「駒野、お前のために」「北米キッズカルチャー」「夏服を着た女たち」ほか。
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■10/07/02(金) □ ドゥンガ怒りすぎ
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【ブラジル・オランダ】ロッベンをハンドルできないブラジルが、後半フラストレーションで自壊していった。監督ドゥンガの仕事はチームを落ち着かせ反攻することにあるのに、ファウルが取られるたびにチームで一番大仰に怒りを表しているのだから、チームがまともに戦えるわけがない。それにこのチームはやっぱ地味で、ベンチも含めスターが少なすぎた。
しかしグループリーグ時カメルーンは絶不調だったしロッベンは怪我でいなかったのだから、ほんとこのWCの日本には神風が吹いていたとしか言いようがない。ロッベンがいたら、長友と大久保が退場になっていたであろう。
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■10/07/03(土) □ 駒野、お前のために
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【ドイツ・アルゼンチン】最初の猛ラッシュでアルゼンチンのミスを呼びドイツが簡単に先制し、その後も攻められてはカウンターで、とうとう信じがたい大差をつけてしまう。相手がここまで強くなると個人の才覚だけで攻め守るアルゼンチンには手に負えなくなるようだ。
ドイツはほんとに高性能フットボールマシーンである。全員がよく走り走ったところにボールが通り、見事な機能性の塊となって突き進む。サッカーファンは天才のきらめきがすべてを変えるみたいな奇跡を見たいと願っており(それこそ股抜きスルーの一発でド劣勢をひっくり返したマラドーナのように)、WCでだけえげつなく無駄に点をたくさん取るクローゼのような選手がフル活動するマシーンが敵をなぎ倒していくシーンはそんなに見たくはないのだが、このチームを止められるチームはもう南アにはいないだろう。
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【パラグアイ・スペイン】バルデスが走る。打つ。駒野、お前のためにと叫びながら(夢想)。日本中がお前を応援しているぞ。パラグアイはほんとに頑張っている。いい試合です。
バルデスの交代時、監督が「よく頑張った。駒野も健闘に喜んでおるぞ」と耳打ちし、奴はニヤリと笑いました。パラグアイが素晴らしいプレスサッカーでスペインを苦しめ、実に面白いゲームだった。パラグアイは日本とやったときはしょぼいチームだったが、まあうちとやったことでいろいろと学んだのであろう。素晴らしかった。日本はこんなにいいチームと互角にやったのである。気分よし。まあパラグアイにとっては似た戦術の日本より、がんがん攻めてくるスペインの方がプレスをかけボールを絡めとり戦いやすかったのだろうが。
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■10/07/05(月) □ 北米キッズカルチャー
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久しぶりに晴れ気温がようやく20度を超える。気持ちいいので萌を誘い自転車でハイドクリーク沿いを走る。萌が昨日グランマのバスルームを掃除しお小遣いをもらったので、帰路そのお金でアカウントが切れていた Webkinz を買わせてやる。これでこの夏休み、インドア用の楽しみは足りるだろう。
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「子供を食い物にし、貧困国の国家予算並みの金をロクでもない子供向けポップガラクタの消費に使わせている北米カルチャー」というドキュメンタリーをMが借りてきて、俺と萌もチラ見していると、萌がハマっているディズニーチャンネルの、あまりにも馬鹿なので俺が見るのを禁じた「スイートライフ」というショーがどんぴしゃで紹介されていて笑ってしまった。たかがコメディとはいえこうした子供向けショーは、「自己中でキツく子供らしさを否定する」という、大人が望まぬ子供性向のモデルとなっていると。その通りである。
萌はここ1~2年くらい典型的カナダ小学高学年ガールへと変化しており、こうした番組ばかり見て TV Japan などまったく見なくなっている。NHK 中心の TVJ には10歳の子供が面白い番組などほとんどないというのもあるが、最初は気に入っていた「シャキーン」すら見なくなってしまったのにはがっかりしている。上記ショーでも解析されていたがカナダ(北米)の子供は、カラフルなものが画面上をダイナミックに動き「わーわー」「ぎゃーぎゃー」と早口で丁々発止をやるという高刺激番組を浴びるがごとく消費しており、それに比べ日本の番組はテンポがスローで静かすぎるのだろう。
まあそんなくだらんものを見てはいても萌の優しく明るい性格に変わりはないのだが、早くもっといいものが分かるようになってもらいたいものである。音楽も最近は小学生向けポップ一辺倒だしなあ。ため息。
ちなみに Webkinz もこのドキュメンタリーでポップガラクタ消費財に挙げられており、今日それを買った萌と買わせた俺は叱られました。
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■10/07/07(水) □ 夏服を着た女たち
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【オランダ・ウルグアイ】このカードが決まった時点ではどちらかというと万年優勝候補のオランダ贔屓だったのだが、試合が始まるとオランダのサッカーがつまらないのでウルグアイに気持ちが傾く。オランダのうまい巨人たちが思いつめたような顔で高圧サッカーをやるのはなんか、しばらく前の愛されないドイツ代表みたいである。ブラジル戦同様ロッベンの被ファウルでこつこつ陣地を削っていくのも、相手が格下なのでつまらん感じがする。ロッベンは絶好調ならば抜けるのだろうが、抜けないから引っ掛けられ転んでるのだろう。全員が必死でカバーニとフォルランを走らせるウルグアイのほうが思い入れできる。
後半ダッチの猛攻が来て、スナイデル、ロッベンと立て続けにゴール。あそこまで連続アタックが来るとどこのDFもたまらんだろう。この時間帯のダッチは強かった。ウルグアイの猛プレスをゴリゴリと交わし前に進み、3点取ってもまだ点を取りかねない勢いだった。
しかしその後のウルグアイもこれまたすごかった。こんなもう完敗という状況でも、守備も反撃力もぜんぜん落ちないあの根性はなんでしょうか。恐れ入る。韓国にいったん押し込まれたりハンドがあったりでいいイメージはなかったのだが、このチームもほんとに素晴らしいチームだったな。
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今日はついに真夏日となり、31度を超えた。萌は久々にMとSFUへ。カフェのTVでスペイン・ドイツ戦が放送され、得点シーンでものすごい大騒ぎになったと興奮して電話してきた。カナダじゃスペインがそれほど人気なのか。独製フットボールマシーンが起動せず、つまらない試合だったのだが。
猛暑の中ふうふう言いながら買い出しに行くと、ほとんど水着という格好をしたガールズが町を歩き買い物をしている。眼福をありがとう君たちはほんとに素敵だとお礼を言いたくなって困る、夏服を着た女たち。
今日は俺の誕生日、お祝いに何でも食べたいものを買ってきてやると妻子に言われ、よくよく考えてうちが普段全く行かないマクドナルドからビッグマックを買ってきてもらった。しかし日本のビッグマックと違いカナダのはバサバサなのである。がっくし。昔ジョニーロットンが「日本のビッグマックはなんでこんなにうまいんだ?」とインタビューで喋っていたが、これがその違いか。KFCも日本とカナダじゃ味つけも油も大違いだしなあ。カナダのケンタッキーは油と塩化ナトリウムがきつすぎて、うちの家族は誰も2本完食できないのです。
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■10/07/10(土) □ テントでお泊りパーティ
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ついに夏が来たので、夏待ちで延期していた萌のバースデイパーティを挙行する。キッズ7人を招き庭に張った3つのテントでスリープオーバーという超エキサイティングなイベントで、俺はもうここ3日、掃除と準備にかかりきりだった。朝は曇っていたが雲も切れ、気温も順調に上がってきた。水合戦用ウォーターバルーンを萌と作成しつつ、キッズの来訪を待つ。
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そしてウォーターファイトからパーティの幕開き。こういうことが心から好きなMK青年を呼んどいたので大盛り上がりの大水合戦となった。子供らが戦っている間に俺とMはバーベキューとサラダ類を準備し、テントの回りでディナーとマシュマロ焼き。パジャマに着替えて屋内に入りゲームその他。ボンバーマンは実に偉大なゲームで、初めてやったガールズでもすぐにルールがわかりバトルし盛り上がれる。
そしてケーキを食べプレゼントをもらいあとはフリーとここまでは絶好調だったのだが、このあたりから誰と誰がどのテントなのか、誰と誰は仲が悪く嫌がっているといった予定外の問題が生じてくる。萌と個々の子は当然仲がいいわけだが、ゲスト同士は必ずしもそうではないわけだ。
望みのテントに入れず泣き出すものも数名現れ、友達を全員呼んでのスリープオーバーは萌の夢だったわけだが、本人もいろいろ仲介に苦労し泣いていた。結局2名は屋内で眠り、5名がテントで眠るという玉虫色の妥協で決着した模様。そういうガールズ政治は複雑すぎて私にはわからず(男子は1名だけだったので専用テントで問題なし)、もうお母さんに任せました。彼女は先生なので、やっぱり人を叱り動かす手際が違う。俺は子供らを叱りつけていると頭の中で「トカトントン」と聞こえてきてしまい、すっと語気が抜けてしまう。カナダの子供は主張が激しいので、そういう弱腰じゃ全然動いてくれないのである。
ま、いったんテントに入ってしまえばあとはもう、どのテントもお喋りで大盛り上がりであった。うるさくて眠れん。
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■10/07/11(日) □ さよならWC2010
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萌たちテント組は2時まで庭に張ったテントでゲラゲラと高笑いを続けて寝ず、7時からまた大騒ぎを始めた。Mも俺もぐったりである。お迎えを11時としたのが間違いだった、早く迎えに来てくれキッズのペアレンツ衆(泣)。
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【WC決勝】ダッチは全員カード1枚分のフィジカルな当たりをあらかじめ戦力として勘定に入れたような泥臭い試合に持ち込み、力を尽くし手応えのある面白いゲームにしてくれた。スペインを応援してた人々はあのファウル攻撃に腹を立てただろうが、あれはファイトである。退場になったDFハイティンハなんか見た目からしてK1ファイターのような悪役顔だったが、本当にギリギリのところで守っていて感動させられた。独のようにタックルもせずスペインに自由にやらせるより、ファイトしてくれたほうが中立ファンにはずっと楽しいのである。ただ、大久保並みに守備をしていたカイトにもっと攻撃させてやりたかったな。
Mが親友であるノバスコシアのダッチ一家に電話すると息子さんが出て、「俺たちはいつもこうなんだ。もう慣れっこだよ」と吐き捨てるように言ってたそうです(笑)。ともあれ終わった。さよならWC2010。観戦お疲れ様でした。
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