そこまで行くバスがそもそも俺たち来日観光客のせいで激混みで、これがバスにも乗れんと市民が嘆くオーバーツーリズムかと実感した。
あまりの混みように清水の舞台もただただ早く雑踏を抜けたいとしか感じず、→
→谷の反対側まできてやっと息をつき、きれいだねとなった。やれやれである。ふー。清水は遠くにあって思うものなのかもしれない。修学旅行シーズンでもあるしな。
裏手に降りていくとこういう鄙びた景色が楽しめ、やっぱりいいね京都となるのだが。
激混みはつらいがしかし、修学旅行の子供たちはかわいくて仕方がない。この制服に着られている感じ、リュックに背負わされている感じがほんとにかわいい。ムスメとも話すのだが、日本の中高生はほんとうに子供らしいと思う。カナダのティーンは自我が強くもっと自由でもあるが、年相応より大人ぶって無理してるとも思うのだ。
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晩飯は姪の希望でホテルに勧められた烏丸通りのラーメン屋だったが、ここもタッチパネルメニューだった。俺はしばし画面を眺め「注文の仕方がわかりません」と、俺たちをぼーーーっと待ってる2人の店員を呼び説明してもらった。俺は技術好き新しモノ好きだが、ネットでも社会でもデキの悪いシステムに煩わされるのはイヤなのだ。
日本の経営者というか『IT化』はホントどうかしてると思いますよ。席でメニューを眺める客の楽しみを削ぎ、注文を取る1分ほどの労力を省きなんになるのだ。これで浮かせた人件費がシステム屋に流れ、一体なんのトクがあるというのだ。まったく。
そして味は、この程度のラーメン屋に地元客も来るのか、知っていればもっといい店あんだろフツーにという程度だった。
しかしこれほどどこも混んでるとなると、明日からの名所観光をどうしたらと途方に暮れる思いがするな。行かないわけにもいかないわけで。
■2023-04-21 お稲荷さんワンダーランド伏見稲荷
【京都2日め】昨日の激混み清水寺の教訓と地元K氏のアドバイスを生かし、今日は混む前の朝イチで伏見稲荷に駆けつけた。すばらしかった。ファンタスティックでした。ぼーっとなるようなあの美しい鳥居は、山のあちこちに散在するお稲荷さんワンダーランドをつなぐトンネルだったのね。
ウグイスの声に包まれウットリと鳥居を抜け登っていくと、模型のように緻密に作り込まれた小さなお社の集合のようなものが要所要所に現れるというお山なのだ。
小さなお社ステーションが現れるたびになんとカワイイのかと魅了されてしまう。他にふさわしい言葉が見つからない。階段とミニ神社が複雑な地形に組み込まれた作り込みに、千と千尋の湯屋フィーリングがある。
いったいこの先はどうなってるのと複雑な地形を楽しみつつ、木漏れ日に誘われ進むと、
池?! 池があんじゃん! こんな高いところに池! 感動の池!
いやーすごいところだ伏見稲荷。千本鳥居の美景神社というだけじゃなかったのだ。
全国から寄せられた何万もの鳥居が、山じゅうの窪地や坂やヘコミに工夫をこらして組み込まれ、尽きることのないスペクタクルを形作っているのである。こんなところは見たことがない。
キツネと狛犬と猫がいる区画もあるし、竹やぶの崖もあるし、本当にワンダーランドですよ。すごい。午後の予定もあったので山頂までは行かず引き返したが、また何度も来てみたいワンダーランドであった。
今日も広角レンズをつけていって正解で、心地いいものに包まれる感覚が撮れて楽しかった。ピントがハズレた写真ですら愛おしい😊
■2023-04-21 東寺弘法市から消えたもの
そのまま午後は東寺の弘法市へ。10年前に来て最高だったこの市にくるために日付を合わせたのだ。前回は8月だったので気候的に死ぬる思いだったが、今回は暑すぎずさらに最高でした。
娘と姪は珍しいものやガラクタをガンガン買っている。奥様はみやげ用に帯などを探す。
お昼は屋台の広島焼きを池っぱたで座って食べる。最高。なんて気持ちいいお祭りなのサイコー。
俺たち夫婦には目当ての店があった。啖呵売の包丁売り堺直次郎である。11年前にここで買った2本の包丁はサイズと使い心地が最高で、10年間うちのメイン包丁として活躍し今も研げばばっちり切れるのだが、木の柄がボロボロになりもう使えないのだ。ぜひ買い替えたい。しかし場内を2周しても見つからない。
まな板を売ってるおばちゃんがいたので尋ねてみると、「ああ堺はんやめはったで。健康上の理由かなあ」と引退が判明した。2年くらい前に見た弘法市のTVでも元気にやってたのに、これはショックだった。
お金を出せばいい包丁は手に入るが、俺たちがビビビと運命を感じ買いその予感は正しかったあの2本の安くてラブリーな包丁は、もう手に入らないのか。俺は思いがけないほどに、ガックリきた。
■2023-04-22 娘とのぶらり散歩
【京都3日め】本日は土曜の昼時に大渋滞の錦市場に行ってしまうという、オーバーツーリズム京都での失敗を繰り返してしまった。混んでるに決まってるではないか俺よ。錦市場の狭いアーケードは、人が通れないほどぎっしりと詰まっていた。飯屋も当然どこも長い行列で、まったくうまいものが食えず落ち込んだ。京都に来て1勝2敗、俺はだめなツアー引率者だ。
午前中の祇園散歩と、奥様の希望でチケットを取ってあった「都をどり」はみな楽しめたのだけれど。(京都でわがLUMIX GX7mk2はほんと最高の色が出ている。カナダにはあまりない朱色の発色が素晴らしいカメラだったんだな。)
「都をどり」は演舞中写真を撮れないので説明し難いのだが、右のいい声おばちゃん三味線隊、左の若き笛と太鼓隊からステレオのいい音で聞こえてくる謡いに合わせ、舞妓たちが舞い踊る。その可憐さがやはり尊い。娘は感動していた。
演目は正直昔見たときのほうがよかった。いわゆる舞妓と呼ばれる年齢層の子が足りず、20歳以上が多い。この業界も時代ゆえ人材不足なんだろう。そこを中高年のベテラン芸妓のソロ演目で補うという感じのプログラムだったが、アイドルグループの公演にベテラン歌手の見せ場を加えても盛り上がりはしないわけである。俺は芸能アイドルに興味はないが、舞妓ってやはり若さを愛でるアイドルなんだなと思いながら見ていた。
しかし舞台装置が25年分進化していたのは驚きであった。昔は書割が左右にはけて入れ替わるだけだったが、大きな構築物のある舞台セットが何種類も出てきて、舞台袖がどういう仕組みになってるのか不思議なほどだった。あれは誰もが驚くと思う。
あと+千円で参加したお茶会は遠くから舞妓を見るだけで時間の無駄であった。せめて近くで写真を撮らせてほしい。演舞中は撮れないので、写真を撮る価値があるポイントはこの2つだけだった(笑)。
錦市場の大渋滞にハマる失敗の午後、俺ムスメ、奥様姪の二手に分かれてしばらく行動した。俺が引率ストレスで落ち込んでるのがよくないと娘に言われる。すまん。日本旅行ではやはり言葉の役割分担上、こうなってしまうんだよ。
娘と新京極、河原町をノープランで歩くのは楽しかった。「そういえば昔バンドのツアーで京都のライブハウス拾得で演奏してね。けっこうウケたんで気を良くして、よーしと河原町に繰り出し京都の女の子たちとディスコへ行こうとマネージャがナンパしたんだよ。で東京弁気持ち悪いって言われて」「アハハ!」
「まったくダメだとなって、バンドの男たち全員鴨川の土手で、しばらくぼーっとしていたなー。ライブハウスでは客数十人とはいえスターだったのになあって感じ」「アハハー!」
娘は京都がたいへん気に入ったそうで、一人でも鴨川を散歩していた。オーバーツーリズムの混雑は旅行客としてすまないけど、にぎやかかつ静かで東京都心より人の気配もゆるやかで、山も見えていい町だよね。
■2023-04-23 壮大なる奈良
参道にいても、この超然として無表情なところが神秘的で、やっぱり神様の使いなのカナーってw
京都奈良では、こういうところをカメラ持って歩く喜びよと毎日思っていた。俺のLUMIXマイクロ4/3が、iPhoneじゃ出ない色と深みを描いてくれる。
さらにテクテク歩いて東大寺二月堂。うわーここもすごいな!
本堂が下方に見える二月堂の絶景は、清水寺を上回る。こんな寺があることすら知らなかったのにすごい。
二月堂の裏の光と、無料休憩所の静かで優しい風景。いやーやっぱり日本っていいな、観光客が無数に集結していなければねと思う(笑)。
そして東大寺大仏殿は、近寄るのが怖いほどの建物であった。驚異としか言いようがない。マーベラス。
奈良は壮大だった。グランデだったのだった。旅は明日から東京へと続きます。
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