2012/01/30

日記「カーネーションが教えてくれること」

「安岡美容室ができるしあわせ」「ARBの再評価?」

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■12/01/16(月) □ 安岡美容室ができるしあわせ
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カーネーション》奈津の件で重くつらい話が延々と続くのかと思いきや、その重さの全てが「安岡美容室開設」というおばちゃんの斜め上の発案で消し飛んでしまった。おばちゃんはあれからずっと考えていたんだ、おばちゃんが立ち上がるために奈津の存在が働いたんだ、かつて失敗したお節介と同じ糸子の、しかし苦労したぶん思慮深くなった行為が今回はいい方に行ったんだ、それがおばちゃんの凍りついた心も溶かしたんだと、人の心や思いが見ている自分の中でぐるぐるグルグル回り続ける15分でした。よかったー。ふう。

戦後の糸子は前と違う。いろんなところが違う。底を打って浮かび上がってきたからかな。繊維業界の会合で絡まれたときも、前だったら単に切れていただろうが、イラっとしつつ(この表情がとにかくたまらなく魅力的な糸子女優さんです)見事に応対してみせるところがいいなあと思う。

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■12/01/19(木) □ ARBの再評価?
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さあ思い出して、
夢に生きていた頃を
(灰色の水曜日:原曲)
最近日本でARB再評価旋風を巻き起こしているらしい『輪るピングドラム』の曲名一覧を見たらこれは、石橋凌というよりも第3期ARB@白浜久セレクションだな。彼が書いた「灰色の水曜日」は名曲だと思うが、全盛期ARBのファンである俺はこの曲以外第3期をよく知らないのである。

で全曲を試聴してみたら、オリジナルのままのアレンジでカッコイイのは「イカれちまったぜ」だけだった。「魂こがして」がマイナーコードの Jpop ディスコソングに、「バッドニューズ」「ダディーズシューズ」がバラードになっている。なんだこれは。ARBのビートをそのまま現代の若者に聞かせてやればいいではないか。「バッドニューズ」のあのリズムの切迫感自体がメッセージなわけで、現代の日本の抑圧されイラつく若者にだってあれを届けるべきではないか。―――まあこれのおかげで本家ARBも聞かれてるそうであまり文句をいってはいけないが、しかしアニメ関係者らしきアレンジャーはロックオーバーでもイカれちまってもトラブル中毒でもない人物なのは間違いない。

原曲を知らない第3期の曲は、正直ARBに聞こえない。石橋凌は当時メンバーが作ってきたこんな歌を歌うほどロック的バイタリティをなくしていたのか。うーん。―――まあ全ては過去のことだ。ARBの時代がいま改めて来たのならば、それは喜ばしいことだ。「ヘビーデイズ」を歌いながら働けば救われる魂が、日本にはたくさんあるはずだ。

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駄目だ駄目だ目を覚ませと自己を叱咤す糸子
(c) toyodaginpachi さん

《カーネーション》「小原さんが指導に来るって……聞いたけ」(ツンツンツンとイントロ)――こ、これは。糸子困りました(期待と不安)。

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■12/01/21(土) □ カーネーションが教えてくれること
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無料お試し中のネット映画配信 Netflix は映画の品揃えが悪すぎてレンタルビデオ屋の代替としてはお話にならんのだが、俺は萌と見る「桜蘭高校ホスト部」などが楽しくて、これらのコレクションを見終えるまで数ヶ月キープしたくなっている。で Netflix をTVで見るにはゲームコンソールが必要なので―――PCで見てるので特に買う必要もないのだが最新ゲームに興味がなくはないので―――、ALんところで萌がどんなゲームをやってるのかと尋ねてみた。


厚紙とフェルトの世界。おどろき。
するとやってるのは PS3 の「リトルビッグプラネット」だというので Youtube で見てみて驚いた。ソニックよろしく多人数が疾走していく横スクロールゲームで内容は一目瞭然なのだが、人形たちがいるそのステージが実写映像にしか見えない。次々に出てくる障害物が、舞台の大道具係が厚紙やフェルトで作った本物のハリボテにしか見えないのである。すごい。

それが動きしなりへこみキャラを弾く。つまり、人形劇の実写ステージの中を多人数が人形を操りドカドカドカーと疾走していくというゲームなのだ。こっれは楽しそう。ALのお母さんに見せてもらった Fable という RPG/アドベンチャーの映像は、FF9 等の発展型で CG による風景の美しさであり「きれいだなあ」でしかない。Youtube で見る FF13 も同じで、驚きはない。敵を切り倒していったり、長時間かけて剣と魔法でクエストをこなすということも今はやりたくはない。

しかし「リトルビッグプラネット」はこれは、異世界に自分が入っていけるという感じでかなり衝撃的だ。ここに行きたい、ここで遊びたいと思わされる。もしコンソールを買うとしたら、これに決まりだなと思う映像だった。

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《カーネーション》周防さんを好きになってしまった糸子が悩む。「かなわんなあ。人のもんやのに」。お父ちゃん、勘助、泰蔵にいちゃん、勝さんの顔が画面をよぎるだけで、見ているこちらの胸も本当に疼く。泰造兄ちゃんなんていつも道具をかついで横切るだけだったのに、こちらは糸子と奈津を通して見ているから存在自体が自然発光していたのだよなー。そこまで没頭できる観劇体験ってあまり記憶にないな。本当に素晴らしい。

ちなみに周防さんにいま日本中がクラクラなのも、みな木岡のおっちゃんと木之元のおっちゃんと松田さんしか回りに男がいない糸子の目を通して周防さんを見ているからだろう(笑)。

コーヒー屋の平吉が出てこなくて心配だというツイートを目にして、ほんと、あんな人の会合やら会話やらなんでも吹聴するおシャベリのお調子もんのボケナスでも、元気でいてほしいなと痛切に思った。俺は岸和田のあの町の住人の目で、あの町の人々を見ている。そういう気持ちを通じてこのドラマは、戦争は本当に駄目だと痛く痛く教えてくれるのである。

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