2023/03/17

【まとめ23年3月前半】ベランダの野鳥観察と手こね陶芸

「鳥たちがやってきた」「7年ぶりのひな祭り」「手こね陶芸が終了」「アカデミー賞エブエブ」ほか

■3月2日                鳥たちがやってきた

季節外れの雪でハミングバードが困っているという記事が地元新聞に出た。うちもフィーダーをずっと出してあるが、凍ってることが多い。 

ヒマワリの種を置いてるトレーも、雪が降ると凍ってしまう。そのたびに雪と水を捨てている。

しかしうちに餌があるとついに鳥たちに認識され、雪がやんだ今日はたくさんの鳥たちがやってきた。左のこいつがすごかったな、varied thrush ムナオビツグミ。スズメの2倍くらいある立派な鳥で、柄も美しい。ツグミと右の色のきれいなジュンコ(ユキヒメドリ)が、このあたりでは最も一般的な鳥みたい。 

自分がまいた餌に鳥たちが集まってくると、窓越しにそれを眺め興奮する猫ともども小躍りするくらいうれしい。餌が尽きたあとも、何度もチェックしにくるリピーターがいるのもかわいいなあ :-) 


■3月2日                   よく来る首相

トルドー首相がうちの町に来て、電気職人の組合員のような人々を相手に経済や気候変動対策について話をしたらしい。よく庶民に会いに来る首相だなと思う。去年も隣町に来ていた。

庶民とはただ儀礼的に会い、国情も知らずインボイス制度など押し付ける首相とはだいぶ違うんだろうな。


同じ町に20数年暮らしているが、バンクーバー近郊の住宅街でもけっこうマネーマネーと資本主義の波を感じる。町で愛された古くかわいらしい図書館(上)が、巨大モールみたいな地下駐車場を持つ殺風景な複合ビルに建て替えられてしまった。ここをハブにビジネスを展開するのが建て替えの目的だったのだ。

トルドーを呼んだりしてるのも、そうした地域経済の振興を打ち出すビジネス志向の市政方針と関係あるんじゃないかと思う。別に悪いことじゃないが、平凡だがかわいらしい郊外タウンが、平凡でビジネスライクな町になってきてるなあと残念に思わないでもない。

町一番だったあの図書館の桜も切られてしまった。あれは本当にもったいなかった。銘木を切るような市は阿呆である :-(


 ■3月3日                          軽自動車で旅をしたい

在日外国人が旅するNHK「ジャーニーズインジャパン」は外国人と旅することで得られる視点というものがあるのだろうか、はっとさせられる画がよく出てくる。厳島神社の後ろにこんな美しい山があるとは初めて知った。

錦帯橋とかも、行ってみたいが行けないだろうなあ。

むかし長野で暮らしたとき、カナダに戻る前の記念にと軽バンに寝袋を積み奥様と岐阜→石川→京都→大阪→四国を目指し出発したのだが、金沢でこれは距離的にとても無理と気がつき引き返してしまったのだった。中国四国はパリよりも遠い。 

長野の古い家で軽バンと暮らしたことはとても暖かな思い出となっていて、奥様がいまも日本旅行大好きなのはあの頃へのノスタルジーがあるからだと思う。今のセカンドカーが壊れたら軽バンを買おうと彼女は言っている。いやそりゃカワイイけど、カナダではメンテ部品が入手不可能…w

大学生くらいの若者が二人、年式新しめのスズキ・キャリィでブイーンと走っていった。古い軽トラは最近カナダでも見るけれど、すごいじゃん。楽しそう。若いって素晴らしい。また軽自動車で旅をしたい。 


■3月3日                        ベランダの野鳥観察

ベランダに鳥がやってくると、ピカがまずニャっと反応し窓に駆け寄るのでわかる。俺はカメラを手に取りそっと窓際へ移動し撮るわけです。しかし瞬時のフォーカスと高いシャッタースピードが必要で小鳥は難しい。1/800sでも止まらない。修行中。(Dark-eyed Junco, ユキヒメドリ、スズメ目ホオジロ科)

野鳥たちを観察していて気づくのは意外と暴食しないことで、ガツガツ一羽が完食することはなく、ササっと少量食べて去っていく。そして別な鳥がまたやってくる。お行儀がいい。しかしハミングバードはなかなか来ないなあ。数も少ないし、窓越しでも人影に気づくとぷいっといなくなってしまうのだ。

ロビン(コマドリ)は高い木の上からこちらを見ていた。ベランダに来るほど人馴れはしないのだろうか。しかしカッコいいね、目の周りのホワイト。抜群にクールだと思う。


■3月3日                    7年ぶりのひな祭り

今日がひな祭りだと昨夜気がついて、猫ピカがうちに来た頃から出してないおひな様たちを思い出した。娘と一緒に掃除しながら箱を開けてみると、ああそうだこのていねいな梱包とミニチュア感がまさにメイドインジャパン! 

お掃除セットまで入った、このこそばゆいほどの大切さが日本! たまらん。 そしておひな様たちがプハー! いったい何年ぶりなのどういうこと!? と深く息をする。すいませんソーリー。

しかしフルセット組むのはまた来年ねと、もう1セットある木彫りびなの方を取り出した。これは手間いらずで、すぐに飾れてすぐカワイイ。たしか日本のおばあちゃんのご友人が彫ってくれたんだよこれ。すばらしいよねこのボンボリ。カワイー。 


■3月4日                手こね陶芸おおづめ

【手こね陶芸】ラスト2クラス、俺は終盤もともと乏しい創造性が尽きて何を作ったらいいかわからず、コースターやら箸置きやらを作っていた。不毛な気がする。まあこんなものでも塗料が焼けたら釉薬マジックできれいになるだろう。娘のアブストラクト器たちが形も彩色もなかなかいい感じ。 


■3月5日                        3種類目の鳥

【本日の鳥さん】3種類めが現れた。スズメかなと思ったけれどよく見るとほんのり桜色で、お腹まで独特のパターンがある。――ハウスフィンチだ。たぶん間違いない、definitely maybe。スズメ目アトリ科。チカディーもジュンコもみんなスズメ目なので近親なのだろうが、みんな違ってみんないい。 


■3月6日                  地上の星はどこに

#SONGS 中島みゆき。「ヘッドライト・テールライト」を聞くと、あの番組がものづくり日本にエールを送っていたのが18年も前なのか、あれから日本は浮上しなかったなと寂しみを感じる。本当にいい歌なのだが。

中島みゆきは役者として映画に出てくるとコミカルだが、歌ってるときの演劇感はすごいなといつも思う。声の出し方も若い頃より説得力に重きを置く感じで、コンセプチュアルにすべてを研ぎ澄ましたのだろう。そして工藤静香が「自分はこんなにこやかには歌えない」と評す領域へと。

同世代のミュージシャンが去っていく昨今だが、中島みゆきの旅はまだ終わらなそうだなと「倶に」を聞いて思った。街角に立つ彼女に道行く人たちは気づかないが(あの70年代少女マンガな髪型で気づくだろ!w)、その歌声は力強い。桑田佳祐や中島みゆきの元気さは日本の宝だ。 

おりしも技術日本の国策ロケットが失敗してしまった。ここで「地上の星」がかかり、復活成ってほしい。ヘッドライト、テールライト、旅はまだ終わらない。


■3月11日                 手こね陶芸が終了

【手こね陶芸クラス】最終回。初日に作り、箸にも棒にもかからんと思い適当にカエルをくっつけ着色し前回焼いてもらった器とカボチャが、思いがけないほどいい風合いに仕上がっていた。七難隠す釉薬マジックが出た。 

地蔵は石っぽい質感に仕上げたいので、ガラス質の釉薬は使わず灰色に着色して焼きを入れることにする。というか奥様がそうするというので俺も真似をした。しかしこれがどういう色で焼けるのか俺たちはまったくわからない。来週以降に焼き上がる。

着色に確信が持てないのは、焼き上がりの色がどれもだいぶ予測と違うからである。


ブライトイエローにしたかった奥様のタワーは予想外の暗いベージュに焼けてしまい、形は見事なのだが気の毒に、彼女は落ち込んでいた。たぶん下地のレンガ模様に使った黒が陶土に残り、イエローの釉薬も思ったよりも数段弱かったのだろう。もう一度やれたらきっとイメージ通りにできるのだが…。経験を重ねる以外に学ぶ方法はない。

しかしロウソクが入ればこんなにきれいではないですか。ソープリティ! 彼女がイメージしたブライトイエローが、ふわっと戻ったかのようだよ。

アイデアが尽きた俺は好きなものの絵を描けといわれ「鮎川誠タイル」を作ってみたのだが、字も絵も下手すぎて情けない。色も全然思ったより薄く、色を重ねてクリアーの釉薬を塗ってみた。釉薬マジックで驚くほどキレイになってくれないかな。ムスメはファンキーな形のものに大胆な彩色をしていて、焼き上がりが楽しみだ。 

手こね陶芸は楽しかったが、難しかった。去年やったろくろは定形に向かい整えていく作業だから、ビギナーでも力の込め方などコツを掴めばモノを作れるのだが(ただし壁を薄くするのは神の技術なので、俺たちが作ったどんぶりは1つで2個分の重さがある)、手こねは無からなにかへと広げていく創造なので、造形インスピレーションが乏しい者には壁が高い。

難しかったが、しかし教室は楽しかった。クラスを重ねた後半は生徒同士も打ち解け、奥様や娘がよく他の生徒とお喋りしながら作業していた。俺たち家族はやっぱりアジア系の人たちに親近感を感じる。うちとアジア系だけがいまだ屋内でマスクをしているという共通点もあるし、カナダ生まれでもアジア系はどこか控えめなところにシンパシーを感じる。

(仲良くなったマスクの生徒さんの飾らなさがアジアっぽくてかわいい。真ん中が若い担当講師(ムスメ萌の大学友だち!)で、右はヘッドコーチの韓国人先生。この人がなぜか俺の名前を覚え気にかけてくれて、「トモ! 底を平たくしないとダメよ!」「トモ! 今日はなにを作ってるの?」とよく助言してくれた。)

趣味のクラスに来る人たちはやはりほとんどが女性で、みな物腰柔らかであった。英国東北ヨークシャーのうちの義母とはだいぶ違うソフトな英国訛りの方に出身を尋ねると、ロンドン南ブライトンの方だった。映画「さらば青春の光」だ、クイーンの「ブライトンロック」だ、今はサッカー三苫が活躍してるところだ。俺は「さらば青春の光」好きなんですと言おうかと思ったが、世代的に知らんだろうなとやめておきました。

クラスの最後、さようなら、きっとそのうちまたここで会うでしょうねと生徒や講師と笑顔を交わす。俺の頭の中はブライトンに引っ張られ、全然場面に合わない布袋寅泰「さらば青春の光」が鳴っておりました。

♪さらば青春の光/あの頃俺とお前は/傷つくのも恐れずに/ただ走り続けていた。 


■3月13日                   寅さんの功徳

渥美清のアドリブから出たギャグのようにすら聞こえた「労働者諸君!」もリリーの名ゼリフも、みんな山田洋次がしっかりと書いたものなんだなあと感じる山田洋次のインタビュー。 東洋経済「男はつらいよ」で想定外だった若者からの人気

「寅は現実にはいないんです。だから寅の物語は成立する」。――司馬遼太郎も寅さん映画を理解しないアメリカ人通訳に、よく似た逆説を話していたな。寅はいるのだと。 

そして遠藤周作が話したという、「晩年の寅」シナリオが切なくていい。御前様が「お前は愚かな男だけれど何の罪も犯してはいない」と言ってくれるという。山田洋次「寅さんの顔には功徳がある」。

■3月14日                普通人の独裁

NHKの世論調査では岸田内閣支持40%でついに不支持を上回ったそうだ。軍国化に増税ばかりで上がる要素がないだろ。安倍・スガさんと違い普通の人そうなのに冷酷だから、ビジネスライク/家業ライクな冷酷さだから岸田さんはキツイ。総理になったのは「政治家となったからには一番大きな権限ほしかったから」と学生に語ったそうだが、それ以外の目的が伺えない。国会では政治めんどくせえな感を発散している。

ぼくは岸田首相への忌避感(ニュースでもその声を聞きたくない)発動が体感でスガ首相のときよりも早くてw、それはKazさん指摘の通り個人の資質によるものですらなく、普通の人による独裁だからだなと思いました。通行人が猫を蹴るのを見てしまったようなイヤさが彼の政治にはある。

■3月14日 

#我らがパラダイス (終)全部見てたわけじゃないのだが、序列命の福田支配人の裏をかき小さな罪を重ねていく女医たちの明るさが楽しかった。これは日本の「パラサイト」だとHさんが言ってたが、終わり方も超ふわっとしていて、深刻なことはエンタメにしない、できないのが日本らしいのかもしれない。

■3月15日

@_kazuma0221 ぼくは日本旅行で軽いトラブルにあう系の夢をしょっちゅう見るんだけど、こないだは銭湯でおしっこしたいが人々が並んで座った洗い場の端でしなければならず、「これが日本のしきたりとはいえ…」と悩む夢を見ました。しきたりじゃねえよ何言ってるんだ俺w


■3月15日                       チカディーの勇気

いま近所の家が改築中でトンカントンカンうるさく、バードフィーダーの鳥たちも来なくなってしまったのだが、そんな中でもときどきやって来るチカディーの果敢さとキレイさに感動する。保護されたサンクチュアリでは人の手からでも種を食べてくれる、あの勇気だな。 


■3月15日

パン屋に行くとレジのお姉さんが、外は晴れてる? と聞く。いやー降ったり晴れたりですねー。カナダのお店は会話があるところがいい。


■3月15日                 アカデミー賞エブエブ

#エブエブ のハズバンドがたった今オスカー取ったよ」「イエーイ!」となってます我が家。スピーチも泣ける。

エブエブは2度見たが、ぼのぼの氏同様映画館では支離滅裂さと長さに疲れていた。配信で日本語字幕版を見ても印象は変わらず書くほどの感想はないが、とにかくあの二人が好きという映画だった。二人のアカデミー個人賞受賞できれいなハッピーエンドだったなと思う。 

「エブエブ」の作品賞は、他の映画を知らないのでなんともいえない。家族がもう一度見るなら俺もジョインして見るだろう。気に入ったシーンはいくつもあるし(犬攻撃がよかったw)、二度見てもわからなかったところが解けすっきりすると思う。

娘が中学の頃、学校行事を見に行ったりするとムスメのお父さんカワイイと娘フレンズにからかわれたのだが、ヒョロさとクールさが続々入れ替わるキー・ホイ・クァンの活躍と彼へのアカデミー賞オベーションは、そういうアジアおじさんの味が一般に認められた感があってうれしかった。


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