2010/11/03

日記「ロンウッドにシャイン・ア・ライト」

「あんなにいい川だったのに」「ロン・ウッドにシャイン・ア・ライト」ほか。

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■10/10/22(金) □ ダメキャラ愛好国ニッポン
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 「ヤスコとケンジ」が終わって以来、萌が見たくなるような子供向け番組が2年間まるっきりなかった TV Japan で実写版「怪物くん」が始まり、これはと思い萌に見せたのだが空振りであった。こんな話を人間が演じることに無理があるというか、アニメよりもよくなるわけがない。萌もなんかくだらないなあと困った顔をしており、つまんなかったら無理に見なくていいよと言うとごめんねと中座してしまった。

 萌の目線で日本の子供番組を見ると、内容はえらい幼稚なのに語彙が難しいんだよな。むろんカナダで暮らす日本語キッズは語彙が足りないわけだが、あまり子供の理解度など配慮していない大人が脚本を書いているという感を受ける。たとえば40年前のアニメ版を見ていない現代の子供には、ドラキュラのざあますキャラなんて理解してもらえないだろう。

 それに日本のドラマはやはり、子役小中高生役があまりにも下手すぎるのがつらい。あの子たちは演技というものに向いてもいなければ、さほどの訓練も受けてないのだろう。米加の子供番組に出てる8歳~くらいの子役は、どう見ても「自分は才能がありハリウッドで食っていく」と思っている子供で、喋り演じることに人並み以上の天分が備わっているうえに、高い訓練を受けているのがありありとわかる。ゆえにすべてのキャラが「頭の回転が早くシニカルなジョークがうまい」という子供に人気のある定型に陥っており鼻持ちならないのだが、やはり素人の子供らよりこちらのほうが鑑賞に耐えうるのは当たり前の話。

 今季NHK朝ドラ「てっぱん」のヒロインもたまらないほど素人で、1回目を見ただけで「ああ今年も朝ドラは見るに値せんのか」とあきらめた。なんでああいう《才能がなく素人》であるという二段構えでダメなヒロインをわざわざ募集して採用するのだろうか。日本ではダメなものが愛されるのだろうか。


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■10/10/23(土) □ あんなにいい川だったのに
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小魚を捕まえていたこの川(8年前)
午後Mとサーモンを見にコキットラムリバーに行くと、ここ1~2年橋から見てあれ? と思っていた通り、水位が1mほど上がり、川原がなくなっていた。萌が小さい時夏はいつもここでピクニックしていたのに、もうシートを広げられる場所などどこにも残っていない。がっくし。PoCo は山中がとてつもない勢いで宅地開発されているので(たまに通るたびに造成地が増えている)、あそこの地下水雨水がまったく保水されずこの川に落ちてきてるらしい。

 昔はこの季節うじゃうじゃいたサーモンも、今年は百年に一度の大発生だというのに1匹もいない。PoCo の川には現時点でどこにもいないわけだが、ひょっとするとこれほど水位が変わると、故郷の川の匂いがしないのかもしれない。小魚と子供の遊び場にあふれた素晴らしい川が、上流から一気に水を流すだけの水路となってしまい、もう散歩する人もいない。残念である。

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■10/10/24(日) □ ロン・ウッドにシャイン・ア・ライト
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 夜、BRおばあちゃんに初めてカルカソンヌを教える。皆がヘルプしたので彼女が勝利。BRと俺とMの3人が共同で1つの大きな町を作るという初めての事態に至り、このせいで前半1人取り残され大きく遅れた萌が、道でこつこつしのぎ後半小ぶりな町をポンポンと取りスパートし2位となったのが面白かった。カルカソンヌ・フレンドリーマッチ(草原なし、乗っ取り禁止)は、誰でも勝てて楽しいよな。このルールではタイルの引き運がやはり一番でかいわけだが、自分の読みと予測によって招く運だから、勝っても負けてもすっきり納得がいくし。

 それに大人数だと自然とチーム戦の雰囲気が出てくるのが面白い。単独で大きな町を完成させるのが難しいので、協力してトップを追おうという話になるのだ。これは非常に楽しい。

 萌はこのゲームが割合に強く(どう置けば確率的に敵が起きにくくなるかという計算ができる)、今日の展開など興奮ものの逆転2位ゲットだったのだが、しかしなんでなのか夢中になってくれない。子供はやはり深く考え込むボードゲームよりも、サイコロゲームのほうが楽しいのだろうか。

 俺はもうカルカソンヌでボードゲーム欲は満たされてるから、うちでいずれ買うボードゲーム2台目は萌のために人生ゲームみたいなスゴロクでいいかなと思う。ただし新品で買うほどのものでもないので、中古で見つかったらでいいか。モノポリーは中古がありまくるが、同じくらい売れてるだろう人生ゲームは中古が出てこないので、それだけ面白いということだろう。

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 ストーンズの「シャイン・ア・ライト」のTV放送があった。最近ピアノで「You can't always get what you want」を弾いてる萌に、あれがこのバンドだよ、ミックなんかもう65歳くらいなのにこれほど元気なんだよと見せると、ええっと驚いている。まったくミラクルだよ。

 これは公開時に飛行機の中で見て、
20年前の日本初公演の頃―――というか血液全交換とかで死の淵から舞い戻って以降はずっとそうなのだが、キースってもはやギタリストというより、キース風味をバンドにつけるための薬味としてステージに存在してるのだと思う。イントロをギョギョギョとつっかえながら弾いたらお役御免で、あとは手くせでオカズを入れているだけであり、曲のコードをちゃんと覚えてるようにも見えない。「ブラウンシュガー」みたいな奇跡のコーラスはとうにできなくなっているし、キースの音にはもう興味を感じないのが正直なところである。海賊映画に出ていたが、もうそういう役柄で愛されてるだけなんだよな。

 と書いたのだが、キースは実際もう「今でも元気にギターを弾くおじいさん」というレベルの腕前だ。

 ちゃんとした音で改めて見ると、ロン・ウッドがもう完全にストーンズのメインギタリストなんだなと思う。「Start Me Up」でよくわかるのだが、例によってキースがイントロだけ弾いてお役御免になると、後はバッキングもソロもロニーが全編ギターを弾きまくっている。彼のギターの音量ミックスも昔より大きい。ロニーがこれだけ密に音を埋められるから、キースがほとんど弾かなくてもスカスカにならずバンドがドライブしてるのだ。

 ロニーからすれば「ギターは(ほぼ)俺1人なんだから遠慮はいらないぜ」と、腕のふるいどころを得て昔よりもやり甲斐があるのかもしれないな。ロン・ウッドにシャイン・ア・ライトである。

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