――守り切れず点は取れず」と非常に後ろ向きの感想が浮かんだんですが、いやそれではいけない。「キーワードは去年のコンフェデと同じ」。次に勝ってブラジルにドローでクロアチアが豪を破ってくれれば次に進めるのだ。またはクロアチアに4点差をつければ1勝でも次に進めるのだ。

武藤文雄氏の美しい詩が、いまここにあります:
とにかくクロアチアに勝つのだ

それからこれも元気が出る:
日本がもっといいサッカーをできることは間違いありません(リトバルスキー)

2006/06/10

WC 2006 盛り上がってきました

【アルゼンチン・コートジボワール試合中】
バンクーバー在住P氏:見てますか?
サカ:コートジボワールすばらしい! スキルでアルゼンチンを圧倒してますね。失点は不運すぎ。
P氏:日本がジボワールと同組でなくてほんと良かった。。。
サカ:こういう超絶技巧チームがどこからともなく出てくるのが、WCは面白い。せめて1点取らせてやりたい、サッカーの神様!

(後半ドログバがゴール)
サカ:よおおし! すんばらしいこのドログバさん! おそるべき反射神経。

(試合終了)
P氏:いやぁ同点にしてあげたかった。これから毎日こんな試合が、、、眼福眼福
サカ:惜しかった、というか紙一重でしたねー。いやー。このグループはちょっとすごい。オランダもいるし。

柏出身バンクーバー在住P氏:ついでに、、、『J2:第21節 柏 vs 東京V レポート】セットプレーからの4得点で柏が因縁の対決2連勝!』
サカ:天上界とその他という感じの、ほほえましいニュースです。

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P氏:お~早速湯浅さんがコートジボワール戦評UP。べた褒めですな
サカ:なるほど、ドログバはWCを取るといって失笑されていたんですか。いやー今日のサッカーには驚いた。
P氏:実に。
サカ:アルゼンチンの2点目なんか本当はオフサイドだしなー。今日は画期的なものを見た喜びを感じましたです。90年のカメルーンの再来だ。

P氏:ばんざ~い!って決勝リーグで日本に当たらないことを望む(どこからか湯浅氏の失笑が・・・)
サカ:いやー決勝リーグに進めれば、もうどこと当たってもいいっす。全力で戦うのみっす。4年前はトルシエの小細工で、全力を出せなかったからあんなにも胸やけがしたわけで、。
P氏:あ、あああ!思い出してしまったあの日のもやもや!!
サカ:トルコとオーストラリアはイコールですよ!(珍説)
サカ:アグリー!

「カーレースのりっかちゃん」


萌6歳の絵本表紙集です。



「カーレースのりっかちゃん」
これは表紙しかない本。なにかストーリーを書くつもりが飽きてやめたらしく企画倒れですが、いったいいかなる発想からこういう部屋一面がクルマの超カーマニア娘というものが飛び出てくるのか、不思議であります。
"Rika Loves Car Race (Moay's story book)"



「ドリームカムズトゥルー」
表紙しかない本その2。あたまからフキダシで夢がぽこっと出ています。
"Dream Comes True (Moay's story book)"



「まりちゃんとドラゴン」
これは中身にびっしりと字が書かれた物語。まりちゃんと小さな天使が、悪いドラゴンの城にしのびこむというドラマチックなお話です。創作意欲が続けば大作になりそう。
"Mari and the Dragon (Moay's story book)"


「こどものゆうめいじん」
日本語学校の絵日記から、。せかいのこどものゆうめいじん。なんかすごくすてきな言葉だ。
"I was on a newspaper, I'm a famous kid!"



「ハリソンホットスプリングス」
同じく絵日記から。温泉プールの喜びがあふれています。タオル、スイムスーツ、ビーチサンダル(フリップ・フロップス)、ゴーグルなどの小物情報が足してあるところがナイス。
"Harrison Hot Springs"




「楽しい一日を」
そのハリソンホットスプリングスの旅行にイトコが友達を連れてくるというので、二人のために萌が書いたカードです。この笑ったイトコの顔が実に似ている :-)。想像で描いた友達のほうも、なんか子供から見たかっこいいティーンエイジャーという感じが、そのポーズに漂ってます。
"Happy Day to You, Stephanie"

2006/06/02

日記「興奮しすぎ問題」

「夏は混んでるハリソン温泉」「リッチモンド・ダイソー天国」ほか。
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■06/05/18(木) □ バッテリー突然死!?
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 週末またハリソンホットスプリングスへ旅行なので、午後車のオイルチェックなどを行い、さあ萌をピックアップに出かけようとするとエンジンがかからない。バッテリーが上がっている。そんなはずはない、どこかが漏電してるわけでもあるまいしと配線を確認し直したのだが、とにかくセルが回らない。????

 このバッテリーの前に使っていた古いバッテリーに載せ変えてみたが当然駄目。これは万事極まった。

 とにかく明朝JKにジャンプスタートしてもらい、バッテリーを買いに直行するしかないとバッテリーを戻してみると、なんと今度は軽々と始動してしまうのであった。あんれー? つまりバッテリーの問題ではなく、接触不良だったのである。どうして突然発生したのか不明だが、プラス側が接触不良で、一度はずして白い粉を全部取ったことで接点が回復したのだと思われる。ふいー、冷や汗の一日であった。

 で夜Mの迎えに車を出してみると、トルクがブッと上がっている。バッテリーの充電だけでこんなに違うもんなのかと驚いた。これは燃費に効きそうだ(※)。まったくフリークアウトしたが、よかったよかった。

(※)後日ハリソン往復で 11.14km/L(高速 3 平地 2)のうちのレガシィ生涯最高燃費を記録、平地だけでも 10% 近く上がっている。

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■06/05/19(金) □ スクーターライダー
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 午後久々に皆でモールへ買い物に。Mは明日からのハリソンで着る水着を、俺は長年探していたビクトリノックスのピンセットを買い、そして萌はスポーツショップで「これがバースデープレゼントにほしかったの!」とスクーター(日本ではキックスクーター?)にトライする。

 しかしLちゃんところで萌がいつも遊んで気に入ってたのは3輪スクーターで、自転車にもまだ乗れないんだから2輪は無理なんじゃないのと言ったのだが、萌が店頭で試すとなんか乗れそうな気配がある。非常に軽いのもいい。これはおそらく楽しめるなと購入、6歳の誕生プレゼントとなった。

帰ってうちの前でトライしていると、2秒、3秒、6秒と萌の滑空時間(足を着かないで滑る時間)が長くなっていく。スクーターって実は自転車よりも簡単らしい。この手のおもちゃはたいていホイールが小さくキャスター角が立ちすぎて安定が悪いのだが(少しの操作で舵角が大きくつきすぎバランスを崩す)、俺が試してみるとこいつはキャスター角がなかなかいい塩梅で、坂が続く限り最小限のステア操作で延々といけてしまう安定感がある。それにこのスクーターは品質はそこそこだがアルミ製で素晴らしく軽く、それで萌がコントロールしやすいのだと思われる。


 そして萌はトライを続け、ついに12秒という大記録を出したのであった。躍り上がって喜びました。転んだのはわずかに軽く一度だけ。大盛り上がりの初夏の宵でした。

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■06/05/20(土) □ 夏は混んでるハリソン温泉
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14:45 10年ぶりにブライダルフォールを見てから (登山道がキツかった ^_^;;)、ハリソン温泉着。ものすごく混んでいる。冬の閑散としたハリソンしか知らないので驚く。

 着いてすぐさまスイム。早目に着いてお湯に入るのは気持ちよし。しかし俺も萌も旅行で気持ちが上ずっているもので昼をちゃんと食べてなく、お湯の中でへんな時間に激烈に腹が減り、ここは食べたいときに食べられるレストランはないので、せっかくの旅行なのに昼の残りのサンドイッチしか食べられず参った。

 それに興奮している萌が気持ちを鎮めることができず、それは無理もないので散歩に連れて行ったりしたのだが一向にダウンしていかず、夕方には声をかけても上の空になり、勝手にホテルの部屋から外へ出て行ったりする。最近の萌のこの上の空っぷりには消耗させられる。

 そして俺が「いうことをきかないならもう世話はしないよ」ときつく叱ると、萌は「そうしたらお父さんじゃなくなるじゃない」と答えるのだった。こ、この屁理屈娘(笑)。

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■06/05/21(日) □ ガミガミに明け暮れるバカンス
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 布団が薄くて何度か目を覚ましたが、トータルでは前回よりもはるかに眠れた。

 一人でゆっくりと風呂に入る。これだけ客が多いと、一番熱い小さなプールも常時子供をまじえて満杯となり、どうイマジネーションを働かせても湯治気分は出てこないが、まあ贅沢をいっても仕方がない。



ハリソンの町を初めて歩いたのだが、けっこう本格的なリゾートタウンでびっくりした。冬はゴーストタウンなので素通りしてたのだが、観光客相手の店が軒を連ねている。ここフレイジャーバレーの緑はバンクーバー周辺よりも濃くて(内陸ゆえ夏の気温が高いのだろうか)、そぞろ歩く人々や木漏れ日の光が、軽井沢あたりの夏を思い出させる。砂の彫刻コンテストなども楽しい(入場料高すぎだが)。

 夕方、遊び疲れてヘロヘロでワイニーな萌のために町の日本食レストランでベジタブル寿司というものをテイクアウトして食べたのだが、これが期待してなかったのに実にうまかった。パリパリのレタスが海苔巻きになっている。こんな山の中で工夫しておいしいものを出していてえらいのであった。萌はテイクアウトを待つ間、忙しいお店のおばちゃんに日本語で喋り続けていた。日本語が喋れることをイトコのSFらに見せびらかしたかったのだと思われる。

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■06/05/22(月) □ フレイジャーバレーの田舎景色
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 ◆10:59 ブランチをとってチェックアウト。萌はもう2日間の疲れで朝からぼーっとしている。今日はハイウェイを使わず裏道 Lougheed をゆっくりと帰ろう。


(この写真は2015年、M4/3+Sigmaレンズ。10年経って驚愕の画質!)

 2日間のハイパーファンで疲れ果てた萌は、パーキングを出るや否や爆睡した。ちょっと日本やヨーロッパの農村地帯の雰囲気があるフレイジャーバレーの田舎景色の中、ゆっくりと帰る。この辺の田舎景色はいいなあ。俺はバンクーバーアイランドなどBCの海沿い景色はなんとも思わないのだが、谷間と川の風景というものに非常に弱いらしい。山育ちだからなのかしら。

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 のんびり気分よくドライブして、意外にも帰りのほうが時間は短かった(1時間20分くらい)。ハイウェイを使うと、ハイウェイまでの往復で20分+20分かかるが、Lougheed は直通なので早いらしい。よい休暇でありました。

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■06/05/27(土) □ リッチモンド・ダイソー天国
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 トロントの学会会議に出るMを送って空港へ行く途中で、俺は今リッチモンドにいるのだから、前から行きたかったリッチモンド$2ショップ(ダイソー)へ行けばいいではないかと気づき、ぐるぐると探してやっと見つけた。リッチモンドはもう町全体が完全に中国社会となっているのでそれだけでもエキゾチックなのだが、このモールの中は店もフードコートも、ゲームセンターも客も店員もすべてがアジア。すごい場所だ。萌とMをぜひとも連れてきてやらねばならない。

 そしてダイソーにも驚き。俺とMが通った信州須坂店のおよそ5倍もの規模なのである。ダイソーってこんなに品目があったのか。こ、これはすごすぎる。こないだの Book Off バンクーバー店での「日本にいる」感覚が5倍くらいに増幅され、興奮してすごいですねすごいですねと隣の客に話しかけたくなる。日本人のお客はいなかったのでやめておいたが。

 店に入る時点では考えていなかった、というかこれまで必要性を考えたこともなかった便利ものたちが、次々と目に飛び込み新たな物欲を形作っていく。カナダの商店は基本的に客が買いに来ることが分かっている定番を安く大量に置く以外の商売はしないので、こういう楽しいアイデア提起型買い物体験は、IKEA 以外にはできないのだ。IKEA は家具屋だからアイデアを提起されても金銭・スペース・用途的に買えないもののほうが多いが、ダイソーだと金銭的理由で買えないものは一切ないわけで、興奮はいやがおうにも高まっていく。

 で結局、

のれん (2)
突っ張り棒 (2)
リストサポーター
膝サポーター
てぬぐい (3)
視力矯正めがね
エプロン
漢字ドリル
温泉パウダー (2)
トランクス (2)
保冷バッグ
たたみスリッパ
子供ハブラシ

―――と、計 19 点 $43.32 も買ってしまった。やはり1点では 100 円($1)の違いでも、20 点となるとバカにならない出費だ。だがしかしカナダでは手に入らないものばかりなのであって、惜しくないのである。

 帰宅して即のれんを台所に装着。美しい。そしてこれで調理中の臭いがリビングに流れ込まなくなる。しあわせなり。

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■06/05/28(日) □ ゲームを掘り出す
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 雨。残念、日本語学校の運動会はキャンセルとなった。はー。去年は風邪で行けなかったので、萌は楽しみにしていたのだが。まあ俺の仕事も終わったので、久しぶりにフルタイムで一緒に遊んでやれる。

 去年日本で買って死蔵されていた「がんばれ森川君」というゲームを萌が見つけ、1週間ほど前から一緒に楽しんでいるのだが、3面あたりからは何をしたらいいのか分からず(たぶんロボットの成長を待つしかないのだろう)、ヒントもなくロボットの散歩をただ眺め続けるというえらい単調さに陥って、萌は飽きてきたようだ。通れない高い壁に爆弾を運んで爆破するといったマリオ的工夫でパズルを切り抜けていけるなら盛り上がるのだが、そこまでゲームは練られていないらしい。残念。

 しかし1年前に仕込んできた未プレイゲームはまだあって、萌は最近「パラッパザラッパー」の1面を自力でクリアしたし、「IQ」はさすがに難しすぎるが俺がやって見せてやるとそのスリルにすごく喜び、さらに遊び方が分からず放っておいた「ポケットムームー」いうディスクがけっこう面白いのだと判明して二人で大喜びしている。あの日本でのゲーム購入(すべてのゲームが500円以下)は実に有意義だった。昨日のダイソー買い物に次いで、日本買い物天国への恋しさをつよく感じる日。

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■06/05/30(火) □ 興奮しすぎ問題
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 日本代表がドイツとフレンドリーで当たり、試合前「この時期にホームのドイツに木っ端微塵に粉砕されたら自信を失うのでは」「高原の点の取れなさには心配していないのか」とドイツ記者にからかわれていたのだが、なんと高原が2点取ったという。しかも最後はFKで追いつかれたが一時は2-0だったというからすごい。勝ってれば最高だったのだが(笑)。

 この結果から、どうやらチームはすでに去年のコンフェデ杯程度の調子には戻っているのだろう。一安心。あと2週間ある。中田副監督、さらなる強化をお願いします。

 しかしメンバー表を見て気づいたが、3バックということはMFは4枚使えず、ジーコはサブを使わない人なので、つまり怪我人が出ない限り小野に出番はないことになる。もったいない。前回も3バック3MF(中田・稲本・戸田)ゆえに中村が先発をはずれたのと同じだ。まあ前回は中村の人気に意固地になったトルシエがわざと中村を落としたので(※)、出番の可能性が薄くても小野がサブに入っただけでもマシではあるが。それに中田・稲本・戸田に比べたら中村・中田・福西は中村1人分まるまる攻撃的....というか決定的なことを起こせる力の向上であるわけで、期待はできる。

(※)左ウィングの小野が盲腸で可もなく不可もないデキだったのだから、あそこに中村を使えていればと今考えてももったいない。

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 スクール後久々にLSが来る。ここ一月の萌の興奮癖は本当に度を越していて、LSと騒ぐのは前と同じだが、彼女が帰った後1時間経ってもテンションが下がってこない。最近はこのテンションのせいで胃の働きが止まって夕方ディナーを食べられず、食べると腹痛を起こすことが多いのだと思う。夏がきた喜びのせいなんだろうか。興奮をコントロールする術を学んでくれ。

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■06/06/01(木) □ カンシャク炸裂
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 午後日本語学校へ行こうとしていると、(カーシェアリングで)KTと一緒だからベイビーシートをはずしてくれと萌がいう。5歳くらいになると皆座面だけの簡易ブースターシートを使ってるのだが、バックレストとサイドサポートがあるシート型ブースターシートの方が安全なのでうちはそれを使っており、萌は友達と一緒に乗るときに限りそれを「ベイビーシートみたいで嫌だ」と恥ずかしがるのである。

 まあ気持ちは分からないではないので座面だけのブースターシートを買おうと思っているのだが、今日はともかくこれしかないんだ、これはベイビーシートじゃなくてブースターシートだよと相手にせずにいると、怒って絶叫泣きに突入してしまった。スクールの帰り際から何か妙にテンションが上がっていて今日はヘンだと思っていたのだが、もはやMにも止められず、時間切れでMはKTだけを連れて学校へ。

 なんか明日が誕生日だということやらなんやらで気持ちが上回ずっていたところでブースターシートの件が発生し、タガがはずれたかという感じ。こんなに泣いたのはいつ以来か思い出せないくらいだが(ここ1年はなかったと思う)、絶叫で息が詰まるのではないかとハラハラさせられた小さいときとは違って、今日は怒りを抑えられないストレートなカンシャク炸裂なので、とにかくものを蹴ったりして怪我をしないようにと気をつけつつ、鎮まるまで静かに付き合っていた。

 結局Mたちが去ってから30~40分かけて萌はようやく泣き止む。やれやれ。喉が痛いというのでカマミールティーをやり、その後は静かに過ごした。やれやれである。ここ数週間の萌の興奮しすぎ問題が、誕生日に向けてピークを迎えつつあるという感じなり。