「ゲーム談義を読むのは楽しい」「グレンモア超高速デモゲーム大成功」
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■11/10/18(火) □ ゲーム談義を読むのは楽しい
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英語ボードゲームサイト BoardGameGeek の「グレンモア」フォーラムで、「Grocer(食料品店)のアクティベートに必要なのは同種資源3個なんじゃないか」という面白いルール談議があった。「なんでもいいから資源3個」と「同種資源3個」とで意見が分かれている。ルールを文字通りに解釈すると「なんでも3個」だが、「同ラウンドに出ている歳の市が4種1個ずつ(けっこう難しい)で8点なのに、なんでも3個=8点はイージーすぎるだろう」という意見はもっともである。
それになによりも、「同一資源3個」としたほうが明らかにチャレンジングでやれることが増えゲームが面白くなるではないか。この解釈なら歳の市と違った戦略を要し差別化するタイルとして、食料品店の妙味が大きく出てくる。これに関して作者の公式コメントは出てないようだが、ゲームデザインは天才だがルールブックを書くことはド下手であったこの作者の意図もこっちだったに違いない。うちではこっちの解釈を文句なく採用しよう。
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ここで初めてソリテア3人戦(1人3役!)をやってみた。タイルがどんどん取られて周回が早い。人数が増えると序盤のリソースの奪い合いが激しく、初参戦の緑が出遅れて大きな得点源であるウイスキー工場と酒場を取れなかった。
しかし緑は先を急ぐ皆が取り残した羊牧場(草原)を2枚取り、前半は肉屋で羊毛キューブ2個4点を地道に売り他プレイヤーについていく。そして後半は勝負をかけて大跳びし、例の食料品店をプラン通りにゲット。これにネス湖(毎ターンタイルを1枚自由にアクティベートできる)を組み合わせることで少ない残りターンにうまく2回稼動し、タイル上に貯め込んでいた羊毛6個をどーんと一掃し16点、これが決め手となり見事な勝利となった。やっ・た。こんな勝ち方ができるとは。《羊勝ち》だ。工場と酒場がなくても勝てるんだ。素晴らしい。
やはり食料品店が「同種資源3個」ならば、こうして同種の資源タイルを2枚取っておくことに大きな意味が出てくる。前半はダブつき村人が処理に困っていた資源が、食料品店を建てたおかげで村の主要産業になるんだから楽しいではないか。緑の村長には先見の明があったということだ。いやー、面白い。
システムが練り込まれ戦術上の深みがある現代ユーロ(ドイツ)ゲームでは、こうして愛好者のフォーラムを読んでいると発見が多い。新事実を発見すると新たな戦術が浮かんでくるので、それを試したくなりまた楽しみが増すのである。まあグレンモアのルール上の発見は、それだけ説明書が不出来だったということではあるが。
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Mは忙しいのでいまは無理だが、萌にもグレンモアやらせることはできんかなあと考え始めた。フルルールを一気に説明するのは無理だと思うが、グレンモアの場合じっさい説明が面倒な細則は得点に関することだけで、「最後尾のプレイヤーがタイルを取り、置いたタイルの回りがアクティベートする」というゲームの骨子自体はシンプルですぐに始められるはずだよな。で手番ごとに「いま何ができるのか・何をすればいいのか」を教えてやれば、それなりに楽しめるんじゃないだろうか。週末萌の様子を見て、ちょっとお試しに1ゲームやってみよう。
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■11/10/22(土) □ グレンモア超高速デモゲーム大成功
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午後、満を持して萌にグレンモアを教える。説明を短くするためにアクティベートと得点の処理は全部俺がやり(待たせないために俺自身の手番はタイルを取るだけで処理も適当にする)、萌には各タイルのコストと働きを教え好きなように選ばせてやる。タイルが4枚ほど並びアクティベーションで資源がぞろっと出ると萌がシステムに合点し、身を乗り出してきた。カタンじゃゲーム半ばくらいまで進まないと見えてこない豊作の喜びが、こうしてわずか数ターンで味わえるところがこいつの美点だぜ。
そして資源がたまると萌は、「じゃあ森を取って木を出して次の番で城を買う、どの城がいいの?」と、生産ゲームのキモを一発でわかってくれた。そうそう、それが楽しいんだよ。グレンモアは細かいルールを説明しだすとキリがないが、タイル選びと配置という一番楽しい部分はこうして、説明なしで即プレイできるのだ。とりあえず Castle Stalker を買いなさい、ワーカーが2人貰えてラクになるから。
R2 からはダミーのサイコロ操作とタイル選びと生産系アクティベートは自分でサクサクとやる。自分の手番がときに続けてくるのも非常に気持ちいいらしい。
そして後半はウイスキー樽をタプタプと生産し、タバーンを取ると酒場だ酔っ払ったといってウヒウヒいい、この町をドランクタウンという名前にするといって大盛り上がり。橋を取ると、「このブリッジでお父さんの村につなげられるよホラ」とつなげてくる(笑)。謎のネス湖を取るときにはそのタイルを取るために犠牲になる村人にも名前をつけていた。村や住民に名前をあげるとか橋をつなげるとか、そんなことは考えたこともなかったな。たちまちスコットランドの醸造所をめぐる物語が立ち上がってくる。橋をつないで隣村から泥棒が忍び込むなんていうイマジネーションが広がる。素晴らしい。これぞボードゲームの愉しさだ。
わずか15分で超高速デモゲームを終え、萌は気持ちよさそうにコインを銀行でポイントに両替し、順当な勝利。ウヒウヒと酔声を挙げながらMのところに行き、「麦を出して工場でウイスキーを作るゲームで、自分は酔っ払った」と報告している。これは行けるな。「こういうリソースプロダクション(生産)ゲームって面白いよね。作物を売ったり建物を買ったり、出た資源をまた売ってお金を取り戻したりさ」「ねー!」。よしよし。
というわけで、「グレンモア」というゲームの最初のとっつきの悪さをスピードでごまかす戦法は完全に成功し、いま萌は特別な土地カードをアルファベット順に並べビデオでタイルの解説を録画しながら第2戦を待っております。こりゃ初戦の手応えはカルカソンヌよりもいいくらいだ。何度もプレイして、いろんな店や城の効果を試すようになったらもっと盛り上がってくれるだろう。
やっぱり生産ゲームは偉大なのだ。ビギナーにとっても面白いに決まってるのだ。そしてグレンモアは、生産ゲームの金字塔カタンよりもはるかに面白い。サイコロ次第でそうそう思うように生産できないカタンより、自由度が高く生産と購入は最初からどんどんできるこっちのほうが、ビギナーにとっても気分がいいだろう。ルール面でのとっつきは悪いが、そこは購入者が熱意を持ちネス湖の犠牲となってルールを読みマスターすることで、このように克服できるのです。サイコーなのです。
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