2023/05/22

【2023日本旅行】④東京編:トモサカタ来日記念ライブ2023


「渋谷ブレードランナー」「ジャパン体験回転寿司」「国立博物館は東洋館がスゴイ」ほか

■2023-04-24           浅草へ


京都の旅を終えいま新幹線の上。長距離JRに乗るたび荷物の置き場に苦労する。トランク置き場が足りんのだ。東海道新幹線は連結部に数個分しかないうえに、ロックされていたら空いていても使えない(写真左。あとで知ったがトランク付き特別乗車券! の予約が必要なのだった)。特急しなのは自席足元に置くしかない。長野北陸新幹線だけは車両内にスペースがあり足りたが(写真右)。

今日一本先のひかりでは大荷物の外国人旅行者グループが、なかなか全員乗れず慌てふためいていた。インバウンドでお金を落としてもらうことが今や国策で、景気良さげ映像としてTVでそればかり見せてるのだから(滞在中ほぼ毎日見てる気がする)、大型トランクに対応してくれよ日本の大動脈。京都→東京がわずか2時間で行ける時代にリニアとか作ってる場合じゃないだろ、日本を快適にする金の使いどころはどこなんだって話です。

京都駅北口のJR(西日本)改札では(JR東海の)新幹線の切符が買えないという問題もあった。北口にその旨明記すらしてくれない。日本は旅行すれば面白いが、こうした落とし穴がそこここにあり旅行はしづらい国だと思う。
交通費で手持ち現金を減らさないようJRの予約割引サービスをいろいろ検討したが、海外からの旅行者(日本国内の電話番号とICカードを持たない)がメールとクレジットカードだけで使えるのは、結局「えきねっと」だけだった。これは安くはならないが、出発前に混み具合を確認して席を確保し支払い、駅ではQRコードスキャンだけで即切符が発行できるのでとても便利だった。ただしJR東日本のアカウントなので、京都駅北口では使えないのである :-(

 ◇   ◇   ◇

ともあれ、本日からは浅草をベースに東京観光。浅草寺の真横というロケーション重視で取ったホテルの部屋が激狭くてショックだったのだが、本当に宿から30秒でこの景色だったので俺たちは笑った。これが宿の裏庭なんだから、狭さへの不満もあらかた吹き飛んだ。

浅草は人混みが嫌いな奥様とその父を昔連れてきたときはほぼほぼ無反応だったのだが、若いカナダ人と来るときゃーきゃー盛り上がる。やっぱり楽しいよね仲見世。こんなに喜んでもらえると、引率教師冥利に尽きる。

夜は自由行動とした。ガールズは夜の浅草をたっぷりと散歩し満喫したようである。バンクーバーに比べたら東京の夜は安全で、独り歩きも怖くないと言っていた。


■2023-04-25                渋谷ブレードランナー

【東京2日め】娘たちをアニメの殿堂中野ブロードウェイに連れて行った。ここも外国人が多い。特にジブリものが売ってる店は多かった。俺たちにとってももやはりジブリ映画のセル画に何百万という値がついて売られている店がインパクト強い(その他のアニメは知らないので)。

その店で俺は廉価なセル画束の中にこれを見つけ、娘に押され買ってしまった。名作「赤毛のアン」の母マリラ・カスバートですよ!  まさか俺がアニメグッズを買う日が来るとはw このシーン覚えてるよ、アンの起こしたトラブル解決のためマリラが馬車に乗っているシーン。このキャラクターデザインは宮崎駿なはず(あとで調べたら弟子筋の近藤喜文だった)。

そして姪に頼まれ渋谷交差点に行く。外国人はこんな交差点のどこが面白いのかと俺は毎度思うのだが、今回全スクリーンに同じ広告が出るのを見て初めて、四方八方から映像と音の刺激が飛び込んできて飽和するsensory overload(感覚過負荷)の快感を感じた。やっぱりすごいなこのブレードランナー感。この狂った未来感(笑)。ガールズが盛り上がって交差点を渡っていく。そのポーズとその顔!w はは。

俺たちはハチ公前にしばらく座って、自分たち多くの旅行者と騒音が織りなすこの狂騒とブレードランナー感を浴び堪能しました。It's so crazy! 

 

浅草に戻るため銀座線へと向かう。工事中の階段ばかりでなかなかホームにたどり着けない。「これは岡本太郎という大画家の大作だぞリアクションして!」と注文すると、娘らはさっと踊ってくれた。俺たちは渋谷に酔っている。It's so crazy。

 ◇   ◇   ◇

そして浅草の一つ手前のかっぱ橋で降りて、姪がほしい包丁を探しながらゆっくりと浅草に向かい歩く。仕事で包丁を使う姪は、かなりいい和包丁を自分用とみやげ用に3本も爆買いした。

俺も東寺で堺直次郎包丁を買えなかったのでもし身分相応のものがあれば買おうと思っていたが、やはり料理人として自己肯定感の低い俺に相応のものなど包丁専門店に売ってるわけもない。あとから思えば、カメラのレンズ1本分くらいの値段なら思い切って買うべきであった。残念。


■2023-04-25                ジャパン体験回転寿司

ホテルで休んでいた奥様も合流し、夜はジャパン体験の一つとして回転寿司に行ってみたのだが、寿司ネタには英語の説明などないので、ブース横を高速で通過する10秒ほどの間に俺が英訳し続けねばならず、食う暇がないw 回転寿司ってこんなにビジーなのかとまあ、すごい体験でした。

しかし寿司コンテナの開け方も会計の方法も分からない。「食べ終わった皿を入れろ」というスロットがあるが、そこにゴミとか箸とか一緒に入れちゃアカンだろうという直感的抵抗がある。結局いちいち人を呼んで聞く必要があり(外国人対応用の外国人店員が来た)、日本は暗黙の了解が多いなとここでも思った。

日本人はフタを開けるコツを知り、あの皿を入れるスロット自体がカウンターで会計機そのものなのだとジャパン寿司システムを知ってるのだろうが、そう書いてないんだから俺=旅行者にはわからない。そういうお客が知りたいことを記載し各席に常備できる便利な紙のメニューというお客安心ツールも、もう日本にはないのである。

奥様も同感なのだが、日本はITが快適さを落とし、便利になっていないと旅をしていて思う。飲食店もそう、新幹線トランクもそう、ICカード専用ゲートしかなく紙切符じゃ出られないハチ公口正面改札もそうだ。

しかし食うだけ食って一人千円というのは予想以上の安さであった。寿司としては倍払ってもっとうまいものを食ったほうが明らかにいいが、薄切り焼肉の寿司などもあってどれもちゃんとうまく、つまりこれは外国人みんな大好きコンビニおにぎりの寿司版だと思う。知識のない旅行者にとってはうまいものを探すこと自体の負荷が高く、そこですがるお手軽コンビニおにぎりが安くてちゃんとおいしいというカインドさが日本旅行の人気の秘密なのだ。その寿司版を体験できたのは俺としても興味深くてよかった。

食後浅草六区の繁華街で買い物もして、いい気分で浅草寺を横切り帰る。こうしてどこも歩行者天国になってる浅草は散策が楽しい。いいなあ、楽しいわ。

浅草六区はかっぱ橋から歩いて帰ったときに偶然通り、おおここを歩けば楽しいなと家族を連れて行ったのだが、知らなければ行かなかった。浅草観光をググっても六区を歩けというサジェストは出てこなかったと思う。

俺に観光の才能がないのもあるが、日本語の観光ガイドは日本を歩く楽しみをあまり伝えてくれないように思う。京都で歩いた白河筋は奥様の英語祇園ガイドで発見したし、奈良の観光ガイドも英語ツーリストが書いたものがベストだった。やはり「地球の歩き方」以来の伝統が海外旅行ガイドにはあるのかもしれない。


■2023-04-26                国立博物館は東洋館がスゴイ


東京国立博物館。日本館より東洋館のほうがスゴイw 中国さすが。負けた。


(日本の博物館は工芸品がやはり見事。手に取りたくなるものを作らせると日本人は天才。)

東京国立博物館は期待して行ったのだが、本館はいつもの日本のミュージアムだなという感じだった。掛け軸がたくさん並び、小物と工芸品が美しい日本の博物館の最高峰というか。工芸品の最高峰である刀剣コレクションにはさすがに感じ入ったが、俺が知るようなその他の有名な所蔵品もあまり出ていなかった。


日中文化財を見ると、漢字が美しいなあと思う
しかし次に入った東洋館がすごかった。中国仏像デカくて近い! 大きな石仏や石碑がたちが、博物館の所蔵品なのにろくに保護もされず(笑)ドンと置かれ、触れるくらいの距離でジカに見られるのだ。日本の文化財のほうが価値は高いのだろうが、巨大で精緻なものをジカに鑑賞する快感にはかなわない。




南アジア方面のブッダは目が大きく彫りが深いのだと知る。ガンダーラ美術、タイのガネーシャ、面白い面白い。

日本館の展示をガラス越しに正面から撮っても写真はつまらんのだが(俺が撮った刀の写真なんかクソつまらなくて、1枚もキープしなかった・笑)、この距離なら細部が撮れて、写真を撮るのも楽しいのだ。

そして2階に上がったところで目に入ったこのエジプトからの訪問者には電撃が走った。ゲーム「トゥームレイダー」にも出てきたあの有名な石像が、横たわるミイラと共に目の前にあるんですよ。東京でこの距離で3千数百年も前のライオンレディたちと会えるとは。快感…。大きさも古さも近さも、そりゃ興奮の東洋館でした。

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しかしこんなに忙しく観光していながら、俺は明日はライブなんである。博物館後のカフェで家族全員まったりしながら俺は、ギターを弾きたい、練習したいと焦れていた。

■2023-04-28               トモサカタ来日記念ライブ2023

東京最後の夜、こたびもバンド友がたくさん集まってくれ、いい演奏をしてくれた。すばらしい夜でした。俺が昨日までただの観光客だったゆえリハもないぶっつけ本番でありながら、ちょっとこれはすごいと思う会心の瞬間がたくさんあった。

サイケデリックな太陽の下山アキラちゃんにベースを弾いてもらい、俺のリクエストで昔のバンド・アブストの「お前は亡命者」をやったのが個人的ハイライトだった。Voイージマとサイケ戸田康司がツインで歌う。燃えた。

「赤の広場に別れを告げて、コカコーラにあこがれて
トゥシューズのかかとを踏みつつ、国を飛び出した
お前はお前は亡命者」

自由を求めて外に飛び出すバレリーナや戦闘機パイロットがいたソ連時代のほうが、今の「お前」よりもわかりやすかったよというやりきれない気持ちがあり、俺はこの曲を演奏したくなったのだ。

そして最後に、ほんとにやるの、あんなハードな曲やれるのと思いながら、俺たちに栄光と数々のバンド友をもたらしレコードにもなった「パレスチナの憤り」のイントロを弾く。会場のあちこちからキャーと悲鳴が上がった。ドラマーも年下のサポートギタリストも(本物だ!)と鳥肌立ったそう。イージマが歌いまくる。今もお前はこの歌を歌えるのか、すごいな。

駆けつけたかつてのファンたちが燃えていた。友だちのカメラマンがその瞬間を撮ってくれていた。ロック雑誌グラビアそのものの光景がそこで起きていた。

一緒に歌い踊りまくるムスメ、よかったわねえダーリンと微笑む奥様。燃え尽きました。


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