2011/08/28

日記「二輪の自由・実践篇」

「二輪の自由実践開始」「トレール爆走」「チケライ大人パーティ」「謎のSHレイク」「コロレット戦術開眼」「夏最後のツーリング」「妻子帰国」

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■11/08/19(金) □ 二輪の自由実践開始
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今日も好天である。キャンプ旅行で決めた通り、二輪の自由を味わいに自転車を積んでどこかへ行こう。少し真面目に自転車を追求するため、まずはヘルメットインナーのスチロール部分を削る。カナダ人の縦長スモールヘッドに合わせて作られているので俺にはまるで合わないヘルメットを長年かぶっていたのだが、これじゃダメだとゴリゴリ。

うまく削れないので結局空き缶を火で熱して焼きゴテを作り、これでじゅーっと熱成形。汚い(ため息)。が、安全快適にはなった。よし、出発。


うちから車で5分のPoCo Trail
コキットラムリバー沿いの Poco 遊歩道は暑い日も常にひんやりしサイコーである。ピクニックできる場所がほとんどないのが残念だが、川辺まで降りて遊べる場所を2箇所ほど発見した。橋を渡りコキットラム側から行けばもっといいビーチがあるのも見えた。こうして景色を見、周りを観察しながらおっと思ったら瞬時にルートを変え、人が通れるだけの幅があれば進んでいける自転車の素晴らしさよ。こんな近くで知らないところを発見する楽しさよ。

初めて MTB を手に入れた夏、井の頭から三鷹台の公園内や路地を、こんなところがあったのかと驚きながら走りまくったのと同じだな。今乗ってる自転車はあの頃のブリジストンやアラヤとは比較にならない安物だが、それでもいいのである。パンク修理剤や携帯ポンプやボトルホルダーもいずれ揃えたい。短時間ながらシャッと走り汗をかいて帰宅。

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■11/08/20(土) □ トレール爆走
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本日はこの夏一番、28 度の予報。萌がいたら絶対に海だが、1人で行くわけにもいかないので昨日に続きコキットラムリバーの、今度は反対側、コキットラム市側を探検する。


夏の幸せなウォーターボーイズ
数百 m 上がったところににナイスな日陰ショアを見つけて休憩していると、上流からでかいチューブに乗った子供らが次々に流れてくる。どこまで行くのかと聞くとブリッジまでと言っていた。一番近いブリッジで 500m くらい下だが、そこからあんなでかいチューブをかついで歩いて帰ってこれるとも思えないので、1キロ下の大きなブリッジまで流れて行って、親のピックアップトラックで帰るだろう。うらやましい冒険だ。

素晴らしいスイムスポットを2箇所見つけ、地図上でマークした。歩いてはいけないが、自転車なら往復わずか2キロで一気に行ける。帰りは弱ダウンヒルで1回も止まらず帰った。超気持ちいい。スピードなんか出さなくても安い自転車でも2輪は気持ちがいい。ハンドルとブレーキレバーとペダルを通じ、すべての動きを自分が把握しコントロールしている心地よさががある。

帰ってきて今日行ったあたりの Google サテライト地図を眺めていると、上流の住宅地に池みたいなものが見える。あそこにも行ってみなければ。

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■11/08/21(日) □ チケライ大人パーティ
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自分が作ったツリーハウスを見せたくて、MKが友人夫妻とLOを連れてきた。LOはいまイエローナイフに住んでて、夏の間だけBCに帰郷してるんだそうだ。アフリカのバイク事故で負傷した指は今度ちゃんと手術するとのこと。ほんとに子供みたいなやつだ。うちにひと月居候してたときはMKとスライドプロジェクターを自作し、夜中に上映会をやり俺を招待するなんつー中学生みたいなことをしてたからな。もうあまり会う機会がなくて寂しい。総計大人5人で樹上のランチ :-)。

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ランチ後下に降りて(さすがにツリーハウス上でボードゲームを広げ5人座るだけのスペースはない)、チケットトゥライド・ヨーロッパ。5色が入り乱れ、セントラルヨーロッパあたりの盤面が超美しくなる。これまで使われなかったブルーが美しいなと再認識した。

機関車が取れずカードを延々と溜め込み遅れていたMKが、後半機関車を手にするや長距離路線開通+ストックホルム-ペトログラード線21点ゲットで怒涛のスパートを見せ首位になるも、MKの2路線接続を見事ブロックしたLOがロンゲスト10点を自ら奪って最後に大逆転と、非常にいいゲームだった。俺は長距離チケットを取らないことで自前ハンデをつけていたら、なんと後半機関車を1枚も引けず惨敗。人数が増えるに単純比例して確率的に機関車は取りづらくなるのでしょうか。

いいゲームだったがしかし、チケライでビギナーx多人数の時は物理的にゲームを短くする方法がほしいと思った。みんな楽しんでくれるんだけど初心者は悩むので、1時間を超えみな疲れてしまう。長距離1枚短距離1枚がつながったあたりで、各自枝葉を整え点数を搾り出してフィニッシュとしたくなる。

トレイン数を間引く(45→35くらい?)のが一番単純かと思うけど、「初回時は説明もありゲームが長引くので…」というのは、ルール説明としてちょっと説得力がないかな。

ボードゲームにおいてハウスルールやバリアントは、ネットで見つけたり自分が考えたりしていいと思っても、他プレイヤーを説得すること自体がやや恥ずかしいので困る。「こうだからこうしよう」といって「えー」と言われると、すいません気にしないでください……と身がすくむのです。

メーカーやデザイナーが巷に流布する有望なバリアント(変形)ルールを収集検討し、「公式バリアント」として発表してくれると助かるな。「オフィシャルバリアントでさ、こういうルールもあるんだよ。どう?」という流れだと、こりゃ恥ずかしさ大幅減です。

俺はコロレットも是非やりたかったのだが、このあとさらにとは切り出せずお開きとなる。

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元箱にきれいに収まる手作りコマ箱
チケットトゥライドのトレインコマがボロボロ床に落ちて鬱陶しかったので、コマを入れる箱を作ろうと、サイズが合う紅茶の紙箱を切ってコマ箱を作成。ビンボ臭いが便利です。チケライボックスは収納性は素晴らしいけれどコマとカードがけっこう取り出しにくいので、小箱は前からほしかったのだ。

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■11/08/23(火) □ 謎のSHレイク
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普通の住宅街の中に忽然とレイク
買い出し後、地図を眺めていて見つけた住宅地SHの謎のレイクに行ってみる。ほんとにあったわSHレイク。プライベートプロパティと書いてある。どうやら会員制スポーツクラブらしい。子供用プールとテニスコートと、そして池! 池の反対側は住宅地になっており、家々は裏庭に桟橋(!)を持ちボートをつないでいる。サカナまでいる。盛んに跳ねてるのでたぶん鯉だろう。とても PoCo とは思えない景色である。

いったん外に出てから周りをぐるりと自転車で巡ってみて、これは完全な人工池なのだと分かった。コキットラムリバーから水を取ってレイクで楽しみ川に戻している。なるほどねー。このあたりを通るたびになんかリゾートっぽい町だなあと思っていたが、自然にできた集落ではなく、デベロッパーがレイクの周りに家々を建てた、デザインされた町だったからだ。軽井沢みたいだ。

日本じゃこんな池まで作ってしまうなんて大胆な宅地開発は、それこそ軽井沢みたいなお金持ち向けのリゾートにしかないと思うが、家の規模からここの住人がそうリッチとも見えない。カナダの人々は中産階級でもモーターボートやキャンパーなどの大物玩具をガンガン買うように、人生が基本的に享楽的なんだろうな。ほしいなと思ったら手に入れてしまうのだろう。こんな水辺を強引に作って地盤は緩まないのかとか、これは贅沢すぎないかとか、そういう些事はあまり考えないんだろう。いやー、驚きました。

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■11/08/24(水) □ コロレット戦術開眼
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コロレット・オンライン
昨夜気づいたのだが、俺はコロレット対 CPU 戦が強くならん。というか当初よりも弱くなってきた。何が悪いんだろうと悩み、戦術論を探しにネットに出る。日本語でも英語でも褒める記事はいくらでも見つかるが、詳細な戦術論みたいなものは見つからない。究極にシンプルなゲームだもんな。

結局「2 点カードは弱い」「悩んだらカードを引くべし」(だめなサイト) くらいしか短く文章化できる定石はないようだ。俺は2点カードを取ってるな。よし、取らないでやってみよう。―――お、首位に 10 点差まで詰められた。この2つのコツはたしかに効果がある。コロレットの面白さが甦る。

次戦、142-138、4 点差! 惜しい。2点は進んで取らず、欲しい色は1枚列でも取る。妨害よりも自分の色取りを優先する。このへんの呼吸が掴めてきた。次戦、勝った\(^-^)/。数日ぶり。やっ・た。わかったぞ。自分なりの戦法が出来上がった。

①+2カードは進んで取らない
②自分の主力カラーは1枚列でも取る(特に4~6枚目は最優先)
③慣れると妨害したくなるが、自分のカラーゲットを優先する
④4色目以降(マイナス点)も心配はホドホドに積極的に行く
⑤中盤以降、誰も欲しくない色のコンビが見えたら自分専用の列を作り冒険する


こんな感じ。最近勝てなくなってきたのは③のせいで、敵がほしい列が見えてくると妨害したくなり、その列をつい自分で取って手番を無駄にし墓穴を掘っていたのだ。敵の主力カラーを数枚削っても点を削る効果は薄い。妨害は敵がほしい列に不要なカラーを入れて相手の減点を増やしていくのを主とし(2人の敵が同色を奪い合う展開に誘導するのが楽しい :-)、自分のカラーを揃える生産的な方向でプレイすべし。⑤の賭けが成功し、欲しい色3枚の列を作り取れた時などよしと声が出てしまう。

これで昨日までのスランプが嘘のように常にいい勝負ができるようになった。気持ちイー。総合的にマイナスを恐れず、ポジティブにプレイしたほうがいい結果が出るというところが、これまたコロレットシステムの絶妙さだな。4セットやることで引きの良し悪しがきれいにならされ、対 CPU 戦ながら勝ったり負けたりの按配が気持ちいい。CPU 相手の4人戦で、4位から1人抜いて3位になりうれしいゲームというのも珍しいだろう。

まったくよくできたゲームで、欠点は「やってみないと面白さがわからない」という、シンプルさゆえの抽象性だけだろう。ここを補うため作者が動物園・水族館というテーマ性を加え続編を作ったというのも当然だと思う。それらはシステムとしてあまり成功していないらしいのが残念だが。

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■11/08/25(木) □ 夏最後のツーリング
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自転車でミネカダパークへ。狭い道をロッジ側に登り、そこから山側へ行こうとしたら自転車禁止だと気がついた。あちゃー。まあゆくり行けば咎める人もなかろうと少し走り出すと、もう鬱蒼とした木立になり、いつクマが出てきても不思議ではない。クマ(茂み)に気を取られ路面から目を離すこと自体が MTB では非常に危険なので、これはやめといたほうがいいなと引き返し、木が少なく開けている沼地の方まで降りていった。


クマの巣窟・ミネカダパーク
はあ。気持ちよし。あさってM萌が帰ってくるので、俺の独身二輪の自由生活もいったん終了である。今年はまったく夏がこないダメダメな夏だったが、ここ2週間は晴れて気温も上がり気持ちよかった。ささやかながらこうして、大好きなサマーフィーリングも味わえたしな。

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■11/08/27(土) □ 妻子帰国
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あと数時間で家族がイングランドから帰国。 独身生活は楽しかった。毎年これがあっても構わないが、しかし期間限定1人暮らしをするなら日本でしたい。ちょうどバイクで日本の全都道府県の回った奴がその素晴らしさを語るスレというものが Twitter で流れたけれど、ああいうのんびりツーリングをまたしたいものである。カナダはどこへ行くにも遠すぎて、そしてどこへ行っても近場同様自然豊富で美しく、特に旅情は湧いてこないのである。

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◆12:39 45 分で空港着。車を止めてカフェを探し始めたら電話があってピックアップ。早かった。

家について家族みんなでくつろいでいると、午後の安らぎを感じる。萌は風邪をひいている。旅行中また背が伸びたらしい。お疲れさまでした。チケライかコロレットをやりたいが、疲れが抜けるまでしばらく先になりそうだね。


2011/08/20

日記「二輪の自由」

「チケライの子供向け指導」「コロレットを発見」「『愛のむきだし』感想」「15年ぶりのソロキャンプ」「フレイジャーバレー放浪」ほか。

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■11/08/08(月) □ チケライの子供向け指導
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しあさってからM萌はイングランド行きなのだが、ロンドンは暴動で炎に包まれている。カナックス敗退時のバンクーバーと同じで、火祭りを起こして物を盗みたいだけなんだろう。昨日津波に消えた町で祭りの山車を引く人たちを見て、人間ってなんと切なく愛すべきものなのかと涙が出たが、こういう映像を見ると人間はダメだとも思う。


キッズ3人楽しく樹上
KT・HNが来訪し、子供らみんなでツリーハウスに弁当を持ち込みDSで遊びながらランチを取る。そして裏の路地でローラーブレード、中に入ってチケットトゥライド・ヨーロッパと、夏休みらしいいい1日であった。

KT・HNは家でボードゲームをやる子ではないが、どちらも筋金入りのゲーマーなのでチケライも飲み込みは早い。ゲーム半ばで完全にルールを把握したKTが駅舎を効果的に使い早めに路線を達成したのだが、萌のアシストを受けたHNがなんと最長路線を取って勝利となった。やっぱチケライは初回でも盛り上がるわ。

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夜もM萌とチケライ。俺とメルが上達するにつれ、萌が勝てなくなってきた。萌は必要なカードがオープン場札に出ないと何度も何度もブラインドドロー(伏せた場札から取ること)をするので、不要なカードが山ほど貯まる。何ターンも路線を敷けず遅れる上に不要なゴミカードがたまるという悪循環に陥り、どんどん離され大負けしてしまうのだ。

そこで俺が思うダイレクトな改善案2点、
  • ①あと何枚かで長距離がつながるくらいの状態になったら、その色だけを待っていないで新チケットを取る(待ちカードを多面的にする)
  • ②ブラインドドローは最小限にする(場に出ているカードを取って場札を動かし、必要なカードがオープンされる可能性を高める→取ったカードで同色カードセットを作り、単独トラックでこつこつ点を取るか①につなげる)

をトクと説明する。

これにヒントを得たのか、次のゲームでは自分の長距離チケットに捉われず、カードを集積して8・6・6のロング路線を全部取り、計51点を取るという作戦で僅差に持ち込んできた。おお、それはいい手ではないか。特定カードをブラインドドローで待つことは命取りだということはわかってくれたようである。

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■11/08/11(木) □ M萌出発
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M萌が準備してなかったカメラのメモリー準備、DSバッテリーチャージなどを朝から忙しく行い、昼前に終わる。自分が行かないとなると、旅先でのバッテリーやメモリカードの心配などもしてやらねばならない。よし。萌はすでに昨夜から興奮疲れでブレインがまったく働いておらず、何を言ってもぼーっとしている。何歳になってもそこは変わりないな。

しかしMはチケットトゥライド Euro を持っていかないという。ええっ! デカすぎるから? じゃカルカソンヌは? 箱なしでタイルとコマだけ持っていけるじゃん。ダメ? じゃ「オレの魚」は? ダメ? えーーーっ! ラゲッジがきつきつで余分なものは一切持っていけないとのこと。ゲームは余分じゃないと思うが。

しかしこういうときのために、なにか軽くて楽しいユーロ系カードゲームを買っておくべきだったのかもしれん。カルカソンヌ・チケライと同等の手軽さと深さを備えたカードゲームがあるのかわからないが。

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【出発】寝不足と興奮で萌は道中ずっと黙っていたのだが、空港に入っていくとまたアドレナリンが出たのか元気が出てきた。そして車から降ろすと、「ハ! ここでお父さんとはオサラバよ!」と大声を上げ喜んでいる。俺が1人で日本に行った4年前と大違いだなオイ(笑)。あのときは大泣きだったくせに。まあともあれいい旅をしてくれ。

帰ってきて、1人は気楽で自由だがやっぱ家ががらーんとして寂しい。複雑な気持ち。

とりあえず前からためていた映画を見ようと思い、そこで気がついた。リビングから DVD プレイヤーを俺の部屋に持って来ても、誰にも文句は言われない。俺は完全に自由だ。自由の翼を広げ「愛のむきだし」を見ていると、あっという間に真夜中に。毎夜の日課である皿洗いを今日はしていない。これは「罪」ですか。「罪」ですね。皿を洗わずに映画を呆けて眺めていることの罪の意識が俺を苛む。皿が俺を呼んでいる。

しかし今夜やらなくたって誰にも文句は言われない。そこで台所に行きちょっと考えて、汚れた皿を台所の一角にまとめて視覚的な雑然さを下げるという手法を考えだし罪を飲み干し、そしてあとは眠くなるまで心ゆくまで「愛のむきだし」を見ることに決めたのだ。だって俺は自由、自由、自由なのだ。

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■11/08/12(金) □ コロレットを発見
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名作カードゲーム「コロレット」
Mたちが結局チケライもカルカソンヌも持って行かなかったので、今さらだが旅行用にドイツカードゲームを買っときゃよかったなあと考え、前からオンラインデモ版があると知っていたがあまり興味を感じずやってなかった「コロレット」をやってみた。最初はあまり面白く感じない。勝負どころはわかるしうまくいくと気持ちいいこともあるが、まあなるほどねという感じ。

がとにかく5分もかからず1ゲーム終わるのでどんどんサクサクやっていると、プレイ総計5回を過ぎたあたりから良手悪手、取られて悔しい場合、自分に利は薄い代わりに敵に損害を与えられる手などさまざまな手が見えてきた。するとなるほど面白い。同じく有名なカードゲーム「6ニムト」オンライン版は、何回やっても自分がやってることがいいのか悪いのか、どうしたら勝てるのかというゲームのキモがわからずワクワクしてこなかったのだが、これはそれが見える。

そして10回を過ぎる頃(それでも1時間くらい)にはもう、コンピュータ3名との熱い勝負に熱中するようになってしまった。これは素晴らしい。サンファンほどでかいプラン(役)を立て勝負に出るスリルはないが、場の流れを読む楽しさ、グッドラック・バッドラックの楽しさ、次はこうしようと上達する感覚があり、5分でできるゲームとして実に素晴らしい。

◆札を引き列に置くか、列を取る
◆3色まで得点、4色以降はマイナス

これだけのルールで、例外が一つもない美しさ。カルカソンヌ並みのメカニズムのシンプル美だ。超絶シンプルルールでゲーム性がすべてインタラクションにかかっている点は「オイそれはオレの魚だぜ」と同じだが、これは「オレの魚」より勝ち筋負け筋が明確に見え、戦略性が非常に高い。かつラックの味わいも十分に入っているので、ビギナーでも楽しめる。

旅行用と考えるとカードを手持ちでやるゲームがベストだが、これは手持ちではないものの小さなスペースがあればできる。ボードゲームができないビーチのマットの上や飛行機のテーブル上でやるのも可能だろう。ツリーハウスの上でもできる。手持ち無沙汰のファミリーパーティでの時間つぶしにもやれる。

テーマ性がない抽象的(アブストラクト)なゲームなので萌が気に入るかどうかは微妙だが、パズルやソリテアが好きなMには間違いなくウケる。そして15ドルだもんな。買おう。よし。

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家族の留守中ソロキャンプに行きたいので、準備を開始する。テントを広げてみると、やはりかなりカビくさい。まあ風を通し乾かせば大丈夫だろう。あと水タンク、マットか長ザブトン、コッヘル等が必要だ。

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■11/08/13(土) □ 「愛のむきだし」感想
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テントを一昼夜ほしたがカビ臭さが取れない。うーむ。芳香剤でごまかし我慢するしかないか。天気予報は少し改善しており、火曜から気温は夏に戻りそうだ。どこへ行くかを考えているのだが、至近でよいと評判のローリーレイクキャンプ場でまず1泊、そして前からハリソン・ホットスプリングスへ行くたびに寄り道したいと思っていたフレイジャーバレーのどこかをうろつきつつもう1泊したいな。情報を集めよう。

夕方テントを片付けに外に出ると、もう夏の終わりの空気だった。今年はついに夏が来なかった。やれやれ。

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くれぐれも独身状態になるまで見るなと言われていたバイオレントな日本映画、「愛のむきだし」4時間を観劇終了。

【以下ネタバレ】前半は満島ひかりさんが怖いコイケにレズの道に連れて行かれる描写などすごくよかったが、最後の1時間の大バイオレント・クライマックスはあまり意味がないなあと思った。どうせ大団円になるなら、人を死なせたりしないでなんとかしてもらいたかった。ユウの一途な愛が他者への破壊に結びつき、狂い、戻ってくるというクライマックスの全部が弱い。教団のヘッドが単なるオタク大学生みたいなのもヘンならそいつがユウに殺されてしまうのも馬鹿げている。満島さんが聖書の長い節を一気に暗証しきるシーンには感動したが、結局それが何かを意味してはいなかった。

この映画を本当の純愛映画だとか、”むきだしの愛”の映画だとか言っているけれど、この映画の中で純愛だとかの部分は多分全体の10%も無い、それもほとんど最後の部分だ。90%はギャグでありコミックでありギミックだ。観客はコミックの部分が面白くて映画を見続け、最後の部分でガツンとちょっとシリアスなストーリーでクイっと栓を締められたものだから「ああ、面白かった、ああなんて素晴らしい愛の映画なんだ」と飲み込まれ丸め込まれ、それまでのストーリー全部を純愛だと意識を操作されてしまっているのではないか? (『愛のむきだし』むきだしているのは愛ではなく傲慢な感情。)

という辛辣な評があったが、その通りであり、90%のマンガはすごく楽しかった。しかし10%の純愛部分は取るに足らないものだったのである。

しかし「悪のコイケ」さんがすごかった。いったい誰だ、そもそも役者なのか、町で見つけた風変わりな女子なんじゃないかという凄みがある。で調べたら「奥田瑛二の娘・安藤サクラ」だって。サラブレッドなのだ。いやはや恐れ入りました。
【ネタバレ終わり】

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大恐竜の前で、イトコと
萌と Hotmail 経由でチャットができた。萌はタイプが十分早く、ちゃんと会話になる。これはいいわ。いい時代になったものだ。写真もアップロードしている。博物館がやはりすごいな。

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■11/08/15(月) □ キャンプ準備
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天気は良化している。明日出発と決定。今日荷造りと買い出しを終えるぞ。

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最後の買い出しで「コロレット」本物も入手。これがカバンに入っていれば、電話や Pocket PC みたいにユーロゲームを携帯できるわけである。キャンプにも持っていける。使う可能性はゼロだが、ユーロゲームは持っていること自体が嬉しいという趣味性が強くある。

スリーピングマットはこれだというのが見つからないのだが(薄くて硬い時代遅れなものか、巨大なエアマットしかない)、これはもう仕方がないので家の座布団2枚を持っていってしのごう。

―――うわ、ローリーレイクキャンプ場は1グループ $30 だって。高い。カナダなのに。ちょっと待ってくれよ。マットも買わないほど切り詰めてる質素キャンプなのに、これじゃ2泊できんぞ。しかし調べてみるとやっぱサイトごとの料金なので、BC 州立はどこでも $30 が標準らしい。あちゃー。これは考えなかったな。弱った。

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■11/08/16(火) □ 15年ぶりのソロキャンプ
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旅の本職KZ氏にキャンプ場アドバイスを求めると、安いところは遠くて要4WDであるという傾向が見えてきた。つまり家族連れが気軽に行け都会から近いところは高いということなのかもしれない。

昨日キャンプ用品を探していて、カナダでは一般の量販店では家族向けキャンプ用品の売れ線以外はまったく手に入らないなとわかった。家族向けのコールマン系キャンプ用品とその廉価版しか売っておらず、ソロ用のキャンプ用品(欧州登山用品由来の EPI など)なんて1つも売っていない。俺は1人用のコッヘルセットと EPI パーツが必要なのだが、そういうものは MEC などの山屋専門店に行かないと手に入らないのだ。キャンプ場も同様に、ファミリー用とアウトドアエキスパート用に分かれているわけだろう。

ゴールデンイヤズ公園のノースビーチなら $10 安いとKZ氏の助言が入り、そこに決定し出発。

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うーん、フツーだ...
15:37 1時間でついてテントを張りコーヒー。うまい。が、思ったほどワンダフルではないなあ。うちの近所の森にテーブルを置いただけという感じ。アロエットレイクがまったく見えない。それでいて茂みがないので 360℃死角なく、隣のサイトが全部見えてしまう。地面は砂利混じりの堅い土で、テントのペグが入らない。全体的に、森の中の駐車場にテントを張っているという感じである。

とりあえずはるか下方にある湖まで降りて景色を眺め(湖につながる河口で泳げるようになっていて、そこはナイスだった)水を汲みに行くと、ポンプが滅茶苦茶重い上に汲み取り口の位置が悪く、1人では汲めない構造になっている。5分ほど苦闘して諦めた。はあ。まあいいや、ミネラルウォーター4Lは持ってきたので、それが尽きたら帰ろう。2泊の予定だったが、サイトは魅力ないし湖でオトコ1人泳いでも仕方ないし、この森の駐車場に2泊したい理由はないのである。

テントに寝袋を敷いて横になるとようやく快適に感じてきた。

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晩飯は野菜スープとゆで卵と質素に。昨日作ったおひたしも持ってきたのでお茶のツマミとする。うまい。

◆18:27 日没。山際なので早い。だんだん野営気分が出てきました。
◆19:02 日が落ちると一気に冷えてきた。やっぱここは山なんだな。焚き火を開始しよう。
◆20:39 いやー焚き火サイコー、2時間近く火を絶やさぬよう熱中してた。火の世話をしていると時間を忘れる。

しかしこういう車を入れることをまず考えたキャンプ場は、日本でもそうだが、あんまりよくないな。日本で俺が行ってた廻り目平などのキャンプ場は、狭くて車が入れないので荷物の搬入はリアカーを借りたりして大変だったが、ガヤガヤと混み合い子供が駆け回り、山の中の臨時集落のお祭りという感じで楽しかった。そこにいるだけで気分が盛り上がった。隣りのテントがバイク野郎だと話をすることもあったし、水場や炊事場を共用するのでそこでもコミュニティ感覚があった。こういうガランとしたところにポツネンといるのは、どうも気勢が上がらない。

炊事場はともかく洗い場もないのには参ったな。カナダはどこでもこうなんだろうか(前にキャンプをしたのは15年も前なので覚えていない)。持ってきた皿2枚ボウル2個を使ったら俺は余分な水もないのでどうしようもない。各自大量の水とタライを持ち込んで汚れ物を洗っているんだろうな。そうしてなんでも持ち込む必要があるので装備は重大化し、やがてキャンパーになるわけだろう。ここから見渡せる中、5サイト中3軒がキャンパー(キャンピングトレーラー)である。

ここでソロなのは俺だけであり、やはり自分が孤立しているという感がどうしてもある。1人でいることが寂しいわけではないが、自分だけが異質だというのはあまり気分がよくない。たとえばビデオで自分撮りをしたいのだが、こんな静かなキャンプ場の中大声でひとりごとを言っているという図はどう考えても奇っ怪なので、周りに聞こえないようささやき声で録画しなくてはならない。ウクレレを持ってきたがそれを弾き歌うなんてことももちろん不可。1人でいることの居心地の悪さがある。

◆21:38 テントイン。初めて使って気がついたが、このテントは隙間風が入ってくる。体は冬用シュラフで暖かいが耳が冷える。天気がもし崩れたらかなり辛いだろう。もらい物だから仕方がないが、ヘボなテントである。


このLEDライトが明るくて長持ちでサイコー
LED ランタンで読書、明るさと持続時間はばっちり。このランタンで野外でいろいろしたい、テントで本を読みたいというのが長年の夢だったので、それはかなった。実際今日は旅でも避暑でもなんでもない純キャンプなので、最大の目的はこのランタン読書という話もあるのである。

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■11/08/17(水) □ フレイジャーバレー放浪
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◆07:25 起床。夜半は寒かった。真冬用の分厚い寝袋だが、それでも上面の腿が冷えて何度も目を覚ましてしまった。薄いブランケットを腿の上に敷いたら全身が暖かくなったので、念のため持ってきてよかった。まだ谷間に日が差さないのでコーヒーを入れて寝袋に戻る。

朝飯後荷物をまとめる。でゲートに行って2泊目をキャンセルしたいと相談してみると、理由も聞かず今夜の分は返してくれた。こういうところはカナダのよさなり。

ピクニックエリアに周り10年前今は亡きPL叔母さんを連れてきた懐かしいアロエットレイクを見に降りる。急いで帰ることもないのでここでのんびりしてもいいのだが、お茶も飲んだばかりだし今はタバコも吸えない。ローリーレイクへ移動しピクニックして、それからフレイジャーバレーをのんびり巡ってから帰ろう。決めた。

◆11:30 AKさん一家が宿泊したローリーレイク着。ここでカレーを解凍してランチ。炊飯したかったのだが時間がかかりすぎるし、白昼人目のあるところで炊飯というのもちと異様かと思いカレーを温めたのみ。しかしうまい。

ローリーレイクは小さなレイクで、したがって水も暖かく子供向け。キャンプして四六時中このレイクに入れたら子供はうれしいだろう。しかし水辺は蚊が多いな。

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そこからミッションの裏山を抜けていく。ここは俺が知るかぎりこのエリアで最も日本の山道に近く、山と谷と道が連なる景色が長野の山みたいで走っていて気持ちがいい。でもやっぱりカナダの山道はコーナーのRのつけ方がユルすぎるんだよなあ。ユルいコーナーでおいしいコーナリングフォースを出すには必要以上のスピードを維持し走らなければならない。そんなことは危なくてできんし、のんびり景色を見ながら走りたいのだ。

そしてミッションを抜けローヒードハイウェイに降りる。いつもハリソン・ホットスプリングス往復でいい景色だなあと思うフレイジャーバレーで、どこかいいところを見つけコーヒーを淹れのんびりしたかったのだが、景色がいいところで車を停める場所がない。公園的なところもまったく見つからなかった。1度川沿いまで思い切って降りてみると、蚊がうわっと押し寄せてきて大変なことになった。川沿いフォートラングレーでも蚊はすごかったもんなー。母なるフレイジャーリバーは素晴らしいが、近くに住むとなると蚊は大問題だろう。

川を見渡す高台の公園みたいなところも探したのだが、これも見つからず。景色を好きなドロチェあたりまで行ったが、ガスもなくなってきてだんだん心細くなる。夏の山河を眺めて走りながら、なんだかセカセカと追い立てられてるみたいでリラックスできない。地図でドロチェにも公園はないと確認し、これ以上ハイウェイをさまよってもあまり意味ないなと引き返した。3時過ぎに帰宅。2時間余を無為にさまよい、寝不足と日差しで疲れた。

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ワインディングロードを走っていてもで星の下で寝ていても昔ほど盛り上がらないのは、これはやっぱり結婚して子供ができて、家族全体での楽しみが基本になっちゃったからなのかなと帰り道ずっと考えていた。旅やキャンプは変わらなくても俺が変わったのかもしれない。これは自分じゃ答えが出ない。

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■11/08/18(木) □ 二輪の自由
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キャンプ場で早起きしたからか、今日も早起きしてしまった。

盛り上がらなかったキャンプトリップのことを考え悶々としていたのだが、何かしようと久々に自転車で買い物に出たら、ぶわーっとほしかった自由フィーリングが湧いてきた。あ! これか! 俺がほしかったのは二輪の自由さだったのだ。瞬時に行き先を決めて軽やかに進み、いつでも止まれる二輪の自由。歩道を通り裏通りにまわり無限のルートを自由に組み上げ、適当なところにキッと止めて用を足す気持ちよさ。これだ。

車の旅は、目的地に着くか適当な駐車場がない限り止まることができない。基本的に「移動」なのだ。昨日だって丘の上から一瞬見えたフレイジャーリバーが美しかったが、車を停める場所がついぞ見つからずその後一度も見られなかった。切ないではないか。「リラックスできないセカセカ感」の正体は、止まりたいけど止まれないというプレッシャーだったのだ。多人数なら止めちゃおうかと集団意志の強引さで無理くり止めてしまいもう少しのんびりできるのだが、一人だとなおさら車を停めるには意志力がいる。だから昨日は延々とつまらない気持ちで走り続けていたのだ。

二輪ならば交通の邪魔にならないので好きなところに止まり、好きなだけ景色や町を味わえる。それが俺がしたい旅なのだ。俺はびゅんびゅん車が流れる伊豆のスカイラインでバイクを止め、路上のタヌキの死骸を横の草むらにのけてやったことがある。そういう瞬時の判断で行き・止まる自由がなく、移動を計画し粛々と実行しなければならないから、四輪の旅は燃えないのだ。分かったわ。

今後モーターサイクルを購入して二輪野郎に戻るというのは無理だが、車に自転車を積んでいき、出先でちょこちょこと二輪の自由を味わおう。

バイクにテントと寝袋を積んで走った鬼怒川→伊香保→長野の旅、食べ物とパンク修理セットを持って富士山中を駆け抜けたMTBの旅。あれらと同じ、必要なものを身につけて小さな旅に出る自給自足自由感が自転車にはある。ラブ&ピース。




2011/08/09

「『ゼルダ・大地の汽笛』の素晴らしさ」

「涼しすぎる夏」「ダンジョンズ&ドラゴンズ見学」「アクション映画不感症」

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■11/07/31(日) □ 「ゼルダ・大地の汽笛」の素晴らしさ
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寒い日となってしまったが、萌は今日もツリーハウスで DS。前から欲しがっていた「ゼルダ Spirit Tracks (大地の汽笛・英語版)」を中古屋で見つけたのだが、これが素晴らしい。ゲームキャラの芝居のかわいさ、「うっ、はっ」と入るボイスや高音質効果音の気持ちよさ(DSi XL はアコースティックが DSL の数倍いい)、テキストの適度な分量と挿入タイミング、繰り返しがまったく気にならない絶妙な音楽。これらすべての高品質要素が相まって、物語に入り込み自分が役を演じ謎を解く楽しみを味わいまくれる。萌がやってるのを見ているだけでワクワクする。


ゼルダとリンクの演技がキュート
リンクたちが移動しアクションをするゲームステージ上でカメラアングルが切り替わり、アップとなったゼルダたちがシームレスに芝居を続ける。これがなんとも自然で気持ちいい。DS の画面の中にリンクとゼルダがいるミニ 3D 世界がしっかりと存在することが感じられる。

どれくらい物語に入り込めるかというとたとえば、ゼルダを先導して城から脱出する際、リンクが監視の兵たちに話しかけ、その間にゼルダが兵の背後を通るという楽しいシーンがあるのだが(超楽しい2人同時操作)、ここで自然と

「(萌)ハローソルジャー、えーと、奥さんは元気?」
「(俺)ん? 俺は結婚してないぞ?」
「えーと、えーと、娘さんは元気?」
「いやだから結婚してないって、なんだお前は?」
「(ゼルダが背後を通過したのを確認し)さよならーw」


といった按配に、テキストに書かれていない部分を萌と俺が即興で演じてしまう。「炎の魂の裏切りの底の裏側の...」といった意味不明なテキストを延々と読まなければならない FF 等の RPG の正反対で、話が単純なのでプレイヤーがたちまち合点し、よっしゃわかった俺に任せろと演技をしたくなってしまうのだ。これこそ至高のロールプレイング体験だろう。画面上でタッチパネルを使う操作感も前作よりいい。汽車で爆走するのも前作の船より行き先が明確になり楽しい。

さらにセリフの和英訳が素晴らしい。原文日本語では「どうしたらよいのじゃろう」といったセリフだと思われる部分が、「いかにせんとや思いもよらぬ (I am at a loss as to what to do)」といった古文調英文になっている。王朝ムード丸かじりで、声に出して読んでいると俺でもエセ格調高い英国訛りになってしまい、音読することがとにかく気持ちいい。ハリーポッター好きの萌もそうなのよーと同意見(※)。

(※)これの反対のうーんな翻訳がそのハリーポッターの日本語版で、リズムが悪く音読しにくい。なんだこりゃ読みにくい本だなと呆れて英語版ハリーポッターと対比してみると、原文は前述のような音読が気持ちいい英語で書かれていたのであった。英語って音読の歴史で底力があるのかな。これを説明すると萌は、「ハリーポッターもこのゼルダの人がトランスレートすればよかったのに」と残念がる。ほんとだよね。

ゼルダで残念なのは、せっかくきれいな町や城に来ても宝探しと物品売買の楽しみはないことだ。細部まで描きこまれた町や家は、そこにいる人の話を聞くためにしか存在しない。ドラクエ的センスでは家々の全ての引き出しを開けたくなるのだが。ゲットしたきれいな宝物も、使い道もなければ(現時点では)売ることもできない。謎とパズルを解く楽しみには大満足だが、RPG としてはそこだけが惜しい。


ちなみに任天堂DSの英語版は「リズム天国ゴールド」もデキがすごい。どこでこんな日本アイドル声の英語ガールを見つけてきたのだと驚く完璧な声に、完璧にカワイイ和英訳。「かもね」が「I suppose」となるところが、I think より自信なさげで胸ワシ掴みのキュートなシャイさなわけです。これは英語圏ゲーマーを有無を言わせず日本アイドルオタクの猿ハピネス境地に送り込んだに違いない。任天堂英語化部門にはすごい人がいるんだろうなー。

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■11/08/04(木) □ 涼しすぎる夏
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今年の夏は本当に暑くならないのだが、このままじゃ夏休みがあんまりだと月曜にバーネットマリンパーク行きを決行。行けばもちろん最高に気持ちがいいところなのだが、やっぱ平地でも暑くはない程度の気候24℃だったので、水辺に降りると寒く長居はできなかった。

そして今日は今年一番の暑さ26℃との予報なので、もう一度トライだとCHを連れて再度同じマリンパークへ。やっぱ暑いというほどではなく風はひんやりなのだが、ともかくサイコーの海日となった。やっぱり子供同士で来たほうが百倍盛り上がる。よかったよかった。

あと1週間で萌とメルはイングランド旅行に出る。これがこの夏最後のサマーリーデイ(夏らしい1日)かもしれない。留守番の俺は1人でキャンプに行きたいのだが、どこに行っても夜は寒いだろうなあ。

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■11/08/06(土) □ ダンジョンズ&ドラゴンズ見学
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友達の誕生パーティに行く萌をポートムーディで降ろし、ちょうどその町のゲーム屋で定例ダンジョンズ&ドラゴンズ会をやっているMKを訪ねる。すると無愛想なオヤジたちがテーブルを囲みダンジョン&ドラゴンをやっていた。あとでMKに聞いたらうち2人は大学生だったそうで、カナダのオタクは日本と違い恰幅がいいゆえ年齢不詳だ。俺の意外な来訪にMKが驚き友達に紹介するといったこともない、静かなゲーム屋の片隅。

ダンジョンズ&ドラゴンズ(テーブルトーク RPG)というのは地味なゲームで、ボードゲームのような豪華なボードはなく、ぺらぺらの紙の上に例の小さなフィギュアのコマがずらりと置かれている。

ゲームはサイコロを振りなにか数値を読み上げて、各自自分の手元のチェックシートに何ごとか操作を加えるという感じ。パラメータを確認するためなのか、各自分厚いリファレンスブック的なものも開いている。見ていても何をしているのかはわからなかったが、まあ RPG の数値のやり取りをアナログでやってるということなんだろう。RPG って数字のやり取りだから、グラフィックがなければああなるのね。

これはやっぱボードゲームとはだいぶ違う。ボードがないから華やぎに欠けるし、メンバーの口調からしておそろしく地味で、彼らは「おおイエス」かなんか言って盛り上がってるのだが、目に見える現象は数値の移動だけだ。MKが言うにはこれは「ゲームマスターがシナリオを作って、プレイヤーはその世界観の中でプレイする」のだそうで、たとえばストーリーライティングが趣味の萌がシナリオを作り家族全員がプレイするということも可能なんだそうだ。しかし戦闘部分はあの紙とコマとサイコロで納得できるが、RPG に不可欠のストーリーはどうゲームに反映するんだろう。そこは見当もつかない。

短時間でキャラを育て買い物をして強くして旅をする「RPG ボードゲーム」がもしあれば楽しいだろうなと思うが、ダンジョンズ&ドラゴンズはそういう夢想から出てくるものとはまったく違うものだった。見た印象はボードゲームよりウォーゲームにより近い。

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ここを出て、あとは萌のパーティが終わるまで2時間待ち。夕飯時になったのでなにか軽く食いたいのだが、カナダというところはバーガー類を食うかちゃんとしたレストランに入るかしかなく、バーガーだって安くはない。海外在住日本人は誰もが日本の安い飯屋を恋しがる。

適当な軽食が見つからず仕方なく缶ジュースを購入し(カナダには缶コーヒーもない)、公園で Pocket PC 読書をしつつ待っていた。固いベンチに座っているのは苦痛だし腹が減った。それに風が冷たく最後は冷えた。今年の夏はまったくロクでもないぜ。汗をかくほど暑くないのに紫外線だけが無闇に強く、しかも短いんだからね。

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■11/08/07(日) □ アクション映画不感症
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ツリーハウスにハシゴがついて、ついに完成。あとは使いながら細部をちょいちょい良化するだけ。設計施工のMKが「子供のときこんなのがほしかったと思わない!?」と興奮して聞くので、「いや子供のときというか、お前がここに住んでる間にこれができて、お前が使えていたらと思うぜブラザー」と答える。ほんと奴はうちに10年も住んでいたんだから、5年前にでもこれを作っていたら自分も楽しめただろうにな。もったいない。

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TV Japan で「K-20 怪人二十面相・伝」を見ていて、すごいスペクタクルなのだが面白さを感じず視聴中止。これはこの映画がつまらないということではなく、俺にはアクション映画というものがつまらんのだと気がついた。ハリウッド大作アクション映画はくだらん過大評価極まると常々思っていたが、日本映画でもまったく同じことだ。いったいどこで撮影したんだろう、日本にこんなすごい明治建築風景があるのかなとそればかり気になった。

アクション映画というのは役者の躍動に胸踊らすものなわけだが、どわーんとバットマンみたいに役者が飛んでも、スポーツでアスリートの動きの美しさに感じる快感に匹敵するものが俺には感じられない。そういえば俺がアクション映画を見なくなったのは、バイクレースや競馬やサッカーなど、自分が超スポーツ観戦好きであると意識するようになった20代以降だろう。関連は大ありだ。

その俺の目にも快感を感じさせるのが宮崎アニメの動きなわけである。「ハリーポッター」を見た時、あのホウキに乗り戦うシーンのしょぼさに呆れたが、それは日本人の目が宮崎アニメの飛行シーンを覚えているからだろう。ジャッキーチェンなどのカンフー映画にも快感を感じる。「マトリックス」はその点でダメであった。

というわけで、宮崎監督には長生きし、もう何本か映画を作っていただきたいいものです。アリエッティの米本監督にも頑張ってほしい。

2011/08/07

ツリーハウス完成

裏庭のツリーハウスにハシゴがついて、ついに完成しました。あとは使いながら細部をちょいちょい良化するだけ。

設計施工の甥(去年までうちに10年住んでいた青年)が「子供のときこんなのがほしかったと思わない!?」と興奮して聞くので、「いや子供のときというか、お前がここに住んでる間にこれができて、お前が使えていたらと思うぜブラザー」と答えると、彼は目頭を熱くしてました。


ワタナベカットの小学男子
ちなみに萌は先週からスーパーショートヘアになっております。なんかファッションモデルっぽいピクシーカットというらしいですが、私から見ると故郷の町のワタナベ理髪店の「小学男子カット」にしか見えない。サカタ兄弟は子供時代ずっとこのワタナベカットでした。

2011/08/02

チケライ達成チケット公開ルール考察

「3人娘で家が外国化」「女子W杯決勝見直し」

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■11/07/23(土) □ 3人娘で家が外国化
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ツリーハウスに壁と屋根の梁がついた。すごい。壁があるともう登ってもまったく怖くない。屋根を張らなくても梁があるだけで、いきなり居心地のよさが5割増しという感じ。フライを張る前のテントみたいだ。

ちょうどSPとBLがスリープオーバーで来訪し、飯を速攻で食いツリーハウスに上がりDSで遊びまくる。こりゃ幸せな夏休みですなあ。

しかしガールズが3人も揃うとうちはもはや完全に外国となり、交わされる会話や食習慣その他は外国文化現象となって、俺はどうしていいのか皆目分からない。こういうときはMがほがらかでジョークを連発するお母さん役を全部やってくれるので、俺は遠巻きに見守っているだけとなる。

俺はツリーハウスはこうやって登り降りしろ手を洗え足を洗えなど実務的会話しかできず我ながらつまらん父親だと思うが、自分をいつわって英語人格を作ってまでフランクに接せられないので致し方ない。ボードゲームならばやれるが(笑)、11歳ガールズ3人がおとなしくコマを使って遊ぶことなどあり得ず、全然やってくれなかった。

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■11/07/25(月) □ 女子W杯決勝見直し
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今頃になって女子W杯決勝を見直してみる。落ち着いて見ると米に点が入らなかったのは運がよかっただけというヤツは立ち上がりの3回ほどで、それ以外は普通にサッカー的な攻防の範囲で打たれたシュートだった。やられまくったという印象が薄まっていく。リアルタイムでは立ち上がりで完全にやられたと感じ、それを引きずって実際より悲観的に感じていたのだろう。まさに見てる日本応援者は「敗者のメンタリティ」の中に叩き込まれていたのである。

しかし澤たちはそのメンタリティに囚われず、その時間帯以降は本当によくやっている。1対1の劣勢で縦に大きく運べず決定機は作れないが、横パスで米のプレスを交わす動きは試合を通じてほぼ完璧だし、そして後半最後はやはり日本のゲームだった。リアルタイムでは力量差6-4という印象のゲームだったのだが、実際はもっと五分五分に近かったのだろう。

同じ試合をもう一度やったら負けると試合後つよく思い、その気持ちはいま見ても変わらないが、この次に当たるときは日本がより善戦できるのではないかとも思う。次は畳み込まれたところで決壊しワンバックらのシュートがスコっと入りあっさりという可能性もあるが、試合の流れとしてUSAはあれ以上のプレス&ラッシュはかけられないが、日本は落ち着けばもっとパスを回しいい攻撃ができるはずである。女子サッカーは今後も楽しみだ。

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米女子リーグも客が足りず風前の灯と聞くが、この試合を見ればスポーツ的に楽しめないはずがないわけで、要はすごい女子選手はどの国にも20~30人くらいしかいなくて、リーグとなるとレベルの高い試合を展開できないんじゃないかな。

ならば一番可能性の高い米女子リーグが女子プレミアリーグとなって、各国代表をリーグで競わせたら楽しいだろうなあと夢想する。つまりバンクーバー日本なでしこズ、トロントイタリアンズみたいな。これはもう試合は面白いに決まっている。しかしW杯とオリンピックサッカーをやる意味がなくなってしまうか。

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■11/07/30(土) □ チケライ達成チケット公開ルール考察
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【チケットトゥライド・ヨーロッパ】うちはハウスルールとして

●チケット達成ごとに完成しましたと公開する
●駅舎を使ったら借りた路線の相手に4点払う


という改変ルールでチケライをやってるのだが、今日は試しに達成を公開しない正式ルールでやってみた。公開ありでは達成のたびに「おおナイス、だからそっちに曲がったのか、クレバーだなー」と拍手と感想戦があり、スコア上でダイナミックな追いつ追われつが起きるので中盤から終わりまでずっと盛り上がりがあるのだが、ゲーム終了時に全チケット達成点をまとめて精算する正式ルールでは、皆が自分の路線をコツコツと最後まで敷き続け非常に静かなゲームとなる。多人数同時ソロプレイ感が強くなり、チケット交錯が少ない2P戦では特に寂しい。

それにゲーム後4~5枚ものチケットを人数分いちいち確認するのはさほど興の乗る作業でもなく(ゲームの勝敗はゲーム中の盛り上がりに比べればさほど重要なことではないので)、「エッセン-キエフ10点」「はい」「スミルナ-ソフィア6点」「はい」といった具合に点だけを公開するあっさりした精算になる。ゲーム中に逐次達成を公開すれば個々に意味と個性があるアチーブメントが、単なる数値になってしまう気がする(※)。
(※)おまけとして逐次公開式では、終盤チケットを取ったときに「もうつながってましたハイ」「うあー」という小盛り上がりもあるのだが、ゲーム後の清算時ではいつ取ったチケットかなんてわからないので、この「追加の幸運があったかどうか」という部分は情報として完全に破棄される。チトもったいない。

2つめのメリットとして、逐次公開式では全員の進捗状況があらまし見えるので、トップに追いつくにはどれだけの点が必要かと思案を立てやすい。追加チケットを取るべきか、既存のチケットでロンゲストルートを伸ばすかといった楽しい悩みをクリアに描ける。萌は最近1人だけ達成非公開でプレイしていたのだが(ひそかに達成して最後にジャーンとやるのがうれしいらしい)、まったく勝てなくなってきた。これは非公開だとスコアボード上で点差が大きく離れ、それが挽回可能な差なのかどうか測りかねてラストスパートをかけられないからだろう。

達成チケットを公開すると残りのチケットが推測し易くなるというのが達成非公開ルールの理由だろうが、うちは《路線の奪い合いはOKだがブロックはやめとく》というぬるいモードでやってるのでこれは問題にならない。それにブロックありの真剣勝負ならばむしろ、達成が進むにつれ残りチケットが絞られ攻撃されやすくなったほうが、攻防が尻上がりに増しゲームは盛り上がるんじゃないかな。「ヨーロッパ」はブロックが熾烈になっても、それを乗り越える駅舎があるわけだし。

というわけで、うちではやはり達成チケット公開ルールで落ち着いた。

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チケットトゥライド・ヨーロッパは、2P戦では路線の交錯(同じ路線の奪い合い)はあまり望めない。これはチケットが交錯しやすいチケットトゥライド USA に劣るだろうと思う。しかし交錯の少ないゲームでも、各自のチケットを元にどちらがよりすぐれたプランを立て実現するかというレースは楽しめる。ボドゲでレースといえばフォーミュラDだが、チケライの直感性と戦略実現難易度と運は、フォーミュラDとは比べものにならないほど優れたバランスを成立させている。俺と萌に遅れ数日前に始めたばかりのMでも、ゲーム中存分に戦略を練り俺を負かすのだから素晴らしい。ルールセットと目的の明瞭さが皆の頭脳をドライブしてくれるのだ。


勝ち筋研究に余念がない私
じっさい俺はオンラインで鍛えたはずなのにMにてんで勝てん。たぶんつなぐことをあせり最短距離でつなぎすぎるんだろう。4コマトラック7点揃いの東欧ルートが実は強いと気がついているのだが、ぐいっと横にそれてそちらに遠回りして4コマトラックを通すなど、1枚のチケットから取れる点数を最大化すべきなんだろう。

そこには「こっちからも行けるぞ」というひらめきが必要で、その回り道がチケットトゥライドというゲームの最大の魅力である。ルールがこんなに簡単でも人に勝つには思案とひらめきが必要で、だからボードゲームは面白い。