2012/03/16

日記「尾野糸子なきカーネーション」

「追悼式中継」「震災1周年」「【FIFA 09】初年度終了」

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■12/03/10(土) □ 追悼式中継
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震災1周年。日本からの追悼式中継を見ながら、俺は亡くなった方々よりも、全ての持ち物と住んでいた町を失った人たちのほうにより深く同情してるなあと考えていた。なにかの事故で自分自身が死んでも俺はあきらめがつきそうな気がするが、たとえば火事ですべての持ち物や PC データが焼けてしまったらしばし廃人になるような気がする。

もし火事になったら最悪でも家族の PC だけは窓から放り投げても焼失から救おうと考えているけれど(芝にケースごと落下すれば、HDD は助かる可能性があるのではないかと)、ビデオ、DVD、写真はもちろんあれだってこれだって、もし燃えたり水に流されたらたまらんというものは家中に限りなくある。人はみな大事なものに囲まれて暮らしているわけで、それがわずか1時間の間に海の藻屑と消えるというのは、本当に耐え難いだろうと思う。

俺はカナダに来るために 10~20 代に手に入れたもののほぼすべてを日本に置いてこざるを得なかったわけだが、当初はロマンスで燃え上がっていたゆえに喪失感もまぎれていたし、いま 20 年近く経ってみればその頃と大差ない物持ちになってはいるが、その中間点ではたまらない気持ちはいつもあった。よくあんなことができたものだと今にして思う。

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■12/03/11(日) □ 震災1周年
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震災1周年、NHK でもカナダ CBC でも特集をやっている。カナダ CBC では津波のときにカメラを持ち撮影し(てかつ助かっ)た人々の撮影映像を集めた番組をやっていた。実際に人が水に飲み込まれていく瞬間が多く写っている。それを見て「馬鹿(なぜ早く逃げなかったんだ)!」と叫ぶ人々の声も入っている。こうした日本では放送できないだろうものも多くて、Mともども改めてショックを受けている夜。

昨日追悼式中継を見ながら、亡くなった方々よりも全てを失った人たちのほうにより深く同情するなんて考えていたが、やっぱりあんな逃げ遅れて水に飲み込まれるなんて死に方はひどすぎるなと思った。昨日あんなことを考えてすいませんでした。合掌。

しかしほんと何度も思ったが、あんな津波がこの世に発生しうるのだと人々が知っていたら、どれほど多くの命が助かったことだろうか。スマトラ沖地震のときの映像は、水が通りをしゃーっと高速に通り過ぎたという感じで、建物の2階にいた人たちは助かっていた(ように見えた)。建物ごと根こそぎ持っていかれた今回の津波はそれとは全然違う。あんな津波映像が過去一度でも世界に流れていたら、もっと早くに多くの人々が逃げていただろう。原発だって非常用電源だけはなにがなんでも強化していただろう。本当に初回でいきなり3アウトゲームセットみたいな、これ以上悪いことは今後も起こりえないような、そんな厄災だったと思う。

こうした映像が世界に流れたこれ以後は、大地震の時の人々の行動は変わることだろう。それで助かる人々が増えるかもしれない。原発は当然世界中で安全性向上が進められている。その意味でも、これ以上悪いことは今後も起こりえないような、そんな厄災だったと思う。

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■12/03/12(月) □【FIFA 09】初年度終了
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【Wii FIFA 09 All-Play・マネージャーモード初年度】フリーエージェント選手を取ってエバートンを強化し、格下には確実に勝ち同格と格上には勝ったり負けたりしているうちに首位に立ち、プレミア4強は意外にもポイントを積み上げてこず、結局そのまま優勝してしまった。あれま。こりゃリーグ順位はシミュレーションが甘すぎるな。実際戦えば4強はめちゃ強いわけだが、それがちゃんとリーグ順位に反映されないらしい。

まあ実際本物に近いシム結果を出すには Football Manager 級の精度が必要なんだろうけど、こんないい加減なリーグ順位になるくらいなら選手の総合力をそのままリーグ順位としておいてくれたほうが、プレイヤーとしては盛り上がるな。「ここでマン U を倒さねばリーグは勝てない!」くらいの気合が入ったほうが楽しいのだ。

リーグ順位は淡白だったがどんな試合も文句なく面白い。何度ゴールを決めてもそのたびに両腕を突き上げてしまうくらい燃えている。一番燃えたのは負けたら終わりの FA カップで、準決勝でマン U に勝ったときには心臓バクバクの興奮ものであった。決勝もウェストブロムなんていう弱敵相手だったのだが、タイトルがかかっているから緊張するし相手もモチベーションが高いからか驚くほど強く、勝ち切るのは大変だった。リーグは 4 強以外から勝ちを拾っていけば勝てるのだとわかったのでうれしくもないが、カップ戦を勝ったのはうれしい。1 年目にしてプレミアと FA カップの 2 冠達成。

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で Football Manager での経験から、2冠の賞金と CL 放映権で 20~30 億は入るな、いい選手を数人取れるぜと強化プランを立てていたのに、なんと一銭も入らない。なにかの間違いかと思いあらゆるメニューを開いて調べたが金は入っていない。なんだこれは。これじゃ強化ができんではないか。リーグ優勝しても資金が増えないなら、マネージャーモードという経年シミュレーションを続けていく意味がないではないか。なんなんだ。

調べてみたが、このゲームは賞金はないものらしい。FIFA をやってる人は Football Manager/Championship Manager 愛好者と系統が違うのか、優勝しても強化資金が出ないことの異常さが英日とも話題にもなっていない。せいぜい「カップを取ったらお祝い金がもらえるスポンサー契約を選んでおこう」くらいなノリらしい。そんなわけないだろう。仕方がないのでみんなフリーエージェント(無雇用)で取った選手を売って強化しているようだ。なんだこの馬鹿仕様。

しかしそれ以外やりようがないしこのチームで CL は戦いたいので、フリーエージェントを探し売りその金で強化を行う。馬鹿馬鹿しい。頑張って素晴らしい成績を出した俺様がなんでこんなセコイ裏技をちまちまやって小金を作らねばならんのだ。役員会はなにをやってるんだ。CL でいい成績を出してもこんな調子だとやる気が続かんだろう。これは非常にやる気を削ぐ。ここまでクソだとは思わなかった。なんでこんな馬鹿仕様がテストプレイを通るんだ。なんなんだカナダ人ゲーマーって(EA はうちの隣町バーナビーにある)。

というわけで、サッカーの試合だけは面白い。それ以外はほんとクソゲーな FIFA 09 である。

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日本風呂を愛すうちの奥さん念願の深風呂桶が今日完成。いま入ってきました。サイコー。俺は萌の次に入ったのだが、お湯が冷めてないことに驚いた。前の風呂桶はすぐお湯が冷え、これは水面の表面積が日本の風呂より広いから仕方ないんだろうと思っていたのだが、これはつまり前の70年代スチール製風呂の横壁からものすごい勢いで熱が逃げていたわけである。現在のグラスファイバー製風呂ならばこんなに保温性が高いのか。

水位はヘソ上10cmほどだが、横になれば膝先を残し全身が快適に収まる。家風呂で肩までつかり寒い思いをせずゆっくりと本を読める気持ちよさは、改めてうあーと声が出るほどであった。うちのBR義母さんなんか生まれてこの方ずっとシャワーで風呂に入った記憶がないそうだが、そんな人生は間違ってるぞとつよくつよく思う気持ちよさである。

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■12/03/13(火) □ 尾野糸子なき「カーネーション」
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尾野糸子引退後の「カーネーション」は、きちんと見てはいるが、その都度まあ明日に期待しようと思うくらいの観戦態度である。悪くはないがフツーの朝ドラになってしまったので、見逃さなければそれでいいという感じ。

がっかりはしてないし最後まで見るが、ツイッターで多くの人が「渡辺あやさんだからきっとなにか考えがあって」「オノマチ糸子とつながってきた」と見ている自分らを盛り立てているのを読むと、みんながこんな感動しようと努力するくらい愛してきた「カーネーション」なんだよなという寂しさを感じる。

俺があれほど乱発していた「#カーネーション」ツイートをバッサリ止めた最大の理由は、実はすべてのフリータイムを FIFA サッカーにつぎ込んでいるからだが、ここまで約10回で何かを書けるほど心が動いたシーンも特にないのである。

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尾野糸子引退までも完璧なわけじゃなかったし、こんな長い物語の隅々まで完璧なものなど作れるわけがないとも思う。しかしいま画面の風合いを変えたりキャストを総入れ替えするなどしているのが、熱心なファンが分析するように制作陣が「現代と老境の味気なさ」を表現しようとしてのことだとすると、俺はそういう制作者の作為のようなことが嫌いなんだなと自覚する。物語はもっと自律的なものであってほしい。

そう、ここ2週間の「カーネーション」は自律的じゃなく、作為的だと俺は感じている。つまり、物語に登場した人たちのアクティビティがああなってこうなってこの現在の岸和田の空気感につながっている、ようには見えないのだ。制作者の英断でバッサリこうなりましたとしか俺には感じられない。ずらりと並べられた写真立ても、「キタムラって言ったら大メーカーじゃないですか」といった言葉も全部、ちゃんとつながってるんですよというアリバイづくりに見え聞こえる。

「周防が魅力的すぎて自分のコントロールを超えた」「北村の芝居がうますぎて替えが効かず死んでもらった」と脚本家渡辺あやの言葉が漏れ聞こえてくる。それを読みながら俺は、尾野糸子引退までの渡辺あやの仕事がすばらしすぎて、この物語はもう彼女のソロアルバムになってしまったんじゃないかと感じている。「カーネーション」はボーカルもギターもベースもドラムも個性際立つバンドだから素晴らしかったわけで、楽曲だけがよかったわけではない。

「いい歌はギター1本で歌ってもいい歌だ」なんてことをいう人がいるけれど、だけどやっぱり「ジョンの魂」よりビートルズのアルバムのほうが今でもよく聞くじゃないですか、ぼくたちは。どっちも大好きだけど、やっぱりバンドサウンドにはそれだけの魅力があるんですよ。もう一度バンドサウンドをかき鳴らし、「A Day in the Life」のような美しいコードでバーンと終わってほしい。

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