2009/10/03

日記「カナダの九九問題」

「ロック親父苦悩」「英語式九九」「相撲と格闘技」ほか。

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■09/09/22(火) □ ロック親父苦悩
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 萌のカーCDを久々に作り、彼女が最近がっぷりはまっているティーンポップのうち俺が聞いて耐えられるものに昔のダンスポップみたいのを加えて入れてみたのだが、バナナラマ「Cruel Summer」をかけてるときに、「お父さん、本当に悪いんだけど、私もうそういう昔の音楽は聴きたくないの。なんか、スローだし」と言われてしまった。がくー。俺だって特に好きでバナナラマを入れたわけじゃないのだが。

 これは現代ポップ以外は聴きたくないという萌のオフィシャルな表明である。まあ仕方がないので、「お父さんはああいうの(ティーンポップ)は我慢できんから、これからは萌のためのカーCDは作らんよ。ああいうのはCDプレイヤーでヘッドフォンで聴きなさい」という。

 じゃあ「Boom Boom Pow (Black Eyed Peas)」というのを入れてと、Youtube で俺に聞かせる。これがあまりにもひどいのでもうほんとにがっくりきた。車にスーパーウーファを積んで周り中の車の窓まで奮わせる馬鹿が鳴らすようなアレである。

 「萌さ、これは音楽ですらないノイズだよ。こんなものを聞いてたら頭がバカになるよ。いくらなんでもこれはダメなり」と諭す。「でも学校でみんな歌ってるんだよ!」。これはもう、カナダの小学校にいる限りクソポップ音楽からは逃れられないということなんだろう。もちろん日本の小学校にいればクソJPOPに俺は同じくらい悩まされるだろうが。

 萌には小さい頃から日英ロック・ポップの古典をさんざ聞かせてきたのだが、この夏9歳にして音楽趣味はガタガタっと俗化してしまった。結局「音楽趣味のいい子供」なんてのはあり得ないんだろうな。子供は社会性の生き物で、友達が好きなものはすべて好きになってしまい、それはTVに出てくる高刺激性のものなのだ。最近萌が集中力ないのも、実はこの脳と耳神経を破壊する Boom Boom 嗜好と関係あるのかもなと思えてきた。

 Mにこの俺のロック親父苦悩を話すと、親がどうしようと子供はポップにはまる時期があるのよ、いずれまたいい音楽がわかるわよとのこと。それはそうなんですが。とほほ。

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■09/09/23(水) □ カナダの九九問題
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 萌の風邪が治り明日から学校に戻るのに、週末の宿題が終わってないことにMが気づき、目を通していて萌が掛け算を忘れていると判明してやり直しをさせる。英語には九九がないので大変なのは知っていたが、Mの教え方が 3、6、9、12...と答えだけ暗誦させるというものなので、後であのさあと話をする。3x5 の答えを出すのに 3、6、9、12、15 とやっていては遅くて実用にならんではないか。これがカナダ式なのかね?

 Mは自分はこうして覚えたが、なにが萌にベストな方法かなんてわからない、文句があるならどうしたらいいのか言ってくれという。―――いや、日本じゃ「九九」という表があって歌みたいに覚えるんだが、萌が掛け算を始めた去年紹介しても食いついてこなかったのだよ。英語で覚えてるところに日本語の九九を入れても混乱するっていって。

 するとMは数字は万国共通で混乱などせんと九九導入を命じ、明日から俺が九九係となってしまった。日本の皆が思うとおり九九が本当に優れているのか、頑張って証明せねばならない。

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 しかしカナダではグレード4からは学業がそれまでとは桁違いの厳しさとなるな。これまで宿題ほぼゼロだったのだが、いきなり1時間以上もかかるものになるとは。ヘルプしてやりたいのだが、フレンチエマージョンだと半分以上は設問もフレンチなので、親も意味がわからずお手上げだ。

 俺が子供の頃、こんなに遊びに支障が出るほど宿題なんかなかったぞ。カナダでも日本でもこの宿題の嵐は近年のことなのだそうだが、これじゃ子供が学校嫌い....にはならんだろうが課題嫌いになりそうだし、この宿題量に加えて九九と漢字練習なんて酷でやらせられん。学校はこうだし、音楽その他の趣味は完全にTVに操作されてしまうようになり、この夏を境に萌の生活は激変している。萌はハッピーなままだが俺はあんまりうれしくないのである。

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■09/09/24(木) □ 英語式九九
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 夜、萌に九九を教えようとしてみる。しかし萌は半端ながらも英語ですでに覚えているので、「さざんが?」と聞いても「(3 times 3 is....) 九!」と英語で考えて答えてしまう。九九のメリットは語呂をよくして口で覚えることにあるわけで、これではまるで意味なし。余計な手間が増えるだけである。

 それではと、「Three times Three is Nine」じゃリズムが悪すぎて口が回らない、発音に集中しないとちゃんと言えないからそっちにブレインパワーが使われ答えが覚えられないんだよと説明し、九九は発音が超簡単だから覚えやすいのだとメリットを教え、「Three Three is Nine」と times を省略させることにした。times をスキップすれば語呂が飛躍的によくなる。萌がはまっているヒップホップ風に、

「♪Three Three is Nine, oh yeah, don't you know, Three Four is Twelve, oh yeah, can't you see?」

といったバカ節を作り歌うこともできる。この英語式九九で覚えてくれ。

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■09/09/26(土) □ 相撲と格闘技
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 萌がスーパーショートヘアにカット。かわいいといえばかわいいが、前はナチュラルにかわいかったのが作為的にかわいくなったわけで、なんか無用なことだと思う。まあそれがファッションというものか。ロングヘアが似合うかわいい女の子はみんなショートヘアにする傾向があるといえる。

 萌がヘアカットしている間CTでキャンプ用具を見る。この冬親戚揃ってハワイに行くという話があるのだが、そんな金を使うなら日本に置いてきてしまったすべてのキャンプ用品を買い直し、コット(キャンプ用ベッド)なども揃え豪華快適なキャンプ旅行が5年はできるんではないかと考えてしまう。海外旅行やらホテル滞在やらで金が瞬時に消費されていくのは悲しい。

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 大相撲千秋楽、白鵬が負け単独首位になったあたりから「てめえらふざけんなよ、俺を誰だと思ってるんだ」的な気を発散し、ピークは過ぎても大関陣の2倍は強いというところを見せまくっていた朝青龍が、これまた怪我(?)があっても地力に加え技術の切れもすさまじくなってきた白鵬とすごい相撲を取り優勝。前回の優勝決定戦同様、自分の力を相手よりも下と覚悟して白鵬の力を封じ切った朝青龍もすごければ、一度も有利な体勢を取れないのに押し出されず残し、朝青龍の体をこじり起こし体勢を入れ替えようとした白鵬もすごかった。

 しかし解説の2人が、「白鵬が勝ってほしい、稽古してない朝青龍が勝ったら相撲がダメになる」みたいなアンチ朝青龍論を毎場所連呼していて、つくづく辟易させられる。あんたたちが相撲のしきたりをどれほど愛そうと勝手だが、格闘技の面白さ、アスリートの輝きを見る喜び、天才同士の戦いを味わえる幸運を味わっているその瞬間に、リアルタイムでケチをつけないでもらいたい。相撲を見ているのはしきたり愛好者だけではないのである。

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■09/09/28(月) □ 近所の火事!
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 寒い一日だった。朝は外で息が白く、室温も終日20度から上がらずじまい。もうじきヒーターもキックインするだろう。

 水槽は朝18度だったが、アカヒレとイモリにはまったく問題ないようである。イモリ2匹は動きがないので寒そうに見えるのだが、これはもともとこうだからどう感じているのかまったくわからない。

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 夜、消防車がうちのブロックにウイーと入ってきて、窓から見ると1ブロック向こうの家が燃えている。オーマイゴ。木の向こう側にチラチラと見える炎がどんどん大きく明るくなっていく。早く早く、早く火を消してやってくれ、気の毒すぎる!

 じりじりしていると3分ほど経ってようやく放水が始まり、するとみるみるうちに火が消えていった。残ったのは膨大な煙のみ。はー、よかったー。あれほど簡単に消えたところを見ると、燃えていたのはガレージかなにかだったのだろう。うちからはかなり遠いのでほとんど煙さは感じないが、近所数件はひどいことになっていそうだ。

 火事は恐ろしい。恐怖と興奮で涙を浮かべる萌と、今日燃えたのは多分ガレージで、ガレージにあるものなんて全部お金で買い直すことができるからいいけれど、家が燃えたら最悪だよねと話す。火事が起きたら何を持ち出すか。まず全員分のPC。アルバム。各種書類。ビデオ.....と考え始めると、やはり家の中で金で取り返しがつくものなんてほとんど何もない。家事は本当に恐ろしい。

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■09/09/30(水) □ DSで学習
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 買い出しとみなの送迎で一日が過ぎる。萌がやっと宿題のペースをつかんだようで、今日はすでに学校で終えていた。もともとクラスでやる課題の残りを宿題として持って帰らされているのだそうで、授業のほうに萌のペースが合ってきたのだろう。

 萌の宿題苦労や授業の様子などをMが新しい先生に尋ねたところ、意外や萌は授業中しっかり集中してやってるそうである。家では最近集中力皆無で、いろんな場面で俺はうんざりさせらているのだが、学校では違うのね。疑ってすまなかった。

 おかげでようやく時間ができたので、ここんとこご無沙汰になっていたDSの「漢字なぞって」と掛け算30マスをやらせる。答え合わせがリアルタイムのDSペン学習はテンポがいいので気持ちよく、時間が無駄にならなくていい。漢字はすでに大半を忘れていそうな2年生レベルをやらせてるのだが、思い出せない字もヒントとしてヘンとかツクリを書いてやると萌もやはりおぼろげに形は覚えており、それ風な字を書く。「漢字なぞって」は判定エンジンがすばらしくユルいので、かなり崩れた「それ風な字」でも正解としてくれモチベーションが上がる。コンピュータに読める程度の字なら逆に人間は文脈も合わせ強力に類推できるわけで、漢字力としては実用に近いものが萌の身についているともいえる。

 30マス掛け算はまだ完璧ではないが、70% 台から 80% 台へと正解率が上がっている。毎日の繰り返しでじっくりと 100% を目指そう。

2 件のコメント:

  1. はじめまして。
    趣味で九九の練習をするプログラムを作っています。DSのものにはおよびもしないと思いますが、よかったら使ってみてください。
    http://www.geocities.jp/kuku_drill/

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  2. ありがとうございます、参考にさせていただきます。やっぱり九九は日本語でやるのが最強ですね。

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