2015/10/20

ゲスの極み「サリーマリー」



【本日のゲスの極み乙女】掃除をしようとムスメの部屋に行くと、「オトナチック」の歌詞が窓ガラスに大書されていた。『大人じゃないからさ 無理をしてまで笑えなくてさ』。いい歌詞だ…けどお前コレ水性だろうな。油性ペンじゃないだろうな!

娘はアルバムを手に入れ、Youtubeにはない曲も俺に聞かせてくれる。「サリーマリー」という歌が最高で、Aメロ、小サビ、中サビ、大サビと怒涛の盛 り上がりの中マリーという子の名前を叫ぶ。エモーショナルで泣きたくなった。そういうと彼女はYeahと激しく同意してくれた。

もっと大切な話がしたい
もっと救われる言葉聞きたい
もっと愛されるようになりたいと願った

サリーマリー 届かせて
鐘の音をさ サリーマリー
揺さぶって あの美しいはずの声で

マリーという子が出てくる歌 は俺たちも昔やっていたなあ。

ゲスはほんと衝撃の存在で、あんな先鋭的な音を出してちゃんと売れてるバンドは他のどこにもないと思う。彼らは海外進出もしたいらしい。声が日本の少年っぽすぎるので外国じゃウケないかもしれないけど、あの冷たいエモーションは案外突き抜けるかもしれない。

2015/10/19

娘ゲスギター開眼



ゲスの極み乙女の「私以外私じゃないの」のイントロギターを弾きたいと娘がいう。あんな天才的ギターは俺だって弾けないよ無理だと思いつつ、探したらギター教室の先生がタブ譜にしてくれたのを Youtube で発見。あーそうかカポを使えば開放弦が使えるのか。開放弦を使えば難易度が大幅に下がり、弾けるかもしれない。




これを見てカポを買ってきて(いまどきのカポは性能がイイ!)娘が半日練習すると、テンポを落とせば弾けるようになってきた。おー。すごいじゃん。あとは徐々にテンポをオリジナルに近づけていけばいいのだ。

彼女はこれまで弾けないフレーズがあるとすぐ諦めてたので上達しなかったのだが、やっぱり本当に好きなバンドができてその曲が弾きたいとなると粘り強さが出るみたい。頑張りなさい。

2015/10/17

日記「ティーン写真クラブ」

「30mm レンズを買おう」「SIGMA 30mm 最強」「君の歌がいつまでも」「ボートクラブ撮影」「その雑な性能のアンテナで」「イッツア・ラグビー・ミラクル!」

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■15/08/20(木) □ 30mm レンズを買おう
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被写界深度が超薄い(つまりボケる)オリンパス
25mm F1.8をつけて撮ったテストショット
沖縄のカメラ屋で M.Zuiko 25mm F1.8 の絶品のボケを体感しこれがほしいなあと考えていたのだが、自宅で日本旅行の写真を眺めていると俺の SIGMA 19mm F2.8 もボケは弱いが画質は素晴らしい。25mm F1.8 は欲しいが、しかし俺程度のアマチュアがレンズ単体に PEN 本体+SIGMA1本分 ($400~500) の金額を出せるかと考えると、まあ出せないよなあ。俺のカメラやレンズの扱いは雑だし。

 と考えてて思いついた。この廉価な SIGMA の姉妹品、SIGMA30mm なら F2.8 でもボケるはずではないか。レンズは焦点距離が長いほどボケる。30mm で屋内を撮れば標準 MZ ズームの F4.8 だってボケる。MZ の 30mm ではシャッタースピードが足りなくて実用にならないが、30mm F2.8 ならしっかりボケて屋内でも使えるはずである。そしてこのレンズなら価格的に手が届く($150~)。探してみよう。

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 あー、やっぱ近辺にはないな。日本で買ってくるべきだった。吉祥寺に出た日M萌を中央線に乗せホテルのある国分寺を示し、俺は逆方向の新宿カメラ店等へ行けば行けたのだが、中央線は三鷹止まりとか特快とかイレギュラーな電車が多い。そういうのに乗ってしまうと二人が高尾山に行っちゃうとかえらいことになる可能性があり、無茶はできなかったのだよな。ああ中央線よ空飛んで、おいらの胸までレンズくれ。

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■15/08/23(日) □ SIGMA 30mm 最強
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ブログ【カメラ日記】新レンズ、SIGMA の30mm(購入のいきさつ)


 なんと SIGMA 30mm F2.8 を日本で買ってきたが使わないから売るというバンクーバー青年が見つかった。そりゃ買うでと駆けつけてみると5月に渋谷で買ってきたというド新品だったので、最短距離でフォーカスが合うかどうかだけチェックして即決。E-PM1 につけた見た目はかなりかっこいい。



 とりあえず開放でモール内とバンクーバーを撮りながら帰り、家に戻って見てみたら撮れてる絵はシャープさとボケがほどよく混じり惚れ惚れする絵になっている。信号待ちで通り過ぎる人や自転車を撮るのが楽しい。標準レンズとされる換算 50mm より 10mm 長い分、目で見てる景色よりわずかに近く、それが風景を撮るのに適している。



 いろんな人の作例を見ると背景の点光源がふわっとボケずうるさい感じになってるのが目につくのだが、自分で使ってみた感じは気にならない。どこにもフォーカスが合わないうちにシャッターが切れてしまった写真がおっと思うほどきれいだったりする。これは俺の M4/3 史上間違いなく最強だ。やった。

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■15/09/05(土) □ ティーン写真クラブ
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 萌が「バンクーバーで写真を撮る」と PEN を持っていこうとする。じゃあズームをつけるよというと、「いやその新しいレンズでいい」と SIGMA 30mm をつけて。おお。彼女も今度のレンズは別物と感じてるんだな。Mによればこれまでとは別の写真好きな友だちと行くらしい。



 撮ってきた写真を彼女らの共有サイトにアップロードしてやりながら見てみると、お互いにモデルになって撮り合っており楽しそう。いいなあ。俺の新 SIGMA 30mm も本領発揮している :-)



 3人は学校で特に話をしたことはないが写真が趣味だと SNS で判明し、今日初めてカメラを持ち集まったらしい。男子のほうは Nikon D5200 というごっつい APS-C 一眼を持っていた。お前そんな高そうなカメラを持ってダウンタウン裏通りに行って大丈夫だったのかよと心配になるような。女の子のほうはネオ一眼(一眼風の高倍率一体型カメラ)と GoPro。



 Nikon 君はグッドルッキングで、自分がモデルになることを楽しんでいる。GoPro ちゃんは見るからにシャイだが、D5200 を借りて萌と Nikon 君のいい瞬間を捉えている(↓)。趣味を通じて新しい友だちができるのはすばらしいな。



◇

 「少なくともこの子のネオ一眼よりはうちの PEN のほうが高い」と俺は説明したのだが、E-PM1 は小さいので信じてくれなかった(笑)。だけど新レンズ SIGMA については「これはいい。マムでもレンズのクオリティがわかると思う。シャープだけど硬すぎず、とにかくパーフェクト」と絶賛していた。だよね。

 実際男子の Nikon D5200 写真と比べても、相手はズームなのでレンズは勝っている。画質はやはりセンサーが大きい(約 1.4 倍)分 Nikon のほうがきめ細かな感じがする。等倍にしても M4/3 と違い粒子が見えないのだ。なるほどなあ。しかしデカくて俺は自分で使う気はやはり全くしないな。一眼を買うなら OM-D だよなあ。

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■15/09/07(月) □ 君の歌がいつまでも
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 SFのパーティへ。年に一度ノバスコシアからやってくるM父は、何年経っても見た目が変わらない驚異の健康老人である。今年も変わりなかった(笑)。日本から持ち帰ったうちの親戚信州湯田中関谷の志賀高原味噌を、3年前に訪ねて以来関谷味噌ファンのADに無事届ける。



 SIGMA 30mm でパーティを撮る。ゲームにフォーカスして姪のSFや彼氏をぼかしたやつなんかいい感じになった。SFのボーイフレンドはゲーマーで落ち着いてて話しやすいいいヤツだった。またゲームをしようぜ。

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 車の中でビーチボーイズをかけていたら、God Only Knows で LD が一緒に口ずさむ。あ、好きなのか。こないだ見たんだよ、予想以上によかったよと話すと「聞いたわよ。ちゃんと歌ってたっていうじゃない、すごいわね。でもどうしていまだにやってるのかしら」と直球クエスチョンをいう。「(日系の)会社の人が興奮してたんだけど、ホール&オーツもPNEに来たんでしょ? どうして彼らはいまだにツアーをやってるの?」

 どうもこうこっちの人はベテランバンドに冷たい。こちらの人は老後に十分なお金がたまると若くても仕事をすぱっとやめ悠々自適になったりするので、バンドのことも同様に捉えているのかもしれない。「観客の愛を受けることが何事にも代えがたいんじゃない? 会場の盛り上がりはすごかったわよ」と奥様。

 古いバンドがいまだにやってるのは、自分たちの音楽への愛情が大きいだろう。ビーチボーイズなんか特に、若い(というても40代~の)サポートメンバーにリードボーカルを取らせてまで演奏を続けているんだからそれを強く感じた。オリジナルメンバーがリードを取ってないと観客はさすがに自分が何バンドを見ているのかと我に返りそうになるけれど(笑)、マイク・ラブがコーラスで加わるとああと満たされる。

 それを見ていて、マイク・ラブたちはこの歌のよさと音楽のクオリティをどんな形になろうとキープしていきたいのだろうなと思った。オリジナルバンド度は薄まっていても、なつかしいだけの同窓会バンドではなかった。それを見たくて観客はまだ集まるわけだろう。

 胸がキューとなりうあーと大声を上げてしまうような、音楽への永遠のあこがれ。フォーエバーヤング。君の心がいつも喜びに満ち、君の歌がいつまでも歌われ、君がいつまでも若くありますように。メイユーステイ、フォーエバーヤング。



May your heart always be joyful
And may your song always be sung
May you stay forever young

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■15/09/12(土) □ ボートクラブ撮影
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奥様ボートクラブの夏の恒例行事、入江を一気に12キロ漕ぎきって対岸のドーナツ屋に行って帰るというドーナツランを見に行く。車で40分ほど走ってドーナツ屋側の町ディープコーブで待ってたのだがこれがまあきれいなところで、BCすごいね。



BCがすごいのは景色もそうだが、こういう水辺に健康でスポーティな人々がわんさか寄ってきて体を動かしものを食べ経済を動かしてるところで、底力あるなあと思う。日本だときれいな水辺があっても、こうして水にザブザブ入ってウォータースポーツをやろうという人はそんなに出てこないと思う。



 今日は SIGMA 30mm と MZ40-150mm を使ったのだが、マイクロフォーサーズで撮る風景は素晴らしい写りだ。ちなみに地図につけた×印は、俺がカヤックで出たときに「疲れた帰ろう」と引き返したあたりです(笑)。

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■15/09/17(木) □ その雑な性能のアンテナで
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ゲスの極み乙女。 - ラスカ

 娘にこれを聞かされ、「ゲスって歌詞はわかんないけど音と声と『嫌なことばっかり』っていう言葉がすごくロックだ」と感想を言った。友だちにもゲスを聞かせ好評らしい。ベイエリアからトキオから、世界のティーンのアンテナがキャッチするナンバー。

キヨシローが予言したように、たくさんの音や言葉や気の合う友だちが今はアンテナをかすめすれ違っていく。あの国会での奥田くんの言葉は全部、彼のアンテナがキャッチした言葉だと感じて俺は感動したな。

安保法案が可決しようとしている。隣国その他の脅威をアンテナがビンビンにキャッチしてる人々の意見はもちろんわかる。しかし反対意見を無視し圧殺し機動隊を動員し平和的なデモの若者たちに排気ガスを吹きかけるなんて政府のやり方はどうかしていると誰もが思っている。

 あの「採択」時の国会の琴奨菊議員らのガブリ寄りを指して「護憲信者も結局最後は暴力じゃん」てなしたり顔のツイートを見るけれど、いま自民党がやってることの全部がとんでもない暴力であると思わないアンテナじゃ、やっぱ性能低すぎて駄目だろう。

 こういう冷淡な世間と圧迫政権に押しつぶされている国会前の若者に、「くそったれ馬鹿野郎満足だろう、ふざけるんじゃねえよ今に吠え面かくなよ」といま頭脳警察の歌を歌ってほしい。だけど誰も知らないだろうな。

「塗装の剥がれた舳先から 傾く夕日を追いかけてると
隠れてた苛立ちが蘇る 20万トンタンカー
おれを待ってるクソったれの街、シビリアン・シティ
(「マラッカ」パンタ)」

も、突き進むタンカーのように止められない権力とそれを赦す世間に向けた言葉だ。

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■15/09/19(土) □ イッツア・ラグビー・ミラクル!
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【ラグビーW杯】南アを相手に日本が頑張ってるというのでラグビーを見てみたら、南アのすごい波状攻撃を食い止め日本がボールを奪ったところでハーフタイム? 「いい試合です! スタンディングオベーションが起こっています!」とアナウンサー!

すごい追いついた! 英アナ「日本の健闘に涙ぐんでいるジャパニーズファンが観客席にいます!」 いやーラグビーって身体が硬くなっちゃうな。肉体がガツっとぶつかることへの決断がすごい。決断がすべてを決するという感じ。全員がすごい決断をしている。

 あ! あ! 行った! 行ったートライ! やった! 勝った!

「――ジャスト、ジャスト・インクレディブル! この素晴らしい結果に値する日本の勇気!」
イッツア・ラグビー・ミラクル! 日本ラグビーの祝日です!」
「ラグビー史上最大の大番狂わせの一つでしょう! 日本はペナルティを狙わずトライを狙い、取ったのです。このスポーツの偉大なる瞬間です!」


最後の右サイドから左サイドまで振り切って決めたトライは、美しかったなあ。体格的に日本にラグビーは厳しいんじゃないかと思ってたんですが、あんなファンタスティックなトライを決められるなんてすばらしい。素晴らしい、すばらしいジャパン!

 喜びの声を撮りたくて英 BBC が日本ファンを探しているという。試合中ずっと歓喜の涙にくれていたあのラガーおじさんを見つけてほしい BBC。どれほどの思いか想像するだけで泣ける。

2015/10/11

【猫日記】臆病なピカ(最初の2週間)

「猫が来た」「猫写真は難しい」「テリトリー拡大にトライ」「親戚キッズ」「家猫、外猫」「猫用品高い」「爪切り成功」

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■15/09/26(土) □ 猫が来た
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 Mが突然(まあ前から飼おうかしらとは言っていたが)猫をもらいに保護センターへ俺たちを連れて行く。俺は猫なんてそんな、病気したらどうしようとか旅行時はどうするんだとか心配ばかりが湧いてくる。

保護センターでいろいろと説明を聞いていると、ピカチュウという名前の猫が中にいるという。その名前を聞いただけで萌は姿を見る前からメロメロな感じで、会ってみたらこの猫がすばらしい。初対面なのでまず手を差し出し臭いをかがせてやると、ペロペロ舐めて膝に登ってきてゴロゴロいう。ふ、フレンドリーすぎるだろお前とこれでもう全員のハートメロメロ。

 保護センターは高校生くらいの若いボランティアが多数常駐して、動物たちを世話しトレーニングし遊び相手になってやっている。だから人間好きの動物たちが育つんだろう。カナダの高校生はボランティアが義務付けられているので、こういうところは彼らにとっても人気の施設なんだろうな。

 ただちにペットショップに走りトイレその他一式を取り揃え、取って返してピカチュウをアダプト(養子縁組)してきた。ただの捨て猫ではなく保護され予防接種その他をなされ登録された猫なので、それらの費用をカバーするための諸費用を支払いうちの猫となる。


もらった段ボールの運搬ボックスに大丈夫だよと声をかけつつ家にそっとドライブし、箱からそっと出すとダダーッと逃げる。当然ながら見知らぬ環境にフリークしてあちこち隠れるところを探し、やがて TV テーブルの後ろに潜り込んでしまった。これはまあ猫は仕方がないなと放置していると、やがて寝てしまった。フリークアウトしてても寝んのかよかわいいなお前(笑)。

 それにしても水くらい飲んでトイレの場所も教えたいので指を差し入れて起こすと、指をペロペロなめてゴロゴロいう。そのうち引っ張り出すことに成功したのだが、どうしても水は飲んでくれず、トイレにも行ってくれず1日が終わってしまった。大丈夫かなあ。

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■15/09/27(日) □ 臆病なピカ
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朝、ピカが見つからない。あちこち探しに探して、カウチの下に隠れているのを発見した。あそこに入れるっかなーと検討するとは猫の発想飛躍してるとしか言いようがない。出られるのかと恐れたが音を立てるとダッと飛び出しベッドの下に隠れる。やれやれ。

 保護センターの遊び場兼廊下では驚くほどフレンドリーで、今も指を伸ばしてタッチしてやるとゴロゴロと超喜ぶので人間は好きな猫なのだが、ベッドの下からは出てこないところを見ると家が怖いんだな。物音とか。ケージと廊下しかない施設で育ったからだろう。もともとは捨て猫だったらしい。現在生後半年ほどで保護センターには6月くらいからいたらしく、つまり生後1~2ヶ月で拾われてきたわけだ。それ以前は人家にいたのだろうが、覚えてないんだろうな。

 ピカは俺の掃除が行き届かない物陰に潜り込んではクモの巣やホコリを身にまとい出てくる。俺の家事能力がチャレンジされている(笑)。後追いでピカが潜り込んだ物陰を全部掃除していく。掃除しきれない箇所は入れないように塞いだり、猫が嫌いそうなデオドラント類を振りかけてみる。その間もピカは俺を見ているのだが、ふといなくなって探すとまたもや新しいホコリ物陰を探し当てて潜り込んでたりする。やれやれ。

しかし猫がやってきてみると家中このままではまずいなと主夫は思い至る。猫に落とされたら危ないものが棚やテーブルに乗っているし、戸棚なんか開けとけばきっと入ってしまうし、台所の棚や食材置き場も同様。猫と暮らすことなんか考えたことがないのでぜんぜん猫プルーフ(安全対策済み)じゃないのだ。

◇

 ベッドの下に隠れたピカに腕を伸ばして一日なでてやり、ようやく引っ張り出してトイレに行かせることができた。←夜には歯磨きする俺を追いかけて見に来た。これで大丈夫だな。


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■15/09/30(水) □ 猫写真は難しい
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 ピカは俺には慣れて膝の上でくつろぐようになった。かわいいじゃないのよ。しかしMと萌からは逃げてしまう。というか場所に激しく依存する猫で、俺がいつも座っているPC机のそばならMにも萌にもデロデロなのだが、リビングに行くと俺の手からも逃げる。結果として俺にだけなついてる感が激しくて、なんか家族に申し訳ないのです。

ピカはオスなのだが、家族の誰もが Where is she? と She で呼んでしまう。見た目のかわいさで脳にバイアスがかかってしまうのかな。

◇



俺のカメラ(オリンパス PEN M4/3)は動物を撮るとどうもフォーカスがすっぽ抜けちゃう悪癖があるのだが、そのおかげでメイプルの美しさが撮れた。あと猫がプランターの草を噛んじゃうので猫グラス買いました。これは即ヒット。

動物フォーカスがすっぽ抜けちゃうのは、毛皮のフワフワした凸凹というものにコントラスト AF が合焦しにくいからなんだろうな。マニュアルフォーカスする技術も時間もないので、猫のすぐ横、手前にあるものにフォーカスしてなんとか対処するしかない。

台所仕事をしているとピカが見に来るので、いろんな音を立てて見せてやる。ほらね、これは皿。ガシャン。これは鍋ガツン。水道、やかん、換気扇。みんな私らの出してる音なんだ。怖くない。怖がることはないのさ。

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■15/10/03(土) □ テリトリー拡大にトライ
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新しく戸棚などを見つけるたびに、ピカは「え! そこ開くの?」と瞠目する。開くって、見りゃ分かるだろ(笑)。「ちょっと入っていい?」。ダメだって(笑)。

 ピカが来て1週間、今日はトイレの位置を手近な2階トイレから当初予定していたベースメント(階下)の物置に移動してみる。トイレの臭いを確認して、使いはしなかったが位置は把握してくれたと思う。元の場所は掃除して消臭スプレイをふりかけ、もうここじゃないんだよアピールを振りまいて。これで様子を見てみよう。

 ピカは無事トイレを発見し使用してくれた。だんだんと環境が整っていく。よし。

1週間経っても俺のデスク下にこもり、そこにいれば誰にでもゴロゴロだけど他のエリアではビクビクという状態から進歩しないので、テリトリー拡大を促すためこのように段ボールをデスク周りに張り巡らせ入れないようにした。

これは効果あり、夜には皆のいるリビングで遊んだり横になって眠るようになる。よしよし。しかし見張ってないとデスクに入ってきてしまう。どこから入ってくるのか観察していたら、積み上げた本やらなんやらの上を乗り越えていた。そこも塞がねばならぬか。

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■15/10/04(日) □ 親戚キッズ
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今日はM萌が親戚の子供たちを預かって遊んであげた。俺も写真班として手伝う。自分の子供がこれくらいの頃から十年経ってるので、やっぱ子育てって大変だわとつくづく思った。なんでも用意してやって片付けてやって、おしっこももらしちゃうし、いやはや ^_^;。

子供らが来てるあいだうまく隠れていたピカは、静かになると出てきて水槽のイモリを追いかけていた。イモリは猫に水槽をバンバン叩かれても平気なのです。人間の子供に比べたら、ネコや両生類は世話が楽だなー。


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■15/10/05(月) □ 家猫、外猫
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 ピカは昼間、窓から外を飽かず眺めている。小さいときに兄弟たちと捨てられているのを保護されシェルターで育ったそうなので、落ち葉や陽の光もまた珍しいんだろう。鳥が来るとすごく興奮し立ち上がる。

引き取るときに係員はうちの家庭・住居環境を事細かに尋ね書類を埋めていったのだが、「外に出すのはおすすめしないわ。コヨーテが狙っているから」と言われた。うちと超仲良かった隣家のティガーも、目撃者はないがコヨーテにやられたらしいんだよな。あれには泣いた。


(思い出のティガー、2008)

昼間は大丈夫だと思うが夜になるとコヨーテは里に出てきて猫を狙うらしい。アライグマも凶暴で猫を追い回すので、俺はティガーがアライグマどもに追いかけられるのを何度も助けに夜走り出た。アライグマは本気で走ると鬼のように速いのである。ケモノなんである。

ピカはとにかく臆病なので外に出たらどういう反応をするかまったくわからない。パニックになってフェンスの外へと走り出たらえらいことなので、今後も外に出すかどうかは決めかねている。昼間だけ、人が一緒の時だけでも出してやれるくらい落ち着けばいいのだけど。

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■15/10/06(火) □ 猫用品高い
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 買い出しのついでにネコ用品を見に行く。思ったより高いなー。暮らすって物要りね。推奨されたキャットフードが $37(他社の倍)、爪とぎが $64、そんなもん買えんて。もっと安いのを探し、なければ爪とぎなんか自作しよう。

吉祥寺のアパートで猫を飼ってた頃はただ世話をし遊んでやってただけで、こんなにいろいろ情報を集めたりしてなかったと思う。今はキャットフードの成分表まで読んでるからおかしい。猫2件のあいだに人間の子供を育てたことで、俺の心の責任感まわりのメカニズムが変わったんだろう。

 地域で3軒目のペットショップが一番安く店員の応対もいいと発見して、ここでメンバーカードを作りキャットフードと鈴のついたネズミのおもちゃを買ってきた。ネズミおもちゃはさすがに効果が高く、手が届く高さのひもに吊るしておいてやると長時間遊んでいる。よし。

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■15/10/10(土) □ 爪切り成功
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 膝の上で撫でるだけでピカの爪が俺の腿に当たり痛くなってきたので、これはやらねばなるまいと爪を切る。神経質な猫なので暴れるかもとジーンズに厚めの長袖とフル装備で作業にあたったのだが、嫌がりもせずあっさりと切れた。やっぱちゃんとした施設で育ったのでしつけができてるんだな。

 Mが「ピカは大きくなったわよね」という。たしかに 2 週間でふっくらしてもう子猫には見えなくなってきたな。食べる量が減ってきているのだが、猫は育ち盛りを過ぎると食べる量が減ることもあるようだ。どちらかといえばアクティブではない猫なので、ちょうど食べきる程度に餌を減らしていこう。俺が間食も与えすぎてるかもしれないので減らして。間食は量的にはミルクをスプーンいっぱいくらいだが、やっぱり味的にクセになってはいかんからね。

 しかし依然としてM萌のことは怖がっている。まあピカが落ち着いて遊ぶエリアに二人が来てゆっくり遊べばいいのだが、Mは忙しいし萌は落ち着けないので待つしかないな。二人がキッチンにいればなんかくれと足元にまつわりつくし、ヘッドホンをつけ廊下で踊ってる萌を興味深げに見つめているのだから、怖い人たちではないとピカもわかっている。He knows。いつの間にか He と She を取り違えなくなったな、みんな。

2015/09/28

猫サドンリー


奥様が「さあ秘密の場所に行くわよ秘密よ~」と、私と娘をどこかへ連れて行く。動物保護センター? え? 猫飼うの?! いや前から猫を飼おうかしらとは奥様言ってたけどさ、本気にしてなかったのだ。そんなーいいのかな猫を飼うなんて…まあ東京のアパートでは飼ってたけど今はなんか責任あるし…と思いつつ、会ってしまうとたちまち愛着が湧きかわいく離れがたく、即日縁組みしてお持ち帰りとなった。

で帰宅し「さあ今日からここが君の家だ、ようこそourホームへー」とニッコリ笑って箱から出してやると、猫は

「な ん じ ゃ こ り ゃ あ!」

と2枚め顔を見せ、脱兎のごとく物陰に隠れ出てきてくれない。現実は難しい(笑)。

◇

しかし人間のことは好きな猫で、隠れてるベッドの下に手を差し入れてやるとゴロゴロいって喜ぶ。そこでとにかくゆっくりゆっくり時間をかけ、まる1日ベッドの下で背中をなでてやり、ときおりトイレに連れてくこと10回。ようやくそこが砂だと気がつき用を足してくれた。これで自信を得て夜やっと家の探索を始めてくれましたうちの猫。よしよし。

そして昼間ずっと隠れて寝てたので、みんなが寝静まった夜暴れまくる。家中をヒャッハーと駆けまわり、どこを通ったのか頭に蜘蛛の巣を絡めている。ときどき俺のところに来て立ち止まりやがて去っていく。俺はもう寝るよ、あまり騒がず、そして物を壊さないでくれ頼む。

歯を磨いてたら猫が見に来た(笑)。なにもかも珍しいんだろう。だんだん楽しくなってくるなあ :-)

2015/09/24

鳴りやまぬサマーフィーリング

夏に吉祥寺でやったジャムセッションからもう1曲。これは廃墟警備員になる少し前、恋をしたり恋に破れたり、仕事に消耗したりバイクや自転車に乗ったりしていた私の東京90年代アンセム第二です。

「Summer Feeling」
ベイビーに恋をしたり 友だちに恋をしたり
無駄な時間に満たされてるとき
とても許された楽しみそれが
サマーフィーリング いま僕の胸にある

当時恋をなくし何もかもダメなりとトボトボ仕事に出かけていくと、会社で仲のよかった女の子が元気ないねと笑いかけてくれた。俺はこの人の顔が見たくて会社に来てるなあ、彼女は俺の会社の恋人だなあと思いました。そのとき友だちが作ったこの歌がぐわーと頭に浮かんだのです。会社でミュージカル状態。



水の光 君を誘いよせたり 草の匂い 君を寝転がせたり  
ティーンエイジカー ポリスを誘い寄せたり
いつもいつもあり続けている
サマーフィーリング 消えることはなく

君がそれをなくした時 取り戻したくなるでしょう
サマーフィーリング 君ははじめて気づく

単純だった君のロマンスも
悲しく乱れくすぶってくる
サマーフィーリング それだけは消えずに

強くもえている緑の中を 走り抜けていく君と僕の影
あの甘いスリルは本物だったんだね
散り散りになって飛び去っていった 
サマーフィーリング それだけを残して

サマーフィーリング 僕をあざけって
サマーフィーリング 僕につきまとい
何故消えないんだ
僕をどこまで連れていくの

◇

録音はこの歌を書いたハチと、今この歌をバンドで歌ってるドラマーテラがハモるというゴージャス版になっている。写真はふるさと長野へ向かう汽車の窓からの風景です。

私がベンベベベンと陽気に弾くギターソロ(リズムがなんかすごい乱れててゴメンみんな!)の終わりを、そっときれいなリフで締めてくれるドッキリさんのギターが素晴らしい。どこでソロに行くのかなんて打ち合わせたわけじゃないのに、出たり引いたりが実にうまくいっている。

最後のソロは借りてたテラさんのギターがきれいにフィードバックした。鳴りやまぬサマーフィーリング。◆

2015/09/19

2015年日本旅行(終)東京フレンドシップのアンセム

「古いアルバムのダーリンマン」「東京だよムスメさん」「夜間飛行」

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■15/08/09(日) □ 古いアルバムのダーリンマン
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 気がつけば帰国の日が迫る。あわてて実家の物置に潜り込み、汗をかきかき自分の荷物を掘り出す。――あった、俺のバンドマン・警備員時代の写真アルバムが。


警備犬にじゃれつかれ幸せな警備員、1990年頃


 そこにはまるで今の俺をめっちゃ若くしてかわいくしたみたいなやつが写ってるので、うわーと声が出てしまう。日本に残していったこれらの写真を見るのはすなわち20年ぶりで、マジでそれらの写真を忘れているのだ。どこで撮ったか覚えてないものすらある。左は府中基地跡かな。右は調布関東村事務所横の幼稚園(KINDERGARTEN)前だ。なつかしい。あまりにもなつかしすぎる。



 昔から俺はいろいろと人によくしてもらっていて、なぜだろうとときに不思議を感じてたのだが(――2回かそこら会っただけで現奥様に好きになられたのだって驚きだった――)、これらの写真をパラパラと眺めているとその理由が分かる気がする。長野に住んでた頃に訪ねてきたドラマーテラをMが「彼はダーリンマン(愛らしい人)ね」と評してたのだが、俺がいま若き自分を見てそう思うのだ。

 FBでハチに見せると、「いい写真だなあ。楽しい幸せな時代だったよ」と感想がくる。あの廃墟のフェンスの中には彼の歌にあるような、許された楽しみがあったな。いつもいつもあり続けている。今年は彼らに会いに行こうと考えている。

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■15/08/10(月) □ 実家最後の日
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 信州実家最後の日。実家レストランのすき焼き・焼き肉はすでに堪能したけれど、もう一方の雄であるトンカツを食わねばカナダに帰れない。というわけで娘甥姪を引き連れサカタ宗石亭のトンカツを堪能してきた。本当に本当にうまかった。

 店内で給仕をしてくれたのはわが弟オコ、つまり甥姪のお父さんなので子供らは大盛り上がり。彼が皿を持って横を通るだけで声援と拍手が飛ぶ。モテすぎだろ。オコがまた調子に乗ってコケる振りをしたりしてドリフみたいであった。



 お盆までいられないので早めのお墓参りも済ませ、そして夜は親戚の子供たちも顔を見せてくれギターを弾いて歌を歌い歓談し、ナイスな実家滞在の夏最後の日だった。兄貴の子供らはそれぞれ勤労への強い意欲を示しており頼もしい。イトコの子供は政治青年となったりスポーツと農業に燃えていたりする。子供たちが皆イントレスティングな人へと育っていくなあ。

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毎回カナダへの帰国前夜は、おばあちゃんちのリビングで萌と TV を見ながらプリンを食べ、「もう終わりなんだね」とため息をつく。あれもこれもできなかったと萌はぼやく。今年は序盤に大・沖縄の旅があったので、信州での滞在が短かったしね。

 それでも数えてみればこのおばあちゃんの家でいろいろやったし、退屈で困ったなんて日は一日もなかった。甥Tとの毎日の囲碁は激しく燃えたし、母さんにタブレットを教えてあげてるだけでも楽しかったしね。もっとここにいたいけれどね。なかなかそうもいかない。明日は東京。まだ旅は終わっていない。

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■15/08/11(火) □ 東京だよムスメさん
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 おばあちゃんとキッズに見送られ実家信州を出発し、娘に東京を見せる旅へ。



 萌は渋谷でこれぞ東京という人混みをやはり楽しんでいた。和服を着た若い男女が多くて素敵だ。暑さは恐れていたほどではない。

 国分寺に取った宿に入り、食材買い出しに見覚えのある国分寺駅前の雑踏を歩いていると、すごく現実感がなくなる。なんか 20 年前の東京時代と今との時系列が混乱してくる。自分がどこにいて何語を話せばいいのかといったことを一瞬考えてしまう。ここは日本語でいいんだよな、そうだよなって確認してるのです。

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■15/08/12(水) □ 東京フレンドシップのアンセム
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夕方吉祥寺でかつてのバンド仲間とスタジオに入る段取りを急遽つけてもらった。ありがたい。昼間は雨だったが国分寺のお鷹の道というのを見に行く。周りはみな大きな農家みたいだ。すごいな。

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 長年一緒にやってたドラマーテラと国分寺駅で会う。M萌がいる間はときおり通訳説明してやらねばならないせいもあって会話があまり弾まなかったのだが(テラは緊張してたらしい)、食事を終え彼女らがホテルに戻り二人だけになると話がリズムに乗る。喋り方や物腰にはなんの変わりもないな。共通の友だちはどうしてるのかとか最近テラがやってる音楽の話をしていても、まるで毎週会ってるかのように話が合う。ネットでテキストや音をやりとりでできてるおかげもあるんだけど、やっぱり俺たちは一緒にバンドやってた頃と基本なにも変わりないんだろう。FB で誰をフォローしてるとかいうところまで一致してて笑った。

 「ドラマーなのになんでそんないいギターを持ってるのか」と皆が笑うテラの愛器エピフォン・ジョンレノンモデルを借りてスタジオに入ると、アンプがマーシャルに当たってしまった。マーシャルは基本ハードロックな音しか出ず、俺が使うとニールヤングとクレイジーホースみたいな音になってしまう。これじゃ音がつぶれてサクサクとコードカッティングできないので歪みを減らすと、今度はサスティーンが不足してソロが弾けない。そのへん久々のスタジオ入りに俺は気持ちが逸ってるのもあり、落ち着いて設定できない。



 まあいいや始めてみようとガチャガチャ試してる時にハチが入ってくる。オー。「おー。なんかトモと久しぶりって感じが全然しないんですけど」とハチは笑う。ほんとそうだよね。

 序盤はベースのタキちゃんが間に合わなかったので、今テラ・タキちゃんとすごくいいトリオをやってるすご腕ギタリスト・ドッキリさんと俺が代わる代わるベースを弾いて、手探りな感じで進む。初手合わせのドッキリさんがコピーしといてくれたかつての俺たちの得意曲「モジョワーキング」「ビールスカプセル」あたりは爽快なデキだった。ハチは数年前体を壊してしばらくフルパワーで歌えない状態だったそうなんだけど、そんなことは信じられない声だ。全然変わりないじゃん。少しも変わらぬ大好きな声が、俺のギターと加速していく。「ほんとなんか20年ぶりって感じが全然しないんですけど」と皆で笑う。ほんとそうだな。会って音を出せばこんなに楽しいのに、俺のギターを好きでいてくれる彼らに、なんで俺はずっと会いに来なかったのだろう。

 遅れてベースのタキちゃんが登場し、数曲ジャムって様子を見てからハチとタキちゃんのタイドプールの歌、「ストレンジボーイ」が始まる。



 ――ああ。これは警備とバンドをやってたあの頃の、俺の東京90年代フレンドシップのアンセムだな。今回連絡つかなかったアライが弾いてたギターソロを俺が弾く。やつのフレーズをコピーしたことなんかないけど、覚えているから弾けてしまう。1・2・3・4、3・2・1・ゼロ。俺の気持ちは変わらないよ。前より君を思ってるよ。俺は今でも宿なしだ。

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ボーカル/ギター:ハチ、ベース:タキちゃん、
ギター:トモ、ドラム:テラ、ギター:ドッキリさん、
そしてゲストのトモちゃんつづるちゃん
ジャムが終わり終電の時間まで話をしたあと、ハチの車でテラと共に国分寺まで送ってもらう。夜の五日市街道を走るクルマの中で後ろの席からハチテラと話しながら、あああの頃のまますぎるな、なんか夢の中でリピートを見てるみたいだと感じていた。疲れていたし次の日がフライトだったから無理はできなかったけれど、車がずっと国分寺に着かなきゃいいなと思っていた。車を降りてハチの肩を叩く。じゃあまた。今度東京にきたらうちに泊まりなよ。そうするよ、ありがとう。

 ホテルの前でじゃあここでと別れるとき、テラに抱きついて「こんなに長いこと会いに来なくて、ほんとゴメン」と謝った。「なんかカナダでさ、バンドもやってないしたいしたこともしてなくてと引け目みたいなのがあってね。だけど関係ないよね。気持ちは変わりない。次はもっとちゃんと会いに来るよ」。外国人みたいな俺の別れ方に彼は、お・おうと目を白黒させていたかもしれない。だけどそうせずにはいられなかったんだよ、マイダーリンドラマー、テラ。




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■15/08/13(木) □ 夜間飛行
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 昨夜ジャムセッションから夜中のホテルに戻ると二人共寝ていたのだが、翌朝バンドよかったよ20年ぶりなんて感じなかったくらいだと話すと萌が泣いてしまった。「よかった…よかったねお父さん」。ティーンの涙腺がよわよわになってしまう、日本とのお別れの朝です。俺も気持ちは同じだな。



 成田に向かう途上、秋葉原アニメタウンの強烈な風景を楽しむ。萌は那覇、長野、秋葉原とアニメストアを発見するたびに興奮して突入していったのだが、彼女が愛する「進撃の巨人」グッズはごくわずかしかなく毎度落胆している。しかもチビキャラ化されデザイン性も実用性もしょうもないものしかない。店内は俺たちの目では個々の識別すらできないその他アニメのほうが明らかに主力商品であり膨大な海になっている。

 そういうジェネリックな絵は俺たちに何も訴えかけてこないので、AKB の娘さんたちに囲まれたみたいな微妙な気分になる。俺は艦これだけは見分けがついたが、奥様はなぜバトルシップが女の子なのかといぶかっていた(笑)。

 しかしほんとアニメグッズの高さはいくらなんでもと思うな。海外からわざわざ来る彼女のようなファンが半額で倍の点数買えたら、どれほど幸せな世界だろうと思う。半額で倍売れればハピネスは倍ではないか。

 何はともあれ予定通りの電車に乗り、ちょうどよい時間に成田でチェックインを済ませ無事出発。さよならジャパン。関空や沖縄にいたのがものすごく遠い昔な気する。

◇



 帰りの飛行機の中で昨日のスタジオの音を聴くと、家ではいつも弾いてるとはいえバンドで弾くのが超久々の俺の指はやっぱり盛大にもつれていた。よく言えばニールヤングっぽいかもしれない。ミディアムテンポ曲のテラドラムのリズムは昔よりはるかによくなっているのに、俺のリズムは大学生時代並みに前に走っていて恥ずかしい。これを聞いたら家で練習して来週もう一度スタジオに入り直したくなったよ。そうしたら次は絶対よくなる。約束する。いまアイデアが湧いて湧いて仕方がないんだ。

 明かりの落ちた夜間飛行のシートに身を沈め、大好きだった歌たちを聴き熱くなる。実家で見つけたアルバムの写真と音が頭の中で一つになっていく。「サマーフィーリング」の最後のソロは借りてたエピフォンがきれいにフィードバックした。途切れない音がどこまでも続く。永遠の夏が鳴っている。

 バンクーバー空港に着いたときに昨日会えた人たち会えなかった人々のメッセージを受信し、入国管理の列に並びながら読んだ。ありがとうマイフレンズ。俺の気持ちは変わらないよ。