2025/11/09

【2025日本旅行の思い出】③国分寺崖線サイクリング・旧関東村と府中基地を巡る

25/10/28(火) □ 【日本旅行の思い出】③国分寺崖線サイクリング

単身東京長期滞在は結婚後初めてだったので、今回はカナダ移住直前まで廃墟の警備員として常駐した『旧米軍調布関東村基地跡』『府中基地跡』をぜひ訪問したいと思っていた。宿が小金井で地図を見て、自転車で行けるではないかと気がついた。

 そこで武蔵野自転車乗りのマコリン氏にその旨伝えると、野川沿いに調布を目指し、府中から帰ろうという完璧なサイクルプランを立ててくれた。武蔵小金井の俺の宿のすぐ南が多摩から世田谷まで続く国分寺崖線(がいせん)で、野川は崖からの湧き水を集め流れているのだった。知らなかった。

 






彼のそういうブラタモリ的ガイドを受けながら、国分寺崖線の坂を降りるところからサイクル旅は始まった。うっひゃーと笑ってしまいましたよ。

「マコリンこれはすごいよ、最高だー!」「ハハハ」。そして野川沿いの平和極まる散歩道を走る。こんな道を走れるのは地元ガイド付きならではだ。幸せだ。 pic.x.com/I7KdtwzQC3



ここは野川洪水時の遊水地かな。いやートーキョー自転車うれしすぎて俺の顔がバカだなーw 「ハハハここはいいよねえ」と物腰柔らかなジェントルマンなのだマコリンは。

野川沿いは美しい樹木が多く、崖と林が迫る崖線ならではの景色があって見飽きない。ここは東大の馬術部馬場だって。こんな校舎から離れた飛び地に乗馬部があるのか。

「いやーすごいな。東京にもこんないいところがあるんだと奥様に見せてやりたいよ」。OLYMPUS 30mmMacroの写りも最高だ。 pic.x.com/V9JmB7Vkpd



カフェでコーヒーをいただいたあと、このあたり一帯を見渡すならここでしょうと、飛行場突端の丘に案内される。――おー! 見えた。味の素スタジアムと東京外語大。俺の旧領地がこういうふうに分割統治されてるわけね。いやーお前たち立派になったな! よくやった! pic.x.com/Y6MVBIC6xf

この飛行場の反対側で、俺は警備員として94年まで働いていたのである。後ろに見える格納庫がカフェのあたりだろう。外語大には光芒が差し、トモさんこっちですといざなっている。領主の帰還がうれしいのだろう。わかるぞ。 pic.x.com/3uoaqBNLHM

外語大の北端に大きな桜の木がある窪地があった。――あ…これは昔からある桜だね。俺は桜の季節はいつも警備犬ビコとこのフェンス際を歩き、誰にも邪魔されない二人だけの花見を楽しんだんだよ。ここだきっと。間違いない。この木たちは全部残っていたんだ。じーん。 pic.x.com/MCyDKDpIti

そしてあの廃墟と林が今は、見違えるような立派なキャンパスに。世界各国から来てるらしき賢い学生さんたちが歩いている。うーんそうかそうか、こうなったか。しっかり勉強し国際貢献してくださいね。うちのイトコが君たちの先輩だよ。そして私と犬のビコがかつて、この土地を守り抜いたのですよ。 pic.x.com/i6fQ240lma

◇   ◇   ◇

調布基地から府中基地へ(続き)

かつての警備巡回経路を府中基地へと走る。多磨霊園前には昭和そのもののツバメ自転車修理店が今もあった。

俺は電動自転車をレンタルしたのだが、充電不良で野川沿いで早々に電池が枯渇し、重い電動車をパワーオフでここまで延々15キロ漕いでいる。平地とはいえけっこうキツイ。充電したい。(※後日ハローサイクルに高額な電動分を返すべきではと苦情をいうと、200円だけ返金された。200円て😔)  pic.x.com/0OqGlrpRxZ

疲れを感じやや寡黙になりながら走っていくと、――あった。府中基地の電波塔だ。鉄条網とツタと育ちすぎた草花の、あの頃と何の変わりもないランドスケープ! pic.x.com/DY14VqtwjK

府中基地はあの頃94年とまったく変わらないな。あの電波塔は俺の現役時はまだ自衛隊が使っていて、二重の囲いがあり警備員も入れなかったんだよ。 

そしてフェンス際をぐるりと辿っていくと、あった府中基地の怪物パラボラ! いやー鳥肌。はるばるきたぜカナダから。双子のパラバラよお前たちが顔を向けていた、北米大陸のカナダから。何枚も何枚もこいつの写真を撮る。感無量とはこのことだ。 pic.x.com/IZBsGdPDP6

(1960年代府中基地が現役時のパラボラと、俺が警備員時1991年の府中基地)

   

建物はどれくらい残っているのだろう。かつての侵入者たちのようにフェンス内に入り確かめ写真を撮りたいが、さすがに無理。府中基地の古地図には、図書館、チャペル、写真現像店、ホビーショップなどという文字が見える。13の部分は「General Off Quarter」とある。将官の居住区域、立ち入り禁止という意味だろう。そこは林の中に美しい廃邸がいくつも並んでいたのだ。もう残ってはいないだろうなあ。フェンスの外からはなにも見えない。すべては深い森の中。 pic.x.com/j0IxZij36z

近くの高台浅間山に上がれば、双子のパラボラだけは今もこうして見えるらしいが、脚力的にそれも無理。いやー満足しました、ありがとうマコリン。帰ろう。

あとは小金井に向けひたすら走る。「マコリン、あと電池は2km分と出てるんで、武蔵小金井駅から2キロ地点で教えて!」「OK! ――2キロでーす!」「ヨシ! (カチっ)ズイーン!」と国分寺崖線の坂を登り、センチメンタルジャーニーは終わったのです。いい日だった。グレイトデイでした。◆

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