【女子W杯】なでしこオランダ戦見てまいりました。始まって5分でこれはスイスカメルーンより弱い、さあ行け現なでしこの攻撃力を見せてみろと声援し1点目は期待通りの美点だったのだが、その後は延々となでしこが後ろで回すので場内静まり返っていたよ。
相手FWはでかくて重いので、前を向いてドリブルで持ち込まれた止めようがないというのはたしかにあった。しかしこぼれ球がたまたま敵FWに渡るくらいしかそんなピンチはないんだから。だからなでしこDFはセンターサークル付近まで余裕で上がれてるのに、その割に誰も仕掛けない。
俺と娘の後ろのダッチおっさん軍団が「ホーラン! ホーラン!」と野太い声で吠えまくり、俺達はその裏で「ホーラン!(ジャパン!) ホーラン!(ジャパン!)」とか弱い声で叫んでたのだが、何事も起こらない時間が長かった。俺は攻めろと延々叫んでいたが、届かないむなしい叫び(笑)。
大野はもう惚れ惚れするほど相手DFに猛プレスをかけていた。交代時には手が痛くなるほど拍手したよ。大儀見もそう。しかしMF2枚が守備専門で、FWのプレスのフォローに上がっていかないのがじれったい。2点目を阪口が見事に決めたように、MFが絡んでこそなでしこの攻撃だろう。
帰りの電車で娘に話したのだが、カナダとやったときのオランダは強く見えたが、あれはやはりカナダがどうかしてた。スイス戦で覚醒し実力を取り戻したカナダはこのオランダより強い。ホームでのW杯という勢いもついてきたので英も撃破するだろう。日本は豪を破っても、準決勝でカナダには勝てないんじゃないかな。
娘は日本から来てた知らない子たちと一緒に、TVインタビューされてました(笑)。カナダのTVでは放映されなかったみたいだけど。
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ちなみに場内はオレンジ4日本3それ以外3くらいでオレンジ軍団のほうが多かった。日本応援は女性が多くオランダ応援はおっさんが多かったな。真後ろのオレンジおっさんたちと俺たちは笑顔を交換してました。
オランダおっさんたちはチャンスになると「ヤア…ヤア…ヤアア!! グート!!」と言っていた。俺にはオランダ語が完璧にわかったよ。あとお父さんはオレンジシャツにターバンで、娘は中村俊輔の青ユニフォームを着てるインド人親子がいた。どういう経緯でそういう格好になったかまったくわからない(笑)。
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【追記】昨夜帰ってから寝る前の高揚でばーっと書いたのでよくない試合みたいに書いてしまったが、なでしこ自体はグループ3戦よりずっとよくなっていた。左右からの攻撃の手数も、大野と大儀見の近距離での連携突破も格段に増えていた。日本が仕掛けていくときは速さも迫力もあり盛り上がった。
しかし日本が後ろで延々回す時間は場内はしーんとしていたし、これほど手が合い戦いやすい相手はこの先ないんだぞ、ここで攻められずどうすると俺は焦れていたわけ。後顧の憂い一切なく敵に鬼プレスをかけていく大野がとにかく素晴らしかった。「彼女を誇りに思うよね」と娘と話したよ。
「負けるならカナダに負けてほしいから、どっちも準決勝に行かないとね」と話すと、娘は日本に負けてほしくないと強く訴える。普段の生活態度は完全にカナダ人なのだが、日本人アイデンティティは俺が想像するよりずっと強いものらしい。学校でも事あるごとに日本推しをしてるそうだし。
試合前に晩飯を食べようとスタジアムの周りを巡ったのだが、どこの店に行っても「今日試合だね」と声をかけられ「ヤース絶対勝つ!」と俺と娘は大声で答えた。イエスのティーン版YAASはこういうバカ気分に合う。スターバックスの店員は日本語で話しかけ、娘の名前をひらがなで書いてくれたよ。俺は道端で日本の小旗を売るどこの国から来てるのか不明なオッサンに、「半値にしてくれ」と交渉して「ノーノーミスター」と断られました。ああお祭りだなあ、ワールドカップ。
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【追々記】翌日録画を娘と見た。スタジアムでは日蘭攻めあぐむ時間を長く感じたけれど、プレイのアップやリプレイが入るビデオで眺めているとまったくダレを感じないすね。リアルタイムで素晴らしいと思ったプレイはその妙味ががより精細にわかる。あの2点目岩渕がスルーしてたとは。素晴らしいな。
「私やっぱりなでしこはカナダに勝つと思うな!」と娘。たしかにこうして見直すとなでしこは素晴らしいね。相手が弱いんだからもっと点を取らねばと思ったけど、ここから先の強いチームを相手にしてもこれだけいいプレイをしてくれれば文句などない。この先どうかなあと現場ではやや悲観的に捉えていたけど、プレイのディテイルの良さを見てすげえなやれるかもと思えてきた。そうなればなでしこは4年前よりむしろ強くなってるといえる。
カナダの男性解説者は明らかになでしこサッカーの大ファンで、「まるでスペイン男子だよ、冗談じゃなくて本当に。バンクーバーの観客はラッキーだったね。海堀がヘマをしたところまでスペイン男子みたいだ」とカシージャスの古傷に塩を塗っておりました(笑)。
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