2008/03/18

日記「自前ミートスライサー」

「スパーリング・アップセット」「日加ポップ音楽事情」「カナダの九九」ほか。

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■08/03/11(火) □「魔法使いサリーちゃん」の歌
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 萌は今日一日中「魔法使いサリーちゃん」の歌を歌っていた。TV Japan のヒカワキヨシのショーで誰かが歌っていたのに萌が興味を示したので Youtube で見つけたのだが、なんとも不思議な味のある60年代?日本メロディがひどく気に入ったらしい。その他にもキヨシショーつながりで、「ガッチャマンのテーマ」やどんとが歌う「また逢う日まで」やらを萌は気に入り歌っている。やっぱ流行歌の力というのは時代も国境もないんだなあ。

 Youtube でどんとの「また逢う日まで」と「最後にひとつ」を見て、彼の異様な風体と破壊的歌唱法に萌は驚くので、「やっぱさ、歌は下手なほうがかっこいいんだよ。わかる?」と真のロック教育も忘れずに施しておいた。「お父さんも下手だよね」「そうなんだよ」。

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■08/03/12(水) □ スパーリング・アップセット
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 カラテ:今日もボーイズは現れず。あの2人は低レベルに飽いてやめた気配が濃厚だ。実際先週から15分にもおよぶ鬼ごっこがレギュラー体力メニューに加わり、もはやこのクラスはカラテというよりもキックパンチを交えた幼児体育クラスのようである。すでに数年の経験を持ち技を磨きたい子供に、これでモーティベーションを保てというほうが無理である。萌とて今はスパーリング以外ひどく退屈している。

 そしてお待ちかねのスパーリング。直前に萌の友達が見学に来たのだが、それで張り切りすぎたのか萌とLSが強烈に打ち合い、あ、効いてるなと思う数発がお互いに入り、最後は萌が疲労困憊で涙目になってしまった。親が稽古を止めるのもナンだし先生止めてくれよと思っているうちに時間が終わる。

 「いやーお疲れ、すごかったね」と2人に声をかけ、最後に一発痛いのが入ったねと萌にささやくと、「一発じゃないよ! 全部痛かったよ!」と非常にアップセット(動転)している。

 その場ではLSも他の子もいたので帰りに話を聞くと、2人とも気合が入りすぎ全然寸止めになっていなかったらしく、蹴りも突きもボディに入りえらい痛くて、俺に目でサインを送っていたのに止めてくれなかったからと怒っていたらしい。

 「しかし痛いかどうかはお父さんにはわからんしさ、痛いと思ったら自分で止めるか先生に言わないと。今日はお互い強く当てすぎたんだよ、LSだって萌のキックでウッてなってたし」。ずいぶんヘコんでいたのでその辺説明したうえで、じゃかわいそうだったからと家でアイスクリームを食べつつ「こち亀」を見、ベッドで耕野裕子さんの残りを読むというフルコースでハッピーになっていただいた。「花のお庭」第2話、新人マンガ家が編集者に理不尽に振り回されるが最後は友情と恋のおかげでハッピーエンドというお話は、最高級によかったようです。

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■08/03/14(金) □ 日加ポップ音楽事情
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 WC予選メンバーに玉田と稲本が選ばれた。国が持つ才能を生かす普通の代表監督オカーダの目が光る。憲剛稲本&前に行くFWたちとで戦ってくれ。あとは本山にもチャンスを与えてくれないかな。

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 今日で終業、明日からは萌の春休み。クラスのJDを招き、前々から萌とJDが盛り上がっていたオニギリパーティをやる。JDは驚いたことに日本食マニアで、きゅうり巻きや味噌汁を注文するので驚きつつ作ってあげた。

 音楽が大好きだという彼女が「こないだアヴリル・ラヴィーンのコンサートを見に行った、最高」というので、そういえばその名前は聞いたことがあるなとみなで2曲 Youtube で聞いてみる。モールにいるような女の子が稚拙なポップパンクをやっていて、えーカナダの子供はこんなのを聞いてるのかいと驚く。そういえばこの娘は前に TV Japan の歌番組でも見たことがあるような気もするな(内容はまったく記憶にない)。

 実はいまどきの小学生が好きな曲をさっとギターで弾いて喜ばせてやろうという魂胆で俺は尋ねたのだが、つまらぬコードがひらめきなく展開するだけでいいメロディがほとんどないので、フルコーラス聞いて2番になっても曲が覚えられなかった。「英語で喋らないと」に出てくるアメリカ人ギタリストが、メロディが素晴らしいとJポップを絶賛する理由がよくわかった。俺の日本音楽ソースは TV Japan(NHK 国際その他)だけだが、このチャンネルだけでも萌と俺がはっと耳を奪われるメロディが、いつも流れてくる。

 Mになんであんなのが子供に人気なのだと聞くと、何を言ってるのだ日本に住んでたら萌はJポップのウフフを好きになってるに決まってるんだぞといわれる。ロック王道教育が行き届いた我が娘に限りそんなことはないと思うが、まあ確かにJポップとアヴリルさんのくだらなさに甲乙をつけるのも無理だな。しかしこんなのに比べたら萌が好きな大塚愛のほうが100倍才能があると思うし、初期 Puffy の方が300倍いいとしか言いようがない。

 夕方2人は盛り上がりきって、「今日はJDが泊まっていいでしょ!」と熱烈に願望し、今日は駄目だというとベソをかく。JDは「It's not fair」といい押し入れにこもってシクシクと泣き、萌は「見てよお父さん、JDは泣いてるんだよ!」と、大変なことになったと声を震わせ俺に訴えるのである。いやあのね、まあ落ち着きなさいキミたち ....。

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■08/03/15(土) □ 祝玉田復活
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 おひなを片付けて浦和・名古屋戦。新監督ストイコビッチ名古屋のサッカーが驚くほどいい。激しいプレスからバランスの取れたパス回しでポゼッションを高め、早々に先制。玉田が評判通り素晴らしい体の切れで、体をぶつける以外止められない状態。アジアカップのときのようだ。復活してくれて本当に良かった。速い上に瞬間的にブレーキをかけ相手を行かせてから逆に交わすというクレバーな味が、他の代表FWにないと思う。代表への楽しみが素直に増してくる。

 浦和のサッカーはもはや論外。やってることは去年と変わりなく個々のトライ頼みなのであって、独力で事態を打開するポンテとワシントンがいなくなったのだけが違いなのだろう。ドイツに行って以降の高原は、失敗を恐れないアナーキーさがなくなってしまった。若い頃は久保みたいにあっと思うタイミングでシュートを打ち決めていたのだが、今はいい位置を取り確率を高めようという動きがまずあるので、DFは能力差がない限り落ち着いてシュートコースを消し対応できてしまう。同じ活躍したアジアカップでも玉田のゴールは際立っていたが、高原のゴールは相手のヘボさのほうが目に付いた。

 しかしバランスよく配された労働者たちを玉田とマギヌンが従え(なぜ川崎はこんないい選手を手離したのか、高給が払えなかったのか)、名古屋はほんとに面白いサッカーをやっており、こりゃファンになってしまうな。システム(選手の配置とプレス)を整えただけでこれほどきれいにパスがつながるはずがないので、練習法も浦和より優れているのだろう。選手の角度のあるボールさばきにストイコの香りがあるし。意外やストイコビッチ、ユーゴ協会前会長は単なる名誉職ではなかったのね。

 結局後半浦和が猛反撃するも噛み合わずそのまま負けたのだが、一晩経ってオジェック解任だって。遅いっつーの。

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■08/03/16(日) □ カナダの九九
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 春休み、萌の宿題の掛け算カードをやってみた。すると 3 x 4 = 12 を「Three TIMES four EQUALS tweleve」とそのまんま文章として覚えねばならんらしく、語呂が悪すぎて音が暗記できない。この九九がない世界は効率が悪いのではないかと疑う。

 ネットで軽く調査してもこのカナダ式と日本式のどちらがいいのかはよくわからず、とにかく一応「九九の歌」なるものをダウンロードして萌に聞かせ、日本じゃこういう風にリズムをつけて覚えるんだよと教えてやった。まあラップミュージックみたいなものよね。日本語がわかり九九を暗記可能なのはアドバンテージに違いないと思うが、やりたいかどうかは本人に任せよう。

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 最近萌が「こち亀」のお下劣さをヨロコビすぎてまずいので、今日はクリスマスにもらった椋鳩十「マヤの一生」というのを格調高く読んでみた。なぜにこんな地味な戦後児童文学書をイトコKNは送ってきたのだろうかとあまり期待してなかったのだが、動物3匹が兄弟のようにけんかをしまた助け合うという内容で面白い。最初のエピソードをとても楽しめた。

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■08/03/17(月) □ 自前ミートスライサー
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 LSのお母さんがフードスライサーをガレージセールで買ってきてくれ、今日もらってきた。これがうまくいけば、薄切り肉が手に入らない問題はカナダ14年にしてついに解消である。

 波歯で回転が遅いので生肉はどう見てもまともに切れそうにないが―――やはり薄切り肉の需要はないのでもともとハムやチーズ用なのだろう―――、さっそく晩飯の半解凍豚肉を切ってみる。ストロークが短く肉の固定が弱いので大きなスライスはできず、最大 5cm ほどのスライスとサカタ肉店(※)でいう豚コマ(スライサーくず)がどんどんできる。スライスの大きさは足りないが薄さは満足できるものがあり、豚コマはこれはこれでうまいのでよし。ちゃんとおいしい肉炒めができました。

(※)←サカタ実家は肉屋。"ブログ" に店主のマニアックな食通話が書かれ面白い。

 こうして自前のスライサーを体験してみると実家にあった日本式業務用スライサーというのは、生肉のブロックを固定してあの薄さにきっちり切るために、あの入り組んだベルトやらギアやらが開発されていたんだなあと合点がいく。こういう西洋式ではある程度の固さのあるベーコンなど以外はまともに切れない。日本のあれは、かつお節の国が生んだ薄切り文化の粋だったのだ。

 まあともあれ豚コマと牛コマはこれで作れるので、今後豚汁と牛丼はばっちりだ。どうもありがとうLSのお母さん。

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