「ヘッドフォンがバカ売れする世の中」「コルトは良作」「ミニ陣取り「八分帝国」
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■14/12/17(水) □ ヘッドフォンがバカ売れする世の中
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萌のクリスマスプレゼントにいいヘッドフォンを頼まれてショップに見に行くと、どこの量販店もヘッドフォンだけで3列も棚がある。あーそうかキッズに売れ筋の商品なんだ。しかし高級品 BOSE と中堅 SONY、パナ、JVC ら日本メーカーを除くと、ほかはどれも聞いたこともないメーカーばかり。
ヒップホップのアイテムとして「スカルキャンディ」というのが人気なのは薄々気づいていたが、聞いたこともない新興メーカーも $300 なんて超高級品を出している。こんなんが売れるのなら、日本お家芸のオーディオメーカーも頑張っていればヘッドフォン=おしゃれの波をキャッチできてたかもなー。俺はカナダに来るときにオンキョーの MD デッキを買い手持ちのレコードを録音して持ってきたのだが、あれが日本製音響機器メーカーが世界の先端にいた最後だったと思う。
でもサンスイ、電音、オンキヨーといったかつての日本音響メーカーはおしゃれ感は皆無だったから、ヘッドフォン=クールという時代の波には乗れなかったか…と思ったら、Amazon にオーディオテクニカ、電音、オンキヨーのヘッドフォンはある。頑張ってるんだ。サンスイは見つからないなー。
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■14/12/25(木) □ コルトエクスプレスonクリスマス
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クリスマスにすばらしきジャーマンクオリティのボードゲーム「コルトエクスプレス」をいただいた。ゲームの舞台となるトレインが超かわいい。1台1台の内装が違う。カーテンや壁紙まで描き分けられている。ジャーマンクオリティの工作精度でバリも皆無で、非常に美しく仕上がる。組み立てた状態できれいに箱に収まる。鉄道ラバーにも喜ばれそうなクオリティ。
夜のパーティでさっそくプレイ。もらった当日で1人でテストプレイするヒマがなかったためルールが曖昧なのだが、パーティゲームなので今日やるしかない。
ゲーム内容としては客車から客車へと飛び回り、宝を盗みお互いに妨害するというもの。その仕組みが意外や複雑で、ドミニオンのようなデッキを持ち、そこから6枚の手札を取り1ラウンドにつき4~5枚のアクションカード(写真右から横移動、縦移動、足元の宝獲得、銃で敵の邪魔など)を使い自分のコマの行動を設定し、ラウンド終了時に全員の行動を一気に実行してくんずほぐれつの絡み合いを楽しむという構造になっている。見た目はかわいいのだが、手順は見た目よりずっとゲーマー臭いのだ。実際やってみるとあーなるほどとすぐわかるのだが、言葉ではデッキーゲームの概念を説明しようがなく苦労する。
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とにかく1ラウンド回して自分が何をやってるのかが分かると、皆なるほどと攻撃や宝探しを楽しんでくれた。ゲーム内容はちゃんと面白い。パンチと銃撃というゲーム中の2つの華がちっとも当たらない(笑)。宝を取りに行くと単純な作業でさえも、みな慣れていないので変な方向に進んでしまったりしてカオスな追いかけっことなる。笑ってしまう。面白い。
奥様は「これは慣れたらもっと面白いわね」とコメント。ゲーマーの姪はうまいこと立ちまわっていたが意外に盗品の金額が伸びずくやし顔。同種のゲームである Bang! のほうがもっと簡単であるというようなコメント。デッキゲームとしての手順の煩雑さは序盤にライトゲーマーの気分をかなり削ぐと思うが、とにかく1ラウンド回せばわかってもらえ、そこを乗り越えれば誰もが楽しめると思う。
説明書が例によってわかりにくいので、アクションの効果、各人の能力などのサマリーが必要だな。家で1人でテストプレイする時間があったらもっとうまく行ったと思う。ボードゲームを手に入れた当日にルールを読んだだけで回すのは難しい。
萌のクリスマスプレゼント詰め合わせのうち俺が担当したのは耳がすっぽり隠れるかっこいいヘッドフォンだったのだが、本日開封した彼女が楽しんでるのを俺も聞かせてもらうと、ベースがめっちゃ出ており高音が足りない。徹底して北米ヒップホップ若者向けにチューニングが行われていているらしい。
信号待ちで周りの車の窓ガラスやミラーまで震えるほど「ブ ー ン!!」ってバカ低音というか低周波を鳴らしてる奴がたまにいるけど、そういう感じの音。同製品のユーザーレビューによれば、しばらく鳴らし運転するともっと高音が出てくるらしい。そうなると最高だとのこと。なるほど。
でPerfumeを聴いてた娘が「いい音になってきた」というので試しに俺もZepを聴いてみると、ボンゾのバスドラがめっちゃ聞こえる。今までこんなにはっきりと聞こえたことがないとびっくりするくらいGood Times Bad Timesのバタタ・バタタ・バタタ・バタタ三連バスドラが聞こえる。
それでいて音は全然割れてなくて、まるで別バランスで新たにミックスダウンしたZepみたいな音になっていて、オリジナルとは全然違うがこれはこれで癖になりそうなほど気持ちよかったです。
このヘッドフォンの購入に合わせたのかこないだからZepを聴き始めた娘のお気に入りZepナンバーは、「アキレス・ラストスタンド」だってさみんな、メリークリスマス。♪ダダダダ・ダダダダ・ダダダダ・ダッダッ、ダダダダ・ダダダダ・ダダダダ・ダッダッ!
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■14/12/26(金) □ コルトは良作
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【コルト】1人プレイでルールを把握し直し(やはり何箇所もルールを見落としており、それを適用するとより一層面白い)、最近ボドゲ嫌いな萌を強制参加させ家族3人でテストプレイ。二度目なので手順が最適化されテキパキと進む。やる気なさげに始めた萌も1ラウンド終了時には基本を把握し、2ラウンド目からは「ここにいるはずだからここで…パンチ」と読みと仕掛けを楽しんでくれた。
後から発動する「仕掛け」を作り敵をはめようとするこのゲームメカニクスは、BoardGameGeek でアクションプログラミングと分類されている。なるほど。4~5ターン先までの泥棒・妨害行動をプログラムし、仕掛けられた4ターン分全員の動向を一気に実行させて眺めるというゲームなので、自分がどこへ行き宝を取るかをまず考える。すると敵がどこに移動したかなどまあ覚えてないというのがこのゲームの美点で、誰もが「このへんに敵がいるだろう」とパンチをプログラムしては実行時に空振ってしまう。目論見通りなら宝を取れるはずが、偶然やってきた保安官に捕まり屋根の上に飛ばされてしまったり。プログラム時も実行時もニヤニヤが絶えない。当たっても外れても実に楽しい。
3人戦ではわずかに絡みが薄くはあるが、4人戦よりカオスが減り、銃やパンチがわりとよく当たる。最後は宝が残った客車に全員が吸い寄せられていき乱闘になって笑った。保安官を誘い出し空になった機関車に忍び込み1000ドルをゲットした時は我ながらしびれた :-) あれを2人で争うような展開になれば盛り上がるだろう。俺は手番を待ちワクワクしている。この感じは久しぶり。MK 家でやってるアメリカンゲームでは得られないこの感じ。
結果パンチで小銭を奪い銃でトップを取った萌の勝利。Mは宝をあまり取れなかったが銃撃王ボーナスで2位に食い込んだ。萌はゲームを強制されたこと自体に不愉快な態度を見せていたが(――なんなのかねあの心理って、勉強や家事は強制されても別に怒らんのに、遊びや TV を強制されるとひどい顔をする――)ゲーム自体は投げやりにならずプレイしていたので、ネガティブに始めても面白さがしみてしまういいゲームなのだ。
「こないだはよくわからなかったけど、このゲームはいいわね」とMも楽しんでくれた。いいよね。ルールは口で説明するとややこしいが1ラウンド回せばデッキゲーム未経験者でも一発でわかる。ダウンタイムがほぼゼロで皆が没頭でき、3p戦なら20分くらいで終わる。序盤のデッキ処理の説明しづらさと最後の金額計算の煩雑さ(金袋の金額がバラバラで結構端数が出るので暗算しづらい)以外は、非常に優れたパーティゲームだと思います。★★★★★ ★★★
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うちのゲームグループを主催する甥 MK は多忙ゆえ自力でゲームの調査はせず、ショップで勧められたものを買っている。この店の主力商品がアメコミ古書なので、自然ゲームもアメリカン寄りになる。姪の SF も同様らしく、アメコミテーマのゲームをやたらと持ってくる。近年彼らが買ったゲームで俺がやってて面白いなあと思ったものは正直あまりない。できるだけ強力な攻撃カードを手に入れできるだけ多くの回数それを使用するというような大味なゲームばかりに思える。おおまかに言うと「グー+1」や「チョキ+2」といったカードでもってジャンケンをしてるようなゲーム性をどれも備えている。
MK 家では「King of Tokyo」がしばらくの間ヒットしていたが、あれはあっという間に体力を削られ死んで脱落するところが爽快で、その短さが秀逸ではあってもゲーム性自体は薄いと思っていた。コルトは同じように軽く速いプレイ感で各自が思ったことを最後までやれ、より面白いメカニクスとインタラクションを備えている。敵に「チョキ+2」で直接ダメージを与えるより、大金の詰まったトランクを狙いに行った敵に保安官を送りつけ阻止しようと試みるほうが遊びとしてずっと面白い。
MとSFはコマの扱いが難しい 3D トレインがよくない、ボードにすべきだったと言っているが、そうしたらかわいくはないので誰も買わないだろう。雰囲気を楽しむためにこうしてるわけなので、多少面倒でもこっちのほうが楽しいのである。それを言ったら高価なフィギュアと 3D カードボードを使う TRPG なんてみんな無意味で、平面のマスと数値シートだけでやればいいということになってしまうしね。
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■14/12/28(日) □ ミニ陣取り「八分帝国」
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クリスマスボドゲ②ミニ陣取り「八分帝国」もテストしてみた。コマを置いて動かして優勢地区を取り合う。「え? これだけ?」とまず思う。実はネットでやれるボードゲーム陣取りはどれをやってもあまり面白いと思わないのだが、これも同じか…と最初は思った。
陣取りで味気なく思うタイプは、努力してある地区で優勢を取っても《確定》せず流動的で税収その他の《メリット》がない、つまり純粋陣取り的なもの。どの地区を取りたいというモチベーションが湧いてこない。最後まで確定しない押したり引いたりは綱引きのようで、処理が煩雑だと徒労感を覚える。
陣取りで「確定とメリット」があるのは俺が弱いけど大好きな「ハチエンダ」で、これは運と戦略を活かして立ち回ればある地域の市場を独占し、そこに連なる自分の家畜群から大きな利益を得ることができる。その利益で土地や家畜を買い足し、貯水池を買うなど拡大再生産していける。
拡大再生産しない陣取りなら簡単なほど俺はいいのでこのミニ「八分帝国」に期待したのだが、最初は簡単なだけで他の非拡大陣取りと同じだと思った。簡単なだけで面白くはないじゃん。
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これだけかよと驚いて有名ゲーム Youtuber の解説を見てみると、「新しい兵はスタートシティと《自分のシティ》に置ける」というルールを見落としていた。この一文でそうかとわかった。このシティ1つでゲームはがらりと変わる。頑張って兵を進めた辺境にちょっと無理してシティを築けば、以後は兵を母国からではなくその辺境市に直接送り領地を拡大できる。そこに「確定とメリット」があり、モチベーションが生まれる。こんな小さな地図でもどこにシティを築くかという地形に意味がある。これはいける。これでいきなり面白くなった。これはいいわ。こんなに小さく手順が簡単でやれることは「エルグランデ」と同じ。やった :-)。
わかったところでMに紹介。1戦目が終わった瞬間「これはいい!」と奥様歓喜し即2戦目へ。考えるゲームがお好きなので、陣取りゲームの楽しい悩ましさを超簡単な手順に抽出し考え込めるこのミニ陣取りはクリーンヒットだ。ここ数ヶ月は「中世の建築士たち」が定番だったのだが、世代交代です。
うちにはワレスの陣取り「Disc World」があるのだが、いちいちテキストを読んで選択肢を選びコマを動かすテキスト稼働型で、クソめんどくさくて一度しかプレイされていない(このゲーム一つでワレスはよくできたクソゲーを作るという印象)。エルグランデでさえ俺はアイコン解読と多種効果の記憶・メリット判定が面倒で一度しかやらなかった。その記憶、メリット判定のめんどくささを完璧に除去し、陣取りの面白さだけを抽出している。ボードゲームにおける「メリット判定」とはつまるところ暗算なわけで、それは明解で少ないほど俺は助かる。八分の選択肢は位置と数と移動方法だけで(そのメリットと金額を比較することになる)、これ以上はできないくらい選択肢は明解である。スバラシイ。★★★★★ ★★★
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