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■13/12/12(木) □ 飛行機映画はコリア圧勝
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【マウイ行き】なんと1時間飛んでから「通信機材の故障」とかで飛行機が引き返した。まあ飛行機材故障じゃなくてよかったが、1時間かけて戻り飛行機内で1時間待機し部品を換え、再出発。都合3時間遅れである。着いたらすぐ晩飯にしようと考えていたのだが、昼過ぎから午前0時まで飯抜きとなるわけだ。果てしなく空腹でげんなり。
この低層民家群の屋上で友情と活劇が展開する(解説)
普段は愚か者を演じる主人公が夜スパイの本性を表し、ソウル(?)の民家の屋根をわたっていくシーンがカリオストロのように美しい。あんな低層の民家群は日本の都市にはもはやなくて、いい景色だなあと思う。役者陣も当然知らぬ人ばかりだが皆魅力がある。ボーイズラブ味も濃厚に入ってた。
もう1本の韓国映画【監視者たち】も、「隠密」ほど面白くはないがよくできたサスペンスであった。表情の堅い女優にアジアの魅力あり。俺は心情的にコリア製品をライバル視し軽んじたいところがあるのだが、韓国サッカー代表やこれらの映画を見るとやっぱ力があるなあと感じ入ってしまう。
徴兵があるせいなのか、韓国映画にはコンバット式に人を無機的に殺すシーンがやけに多く、趣味が悪い。そうしたグロへの鈍感さが韓国映画の欠点だと思う。あとドラマにも映画にも必ず「アメリカで成功する」という夢や言及があるのがビンボくさい(笑)。しかし機内の中国映画では3本とも悪役として日本人が抜擢されていたのだが、そういうのとはまるでクラスが違うなと思う。
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―――というかフライトシステムに3本入っていた日本映画はあれはなんだ。「謎解きはディナーのあとで」「真夏の方程式(ガリレオ)」「俺はまだ本気出してないだけ」。前2本の日本スターシステム映画を外国人が見るだろうか。日本人はあれを見てもらいたいだろうか。「監視者たち」の女優に比べたら、北川景子なんか 1/10 も魅力ないよ。
【俺はまだ本気出してないだけ】だけを俺は見たのだが、主人公に愛嬌を感じなければ明確に笑えるところもないぬるいコメディなわけで、それを感じるには堤真一に親しんでいなければならない。彼を知っている場合のみ、ただ怠惰な男の描写では終わらないだろうとどこかで信じ見ていられる。
オチがないのは日本映画の常道で俺はまあ楽しめたが、これを輸出しても仕方がないと思う。カナダの乗客がもし「隠密」とこれの両方を見たら、どっちを評価するかは明白である。かけられる予算が違うのは明白だが、「スターシステム」か「低予算小味」しか選択肢がない日本映画は弱い。小味で勝負するのはマンガでできる。映画ならば低予算でもちゃんと面白いストーリーで勝負してほしい。
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着いてレンタカーを借りスーパーで食べ物を買ってホテルに飛び込み食って寝た。お疲れ様。
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■13/12/13(金) □ コンデジ活躍
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朝7時に起きビーチを散歩、食材の買い出しに行く。俺と萌にはカメラ天国なのだが、俺は PEN E-PM1 につけるレンズに迷っている。
朝はズームは萌の TG-630(防水コンデジ)に任せて単焦点シグマ 19mm をつけて行ったのだが、画質はパーフェクトなものの画角がコントロールできないのがちょっとやはり、人と一緒に歩くリアルタイム撮影には難しい。ズームはほしいし換算 38mm は広大な景色を撮るにはやや狭い。暗くなると SIGMA のほうが絵は明らかに良くなるのだが明るければ大差ないし、午後出かけるときは MZ ズームでいこう。
TG の画質は予想以上に良い。濡れても大丈夫だというのはやはり海辺で最強で、波の打ち寄せる砂浜でローアングルで写真を楽しんだ。
今日は時差調整とあれこれ買い出しのみのスローな日となり、夕方ビーチに脚だけつかる。暗い中脚まで水に浸かり TG で撮ったのだが、素晴らしい絵になっていた。拡大 1.5 倍くらいまでならノイズも見えないだろう。これはいい買い物であった。これまでのところメイン機である PEN E-PM1 はまるでいい写真を生産していない(笑)。だがまあ観光はこれからだから。
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■13/12/14(日) □ 風景写真の難しさ
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15年ぶりのハレアカラへ。前回は寒くて大変だったのだが、好天に恵まれ海抜ゼロから富士山頂相当までのんびりと登っていくハレアカラ登山ドライブは最高であった。高低差 3000m である。
萌に TG-630 を持たせ、道中車内からガンガン写真とビデオを撮ってもらう。こないだ車内用に作った Aiko/イエモン CD が萌に大ヒットで、「Boyfriend」「ラブラブショー」をとわーと歌いながら気分よくドライブアップ。「ラブラブショーの頑張っちゃうもんねってなんかダサくない?」と萌。いやイエローモンキーはカッコいいのに軽薄なところがいいんだよ。「中央フリーウェイ」も入っている。中央フリーウェイ、右に見えるキヘイ湾。左はハレアカラ山。
しかし火口につくと、こういう絶景というのは写真の撮りようがないなと思った。どこからどのアングルで撮っても美しいので、どれがベストショットなのか全然わからない。撮影していて思うことは「こんな一生に何度かしか来れない絶景で露光や設定に失敗していたらエライことだ」というようなプレッシャーに近く、設定を変えながら何枚も同じものを撮ることになる。後悔をしないために写真を撮っているというか(RAW で撮ればカラー設定くらいは後から変えられるのだが、実際はオリンパスの現像ソフトが激重でやってられん)。
何枚も同じショットを撮っていると、俺が撮ってるこんな写真なんてパンフレットの写真と変わりないよなとやや虚しくもなってくる。カメラの達人はこんな絶景の中からも、さらに自分だけのアングルや光を汲み取るのだろうけども。
空気が薄くて歩くとハアハアになる中、Mは下まで行きたいと歩いて行った。俺と萌は頑張ってくださいといってその写真を撮る。クレーター内に降りていくこのM奥様の一連のショットはよかった。 やはり同行した人が入っていると自分にとっての意味が出る。こうしてあとから眺めると、2枚目なんかトレールのカーブがMたちとかぶらずきれいにフレームに収まっていればきっと気持ちよかっただろうと思うが、撮ってる時はそれにまるで気づかんのである。なぜだ(嘆。場数を踏むしかないのか。あとわざと近くのものを撮り背景をボカすとかそういう、何かを狙い能動的に撮ったものはおおと感じるけども。
いつも思いがけないいい写真を撮ってくれる萌画伯も、景勝を前にすると俺と同じアングルの写真しか撮れないようであった。しかしさすが画伯で、モノクロで何枚か撮ってくれており、これが変化となっていてよかった。とにもかくにも風景写真は構図が難しい。
帰路CD 曲が尽きるとラジオに切り替えたのだが、ハワイのラジオは選曲がいい。知らないバンドのいい感じの音楽がどんどん流れてくる。バンクーバーにはこんなセンスのいい局は1つもないぞ。ロック局は60代の青春懐メロとしてZep/フロイドのヒット曲を流すばかり。80 年代ロックすら流さないんだからな。
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夜、プールで初めて水中撮影のテストをした。こういう防水カメラはパッキンにゴミが付着したくらいで浸水してあっという間に死ぬと読んだのでけっこう緊張していたのだが、新品なので当然ながらまったく問題なし。
しかし水中でかっこよくポーズを取った写真を撮ろうという意図なのだが、何枚撮っても溺れ死にそうなアカン人にしか見えない。腹が痛い。