2013/03/05

日記「レスリング炎の最終戦」

「ポップ音楽はカラオケなり」『「ブルゴーニュの城」学習』『ブルゴーニュで苦戦中』「ブルゴーニュとグレンモア」

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■13/02/22(金) □ ポップ音楽はカラオケなり
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グラミー賞時に俺がプリンスを称揚しビデオを見せたところ萌が「キス」をえらい気に入り、ヘビーローテーションで聴いている。90 年頃の名作ビデオクリップの数々を見せてやりたいのだが、プリンスはなぜか Youtube に厳しいらしくほとんど見つからないのが残念。

 宿題をしながらボウイも聞いてたし、「車で送迎中は親が聞きたいものを聞く」ルールによるロックリハビリ療法が実りつつある。まあポップが抜けることはないだろうが、ポップでもいいものとそれ以外を聞き分けてくれるようになっていただければ。

 音楽に関しては、「良いポップ音楽」には俺もちゃんと興味を示すことで萌の気持ちがほぐれている気がする。実際萌が聞いてる音楽で「お、なにこれかっこいいじゃん」と尋ねるとレディガガだったりするのだ。最近俺が反応した「サマーボーイ」は古い歌らしいが、メロディや「♪ク-ク-ク・クレイィズィー」なんて言葉の発音がぞくぞくするほどカッコいい。歌詞内容はルースターズのサマーロマンスのガール版だし。彼女はモノが違うな。


Summerboy - Lady Gaga

Nowhere Yeah we're going nowhere fast
そんな急いで どこへもいかないで
Maybe this time, ill be yours you'll be mine
メイビー今日は うまくいくかも
c-c-c-crazy, get your ass in my bed
ククク・クレイジー ベッドにちょっと座って
Baby you'll be, just my summer boyfriend
ベイビー あなたこそ夏の恋人
Summer boy
サマーボーイ

Lets get lost you can take me home
迷ったふりして連れてって
Somewhere nice we can be alone
どこかナイスなところで2人だけ
Bikini tops, coming o-o-off
ビキニが取れちゃって
Don't be sad when the sun goes down
暗くなってから目が覚めて
You'll wake up and im not around
あたしがたとえいなくなっても
Ive got to go oh, oh, oh, oh, oh
泣かないで 行かなくちゃ
We'll still have the summer after all
夏はまだまだ続くんだし

 ◇

 でこういうのだったらいくらでも聞いてくれて文句はないのだが、シャワーに入るとケイティペリーなどの凡ポップをどえらい大音量で歌っている。これはおそらくああいう歌メロが最初から最後までぎっちり詰まった今風ポップソングは、間が持ち誰でも気持ちよく上手に歌えるというカラオケ的効果が高いんだろうな。喉をウイウイとうならせ「なーんとかダンシン in the サンライッ! なんとかハイライッ! なんとかムーンライッ!」とか歌うとフィジカルに気持ちいいんだろう。現代チープポップはこういう小学生的韻踏みに満ちている。カラオケとして優秀なものが洋の東西を問わずポップ音楽として売れているんである。

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■13/02/24(日) □ 「ブルゴーニュの城」学習
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ブルゴーニュの城@boiteajeux
「洛陽の門にて」はずっと楽しんでいるがオンラインで構築系ボードゲームがやりたくて探していると、「ブルゴーニュの城」が浮上してきた。見た目は悪いしめんどくさそうだが、非常に人気が高く面白いらしい。

 詳細な日本語ルール解説ページ(もげきゃっち「『ブルゴーニュ』ルール説明(私家版)」)があったので読んでいると、同じ家畜タイルを並べると累算で得点が増えるとある。おお、これはカルカソンヌ・ハチエンダ的だとこれだけで気に入った。やっぱゲームは気前よく資源を稼ぎ、それで何かをやれるダイナミックな方がいいよ。テキスト効果を読みちまちま何かを操作するのはめんどくさい。

 いつも通り1人2役で始めてみると、タイルはどうも1個1個全部効果が違うらしく、評判通り読むのが時間がかかる。しかも効果はすべてがアイコンなので、マニュアルを見ながら何度もやって記憶しない限りまったくわからない。このへんは見た目通りめんどくさい。しかし「市役所」を置くと「続けて自ストックにあるタイルをサイの目に関わらずどこでも置ける」といった効果は明瞭かつメリットが大きくわかりやすく、それを使いたくて手番が待ち遠しい感じが好感触である。

 ◇

 ルールを読みつつちょうど半分まで進み、面白いがここまで1時間半かかっている。えらい長いゲームだ。ゲームの概要は分かったのでソリテアは中止し実戦をやってみよう。ダイスを使い打ち手を選択していくのは楽しいし、点を取る方法はひと通り理解したが、どう組み合わせたら得点が伸びるかはよくわからない。黄色のボーナスタイルが鍵っぽい。

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 【対戦】1人2役だとうんざりするほど時間がかかったのだが、2人戦だと意外やすいすいと進み、他のことをしながら順番が来たらダイスの目と取れるタイルを見て進めるだけで、実質1時間半ほどでゲームは終わる。序盤は俺が町タイルをあらかた抑えたせいかあまり差はつかなかったが、後半にぐいぐい引き離され 217-126 のダブルスコアで終わった。相手の点は後半加速度的に伸びていたが、途中で見てみると一面羊の素晴らしいファームを作っていた。あれが累算で点をくれるんだろう。うらやましい。

 感想としては、面白い。しかし資源をがっぽり稼いで何かをするというゲームではなかった。制限がややきつくボーナス点のとり方がわかりにくいグレンモアという感じだな。サイの目を操作できるところはストーンエイジ的でもある。後半に大物タイルが出るような演出もないので加速度的に盛り上がることもなく、淡々と進み終わるという感じ。

 詳しいプレイ記事によると黄色の「知識」タイルが拡大再生産要素になっていて、コレで点を取ると決めてコンボを組んでいくのが王道らしい。黄色タイルの説明がどうも意味不明だったので初回はやはりそこまでは至らなかった。黄色タイルは最優先して取らないといかんのかもしれない。黄色タイルの説明をプリントしようかなというくらいには手応えを感じるゲームであった。

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■13/02/26(火) □ ブルゴーニュで苦戦中
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 「ブルゴーニュの城」のタイル一覧をプリントし2戦目を真面目に始めたのだが、イマイチ見通しがよくないゲームである。具体的にはサイの目を+-1できる黄色タイルが非常に重要なわけだが、これが4種もあるのでどの種のタイルに効果がかかっているのか覚えられない。さすがにアグリコラほどではないが同じように例外処理が集積していくシステムなので、

「こいつの効果で●と◆と◇は+-1だから……サイコロ6で5か1も取れるので◇に使い……サイコロ2のほうは……△を取りたいがあれには何か+-1効果がかかっていたっけ?(とリファレンスシートを見る)………いや待てよサイコロ6には黄色効果とワーカーも足せば4にもできて○も取れるな、そっちのほうが最終的にポイントが増すのか………?」

という感じで、分岐が増え思考がぼやけていく。こういう《分岐をどこまで増やし分析できるか》という、脳の暗算量とメモリー保持力に依存する思考は、俺は気持ちよく感じないんだよな。結局のところキリがないので「まあいいや」と分岐分析をあきらめ適当なところで打つしかなくなるのである。

 これは個人ボード上に4種の+-状況がひと目でわかるマーカーがあるべきだよな。というか「ストーンエイジ」のようにサイコロ自体に+-効果が与えられていれば何も記憶する必要はないわけで、SA はやはりよくできたスマートなシステムだと思う。+-1が4つもあるのは無駄な複雑化なのであって、ゲームメカニクス上どうしてもそうしたいならマーカーをボード上に作り、プレイヤーの記憶依存を下げるべきだ。

 それにタイル一覧を見ながら残り2ラウンドでどうボーナスを稼ぐかを調べてるのだが、これといった方針が立てられない。ここも、ボーナスは5種類の掛け算式であるとさえわかれば後は悩むことなく突き進めるストーンエイジのクリーンさに軍配が上がるな。

 ◇

 2戦目の相手は、船を取りまくることで手番を増やしグッズを集め売りまくっているらしい。これは単にメインボードと個人ボード間でチップを往復させるだけでさほどイントレスティングじゃない戦術だが、それでも点は取れるのかな。あそうか「商品一個につき、プレイ人数分のポイント」か。1個2点はでかいな。これは黄色のメイン得点源を見極めてそこに手番を集中してポイントを積みつつ、他でもコツコツ取るという感じのゲームなんだろう。

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■13/02/27(水) □ ブルゴーニュとグレンモア
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 「ブルゴーニュの城」は2戦してルールとゲーム内容は分かった。ダイスの目をいじって目的を遂げていくというのは一目瞭然なるほどねで楽しいし人気があるのもわかるが、サイコロの目を操作できるよう細工し、それを生かしてタイルを取りタイル効果・ボーナスタイル等で得点を最大化するゲームなのだから、最初からプランを立てタイルを取り置ける「グレンモア」のほうが俺とうちの家族には話が早いと思う。これはグレンモアでできることをダイスで楽しむゲームであるといえる。計算を重くし、倍の時間をかけて。

 タイルを取って置くというゲーム性がかぶっているのでグレンモアの英語フォーラムで両者はちょくちょく比較され、グレンモアが BoardGameGeek 人気チャート 100 位前後(今見たら1年で少し落ちて 150 位)なのにブルゴーニュがチャートを駆け登っていることをいぶかしむ声があったのだが、たしかに俺もグレンモアファンなので同じ気持ちである。グレンモアの順位は妥当としても(何万もあるうちの 150 位は立派なもの)、これに 16 位という歴史的大傑作みたいな順位をつけるなんておかしいだろう。

 ルールを読んだときと始めた直後は俺もおお面白いと盛り上がったが、1戦2戦とも最後はダレた(理由は後述)。ダイス目とタイル効果を掛け合わせ得点を最大化するというコア部分の思考性が重い――もちろんそこが面白い――から時間がかかるゲームになってるが、ゲームに収まった全体のゲーム性はグレンモアよりブルゴーニュのほうがむしろ薄いのではないかと思う。

◆タイル配置ゲームとしてのゲーム性

 たとえばブルゴーニュはタイル置きゲームでありながら、その置く位置に意味が薄い。どのタイルの効果を使うか、どのエリアをいつのタイミングで揃えるかがゲーム上の意味であり、隣のエリアへの繋ぎやすさくらいしか空間デザイン的に工夫する余地はない(この繋ぎやすさもサイコロを2ほど操作すれば置けない場面はほぼゼロとなるので、さほどの障害とはならない)。タイル置きゲームの王者カルカソンヌの面白さはこの空間デザインにあり、グレンモアにはタイルを有機的にリンクさせ得点エンジンをデザインするタイル配置ゲームならではのゲーム性があるのだが、ブルゴーニュにはどちらもない。

 また、基本ボードで黄色を6枚置き、エリアを埋めきってしまったらもう変更できないのはどうかと思う。それ以後に強力な黄色ボーナスが出ても手遅れなのだ。出るかどうか、取れるかどうかわからないボーナスタイルのために1ヘクスを開けて待つというのも、色揃えボーナスは後になればなるほど小さいという仕組みから無意味だし。1戦目も2戦目も終盤はこのせいで戦術的に詰んでしまい、もうこれ以上何もできん(ボーナスを増大する方法がない)やんつまらんという感じになってしまった。俺はこれをヘクス式タイル置きゲームならではの欠点と感じるわけだが、好きな人は「この制限を考慮に入れた上で得点を最大化する」こともゲーム性と感じるんだろうか(これは拡張で「入れ替え可能」とするタイルがきっと出てるだろう)。

◆リソースマネージメント

 資源(リソース)を稼ぎそれを使って活動するのが現代生産ゲームの面白さなわけだが、ブルゴーニュにはこれもない。銀は産出するがそれでタイルを買うだけだし(つまりサイの目と価値は同じ)、船による交易も単なるチップ移動のお使いで、ためて売ればポイント増加というだけのことでマネージメントといえるほどのものではない。

◆テーマ性

 まあ上記の空間デザインや資源管理要素は単に俺が好むものであって、それらがなくてもサイコロを振ってタイルを取り置くのは楽しい。しかしゲームを通してやってることは「タイルを取りやすくするタイル」「タイルを置きやすくするタイル」「タイルを追加で取れるタイル」「ボーナスをもらえるタイル」をいかに多く効率的に得るかを争っているだけで、自分が城やら村やらを構築しているとは感じられなかった。多種生産施設を自前に備え、工夫して生産し考えて消費して特色ある村を作るグレンモアのほうが、はるかにシーマティック(テーマ性がある)である。同種の家畜をまとめるとポイントが累算するところだけがハチエンダ的で楽しいと感じた。

 でダイスを振って調整して置くというメイン部分はゲーム半ばにしてルーティン化して新鮮味がなくなり、仕込み=プランニングが下手なビギナーはいいタイルがなくなる各フェイズの終盤やゲームの終わりには得点を増やす方法とモチベーションを失うというのがこのゲームへの俺の感想だな。普通にいいゲームだが、もし現在これより楽しいゲームが 15 個しかないなら、そりゃ困るよ。

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 これを書いてるときちょうど「ボードゲーム大学・第 1 回けがわさんをお迎えして」というポッドキャストを聞き、そこで「BoardGameGeek はウォーゲーム上がりの米ゲーマーの影響が強く、ダイスを使った重ゲーにランキングは偏っている、軽いゲームは軽視されている」と言われていた。やっぱりね。その「ダイスラブ&計算好き」という嗜好の中での軽いゲームとしてブルゴーニュは好まれてるのではないかと思う。

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 そんなこんなを考えていると、やっぱりグレンモアがより深化した方向に俺の理想のボードゲームはあるなーと思う。村での生活をより多彩にシミュレートしたいというか。ボードゲームでシムシティがやりたいのかもな。

 グレンモアの拡張タイルが出ないかなあとよく思うのだが、「ブルゴーニュからアイデアをもらえないか」と今考えてみたら、ブルゴーニュにあってグレンモアにないのは同種動物タイルを集めると積算するところだけだと結論が出た。『牧場タイルを作り、家畜を売らずにつがいで入れておけばターンごとに増える』というアグリコラぱくりアイデアをいま考えてみたが、そんなにむやみに増やしても売れないというバランスもグレンモアにはうまく仕込まれてるしな。

 あまり人気のないいくつかの城や土地タイルに、なにか新たなルール/機能を与えてグレンモアをリフレッシュできないか考えてみよう。うちの奥様Mは今のままでも大満足なのだが、俺はさすがに何十回もやって戦術的に出がらし化しているのである。バランスよく全体で点を取り、大物ボーナスキャッスルできれいに締めるMに違う戦術、思いもよらぬエキセントリックな戦術で勝ってみたい。

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■13/02/28(木) □ レスリング炎の最終戦
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┃ 萌レスリング ┃
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 1年の総決算である学区最終戦にして順位をつける二度目の公式戦。5校ほどの他校の生徒もこれまでにすでに見ているはずで、そんなにとんでもなく強い子はいないはずだが、やはり順位がつく公式戦と思うと心臓バクバクだそうで、萌は朝からナーバスになっていた。会場に着いてみるとチームメイトたちを応援する萌の顔が、やはりこわばって見える。

 試合が始まると萌は例によってアグレッシブで、相手よりスキルやスピードがあるようには見えないのだが力が強いのかもみ合ってマットに落ちるとたいていいい態勢を取れ、相手の背中にまわりポイントを取れる。グラウンドで優位なのは腕の筋力が強いのか、それにチーム全体が強いのでコーチの技術指導がいいんだろうな。

 1戦2戦とも似た展開で押し倒してポイント先行し、後半は盛り返されるのだが逃げ切っての勝利。でなんと俺たちが着く前にも1勝してたそうで、体重別の決勝戦に行くことになってしまった。げげげ。まじですか。

 ◇

頭をつけた押し相撲が娘のスタイル
相手は萌より1つ年上で背が高くボディバランスがいいスポーツ系。前の試合を見たがスキルも高い。これは勝ち目がないだろうなと思ったのだが、萌は意外や健闘する。萌の強さは俺には謎なのだが、戦闘スタイルとして常に先手を取ってガッと組んでいくので押し相撲になり、押した状態で崩れていくのでいつもいい体勢を取れるのだろう。この試合最初のポイントも押し倒し相手の背中をつけ萌が先取、すごい!

 しかしグラウンドのもみ合いでは相手のほうが相当にうまく、背後を取られポイントを返される。この子はやはり萌とはスキルレベルが違う。しかし萌も脚を取りしのいでそれ以上は抑え込まれずブレイク。


リフトから背面投げを食らいそうになるが

相手の腕を取りブリッジで押し
相手の背中をつけポイント奪取!

相手の美技・逆立ち逆ローリング
パッケージホールド!

ホームの応援団が総立ち!
スタンディングから脚を取られ場外でブレイク。続いてまた先手で脚を取られ、くるくる回転してこらえるもそこから投げられグラウンド腹ばいで背中を取られる。投げは決まらずノーポイント。脚を取り抑え込まれるのをしのぐ萌。萌はファイティングスタイル的に先手を取られること自体少ないので、この辺の間合い呼吸とも相手がやはり相当に格上なのだ。

 抑え込みに抵抗する萌を相手が背後からリフトで持ち上げようとする。あ、いかんいかんカレリンズ・リフトが決まってしまう……とビビるもこのリフトが決まらずノーポイント、その瞬間萌が相手の腕を取ったままカウンターで脚を踏ん張りブリッジ、腕が利かない相手はつっかえができず背中が床に付く! ポイント! やっ・た! すごい攻防だ!

 そのまま萌が背中にまわり相手を抑えこもうとするが、相手は萌を背負ったまま立ち上がり(!)、萌の脚を取って崩しながら前転して逆ローリングパッケージホールドみたいな感じで萌の背中をつけようとする。スゴイ! これはすでにプロレス! 面白い\(^-^)/! これがカウントされ相手にポイント。現時点でスコアはイーブンじゃないだろうか。しかしこの相手の子は本当に強い。力任せじゃなく、スマートかつクレバーなレスラーだ。

 そのまま相手が萌を抑え込みにかかる。萌は手をクラッチして耐えるが、そのクラッチが切られた。あーいかん! このままではピンフォール(背中をついた抑え込み)1本になってしまう。耐えろ! 相手の渾身の抑え込み、萌の応援ガールズがマットを叩き耐えろと絶叫する。厳しい。

 しかしピンフォールは無理と判断した相手が体勢を変え、その間に萌は腹ばいへと移行する。これで1本負けはなくなった、ブレイクまで耐えろ―――タイムアップ! ―――応援ガールズが全員両手を上げイェイと歓声。―――え? 勝ったの?! 勝ったんだ! 体重別地区チャンピオンです、萌サカータ!

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 萌は信じられないという表情で泣き出す。相手の子はあーあと少し時間があればというスポーツマンらしいサバサバした明るい表情。萌も俺も最後の抑え込みで逆転されたかと思ったのだが(柔道なら有効2本ずつで延長戦という感じ)、総ポイントは萌が上回っていたらしい。駆け寄ったチームメイトに抱き締められ感涙にむせぶ萌。こっれはえらいことになった。母Mも泣きながら階段を駆け下り萌を抱き締める。すごいぜ萌。あれほど強い相手に勝てたとは。

 あとからビデオで振り返ると、リフト崩れからカウンターのブリッジで相手の背中をつけた2点が大きかったのだろう。先取点とあの点で勝ち点は足り、あのうまい相手にそれ以上の点を取らせなかったわけだ。マグレ気味ではありもう一度やったら勝てないだろうが、あの相手に決勝点を取らせなかったのは本当にすごいよ。これはサッカー日本代表がWCで欧州強豪を倒すようなものですよ。12 月の公式戦では3戦全敗だったのに、ここまで戦えるようになるとは。なんということでしょう。

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 しかし萌がなにかで賞を取り感涙にむせぶシーンというのはいつか必ずあると強くイメージしていたが、まさかスポーツ、それも格闘技とは(笑)。最近目覚めたギターでものになるのだろうと思っていたが、ギターよりもレスリングで名を成すとは(笑)。

 まあとにかく怪我をしないで楽しんでくれ。レスリングスタイルも今の真っ向からガッツンは効果的ではあるが怪我のリスクが高いので、もう少し柔軟なスタイルに変わっていってほしいと思う。いやーとにかくおめでとうございました、驚いたよ私のムスメ。

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