2023/10/21

【まとめ23年10月前半】ムスメの卒業式

「IKEAのお出かけ感」「自民党政治の変容」「桑田のゆるいメッセージ」「経団連アタマおかしい 」「野鳥サンクチュアリ」「バイバイバイ私のアイドル」ほか

■10月2日                    ブギウギはじまる

#ブギウギ はいにしえの人形劇風の人形が無重力みたいにはばたくテーマ曲の出だしブギーが抜群によくて、びっくりいたしました。グレイト! これは素晴らしいとムスメにも見せちゃいましたw 

■10月2日                     IKEAのお出かけ感


 

IKEAで買い物をした。「これはなんだろう」と思う謎の新製品を眺めて歩き、ぐるりと一周したところで窓が大きなレストランで食事を取ることが楽しい。なぜだかモールのフードコートとは違う、子供の頃のデパートの食事のようなお出かけ感がある。

ハイウェイを挟んでゴルフ場が見え、そういえば世田谷の打ちっぱなしゴルフでバイトしたことがあるよと家族に話しながらランチをいただいた。「オーナーが政治家で、その選挙ポスターを貼るという短期バイトだった。区内をくまなく歩いて周り、あれは楽しかった。ユーミンの家を見つけたよ」

購入したのはカーテンで、この家が建った頃、およそ50年前からあったのだろう旧式のレールを外すのがまず大変だった。古く汚れて暗かったカーテンを捨てたら明るくなった。気分よし。

しかしIKEAの説明書って文字がないんで、謎の古文書だよな。意味がわからない。なんだこの数字。ゼルダの謎解き? 



■10月3日                    「自民党政治の変容」

昨夜「自民党政治の変容」という本を読み終え、著者が論評を示さず面白くない本だったのだが、自民党がどのように右傾化していったのかという流れは掴め勉強になった。安倍さんは首相になるまでけっこう右派切れ者だったのだなというのが発見だった。アベノミクス不発後は腑抜けのようだった。

この本は記述が網羅的すぎる上に論評がないので(右傾の是非も問うていない)読みづらいのだが、結局小泉以降は選挙に勝つポピュリズムとしての右傾だったんだなというのが自分が得た感想だった。記述はなかった(なかったのよ!)が、統一教会との癒着もその一環だったのだろう。

リベラルな福田首相が模索したという小沢氏の民主党との連立政権というのが実現していたら、今とは違う日本になっていただろうか。 今の日本政治を思うと、何もかも手遅れという虚しさも覚える。

■10月5日             桑田のゆるいメッセージ

NHK #サザンオールスターズ 45周年。

桑田佳祐は自分でも言う通りメッセージソングは不得手で(優しいからね)、『杜の詩』の「わかりやすく教えてよアンサー」ってのもイヤイヤイヤと思った。それ言ったら三井不動産の人が来て「ていねいに説明いたします」とプロジェクトを進めちゃうじゃんw ていねいな説明という名のおためごかしは聞き飽きたと拒否するのがロッカーじゃん桑田よ。ジョンのGimme Some Truthだってきっと歌ったことあるだろ。

『杜の詩』はボーカルにフェーズがかかる内心の声っぽいところで、「いつも知らないうちに決まってる」というラインがよかった。そうだよ支配層からていねいな説明なんかしてもらったことはないんだよ日本国民は。説明はいいから木を切るな、金儲けは他の方法でプリーズと言ってくれよ桑田佳祐。


■10月6日                      ムスメの卒業式

ムスメの大学卒業式に行ってきた。バグパイプ隊に率いられ、しずしずと卒業生400人が降りてくる素敵な式だった。

奥様もこの大学で大学院と博士課程をやり、ムスメが生まれる前からこのキャンパスに来ており、講師として授業を担当したことも何度かある。親子で同窓生だ。

俺がうれしそうすぎるのは、写真を撮ってくれた萌の友だちが俺のカメラを手にして「いいカメラね!」と言ってくれ、「そうなんだよ!」と答え笑ってるからです(笑)。親バカカメラバカ。

俺のカメラに興味を示したその映像学部の子は、フィルムカメラとカムコーダーを使っていた。フィルムカメラは流行ってるとよく聞くが、カムコーダーは古代デジタルなだけに、なんだかフィルムカメラよりもさらに懐かしい。

カナダの大学は学課を終了すれば学期ごとに卒業できるので、季節ごとに卒業式がある。今回は夏休み直前6月に学業を終え夏の間に卒業審査を受けたスチューデントの卒業式だった。

娘が卒業したのは現代アート学部なんだけど、小さい頃から実技の研鑽を積んでいたわけではないからか制作の方には向かわず、主に映画の解釈、言語化という方向の勉強をしていた。俺も文章を書くことが好きだしお母さんからはアカデミックなモノの書き方を習っていたからか、成績は優秀だった。『ゴジラと日本政治』なんていう日本人の戦災、災害、政治観を書いた論文なんか俺も読んだけど、たいしたものだった。日本人は戦災や政治による人災を災害のように捉える。シンゴジラの官僚大活躍は、頭のいい人たちが国を救ってくれるという政治観を表している。これを主観だけではなくきっちり書物からの引用を引いて論証したのである。たしかにそうだよね、俺にはこんなアカデミックに隙なく構築された(かつイントレスティングな)文章は書けんと思いました。

なにかに即役立ついわゆる実学じゃないんでその学びが直ちに仕事につながるわけじゃないだろうが、俺のバンドと同じで自分の力で極められるところまで進むことは、きっと将来の糧になるよと話してます。ムスメは現在仕事探し中。

「私はやり遂げた!」と大書された看板が写真撮影用に用意されていた。海外の大学は入ることより卒業することのほうが大変だとよく言うもんね。

右の背景に写る格子の屋根やコンクリート要塞のような図書館が有名で、ときどきSF映画のロケに使われている校舎なのだ。20年前は設備も暗く陰気な大学だなと思っていたが、娘の時代にはだいぶよくなっていた。日本の大学より設備はやはり充実していると思う。訪れるたびちょっとうらやましいなと思っていた。

うちの家族は四半世紀にわたり通ったことになる。ほんと長いこと通ったな。これが最後かな、SFUキャンパス。


■10月9日                 望遠の風景

【自転車】明日から天気はまた秋雨となる予報なので、これが最後かと走りに行った。途中まで半袖では寒かったが徐々にあたたまる。川沿いで遠くの景色を撮ろうと、カメラは先月買った手ブレに強いE-M10mk2に、望遠ズームMZ14-150をつけていった(【カメラ日記】さよならGX7mk2)。遠くの自転車ライダーや農家の大きな屋敷が風景として楽しい。

キングフィッシャーというめったに見ない鳥を見つけたのだが、あっと自転車を止めるとその気配でクワックワッとトリは逃げてしまった。あーすごい鳥を撮り逃したよとその場にいた自転車野郎に愚痴ると笑ってた。アアため息。この1枚はただのカモメで珍しくもないけど、風景としてきれいでした。 

  ◇   ◇  ◇

キングフィッシャー(カワセミ)は撮り逃したが、娘が夕方の散歩中フクロウを見つけてくれた!

 初めて野生のフクロウを見た、すごい逃げない美しいカワイイ! Barred Owl、アメリカ(縞)フクロウだそう。俺たちは(ほおおおお)とささやき声で感嘆しつつ、10分ほども眺めておりました。

E-M10mk2の手ぶれ補正は先代E-M10とは段違いで、この夕方のフクロウが換算300mm 1/40sで撮れた。ありがたい。 


■10月9日                腹立つわ岸田総理w

自転車をこぎながら、いつもポッドキャストを聞いている。今日はTBSの政治番組。誰が見てもわかる通り岸田総理がやりたいのは政権維持だけではとゲストの両記者見解一致していたが、実は総理は自己評価が高いという話が地獄だった。「安保三文書改訂と防衛費倍増は、安倍政権でもやれなかったことをオレが成し遂げた」と。国民頼んでないし予算もないだろと両記者。腹立つわ岸田総理ww

各省庁が持ってくる増税、制度改悪、原発推進と軍拡だけをやった就任2年の会見で「聞く力とはなにか」と問われた岸田総理は、なにも答えられず「これからは決断と実行だ」と抽象理念のみ述べたとのこと。実は国民の声を聞く力なかったすわと自覚してんのカナ :-(

岸田総理の「成長の果実であるところの税収を還元」ってのもふざけた戯言だ。17ヶ月連続賃金下がってる岸田政権下のどこが成長してるんだ。「徴税の果実」だろ。税制設計に失敗し不景気なのに税収過去最高になりましたすいませんだろ!


■10月10日                    金融緩和の限界

RT【虚業】いま「経済政策の射程と限界(2013)」という、アベノミクスを支援した学者、株高と円安を招くだけで景気浮揚は起きないと見た学者らと神保哲生・宮台真司の対談集を読んでいるのだが、やはり後者の見立て通りになってしまったという喪失感が強い。金融緩和では「虚業」しか儲からないのだ。 


アベノミクスで刷られたお金はどこへ行ったのか。どう見ても日本社会を巡ってはいないわけで、これは安倍氏や日銀の問題というよりも、いくらお金を増やしても市中に流す方法は存在しないという金融緩和自体の限界なのだなとこの本で理解した。日本のお金は海外を含めた虚業の口座に眠ってるのだろう。

この本のいくつかのラインで、なぜ民主党政権が失敗したのかなるほどと合点がいった。理想主義的な政治と官僚システムと日本の構造との折り合いが、こういうふうに悪かったわけなのね。ワンモアチャンスないかなあ。


■10月10日

小雨のサンクスギビングデイ、昨日のフクロウの木を見たいという奥様を案内して小川に行くが、当然同じ場所で待っていてはくれなかった。しかしあまり歩くことのないこの砂利道は樹影が濃く水場もあって、鳥とキノコの宝庫だな。ベニテングダケが大豊作になっていた。


■10月11日                     経団連アタマおかしい 

経団連がさかんに消費増税しろと言っている。世界のいわゆる財界で「消費増税しろ」なんて言ってるところが他にあるのだろうか。財界は右派で小さな政府を求めるのが常だろうが、国民に増税しろというのは小さな政府論ではないではないか。

消費増税を求めるロビーイング団体なんてカナダにある? と奥様に聞いてみたが、消費者の購買力が落ちていいことなど何もないわけで、もちろんない。その団体は何を考えてるんだとケイダンレン提言の意味を測りかねていた。

今日経団連が出した通知では、さらに「俺たち財界は自民党に課金しよう!」と公言してるあたり、ほんとアタマおかしい。 不買運動が起きない国策重工業だからこんなことが言えるのである。そんな企業のために経済全体を小さくしてきた30年なのである。


■10月12日                     ゴールドな乙女鳥

朝日が差して、いろんな鳥が来た。君の名は――American Goldfinchの雌か。本当にきれいな喉元のゴールドだ。そして気のせいか、女性的な美しさがたまらない :-) 

これはSpotted Towheeという珍しい来客。多くの鳥は黒目がちなので瞳を撮るのが難しいのだが(露出を相当オーバーにしないと黒く埋もれてしまう)、こいつは珍しく三白眼な鳥なので瞳がクッキリと写っている。種をはむくちばしも大きく、全体に迫力があってちょっと怖いほどである。 



■10月14日                 回転寿司エキスポ

愚かな政府だよまったく。悩みのレベルが他国と違う… :-(

「大阪万博はパビリオン建設が間に合わないので回転寿司エクスポになるらしい」…とガセネタを家族に話したらえらいウケてしまったw


■10月15日            野鳥サンクチュアリ


空港近くのデルタ野鳥公園に行ってきた。1年ぶり。保護区なので人を信じて疑わぬ愛らしいチカディーたちがどんどん寄ってくる。種を出すとそらきた急げーとものすごい勢いで手に乗ってきて笑っちゃう :-) 

まだ渡り鳥のシーズンではないらしく、この公園のスターであるスノーギース(桃色の鶴のようなギース)がいなかった。チカディーたちが本日の主役で、このグレートブルーヘロンがゲストだったな。アオサギ。君たちはどう生きるか。 

これはバードサンクチュアリのあとに寄ったフィッシュ&チップス店。デッキから柳ごしにこんな風景の見える素敵な店だった。趣のある静かな水景はあとで地図を見ると、大河フレイザー川につながる運河らしい。町の漁師が船を留めてる場所なんだろう。

そしてバンクーバー近郊唯一と思われる日系ミートショップ「肉屋」で牛の薄切りを買って帰り、すき焼きをいただきました。うまい。いい日であった。(娘がバードウォッチング用の望遠レンズで無理に撮ったのでシャッタースピードが0.1秒まで落ちてすごい写真になっていた不味そう!w うまかったんだよ!) 

帰宅するとピカがずっと俺のコートの匂いをくんくん嗅いでいた。手乗りチカディーの匂いが移っていたらしいw かわいいなあピカお前 :-)




■10月15日            バイバイバイ私のアイドル

チューリップラスト公演のフル放送があった。前半は俺のような70年代ファンが知らないアルバム曲が多く、そのどれもが地味ながらよくて聴かされる。こんな引退間際でも発見があると前回放送も思ったけど、やっぱりいいバンドだな。「夏色のおもいで」のベタベタに甘い歌詞は松本隆とも初めて知った。

宮城伸一郎は凄腕のベースで歌もうまいがオリジナルメンバーではないので、つまりTulipのロン・ウッドといえるw しかしこの人が「青春の影」のあの名ベースラインをあまりにも見事に弾くので胸がきゅんとなった。本当に美しいメロディ遺産が詰まっているバンドなのである。

「私のアイドル」。客席の女の子たちの「写真はー」という声が聞こえる。うっ涙が。この歌はチューリップと彼女たちの青春のハイライトだろう。ガールズは何歳になってもガールズなのよとよくうちの奥様が言う。娘とポールを見に行って泣いてた俺も、まるで中学生みたいだったよ。



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