「渋谷ブレードランナー」「ジャパン体験回転寿司」「国立博物館は東洋館がスゴイ」ほか
交通費で手持ち現金を減らさないようJRの予約割引サービスをいろいろ検討したが、海外からの旅行者(日本国内の電話番号とICカードを持たない)がメールとクレジットカードだけで使えるのは、結局「えきねっと」だけだった。これは安くはならないが、出発前に混み具合を確認して席を確保し支払い、駅ではQRコードスキャンだけで即切符が発行できるのでとても便利だった。ただしJR東日本のアカウントなので、京都駅北口では使えないのである :-(
ともあれ、本日からは浅草をベースに東京観光。浅草寺の真横というロケーション重視で取ったホテルの部屋が激狭くてショックだったのだが、本当に宿から30秒でこの景色だったので俺たちは笑った。これが宿の裏庭なんだから、狭さへの不満もあらかた吹き飛んだ。
浅草は人混みが嫌いな奥様とその父を昔連れてきたときはほぼほぼ無反応だったのだが、若いカナダ人と来るときゃーきゃー盛り上がる。やっぱり楽しいよね仲見世。こんなに喜んでもらえると、引率教師冥利に尽きる。
夜は自由行動とした。ガールズは夜の浅草をたっぷりと散歩し満喫したようである。バンクーバーに比べたら東京の夜は安全で、独り歩きも怖くないと言っていた。
■2023-04-25 渋谷ブレードランナー
【東京2日め】娘たちをアニメの殿堂中野ブロードウェイに連れて行った。ここも外国人が多い。特にジブリものが売ってる店は多かった。俺たちにとってももやはりジブリ映画のセル画に何百万という値がついて売られている店がインパクト強い(その他のアニメは知らないので)。
その店で俺は廉価なセル画束の中にこれを見つけ、娘に押され買ってしまった。名作「赤毛のアン」の母マリラ・カスバートですよ! まさか俺がアニメグッズを買う日が来るとはw このシーン覚えてるよ、アンの起こしたトラブル解決のためマリラが馬車に乗っているシーン。このキャラクターデザインは宮崎駿なはず(あとで調べたら弟子筋の近藤喜文だった)。
俺たちはハチ公前にしばらく座って、自分たち多くの旅行者と騒音が織りなすこの狂騒とブレードランナー感を浴び堪能しました。It's so crazy!
浅草に戻るため銀座線へと向かう。工事中の階段ばかりでなかなかホームにたどり着けない。「これは岡本太郎という大画家の大作だぞリアクションして!」と注文すると、娘らはさっと踊ってくれた。俺たちは渋谷に酔っている。It's so crazy。
◇ ◇ ◇
そして浅草の一つ手前のかっぱ橋で降りて、姪がほしい包丁を探しながらゆっくりと浅草に向かい歩く。仕事で包丁を使う姪は、かなりいい和包丁を自分用とみやげ用に3本も爆買いした。■2023-04-25 ジャパン体験回転寿司
ホテルで休んでいた奥様も合流し、夜はジャパン体験の一つとして回転寿司に行ってみたのだが、寿司ネタには英語の説明などないので、ブース横を高速で通過する10秒ほどの間に俺が英訳し続けねばならず、食う暇がないw 回転寿司ってこんなにビジーなのかとまあ、すごい体験でした。
しかし寿司コンテナの開け方も会計の方法も分からない。「食べ終わった皿を入れろ」というスロットがあるが、そこにゴミとか箸とか一緒に入れちゃアカンだろうという直感的抵抗がある。結局いちいち人を呼んで聞く必要があり(外国人対応用の外国人店員が来た)、日本は暗黙の了解が多いなとここでも思った。
日本人はフタを開けるコツを知り、あの皿を入れるスロット自体がカウンターで会計機そのものなのだとジャパン寿司システムを知ってるのだろうが、そう書いてないんだから俺=旅行者にはわからない。そういうお客が知りたいことを記載し各席に常備できる便利な紙のメニューというお客安心ツールも、もう日本にはないのである。
奥様も同感なのだが、日本はITが快適さを落とし、便利になっていないと旅をしていて思う。飲食店もそう、新幹線トランクもそう、ICカード専用ゲートしかなく紙切符じゃ出られないハチ公口正面改札もそうだ。
しかし食うだけ食って一人千円というのは予想以上の安さであった。寿司としては倍払ってもっとうまいものを食ったほうが明らかにいいが、薄切り焼肉の寿司などもあってどれもちゃんとうまく、つまりこれは外国人みんな大好きコンビニおにぎりの寿司版だと思う。知識のない旅行者にとってはうまいものを探すこと自体の負荷が高く、そこですがるお手軽コンビニおにぎりが安くてちゃんとおいしいというカインドさが日本旅行の人気の秘密なのだ。その寿司版を体験できたのは俺としても興味深くてよかった。
食後浅草六区の繁華街で買い物もして、いい気分で浅草寺を横切り帰る。こうしてどこも歩行者天国になってる浅草は散策が楽しい。いいなあ、楽しいわ。
浅草六区はかっぱ橋から歩いて帰ったときに偶然通り、おおここを歩けば楽しいなと家族を連れて行ったのだが、知らなければ行かなかった。浅草観光をググっても六区を歩けというサジェストは出てこなかったと思う。
俺に観光の才能がないのもあるが、日本語の観光ガイドは日本を歩く楽しみをあまり伝えてくれないように思う。京都で歩いた白河筋は奥様の英語祇園ガイドで発見したし、奈良の観光ガイドも英語ツーリストが書いたものがベストだった。やはり「地球の歩き方」以来の伝統が海外旅行ガイドにはあるのかもしれない。
(日本の博物館は工芸品がやはり見事。手に取りたくなるものを作らせると日本人は天才。)
東京国立博物館は期待して行ったのだが、本館はいつもの日本のミュージアムだなという感じだった。掛け軸がたくさん並び、小物と工芸品が美しい日本の博物館の最高峰というか。工芸品の最高峰である刀剣コレクションにはさすがに感じ入ったが、俺が知るようなその他の有名な所蔵品もあまり出ていなかった。
日中文化財を見ると、漢字が美しいなあと思う |
■2023-04-28 トモサカタ来日記念ライブ2023
東京最後の夜、こたびもバンド友がたくさん集まってくれ、いい演奏をしてくれた。すばらしい夜でした。俺が昨日までただの観光客だったゆえリハもないぶっつけ本番でありながら、ちょっとこれはすごいと思う会心の瞬間がたくさんあった。
サイケデリックな太陽の下山アキラちゃんにベースを弾いてもらい、俺のリクエストで昔のバンド・アブストの「お前は亡命者」をやったのが個人的ハイライトだった。Voイージマとサイケ戸田康司がツインで歌う。燃えた。
「赤の広場に別れを告げて、コカコーラにあこがれてトゥシューズのかかとを踏みつつ、国を飛び出したお前はお前は亡命者」
自由を求めて外に飛び出すバレリーナや戦闘機パイロットがいたソ連時代のほうが、今の「お前」よりもわかりやすかったよというやりきれない気持ちがあり、俺はこの曲を演奏したくなったのだ。
そして最後に、ほんとにやるの、あんなハードな曲やれるのと思いながら、俺たちに栄光と数々のバンド友をもたらしレコードにもなった「パレスチナの憤り」のイントロを弾く。会場のあちこちからキャーと悲鳴が上がった。ドラマーも年下のサポートギタリストも(本物だ!)と鳥肌立ったそう。イージマが歌いまくる。今もお前はこの歌を歌えるのか、すごいな。
駆けつけたかつてのファンたちが燃えていた。友だちのカメラマンがその瞬間を撮ってくれていた。ロック雑誌グラビアそのものの光景がそこで起きていた。
一緒に歌い踊りまくるムスメ、よかったわねえダーリンと微笑む奥様。燃え尽きました。
0 件のコメント:
コメントを投稿