2009/10/23

日記「非仏教的体験」

「メロディ・フェア」「ホームページ引っ越し」ほか。

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■09/10/18(日) □ 非仏教的体験
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 Mが昔から興味のある仏教のメディテーションクラスに萌を連れて行くというので、どんなものかと興味があり俺も参加した。インドっぽい曼陀羅が飾られた祭壇で、日本の仏教とだいぶ違う儀式様式は面白いのだが、先生は一般の、それもかなり初心者に近い信者のようで、あまり言葉に重みは感じられない。

 お釈迦様に水と米(白い砂利)を備えてから、仏教とは何か、釈迦とはどういう人なのかみたいなこの宗派の子供向け教本を先生が読んだのだが、この内容がなんかすごく非仏教的であった。釈迦は世界を愛で救う素晴らしい方であり、どんな存在よりも愛の力が強く云々.....。こんな釈迦崇拝思想なんて、これまで聞いたことがない。外に出てから、「なんかこれはキリスト教の教義のジーザスをシャカに変えただけじゃないの」とMにいうと、「(そうよねえ!)」と小声で強く同意する。

 ここは子供向け瞑想レッスンがあるということでわざわざバンクーバーまで来たのだが、呼吸法やら心の持っていきかたみたいな技術系の話は何も出ず、萌も俺たちもただ座って静かに目をつぶっているだけで、得るものなくレッスンは時間は終わってしまった。

 別室の大人のメディテーションルームではチャントをやっていたのだが、これには西洋音階がついている。お経っぽい韻律を西洋人がつけやすくするためなのだろうが、西洋音階なので賛美歌に聞こえてしまう。歌詞カードを見ながら聞いていたのだが、この歌詞もやはり世界人類が平和でありますように、お釈迦様は祈っていますみたいな内容で、ほんとに賛美歌みたいであった。

 「仏教というのは、自己を研鑽し欲望を克服してより高い存在になるみたいな思想だと思うのだが」「それがゼン仏教よね、私もそういうのを期待したのよ。ここはだいぶ違うわねー」ということで、興味深くはあったが非常に非仏教的体験だったのです。

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 続いてインドのお祭り、バンクーバー・ディワリ・フェスティバルへ。ディワリなんて聞いたことがなかったのだが、インド最大のお祭りで、チャイニーズニューイヤーのようなものらしい(※)。バンクーバーの市長がお祝いを述べに来ており首相の電報まで入っていたので、インド系人口が多いBCではそれなりの行事なのだろう。
(※)後で調べて知ったが、ヒンドゥ教の神の帰還を祝うお祭りだそうです。

 あまりうまくない屋台のインドカレーを食べながら催し物を見る。シタールを持ったインド楽団が最初に出てきたのでおおと興奮するも、シタール奏者だけなぜか白人女性で、彼女が下手なのかまったくマイクで音を拾ってなくて聞こえなかった。残念。

しかしタブラというインドのボンゴが最高で、これを生で聞けただけでも快感であった。左手でドスっとバスドラ的にリズムを入れ、右手は全部の指を使いタッタカタッタカと細かいリズムを刻み、立ち上がりの鋭い音で素晴らしいリズムが出る。おー気持ちいい。

 しかし楽器の音色は最高だが、歌は例のあの他世界から隔絶した独特なインド歌謡で、どう聴いても他国人には面白いとは思えないエグく単調なメロディなので、1曲聴けばもうたくさんという気分になってしまう。俺だったらシタールをもっと強調しタブラをタッタカ鳴らして「Paint It Black」でもやって盛り上げるけどなあなどと考えつつ、2曲で飽きて萌とともに場内を散歩した。

フェスティバルが行われたラウンドハウスというこの建物は、昔の鉄道車庫を改装したコミュニティセンターで、機関車を回転させるアレがそのまま残っており、車庫はそのままホールとなり、汽車も1両保存されているなかなか鉄道的にすごいところだった。こういうところが残ってるんだから、やっぱり都会はすごいな。

 その後インディアンダンスが何人も出ていたが、トラディショナルな民族舞踊というものもやはりさほど面白いものではない。日本舞踊と同程度の興味しか感じない。音楽はなんでもライブで見れば楽器の音が気持ちいいので気持ちが高ぶるが、ダンスはよほどよくないと俺は興味を保てないようである。

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■09/10/21(水) □ メロディ・フェア
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 萌が二度目のランチタイム・モニターをする(昼食どき、上級生が先生の代わりに下級生のクラスを監督すること)。下級生に命令を下すというポジションに高揚したWL小僧がえばるのを、ちょっとあんたエバらないでよといさめてやさしいお姉さんとなっているらしい。

WLとASが喧嘩しているときに萌が無視され腹を立て、「まるで私が目に入らないのよ!」だとか言ってたのだが、今日その話をしたら好きなALに「僕の目はいつだって君を見ているよ」といわれたという。―――くー! なんちうスイートでいい奴なんだあいつは。この子はこないだも萌に、「僕は学校が好きさ。君に会えたからね」などと言ったそうである。萌はもうドギマギになり、「なにそれ、何を言ってるのかよくわかんない」などというおばかな応答しかできなかったそうだ。頭の中でビージーズの「メロディ・フェア」が鳴りそうなかわいさである。


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■09/10/23(金) □ ホームページ引っ越し
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 クボの「共犯新聞」サーバーのアカウントが削除されてしまった件をヘルプしていて、96年から13年にわたり存続してきた Geocities 上のわが古文集積サイトも10月末で廃止されることが判明し、朝いっぱいかけて引っ越しをした。リンク直しがほぼすべての作業でけっこう大変だったが、すっきりである。tomosakata.hp2.jp、短く気分のいい URL が取れてうれしい。

 あそこに置いてあった書き物は古くは93年からのものがあり、今読むとけっこうイタイ(パーソナルすぎて人に見せる価値がない)ものも多い。徐々に整理していこう。

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