2015/06/24

【女子W杯】もっと攻めてくれよいややっぱ連覇に向け順調ですなでしこすいません(オランダ戦)


【女子W杯】なでしこオランダ戦見てまいりました。始まって5分でこれはスイスカメルーンより弱い、さあ行け現なでしこの攻撃力を見せてみろと声援し1点目は期待通りの美点だったのだが、その後は延々となでしこが後ろで回すので場内静まり返っていたよ。

相手FWはでかくて重いので、前を向いてドリブルで持ち込まれた止めようがないというのはたしかにあった。しかしこぼれ球がたまたま敵FWに渡るくらいしかそんなピンチはないんだから。だからなでしこDFはセンターサークル付近まで余裕で上がれてるのに、その割に誰も仕掛けない。

俺と娘の後ろのダッチおっさん軍団が「ホーラン! ホーラン!」と野太い声で吠えまくり、俺達はその裏で「ホーラン!(ジャパン!) ホーラン!(ジャパン!)」とか弱い声で叫んでたのだが、何事も起こらない時間が長かった。俺は攻めろと延々叫んでいたが、届かないむなしい叫び(笑)。

大野はもう惚れ惚れするほど相手DFに猛プレスをかけていた。交代時には手が痛くなるほど拍手したよ。大儀見もそう。しかしMF2枚が守備専門で、FWのプレスのフォローに上がっていかないのがじれったい。2点目を阪口が見事に決めたように、MFが絡んでこそなでしこの攻撃だろう。

大野と鮫ちゃんが1-2できれいに崩したように、岩渕がボールを見事に動かして相手を翻弄したように、日本の選手はもっと持てる技術を見せ仕掛けてほしい。チーム全体が安全策を取り過ぎ攻撃が薄い(追記、追々記で訂正)。今日のオランダくらいの相手だったら得点機がもう倍作れなければ、この先はちょっと…。

帰りの電車で娘に話したのだが、カナダとやったときのオランダは強く見えたが、あれはやはりカナダがどうかしてた。スイス戦で覚醒し実力を取り戻したカナダはこのオランダより強い。ホームでのW杯という勢いもついてきたので英も撃破するだろう。日本は豪を破っても、準決勝でカナダには勝てないんじゃないかな。

娘は日本から来てた知らない子たちと一緒に、TVインタビューされてました(笑)。カナダのTVでは放映されなかったみたいだけど。



ちなみに場内はオレンジ4日本3それ以外3くらいでオレンジ軍団のほうが多かった。日本応援は女性が多くオランダ応援はおっさんが多かったな。真後ろのオレンジおっさんたちと俺たちは笑顔を交換してました。

オランダおっさんたちはチャンスになると「ヤア…ヤア…ヤアア!! グート!!」と言っていた。俺にはオランダ語が完璧にわかったよ。あとお父さんはオレンジシャツにターバンで、娘は中村俊輔の青ユニフォームを着てるインド人親子がいた。どういう経緯でそういう格好になったかまったくわからない(笑)。




【追記】昨夜帰ってから寝る前の高揚でばーっと書いたのでよくない試合みたいに書いてしまったが、なでしこ自体はグループ3戦よりずっとよくなっていた。左右からの攻撃の手数も、大野と大儀見の近距離での連携突破も格段に増えていた。日本が仕掛けていくときは速さも迫力もあり盛り上がった。

しかし日本が後ろで延々回す時間は場内はしーんとしていたし、これほど手が合い戦いやすい相手はこの先ないんだぞ、ここで攻められずどうすると俺は焦れていたわけ。後顧の憂い一切なく敵に鬼プレスをかけていく大野がとにかく素晴らしかった。「彼女を誇りに思うよね」と娘と話したよ。

「負けるならカナダに負けてほしいから、どっちも準決勝に行かないとね」と話すと、娘は日本に負けてほしくないと強く訴える。普段の生活態度は完全にカナダ人なのだが、日本人アイデンティティは俺が想像するよりずっと強いものらしい。学校でも事あるごとに日本推しをしてるそうだし。

試合前に晩飯を食べようとスタジアムの周りを巡ったのだが、どこの店に行っても「今日試合だね」と声をかけられ「ヤース絶対勝つ!」と俺と娘は大声で答えた。イエスのティーン版YAASはこういうバカ気分に合う。スターバックスの店員は日本語で話しかけ、娘の名前をひらがなで書いてくれたよ。俺は道端で日本の小旗を売るどこの国から来てるのか不明なオッサンに、「半値にしてくれ」と交渉して「ノーノーミスター」と断られました。ああお祭りだなあ、ワールドカップ。



【追々記】翌日録画を娘と見た。スタジアムでは日蘭攻めあぐむ時間を長く感じたけれど、プレイのアップやリプレイが入るビデオで眺めているとまったくダレを感じないすね。リアルタイムで素晴らしいと思ったプレイはその妙味ががより精細にわかる。あの2点目岩渕がスルーしてたとは。素晴らしいな。

「私やっぱりなでしこはカナダに勝つと思うな!」と娘。たしかにこうして見直すとなでしこは素晴らしいね。相手が弱いんだからもっと点を取らねばと思ったけど、ここから先の強いチームを相手にしてもこれだけいいプレイをしてくれれば文句などない。この先どうかなあと現場ではやや悲観的に捉えていたけど、プレイのディテイルの良さを見てすげえなやれるかもと思えてきた。そうなればなでしこは4年前よりむしろ強くなってるといえる。

カナダの男性解説者は明らかになでしこサッカーの大ファンで、「まるでスペイン男子だよ、冗談じゃなくて本当に。バンクーバーの観客はラッキーだったね。海堀がヘマをしたところまでスペイン男子みたいだ」とカシージャスの古傷に塩を塗っておりました(笑)。

2015/06/22

【女子W杯】カナダはベスト8へ



【女子W杯】やりましたカナダ。新星スイスを撃破! 
盛り上がっております!

意外だけどもカナダはこれが決勝トーナメント初勝利らしい(五輪ではもっと活躍している)。カナダは昔からホッケーのようなガッツと走力で米国を苦しめてきたのだが、本大会この試合の前半まではそれがめっちゃ空回りしてひどいサッカーをしてたわけ。しかしコーチがどのようにしてかこの試合の後半修正にようやく成功し、選手の位置的バランスが取れると適所に必要なだけ走ることでどこにボールが行ってもカナダが数的有利となる。すると無理して走らずとも守れ、難しいことをしなくても簡単なパスをつなぎ確実に攻めることができ、スイスが技術的優位を発揮できない状態に。

守ればスイスのスーパーな10番バッハマンでさえも1回も得意の形で個人勝負に入れない安定ぶりで、攻撃時にはどかーとすべての選手が攻撃に上がり波状攻撃をかけ、「これぞカナダというチームゴール」でスイスを沈めてくれました。すばらしい。これが見たかったのだよ炎のカナダ。これは日本と当たるな、準決勝で。お互い勝ち進んで。楽しみです。

しかしいいゴールだったなあ。5人くらいの選手がカナダらしく直線的に連動し、小細工のないズドンというクロスをエースのシンクレアが足裏で落として、このベランジェが左足で完璧なミートを決めたんだよ。惚れ惚れするようなシュートだった。

次も勝つ。日本も勝つ。よし。

2015/06/19

日記「美しき感傷の『風立ちぬ』」

「バンクーバー散歩」「ヒップホップダンス発表会」「日本エレクトロニクスの弱点」「突然中古 PC に移行」「二度目のヒップホップ」

 =======================
■15/04/26(日) □ バンクーバー散歩
=======================



 久しぶりに家族行事だわよと奥様の声掛けでバンクーバーへ。ADの友人のバンクーバー名店のシェフが新たに出したというメインストリートのフレンチレストランで、出てきたシュレデッドポークのサンドイッチが実にうまかった。フレンチのソースに味噌を加えてあるような気がする。うまい。俺の飯運の悪さとカナダ人の外食要求レベルの低さが合わさって洋食でうまいものに出会うことが俺はほとんどないので、これだけで気分が盛り上がる。ケーキもコーヒーもうまい。さすがとしか言いようがない。




 そこから博物館に行くMのプランだったのだが、天気がいいから公園へ行こうと提案しキャンビーストリートからクイーンエリザベスパークへ行く。萌がMのお腹にいた頃に来てからだから 15 年ぶりだと思う。なつかしい。昔の砕石場を庭園にしたそれは美しい公園で、春の温かい中ここをのんびりと回ると幸福感がある。いい日であった。

 =======================
■15/05/03(日) □ ヒップホップダンス発表会
 =======================

 萌が半年ほど前から習っているヒップホップダンス発表会を見に行く。ヒップホップだけじゃなくタップダンスなど様々なダンスが一同に会しており、振り付けもよく考えられていて思ったよりもずっと面白かった。

 しかし見ていれば自然とわかるのだが子供のダンスなので、振り付け指導の講師の熱意と才能で演技のクオリティはおよそ決まってしまう。アメコミコスチュームを着た「ヒーロー」とかヘルメットの労働者を模した「ワーカーズ」など各組テーマに沿ってコスチュームと振り付けに凝っており楽しかったのだが、萌のグループはテーマが「スウェットパンツ」だという。このためにお揃いのスウェットを買わされたのだが、演技はスウェットパンツを履いたティーンが踊るというだけだった。スウェットパンツにいったいどういうテーマ性を持たせられるのかと…(ため息)。

まあ振り付けはどうあれ、萌自身の踊りはこれまで見たことがなかったので(家では本人が照れて見せてくれなかった)、ウホホまじでヒップホップだすごいと声が出てしまった。うまいではないか。本人もやる前は緊張していたけど演技後は達成感があった様子。よかったよかった。

 しかし練習は見学禁止で、今日も写真ビデオは撮影禁止。映像をほしければ公式 DVD や写真アルバムを買えというシステムになっている。このカナダの子供の楽しみを人質にしたビジネスモデルには本当にうんざりさせられる。こんなモンキービジネスに関わらず日本の田舎でのんびり高校生をやっていた俺は、その点だけは幸せだった。

 =======================
■15/05/12(火) □ 日本エレクトロニクスの弱点
 =======================

ばば様を病院に送り近くの駐車場で待機中。膝の上にはなぜか昨日買った奥様のタブレットがあるし、ここには Wifi もあるのでツイートしたり読み物したりして退屈をしのげる。まったくカナダはパブリック WiFi が多くてありがたい。

 タブレットの機種は台湾 ASUS の高級品 T300 Chi といい、美しく高性能である。しかしやや重くバランスが悪い。タブレット部とキーボードがマグネットでガシッと接続する形態になっておりその堅牢さが売りなのだが、しかしその特殊な機構ゆえに角度の自由度が低く、膝の上に置くと斜め上からスクリーンを見る角度になる。しかも手を載せていないとキーボードが浮いてしまいそうなくらいバランスが悪い。また合体しただけではキーボードが接続されずキーボードスイッチを別途入れる必要がある。各種スイッチも異常に小さく押しにくい。USB は全部マイクロなのでマウス等使うにはアダプタが必要となる。月に一度キーボードと本体をワイヤでつないで充電しなければならないのも欠点。全体として、見た目はいいがえらい使いにくいなコレという感想になる。

 ASUS は社のフラッグシップとしてこの Chi(漢字で「気」)に精魂つぎ込んでるようで、たしかに台湾製らしからぬ高級感がありよくできている。しかしどうしてこうも明らかな欠点だらけなのかという感じ。日本製ならばこんなあからさまな欠点は残すはずもないし、キーボードやスイッチ類の操作感は2倍よくできるだろう。

 現代日本エレクトロニクス最大の弱点は外国で売ってないことだよ。以前はたしかに台湾韓国製と価格面で勝負にならなかったが、消費者はこの程度でも見た目が良ければ $800 出してくれるのだ。この値段ならば日本だって同等以上のものを当然作れるだろう。いやきっとすでにあるだろう。それをなぜ輸出できないのだろうと思う。

    ----------------------
 しかし Windows 8 はひどいな。操作法をネットで検索して調べないと開いたアプリを閉じる方法さえわからない。Win7 までは普通にできたことが、高度なチューンを施し改造しないとできなくなっている(Start ボタンがないというのは本当にひどいので、まず最初に改造した)。コンピュータはどんどん不便になってゆくと誇張でも比喩でもなく実感として感じる。Apple と Google がスマホ発祥の非論理的インターフェイスを推し進めているのだが、Microsoft も追随してるのである。

=======================
■15/05/22(金) □ 突然中古 PC に移行
 =======================

 Mのタブレットをいじったあとでは自分の PC の 1.6Ghz + 1GB RAM が死ぬほど遅いので、実用速度にするためもう 1GB くらいメモリーを買おうと中古 PC 屋のサイトを開いたら、

    ----------------------
$199 HP 6005 Pro AMD Phenom x2 3.0GHz Win7 Pro 64
【4GB】 DDR3 Dimm 160GB SATA HDD DVDRW Burner
    ----------------------

 なんてのが最初に出てきてアップグレードがバカバカしくなった。これを買い移行します。計算速度2倍メモリーサイズ4倍やで。すごい。



 16:38 システム移行中、日記を書けるところまで復活。まだ操作感に慣れず、キビキビしすぎて神経質に感じる。軽自動車レベルだったのがスポーツカーになった感じ。

前の PC のハードドライブを新 PC に移植するぞと箱を開けてみてびっくり。見たことないパーツだらけや。なんだ CPU に載ってるこの工場みたいな配管は。そして移植しようにももう IDE なんてコネクタがない。どんだけ世代の古い PC を使ってきてたのか俺は(笑)。

 まあ考えてみれば 10 年落ち? くらいの前のマシンですら DVD は SATA だった。IDE がないとなると SATA を買い足さねばとまた出かけて 15 ドルで買ってきた。これでよし。快適です。なんでもっと前にこれをやらなかったのかシリーズである。

 =======================
■15/05/23(土) □ 二度目のヒップホップ
 =======================

 二度目の萌ヒップホップダンス発表会に行ってきた。今回はクラシックバレエ組との合同コンペで、俺はバレエというものを初めて目の前で見たのだが、見習い中のスチューデントでも繊細な動きの美しさにおーと胸が動く。これの鍛え抜かれたプロを見たら、そりゃ感動するだろうね。

最後にスローなエレクトロポップにバレエの技術で軽やかに舞うグループが出てきたのだが、これがまるで Perfume だった。奥様に耳打ちするとそうねという。あのつま先までコントロールされたリリカルな動きって、バレエ的だったのか。この組が本日ベストだったな(写真はイメージです)。



 しかし前回は郊外タウンの牧歌的大会だったのだが今回は生き馬の目を抜く都会バンクーバーで、その筋では有名だという地元ダンススクールからヒップホップ組に大挙参加者があり、レベルは違うわ向こうはホームで大歓声を浴びこっちはアウェイでシーンとしてるわで、萌たちは完全に圧倒され気の毒であった。「彼らはすごいわよね。うちなんか全然ダメ」とぼやいている。いやまあでも頑張ったよ。前回よりうまくなってたし。まあ週一のレッスンじゃあれは無理だから、彼らはプロになるために毎日シリアスにやってるんじゃないかな。上手な子は3~4ものグループで踊りまくっていたからね。

 萌に言っても慰めにはならんのでそれ以上は言わなかったが、奴らはすごいけど先生がよければ萌たちだって簡単にもっとよくなるよ。ダメなのは先生であって、君らの責任ではない。

 それに彼らはたしかにめちゃくちゃうまくて見事だったのだが、ヒップホップってみんなパフォーマンス中に怒った顔してるのが俺にはどうも違和感であった。親に習わせてもらいまめに送迎してもらって楽しくやってるんだから怒った顔なんてまったくの演技であり(まあ演芸なんだから演技が悪いとは言わないが)、なんか恵まれすぎてるぜと思ったな。若者がこうして恵まれすぎてるから、シルクドゥソレイユみたいのは出てきてもいいロックバンドは出てこないんだよな、カナダって。昔から、親戚の子供らを見ながら俺はそう感じている。

 =======================
■15/05/30(土) □ 美しき感傷の「風立ちぬ」
 =======================

ジブリ【風立ちぬ】を見た。「マッサン」のテーマとして俺が受け取りツイッターでつぶやいた「君なしには不可能だった(I couldn't have done it without you)」という言葉が、そのまま英語字幕に出てきた。これもまた愛と感謝の物語だった。美しい映画だった。泣けた。

たけひ氏
印象的だったのは、過ぎし日の日本の風景の美しさで、宮崎アニメ的な誇張もあるのだが1カット1カットが夢のようだ。戦前の息苦しさも押さえつつ、それでもひとつの時代を映像の力で肯定的に再現するという試みはまさに映像作家しかできない偉業だなと思った。
りかぞう氏
なぜ私は「風立ちぬ」を見に行ったのかな。何か「行かなきゃ」っていう気持ちが働いたから、としか言いようが無い。そしてとても良かった。エンドロールの間、どう説明していいかわからないけど、ものすごい泣いた。エンドロールが終わっても涙が止まらなくて、恥ずかしくてトイレに駆け込んだ。

 2013 年にスクラップしておいたいくつかの「風立ちぬ」ツイートを今見ている。いつもツイートを見てる人たちの風立ちぬ感想をあまさず読みたくなる。だけどそんなことはツイッターの機能的に無理で、風と共に去りぬっちゃってるんだよね。



 昨日 N スペ『高度成長 何が奇跡だったのか』を見ていて、戦前からの技術がつながり興産により日本が敗戦から立ち上がっていくさまをドラマチックに感じやはりある種の感動があったのだけど、そういうベース知識がない外国人には「風立ちぬ」で伝わらないものがあるのかもしれんなあと思った。

 というのは「風立ちぬ」は夜遅くに見始めたのだが、Mと萌が寝落ちしてしまったんである(笑)。ジローが三菱に入るとか飛行機試験で日本製のダメさが露呈するといった描写があるたびに、「こ、これがあのゼロ戦に…そしてやがて自動車産業に…)という感慨に俺だけが盛り上がっていた。

 軽井沢の万平ホテルでの恋とかもやっぱり、ちゃんと読んではいなくても一般常識として大正の避暑地の恋文学を知っており、それが美しい映像になってるから俺の感動トリガーは多めに引かれちゃう。「これうちもジョンとヨーコも行った軽井沢だよ!」と画面を止めM萌に力説してしまった。

 「風立ちぬ」はそうした日本のノスタルジーと感傷とを宮崎監督が思い切り恥ずかしげもなく美しく詰め込み、愛することと風に飛んだものを見事に捕まえること以外に何も持たない少女と風に飛ぶ夢を追い続ける男の恋も熱く描いてくれ、最高によかった。「千と千尋」以降で一番よかったです。

 「風立ちぬ」には宮﨑駿アニメ自体へのノスタルジーと感傷もたっぷりと含まれていたな。人々の動きや表情、風景情景、空とイタリアへの憧れ、イタリア映画っぽい音楽、ジブリっぽい音楽。もうこれからはそんなに見れなくなるのでしょうが、あなたなしにはなにもかも不可能だった。ありがとう。

2015/06/16

【女子W杯】なでしこグループリーグ終了


===============
06/12(金) □  【女子W杯】カメルーン戦
===============


カメルーン戦を見てきた。前半はいやー川澄ちゃんと鮫ちゃん最高。カメルーンのサイドの寄せが甘いのでいいクロスがすこすこ入る。宇津 木の上手さはいま日本一。カメルーンの怒涛のアタックをきゃー止めて止めてーと大騒ぎできるのも期待通りで楽しいすわーという感じ。

 後半はカメルーンも日本のやりたいようにはプレイさせてくれんだろうと思っていると、うまいうまい宇津木が真ん中に入る。お。サメちゃんがSBに戻り、ということは宮間は左ウィングか。これがベストだろうな、宇津木はこのチームで一番ボールが落ち着くし守備力もある。

 川澄ちゃんに代わった大野も攻守ともアグレッシブで、大野がくるたびに俺と娘が「オーノ!」と絶叫してたので周りのカナダ人観客は大野の名前とプレイぶ りを覚えてくれたと思う。左は宮間がこれまたボールが収まるので両サイドのキープ力が非常に高いのだが…しかしシュートがからきし打てない。サイドに開いて折り返して大儀見が競り跳ね返されるのみ。これではいくらポゼッション率が上がっても無駄である。大儀見は初戦同様24時間狙ってるのだが、彼女が シュートに持ち込めるようなグラウンダーの生きたボールが中盤から出てこないのだ。

 阪口の組み立てに問題があるのかと思ったが、宇都木と澤になっても変化はなかった。とにかく開いてクロスを入れるだけの薄い攻撃。誰かドリブルで仕掛けて守備を崩すしかないだろう。「菅澤自分で勝負しろ!」と俺は声を張り上げていたが、やがて皆の脚が止まり失点となった。

 というわけで最後の15分ほどは「この先どうやって点を取るんだこのチームは…」と考えこんでしまった。結果シュート4本だもんね。相当フラストレーションをためてるだろうFWの近くでボールを持ち、敵を交わしFWに渡しシュートを打たせる方法を考えてほしい。頼む。



 試合後サブ組が出てきてミニゲームが始まった。試合が終わっても練習するんだから真面目だよ日本人。ボディコンタクトがないと全員メッシのごとくうまい が、しかし試合ではこの技術が使えないからなあと思っていると、その横をカメルーンチームが観衆に手を振り歓声を受け握手をして帰っていった。なんだか対照的だったな。



あとから録画を見てて思い出したが、カナダ観衆は極端なフェアプレー志向で(…だから汚いプレーのない女子サッカー人気が高い…)常に負けてる方を応援するので、カメ選手がファウルでカードを受けたり、接触で倒れてる間日本がプレイを続けると即ブーイングが起きていた。

後半も澤が入るあたりまでは劣勢とは感じないのだが、疲れとカメのプレスに押され全員の球離れが早くなり、プレスの弱いサイドへのパス、出した先でなんとかしてくれという長いパスばかりになってしまっていた。要は男子代表と同じで運べるドリブラーがいないのでプレスに弱いんだよな。

後半は急がず後ろで回せばもう少し余裕ができたはずである。しかしいつも一生懸命というチームカラーがもともとそういうちんたらプレイをさせない上に、前記の些細な事でブーイングが起きるカナダ観客の傾向もあって、時間潰し的なプレーは非常にしにくいムードだった。やはりW杯は舞台となる国によって、プレイに影響も出るんだなと現場にいてよくわかった。

しかし前半の日本の出来は万全だったし、後半不屈のライオン・カメルーンの技術と猛攻も素晴らしく、いい試合だった。「驚くほど楽しい試合だった」とカナダTV評。日本はスイス戦、カメルーン戦で出た弱点は戦術とプレイ選択で修正できるはず(具体的には攻め急がずポゼッションを上げるとかね)。カメルーンはスイスだって倒せそうじゃない?
 
===============
06/16(火) □ エクアドル戦
===============

今日のエクアドル戦を見ていたら攻撃力の低さにやや悲観的になったのだが、来週のベスト16戦もチケットを取った。相手はオランダが有力で、対カナダ戦を見たが縦が超速い。DFは必死の防戦となろう。しかしまあどことやっても接戦になるのがなでしこの持ち味だし、バンクーバーではもう3試合目で地の利はある。

なでしこはなんで攻撃時あんなにワイドに開くのかと、カメ戦も今日もずっと思っていた。開いてDFを引っ張り出したいのはわかるが、開けば開くほどゴールから遠ざかる。遠くからクロスを入れてもゴール前で待ち構えたDF陣のほうがフィジカル的に有利なわけで、得点機にはなっていない。

誰が見てもそうだと思うが可能性を感じたのはやはり有吉・鮫ちゃん・岩渕が仕掛け、近くの味方とのコンビネーションで崩した時で、岩渕が入ってからは皆が選手間の距離を狭めショートパス&ムーブで崩そうと試みていたと思う。これをやらせたら大会チーム中日本がベストなはず。これしかない。

次まで1週間ある。合宿をどこでやってるのか知らないがこの快適な高原気候の初夏のバンクーバーを日陰は涼しいのうありがたいのうと楽しみつつ、ショートパス&ムーブ攻撃を磨いてほしい。そして岩渕は脚を治しフルに働いてもらいたい。澤は最後まで動けていたし、光明はある。頼んます。◆

2015/05/27

日記「小さな恋のメロディ」

「マッサン祭りが続く」「007よりもザ・インタビュー」「ドラゴンボート講座」「地元すぎる俺」「市営菜園」「忘却の中の選択肢」

 =======================
■15/03/28(土) □ マッサン祭りが続く
 =======================

 最終回が終わり一晩経っても爆発が収まってなかった「マッサン」ツイートを読む土曜の朝。俺には飲み下せない作演出フレーバーが頻繁に注がれるドラマだったのだが、終わってみると楽しかったし、好きだったとしか言いようない。「半年間の役者やスタッフの撮影ドキュメンタリー by たけ」もほんとそうだなと思う。

 「日本に嫁いだスコティッシュレディのドラマが終わったよ。何もかも君なしには不可能だったという愛と感謝が描かれていて感動的だった」とMに報告する。

 シャロやんが「私は日本に住んで優しくなったと思う、母国で逆カルチャーショック」と言っていたけど、そういう人だからよかったんだと思う。行く先々でエリーがおばちゃんらに好かれていたのは俺にとっても懐かしい光景だった。もっとエリーの物語を多めに見たかったんだけれど、原酒があまりなかったんだろうね。

 この半年、日本での放送から北米放送までの数時間「マッサン」関連のあらゆる語を Tabtter で一時ミュートしてきたのだが(見る前に展開を知らないように)、そのワードを今消している。エリー、政春、鴨居、亀山、大将、住吉、大作、優子、ピン子、シャーロット、玉鉄、エマ、リタ、竹鶴…。こんなところにも走馬灯があるのです。

 =======================
■15/03/29(日) □ 007よりもザ・インタビュー
 =======================

金正恩暗殺映画【ザ・インタビュー】が超面白いから見てくれと娘が言うので、えーと言いつつ家族で見たら面白かった(笑)。暗殺に向かう米2人組はこないだ見た「007 スカイフォール」のボンドより味があり、金は同映画の悪役よりも魅力的であった。そして金とアメリカを同等にからかってるのがナイス。

 問題になっている「冒涜性」については、北朝鮮の人たちが金正恩を実際どう思ってるのかわからないからなんとも言えない。神と信仰してるなら怒るだろうけど、そんなことはないんじゃないかな。ただ言えるのは、この映画の金正恩は不可思議な魅力を備えているということ。バカ映画なんだけどそこに見所がある。

    ----------------------
 【まれ】まだ俺のツイッター TL はマッサンの余韻でうるうるしてるのだが、まったく休みなく次の朝ドラは始まる。ハイキーな画面の色と村役場スタートなのが非常に「あまちゃん」っぽい。子役から始まる朝ドラの序盤はいつも説明的で苦手なんだけど、やはり子役まれちゃんが「夢が嫌いで利他的でしっかり者で…」と説明演技ばかり運動ホイール内のリスのようにさせられて、ちょっと気の毒であった。素はきっともっと普通にかわいらしい子なんじゃないかと思ってしまうのである。俺が途中でフェイドアウトしたこれまでの数々の朝ドラと同系の感触がする。

 =======================
■15/04/07(火) □ ドラゴンボート講座
 =======================



 萌がティーンエイジャー・ドラゴンボート講座というものに参加してきた。すごく長く両舷に12人もの漕ぎ手がつくボートで、キャプテン(ていうのかな?)の掛け声に合わせえっほえっほとキッズが漕いでいく様はなかなか壮観であった。



 ボート好きのMお母さんに強制されて来たので始まるまではぶすっとしてた萌なのだが、想像したよりずっと楽しそう。これで上手になったらバンクーバーの恒例ドラゴンボートレースにも出れるらしい。ただレースに出るには12人じゃ足りないのだそうだけど。

 しかし望遠で写真を撮ってモニターで見ると萌が俺にアカンベーをしており、全然いい顔で撮れていない。写真を撮られて恥ずかしかったとか言っているが、俺が親だなんて言わなければわからないのだから澄ましていればよかろうに。はあ。

 =======================
■15/04/10(金) □ 地元すぎる俺
 =======================

 地元スーパーの中国人レジおばちゃんは俺を見つけるたびに話しかけてくるのだが、昨日は「日本語で dumpling はなんていうのだ」と聞いてきた。「ん? 餃子?」「どういう字だ」「いや字は中国と同じ漢字でしょう」「ではどうやって作るのか。自作か」と俺の品物を一向にスキャンしてくれない。

「いや自作したいけど餃子はめんどくさくて…」
「ではどうやって調理するのか」
「…焼いて蒸す感じ?」
「アー!(それよ! という感じ) どうやって?」
「いやフライパンに油を引いて…水を入れて…あの手を動かしてもらえます?」

「アー! 水はどれくらい入れるのだ」
「(^_^; (^_^; …水はカップ半分くらいかなあ(いい加減にして)」
「それで餃子はどれだけ水に浸かるのか」
「これくらい?(後ろが怒ってるよ)」
「それで焼き具合はどうやって判断するのか」
「それは何度もやって体得するしか…」

もーなんなんだこの尋問展開(笑)。前に話しかけられた時の質問はカボチャの煮つけ方でしたよ。なぜ俺に、なぜ俺にそれを聞く! フレンドリーなんだけど話が長すぎて、もうこのおばちゃんの列には並びたくないです(笑)。

 ばば様を迎えにシニアアクティビティセンターへ行くと、聞いてもないのに知らないじい様が「彼女はあっちにいるよ」と教えてくれた。図書館では話したことがない司書さんが俺を呼び止め、「あなたのお義母さんのよ」と本を渡してくれた。俺は地元すぎる。

 =======================
■15/04/20(月) □ 市営菜園
 =======================



借りてる畑を耕してくれと奥様に頼まれ、ヨッシャわしとエリーの愛と感謝の物語じゃけな! と働いてきた。我が姿に新朝ドラ「まれ」塩田のガンジ師匠の影響が若干入っている気がする。



 河原の市営菜園は行ってみたら花は咲きツバメは舞い最高でしたわ。ピースフル。



 久々に写真を撮ったが、俺のマイクロフォーサーズ PEN はやっぱイイな。標準レンズでも開放 20mm~あたりで撮ると背景前景がボケる。距離によってはこのボケに筋が出ちゃうのが安いレンズゆえで、高級レンズだとボケが美しいのだろうなあ。春の光をふわっと撮っていきたい。

 =======================
■15/04/22(水) □ 忘却の中の選択肢
 =======================

 NHK の壇蜜の番組で Nico の「フェアレストオブシーズンズ」がかかって胸を衝かれた。俺はカナダに行くべきなのか、そんなことがはたして俺に可能なのだろうかと考えながら働く警備車の中に、誰かが忘れていったカセットテープにこの歌が入っていた。あれはベルベットアンダーグラウンド好きなミゾのテープだったんじゃないかな。



Nico - The Fairest Of The Seasons
(Jackson Browne)

Now that it's time
Now that the hour hand has landed at the end
今はもう、時計が終わりを指している

Now that it's real
Now that the dreams have given all they had to lend
今はもう、夢が貸してくれたものも終わり現実

I want to know do I stay or do I go
私は知りたいの、ここに残るべきか行くべきか

And maybe try another time
別な機会を待つべきなのか

And do I really have a hand in my forgetting ?
忘却の中に選択肢は本当にあったのかしら

    ----------------------
 結局カナダに行くことを決めた俺は、こっそりとそのテープをもらってきちゃったのだった。なんでこれもらっていくよと言えなかったのか、忘却の中に選択肢は本当にあったのかしら。

 =======================
■15/04/24(金) □ 小さな恋のメロディ
 =======================

図書館で古い映画を借りられると知り、71 英ムービー【小さな恋のメロディ】を見た。やっぱりかかる曲を全部知ってるなあと出だしのビージーズ「インザモーニング」からじんわりしてると、子供らがワルサや喫煙や勝手なことをしまくる。ひでえなこいつら(笑)。楽しいことをモラルおかまいなしになんでもする、自己主張の小悪魔たちをカメラは追う。

 ロンドンで遊び暮らす子供たちの姿をセリフなしで延々と撮ってるシーンが多く、メロディが金魚を遊ばせるシーンとかただただ美しい。セリフをしっかり覚えちゃんと演技しお仕事してる日本の子役と違って、撮りたいなら撮ればと美しい動物がただ気ままに振る舞ってるように見える。過ぎてしまいもう戻らない瞬間をフィルムが保存している。

 '70s 英国キッズは勝手なことばかりし、汚れ散らかし火遊びをし、大人を愚弄し嘘をつきとんでもない。しかしとにかく美しい。大人たちも身勝手でいい加減な俗物で、退屈させることと罰することしかできない。大人が子供に対して正しいことを言ったり苦悩させたりしたがる日本映画とぜんぜん違う。

 ボウイーにこの映画と同年発表の「美しきものたちよ、君らがママやパパを狂わせてるんだよ」という歌があるが(プリティ・シングス)、この子供たちはほんと美しく気ままな理不尽モンスターで、大人たちは振り回される無力な存在だなと思う。メロディが不安を煽る嘘をいい母と祖母を戦慄させていたが、あの二人の大人の野暮ったさもすごくリアルだなあと思った。

 そんでですね、うちの娘らプリティ・シングスにとってはこの俺も、この映画の校長みたいに退屈な俗物ドンキーに見えるのだろうなあトホホと情けなくなります(笑)。大人たちは子供らに何もイントレスティングなことを与えられず困惑しているが、俺もそうだからね。やれやれ。



 小さな恋人たちは大人を「老いて惨めな人々」と呼ぶ。あんなふうになる前に結婚しようという。「あんなふうになる前に」と思わせるような大人ではアカンよね。劇中の名曲 CSN&Y ティーチ・ユア・チルドレンは言っておりましたよ、「理由など問うな。ただ子供を見守りため息をつき、そして結局は愛されているのだと知りなさい」。だけど俺はついつい「なんでそんなバカなことをするのか」と説教してしまうんだ。

 主人公の友達のかっこいい少年(真ん中)はこの後きっとパンクになるんだろうなというイングランドの時代感も感じさせてくれ、すごくよかったです。英米カナダではこの映画がまるでヒットしなかったそうでおばあも奥様も知らなかったけど、これがヒットした日本はセンスいいなと思う。この美しいものたちと彼らがいる空気を遠くからただ写しているのはなにかとても懐かしいと思ったら、追憶の70年代日本ドラマ「俺たちの旅」だった :-)◆

2015/05/07

ムスメ@ナンバーワンinカナダ

娘が学校から電話をしてきて、「私のビデオがかか勝った」と言う。

――「あ、あの課題で作った『私のパッション:写真とビデオ』ってやつ? あれよかったもんね。じゃあ(市の選考突破で)州レベルかなんかに行くの?」
「いやもう勝ったの、ナショナルで!」
「へ?」
「ナンバーワンinカナダ!」
「えーっ!!」

というわけで、娘の作った美しいイメージビデオがカナダの全国フランス語科高校のアートビデオ大賞的なものをいただいてしまった。賞金プラス(主催した大学にもし行くなら)大学奨学金までゲットですよ。うひゃー! 俺は君の才能を信じていたよ、最初から!



この映像は素晴らしい、州予選くらいには間違いなく行くだろうと思ったけれど、予想を二段上回ってくれたな。なんてことだ。まあ主催は寒いところにある大学なので娘は行きたくないそうだけど(笑)。

――しかし俺はこんなに写真が下手なのにその写真と映像の才能はいったいどこから? 今日撮った俺のアート写真なんてこれだよ、虫だよ虫。絶望的な才能の壁を感じる(笑)。◆

2015/04/05

日記「マッサン最終回」

「ダークソウル平常心効果」「ダークソウル疲れ」「助けたいという気持ち」「震災のメッセージ」「バットマン・アーカムシティ終了」「エリーがいない」「大相撲最高」「この手を離してくれるなよ」

 =======================
■15/03/02(月) □ ガーゴイル打破
 =======================

俺史上最高難度ゲーム Xbox 360【ダークソウル】の苦闘は続いており、実質2つ目のボス、教会屋上の鐘のガーゴイルに死ぬほどやられる。こんなん勝てるわけないって。ゲームポッドキャスト「タコラジ」のダークソウル回を聞いてみたらナヴェさんもここで詰まりに詰まっておられた。それぞれがみな同じ苦難を各様に味わうのか(笑)。

 ツイッターで先達にいただいたガーゴイル戦のアドバイスは、「位置取りを考えろ」というもの。それを考えながらやられること30回、突然見えた。ボスの槍が俺に届かない間合いが見えた。見切った。紙一重で攻撃を交わし、足元に跳び込んで斬る斬る斬る! ―――か、勝った。

 信じられん。あげな怪物を真っ向勝負で俺が倒すとは。震える手で鐘楼のはしごを登り、物陰からまた伏兵が飛び出して俺の努力を無にするんじゃないかとハラハラしながら登りきり、谷間に鐘を打ち鳴らす。勝ったぞ皆の衆。――ってこの世界で生者は俺だけか。やっ・た…。この達成感が、このゲームを輝かせている。

 =======================
■15/03/04(水) □ ダークソウル平常心効果
 =======================

 大物を倒し鐘を鳴らし名も実も得た俺は、次なる難所「下層」へと赴く。…街だ。こんなところに人影もない狭い街路がある。痛いほど緊張する。慎重に行こう。そろりそろりと探索し、ドアを開け…デーモン的なものにドカスカバキと瞬殺された。あまりの瞬殺に、相手が何者だったかさえわからない。とても狭い場所だったような…そして相手は1人じゃなかった気がする。

 寝よう。ああなぜ俺はあのドアを開けてしまったんだ。ドアを開ける前にいったん戻ってセーブすべきだった。とほほ…。

    ----------------------
 あまりに悲痛なダークソウルに疲れ、1週間ぶりに Forza3 レーシングを起動。すると俺は先週よりうまくなっていた。やや。見える。コーナーに飛び込むまでのコンマ数秒でどれだけ速度を落としどのラインに乗せていけばいいのかが見える。――ダークソウル効果ですよこれは(笑)。極限状況でどれだけ平常な目を保てるかが鍛えられている。マジで。

 =======================
■15/03/08(日) □ ダークソウル疲れ
 =======================

 ダークソウルは「下層」のデーモンを試行 20 回ほどで倒し、「最下層」のうんざりする毒闇をネット地図を頼りに抜けボスを 15 回で倒し、だんだん落ち着いてボス戦を戦えるようになってきたぞと思ったが、次の「病み村」で超強い雑魚の毒おっさんに瞬殺された。はあ。この苦労の先に苦労が待つパターンにまあ慣れてはきましたが…(ため息笑い)。

 この毒おっさんに何十回もやられながら、しかしよくできてるなあと逆に感心する。制作者は『面白い地形を作り賢い敵をいやらしい配置で置く』ことだけで、こやつらをどうやって倒すか手を変え品を変え考えるという極上の楽しみを作り出している。シンプルで美しいゲームメカニクスだと思う。

 とはいえつらいのはつらく、、ダークソウル疲れがたまってきた。そろそろいったん休もうかな。初回プレイ時はこんなん無理と即スイッチをオフにしたこのゲームで、めんどくさいことの嫌いな俺がこんな奥まで来ただけでも信じられないくらいだ。それくらいすごいゲームだということである。

 =======================
■15/03/09(月) □ 助けたいという気持ち
 =======================

 スーパーへ買い物に行くと見覚えある青年がハローと俺に微笑みかける。「ん?…あ、ベジタブルマン?」「イエース」、私服で買い物中の野菜売り場のお兄ちゃんだった。俺を知ってるのか。ああ地元だなあ。

 ここでは4年前にもレジのおばさんに突然話しかけられたことがある。「日本は…大変なことになってしまったわね…」。彼女の娘もかつてかつて日本に住んでたことがあり、日本の難事が気にかかるのだと言ってくれた。ありがとうございます。地元へ帰ろう。地元で買おう。あなたの野菜。私のお肉。地元、地元。地元で買おう。

    ----------------------
 こないだ見て感動した NHK スペシャル【史上最大の救出】を萌に見せた。映画やドラマと違って日本の救助隊員たちは、「あそこに誰かいるんじゃないですか? 見えない…とりあえず降りてみましょう」と強がりもポーズもなく平易な言葉ですごい救助活動をしている。

 極限状態にいる人々のこの口調の普通さ、非演劇性に彼女も気付く。「わざと明るく喋ってるんじゃない? あまりにもトラウマティックだから…」。そうかもしれないね。「すごい、すごいよね」と萌はポロポロ涙を流していた。1人で見た時は俺も泣けてきて仕方がなかった。とにかく助けたい、助けたいという気持ちが伝わってくる。感動的としか言いようがない。

 萌は震災関連の映像をそんなにちゃんと見たことがないと思う。実際津波の映像なんか当時小5の子供に見せたくはなかった。この番組は衝撃的な映像は控えめで、いかに広い地域が水の下となり絶望的な状況だったのかはよくわかる番組だったので、これを見せられてよかったと思う。

 =======================
■15/03/11(水) □ 震災のメッセージ
 =======================


「私の友だちは東日本大震災がどれほどの悲劇だったのかわかっていない。わかってほしい」と、萌は今日 SNS ポストを書いた。アップする前にどう思うかと見せられ、相談してちょっと直させた。君がどう思うかだけ書けばいい。どう感じてほしいかは書かなくていい。

 萌は当時小5だったのだが、そのとき日系キッズと父兄が中心となって行った全校集会や義援金募集のときから、誰も災害の重大さをわかってないと感じていたのだそうだ。まあわかるけど、こんなにひどかったんだから君らも悲しめとカナダの子供らには言えないしね。ムスメの気持ちはわかるけど。そんなこんなであの震災について、今日は萌とたくさん話した。こんなに話したのは「進撃の巨人」で盛り上がってた時以来だと思う(笑)。



 寝る前に日本語 TV で追悼式を見せる。4年前はまだ子供だったからこの時間はもう寝ていたけれど、今は寝ろと言っても寝ないのはなぜなんだティーンエイジャー。

 萌は天皇皇后両陛下をわーかわいいと言っております。「こんな悲しいセレモニーなのにかわいいなんて言ってて、悪いよね私」「いや別にブーイングしてるわけじゃないからいいよ。…あ、そういえばうちのこの首相がこないだ国会中にブーイングしててだね、TV カメラに見つかってえらい怒られたのだ…」。はは :-)


 =======================
■15/03/12(木) □ ダークソウル休止
 =======================

 暗い地下の村「病み村」底の篝火までがこれまでで最も辛い道中で、敵を倒して倒して倒しまくらねばならず、腕がもげそうだった。1つ1つの敵は倒せる強さだが、物音に反応して集結してくるので、よほど気をつけて個々に釣り出し倒さないとすぐに囲まれてしまう。人指し指トリガーって引きにくいし疲れる。Wii リモコンでやれたらずっと楽なゲームになるだろう。

 数日間十数時間でようやくたどり着いた病み村の底。―――しかしここはいったい…。この毒沼で何をすればいいのだ俺はと途方に暮れてしまった。あの苦しい迷路を抜けてやっと少しは楽になるかと思ったら、歩くだけで毒状態になる沼かよ。これはさすがに気持ちが落ちる。疲れた。いったんここまでとしよう。面白かった。だがもうここまででお腹いっぱい。



 そして寄り道したダークソウルにはまり数週間放置していたバットマン・アーカムシティを再開する。バットマンは落ちても死なないのが素晴らしいな(笑)。このゲームをまず終わらせよう。もうストーリーは大詰めのはずである。

 =======================
■15/03/18(水) □ バットマン・アーカムシティ終了
 =======================

 【バットマン・アーカムシティ】のメインストーリーが終わった。短かったが楽しかった。ゼルダでもなんでもだいたい終盤はボスバトルが非常にしんどくなるのだが、このゲームはその辺抑制が効いていた。最後のボスは2回めのトライであっけなく倒せてしまった。しかしストーリーも演出も見事。エンドロールに合わせ流れる音楽が胸を打つ。こうした細部まで実に練られたゲームだった。

 メインが終わってもゲームの達成率は半分ほどで、あとは飽きるまでサブミッションを達成していけばいいという作りになっている。しかし大きな建物に侵入してコツコツ敵を倒していくあの楽しさはもうこれで終わりだろうな。残念。最後のタワーに登っていくのは最高に楽しかったな。

 アーカムシティはゼルダ・スカイウォードソードと同年度のゲームで、こっちのほうがはるかに評価が高かったのだと思う。アイデアの詰め込み具合ではゼルダのほうがお買い得感がある。しかしパッケージとしてこちらのほうがすべての面で端正でスタイリッシュで、国産車と外車感があるな。



ゲーム本編をクリアしても町は悪漢だらけなのだが、悪娘ハーレイクインはどこへ行ったのだろう。彼女がアジトにしていた製鋼所にもいなかった。しかし前とは違うちょっとした仕掛けが製鋼所に施されており、ああと胸を打たれる。エンドロールの歌と共に、唸らされるほどの演出。気づかない人も多いだろうこの小さな仕掛けに、洋ゲーのドライで抑制された詩を感じる。

 もう一度会いたいなハーレイクイン。君の理不尽な罵声をもう一度浴びてゲームを終えたいよ。――そういえばこのゲームの有料追加ダウンロードが「ハーレイクインの復讐」だった。俺みたいなやつが買うんだ間違いない(笑)。商売うまいなあ。それを俺が買うことはまずないので、Youtube で見てしまおう。――見た。はは、相変わらず口が悪いな、ハーレイかわいいよハーレイ。

=======================
■15/03/19(木) □ ヤンキー漫画的センス
 =======================

 数シーズンぶりに欠かさず見ている朝ドラ【マッサン】も最終盤。戦争中の迫害に傷ついたエリーは先週末、キャサリンの「よう頑張った」という一言で解放された。このあと「エリーと戦後日本の邂逅」が1シーンくらい描かれるかと思ったら、工場の外に行くことなく彼女はまた背景に引っ込んでしまった。俺は背景ではなく前景にいるエリーを一番見たいのだが。

 政春は相変わらずわしのウィスキーが喜ばれんのはなんでじゃ苦悩をやってるし、らせんを描き同じ地点を何度も通るが一向に上に上がっていかない物語だなと思っていると、戦争帰りの悟という新キャラが登場する。ここで戦争のトラウマだとかマッサンの酒スノッブへの反発だとか濡れ衣ケンカだとかの大道具が運び込まれ、エリーの階段落ちのときと同じきな臭いにおいが立ち込める。

 結局この仕掛けは、悟がシベリアでの罪悪感や屈辱を「三級酒が許してくれた」と大見得を切り、これでマッサンがピープルのための三級酒開発&成功となるというものだった。やれやれ。政春のウィスキーをうまいと言ってくれない人々の気持ちではなく、辛抱強い株主の声でもずっと一緒にいたエリーや俊兄の助言でもなく、戦争の傷という大きな装置がドスンときてようやく政春を動かすところがこの物語なんだな。

 俺はこのドラマを全体として愛しているが、脚本家と演出家のヤンキー漫画的なセンスはどうにもしっくりこない。ヤンキーだからこそ感情の衝突のようなところで散る火花は鮮やかで、はっとさせられるのだけれども。反射神経的なところは素晴らしいが、プロットを練るとそうでもないと思うのだ。

 =======================
■15/03/20(金) □ エリーがいない
 =======================

 【赤毛のアン】も最終回。カスバート家を思いやるギルバートの温情を知ったアンが長年のツンを詫び、二人はこれが運命だったんだよとデレの道をゆく。いいなあ。物語はブラウニングの引用で終わる。ブラウニングには「共に老いよう。まだ見ぬ最高が、この先にあるはず」という、アンとマリラの未来を歌ったような詩もありますね。

 「赤毛のアン」の続編を読みたくなってしまうな。日本へ行ったら文庫を探そうと調べてみたら、10冊もあるのね。75歳まで描かれてるのか。朝ドラじゃん。とりあえず次の「アンの青春」だけは読んでみたい。

    ----------------------
 【マッサン】政春のウィスキーがついに人々に喜ばれる待ちに待ったこの場面に、エリーがいないことが俺はとてもさびしい。今日に限って彼女は立ち聞きすらしていない。この物語である意味いちばん見たかったものが、酷薄なほどにスルーされてしまった。これを見ずして何がエリーの冒険だったのだろう。

 ほんとエリーの「冒険」ってなんだったのだろう。政春初のヒット製品誕生の喜びをエリーがねぎらうシーンすらないのだから、今週の「三級酒が許してくれた」はエリーはウィスキーの妖精だという壮大な思い込みへの「違います」というアンサーだったのだろう。エリーは政春のウィスキーの冒険から徹底的に排除され、「ダーリンのウィスキーがこの国の人たちに愛されること」がエリーの冒険ではなかったということになる。では演出は何をもって来週エリーの死に際に、「すてきな冒険だった」と言わせるのだろう。

 =======================
■15/03/22(日) □ 大相撲最高
 =======================

 大相撲千秋楽はここ数年の相撲で特筆すべき1日だった。モンゴルのすばらしい若手・照ノ冨士というのが出てきたのだが、こいつが強いわ物腰に若造の可愛げがあるわで非常に好ましい。

 でこのテルちゃん照ノ冨士が2敗でキング白鵬を追いかけ千秋楽を迎えたのだが、相手の大関豪栄道もやっぱり強いな決まったと二度くらい思わせる体勢から、力と技で豪栄道をねじり伏せてしまった。本当に見事なまでにねじり伏せ、これはもうすごいと満場が騒然となる一番。

 で彼の兄弟子である日馬富士が白鵬を倒せば、照ノ冨士と白鵬の優勝決定戦となる。これで今場所調子イマイチの日馬富士が弟弟子のために気合が入る。一歩も退かず、白鵬に組ませないために(組まれたら一気に持っていかれるからね)ありとあらゆる手管を使い牽制し、ついに回しを取って頭をつけ圧倒的有利な態勢に持ち込む。現在の調子実力の大きな差を思えば、もうここまでで胸熱ですよ。

 しかし圧倒的不利になってもそれだけじゃ負けないのがキング白鵬の恐ろしいところで、ここから日馬富士を投げようとする。投げるのは物理的に不可能なんだけど、あまりの膂力に日馬富士の有利な態勢が徐々に崩れていく。そして何度目かで白鵬の胸につけたつっかい棒の頭が外れ、組まれてしまい日馬富士は万事休す、ずいーっと押し出されてしまった。いやいやいや、すばらしい! 日馬富士もよくやってくれた。えらい。白鵬ももちろんえらい。満場拍手喝采。



 あまりによかったんで翌朝奥様に、昨日の相撲は素晴らしかったと力説してしまった。

「モンゴルのすごい若手が出てきたし、横綱同士の最後の一番も素晴らしかった」
「横綱は日本人なの?」
「いや両方モンゴル人だけど、いいんだよいい相撲が見れれば、会場はちゃんと歓喜の場所になるんだ」

 で今朝↓こう書いている人を見つけた。相撲を面白くしてくれる力士たちはほんと、リスペクタブルだよ。

玉川 薫
千秋楽を録画で観たが、モンゴル出身の力士数人に、古代の金剛力士とか不動明王の魂が吹き込まれるのを目の当たりにしたような思いをした。その頂点を長年一人で守ってきた白鵬が審判の判定に多少不服を漏らした程度でちくちく嫌味を言うなど、相撲協会の「伝統」も大したことないな、としか思えない。


 =======================
■15/03/25(水) □ この手を離してくれるなよ
 =======================

 【マッサン】政春の一級酒の方も知らぬ間に大成功していた。あれま。結局このドラマは政春の理想と人々の気持ちがどのように出会うかを描く物語ではなかったのか。うーん。ではエリーと政春の物語が大きく後退した後半3ヶ月、俺は何を見ていたのだろう。よくわからん。まあいいか、おばあちゃんエリーかわいいから。喋り方がほんとに日本のお年寄り :-)

 もう今週でお別れだけれど、シャーロットさんの演技を見るのはほんとうに楽しかった。あの出会いの日のまばゆいばかりの美貌の少女と、手紙を持つ手がカサカサ震えるエリーおばあちゃんがわずか半年違いだという物語のワンダー。

エマとマイクを見つめわしらもあげなときがあったのうと微笑む二人の胸に、美しい思い出が浮かぶ。若きマッサンが「この手離すなよ!」と言ってたのはずいぶん乱暴だったけれど、雪の小道でそっとつなぐ手には政春の、「この手を離さんといてくれ…」という願いがこもってるようにちゃんと見える。若い頃も気持ちは同じだったんだろうなとしみじみわかる美しいシーン。

 この物語を通して見てもエリーは国を出て幸せだったのだろうかという、政春が抱いてただろう問いに答えはない。それは俺自身も同じなんだけど、一緒に歩くと妻はエリーのようにいつも、手をつないでくるのです。答えのない毎日なのだけれども、いつもああしてつなぐ手と手が、言葉にしたり比較したりはできない幸せの答えなのかな。

 この最終週を見ていて思うのは、何も起きずマッサンとエリーがそこにいるということが、なんとすてきなのだろうということだ。これを見ていたかったし、これだけを描いてくれればよかったのかもしれない。この物語は実際のところ俺たちが知りたいことがあまり描かれず、あまり知らずともよいような部分に力が入っていた。でも二人がかわいい人たちでラブラブだったということが、一番大事なことだったんだろうな。

=======================
■15/03/28(土) □ マッサン最終回
 =======================

 【マッサン最終回】「私の夢はマッサンでした」というエリーの手紙で物語はきれいに閉じて終わる。エリーのお墓にありがとうのうとささやくマッサンを見ながら、これは愛と冒険というより愛と感謝の物語だったなと思う。あなたのウィスキーがわかってはいなかったゴメンナサイとエリーは告白し、知っておったよと政春は微笑み涙をこぼす。それでも君がいたから、あなたがいたから、すべては可能だったのです。

 何もかもあなたなしには不可能だったというのは書物の献辞やアカデミー賞謝辞の感動の定番だけれど(俺ももらったことあります!)、マッサンは献辞の代わりに生涯最高のウィスキーにエリーの名前を込めたんだな。お墓の前で振り返った彼の目に映る二人の姿。フィナーレ。



 「ダーリンのウィスキーがこの国の人たちに愛されることがエリーの冒険ではなかったのか」と先週鋭い疑問を感じたが、「味はわかりませんでした。私の夢はマッサンでした」と最後に答えは示された。そうか。エリーはただ愛と感謝の物語を生きており、それが政春の力になっていたのね。それをもってして「冒険」と呼ぶのは現代の物語ならば弱いと思うが、あの時代のエリーとそしてシャーロットさん自身にはマッチした言葉だったのだろう。

 NHK「マッサン」サイトに「国際結婚をしてよかったことは?」というアンケートがあったのだが、それは愛と感謝だと俺ならば答える。持っているものがあまりに違うので滅茶苦茶補完し合い、ありがとうのうと常に微笑み合える。脚色に不満を言えばキリがないがこの物語前半はそこを描いてくれたと思うし、最後にそこに戻り終わってくれてよかった。終わってみると楽しかったし、好きだったとしか言いようない。「半年間の役者やスタッフの撮影ドキュメンタリー by たけ」もほんとそうだなと思う。

 =======================
「Massan」by John Lennon
 =======================

エリー。わしゃ言葉にできん
考え足りんわしの、この混乱をじゃ
エリーには世話になりっぱなしだったけえ
エリー。わしゃ見せたいんじゃ
わしの本当の気持ちや、感謝をじゃ
ウィスキー品評会で優勝する意味を
エリーは教えてくれたんじゃて
Ooh well well Doo doo doo

マッサン。あなたはわかってるでしょ
私がウィスキーの味わからなかったこと
私の人生は離さなかったあなたの手の中にある
ねえマッサン。抱きしめて
どんなに離れてもわたしたちは一緒よ
結局これは星に書かれた運命だったのよ
愛してる。今もこれからも
愛してる。今もこれからも
    ----------------------

 という物語だったなあと、ジョンとヨーコを思い出すのです。

2015/03/16

日記「マリラとエリー(マッサン)」

「ダークソウルの魔力」「エリーの大立ち回り」「ダークソウルにはまったらしい」

 =======================
■15/02/25(水) □ ダークソウルにトライ
 =======================


これが2番めの勝てるわけないボス・牛頭のデーモン
かつてポッドキャスト「狭くて浅いやつら」で心が折れると評された(中ノ浦さんのヘボプレイ回顧が実に面白かった)アクション RPG「ダークソウル」にトライしてみた。ゾンビ的兵たちを剣、突き落とし等で倒すごとに「ソウル」という経験値/通貨が得られるのだが、やられるとその場にソウルが落ちてしまう。再度その場に赴き回収できれば損失はないが、回収前にもう一度やられるとその大事なソウルが消えるという恐ろしいシステムが特徴。

 最初のチュートリアルで巨大なボス敵にさっそく倒され、それまで倒した10人のゾンビ分のソウル=経験値がボス部屋に落ちる。こっ、これですね。これを拾えなければこれまでの努力がパーなんですね…。再トライ。うおおおと跳び込んでソウルを拾う→ぶん殴られてまた死ぬを4~5回繰り返す。き、キツイ。

 そして何度目かに跳び込むとうまくボス敵の背後にまわれたので、もう覚悟を決めソウルは放置したまま背後からボスを斬る! 斬る斬る斬る! 勝った! ――ひゃーと小走りしソウルを回収。助かった。心臓バクバク。なるほどこの緊張感は面白い。…しかし無理(笑)。こんな難しいゲームは俺にはプレイできません。



 ダークソウルは細密で暗い絵が非常に見にくいし、動きが重すぎる。ボタンを押すたびにぐわっしと振りかぶり、壁に剣をガツガツと無駄に当てながら戦う感じ。だいたい刀を振るのが人指し指トリガーだというのがフィジカル的につらい。人間は人指し指を引くという動作をそんなに瞬時に繰り返し実行できないのである。どうしても体に染み付いた A ボタンか X ボタンを押してしまう。ここをオプションで変えられるだけでも操作ストレスは減るのだが、できない。これが「アマラー」に近いくらいの操作性と絵だったらやれるけれどなあ。

 逆にアマラーにこの緊張感と、「この先はどうなってるんだ…」という探索感のあるダンジョンや建物があればベストだなとも言える。アマラーは景色とクエストに飽きて一時中止したのち、新たな地方を発見ししばらくその風物を楽しんだのだが、その地方の新鮮さが薄れるとやはり「クエスト式は単調である」という同じ感想に戻り再中止しているのである。

 =======================
■15/02/26(木) □ ダークソウルの魔力
 =======================

 【ダークソウル】この超難度ゲームには不思議な魅力がやはりあって、無理と思いつつまた起動してしまった。2番めのエリアの墓場で異常に強い骸骨たちにやられまくり、やっぱりやめようこんなゲームと思いつつ逆方向をためしに探索してみたら城があり、こっちは敵がゾンビなので十分に倒せる。でしばらく行くと篝火(かがり火、セーブ&回復ポイント)があった。助かった。うーむ、進められるとやっぱり面白いなあ。

 しかしあんな骸骨ザコ(あとでこいつらはゲーム内でも相当に強い敵なのだと判明)に何十回も殺されるんだから、ボス戦なんか考えただけで鬱だ。いずれ挫折することが明白なのにこんな難しいゲームに努力と時間を傾注するというのが考えるだけで鬱だ。どうしよう。やめたい。しかし面白い。「ヤメた面白い」というこれまで経験のないゲーム感情を味わっている

    ----------------------
 この第3のエリア「城下不死街」の篝火がレベル上げ用にちょうどよく配置されていたので6匹殺してはセーブとやって5レベルも上げた上で次に進んだが、次の篝火がどこまで行っても見つからない。ゾンビ兵どもと必死に戦いながらあちこち探すが、どこにも見つからない。あと2発打たれたら回復もできず死ぬというところで決死の逆戻り。ハアハア。どうなってるんだこの城は。

 これは独力では無理だと攻略サイトの地図を見てみると(このゲームはマップがないのである!)、次のセーブポイントらしきものはこのエリアにはない。となるとボス敵のいるっぽいあの光った部屋に進まねばならないのだろう。ボスになど勝てるわけがない。無理だ。やめたい。しかしヤメた面白くてやめられない。

 このゲームの面白さは雑魚の賢さと地形にある。普通どんなゲームでも雑魚はエリア限定で、その場を通り過ぎれば戦わずして避けられる。俺は回復薬を温存してボス戦まで進みたいので戦いを避け走るのだが、このゲームでは雑魚が遠路はるばる追ってくるのだ。ちょっと走る速度を落とし前方の様子を伺っていると、いつの間にか追いついてきたゾンビ兵に後ろからハァッと斬りつけられる。これがさすがゾンビ兵たちでゾンビ的に怖い。その音で前方からもゾンビ兵たちが殺到してガッチョンガッチョンと俺を斬りつけるので、やられるときは凄惨としか言いようがない(笑)。

 避けても追い付いてくるので雑魚をコツコツと倒していくと、ボス敵に行く頃には回復薬が心細くなってくる。だが仕方がない、ちょっと見るだけ見てみようと「城下不死街」の巨大ボス・牛頭のデーモンに挑む。―――ドカスカバキポキと一瞬でやられた。こんなの無理に決まってるじゃん(泣)。

 5回ほど挑み、攻略サイトを読み情報を得てさらに10回ほど挑み、数太刀かろうじて浴びせられただけで、諦めた。強いというかヒドイ(笑)。最後に萌を呼び、「これが有名なダークソウルである」と俺の死に様を見せる。「オーマイゴッド! ひどい」。そうなんだよ。ここまでとするよ。やっぱり俺には無理だこのゲームは。ここまでとしよう。

 =======================
■15/02/27(金) □ エリーの大立ち回り
 =======================

 【マッサン】エマが一馬に恋をするのは早すぎると、エリーが日記まで盗み読んで阻止するという奇妙な週が終わる。これだけエリーにそぐわぬ大立ち回りをやらせて、「戦争で恋人をなくしたトラウマを娘に味あわせたくないからでしたー」なんていう誰もが想像する陳腐なオチじゃ済まんぞとツイッター民皆で心配してたのだが、まったくその通りになってしまった。やれやれ。

 「私より先に死なないで」なんて、あのときエリーは言ってなかったじゃん。自分より前に恋人がいたことには問題ないが、そのことと自分への思いをリンクしてこういうセリフを言われたら、ニブい政春でもなんやねんその言外にあるナニカはと不自然さに気づくだろう。俺の記憶に残っているあの美しいプロポーズシーンには当然こんなセリフはない。美しい思い出に後から甘味料と醸造アルコールがブレンドされてしまったような、そういう感じである。

 このセリフを収録しておき、こうして後からジャーンどうです感動でしょうと見せるために隠しておいたのだから、作者と演出は見る側の気持ちを読み違っている上に趣味が悪い(笑)。これまでもそういうエピソードは多々あったけどね。

    ----------------------
 これに比べて同時進行のアニメ「赤毛のアン」はなんと自然で素晴らしいことか。もうここんとこ毎週嗚咽をこらえるので頭が痛くなってしまう。カナダの子供がハリーポッターとかばかり読んでこの物語を読まないのは不幸なことだ。これを買ってきて英語版を作らないカナダ国営放送はどうかしている。

 あの「エイブリー奨学金を取ったのは…」の感動のセリフはマシューがなんて言ったのだろうと気になって検索してみると、「It was a girl - my girl that I'm proud of」だった。これを「女の子さ。わしの自慢の女の子だよ。わしの娘さ」としたのは名訳である。My girl と言ったマシューの心には間違いなく、「わしの娘」という気持ちがこもっている。泣ける。これを訳したのは村岡花子なんだろう。そこをやれ「花子とアン」! という。

=============
りかぞう(‘jjj’)
思い出すとまた涙が…マシュウ・カスバート…
=============
サカタ@カナダ
おおマシュー。マシュウ・カスバート…。マリラはなぜ兄やアンをフルネームで呼ぶのであろうか。うちの奥様もそういえば私や娘をよくフルネームで呼ぶな。どういう心持ちなんだ…わからない…。
=============
たけ
横入り失礼。喩えて言うと、愛称呼びが親密な顔アップサイズの写真だとして、フルネーム呼びは、フルショットやウエストサイズの写真に似ていると感じますね。相手への敬愛感(英語で何というのか…以前サカタさんがツイートしていたが…)が感じられる。
=============
サカタ@カナダ
そうか…マシュウ、マシュウ・カスバートと呼ぶことによってマリラは、マシュウの全存在の輪郭をグリーンゲイブルズに刻みつけていたんだ。君の名を呼ぶ、アイコール・ユアネーム。…こんな完璧な答えが返ってくるなんて…たけたけ子供相談室スゴイ。
=============
tenko_TV
わたしも横入り失礼します…ドラマ「デート」で谷口巧が時折、依子さんのいない所で「彼女は藪下依子だぞ?」とか「来やがったな藪下依子!」とフルネーム呼びするのがなんか好きでw たけさんの仰る通り敬愛が感じられるんですよね。
=============
サカタ@カナダ
なるほど。たけてん横から子供電話相談室すごいw
=============


 =======================
■15/02/28(土) □ ダークソウルにはまったらしい
 =======================

 【ダークソウル】ここまでとしようとか言いつつ攻略サイトで攻撃法を調べ、3日かけてついに最初のボス・牛頭のデーモンを倒した。や、やった。牛頭への攻撃方法は察しがついたのだが、やってみると剣が当たらず、当てるためにはもう一手間(相手の姿勢の見極め)が必要で、それは俺は自力では見つけられなかっただろう。そこが惜しい。

 しかし牛頭のデーモンを倒してもまだ次のセーブポイントがない。攻略サイトでセーブポイントの位置を確認し、またトライ。雑魚にまた3度やられ、4度目についに篝火を発見しセーブ。いやはや。ドラクエ2でさ迷ったロンダルキア以来のツラさだな。

 難易度が高すぎ操作視認性が悪すぎることを筆頭にやめたい理由は山ほどあるのだが、このヤメた面白さからはもう逃れられない気がしてきた。少なくともこれをやってしまった後では、セリフに書かれた物語にしか冒険がないアマラー(オブリビオン、スカイリムも同様だろう)をやる気は湧いてこないな。ダークソウルには本当の冒険がある。というかそれしかない(笑)。物語など何もない。

    ----------------------
 次は教会らしき場所。ここも敵が強いわ。というかどこも敵が強い。それが敵の HP と攻撃力を上げて強くしているのではなく、少しずつ賢くなってきているのがえらい。この教会の敵は俺が打ち込んだらそれを跳ね除けようと構えている。これまでと違う。人間と AI の知恵比べをさせてくれる。楽しい。

 =======================
■15/03/02(月) □ マリラとエリー
 =======================

 【マッサン】工場の一馬に召集令状が来る。みな空元気の自転車操業でペダルをぐるぐる回しどうにか哀しみで崩れ落ちるのを我慢して進もうとしているのに、エマだけがみんな欺瞞だわヘドバンギャーと泣きわめき、あまりに現代(の TV)的で共感しにくい。「オールドラングサイン」をここで歌うのも合わせ、先週今週はエマとエリーのチューニングが大幅にずれている感じ。

 エマの育てられ方は実際なにも描かれてないのだが、エリーは日本社会において文化国籍にとらわれないグローバルな常識人として愛されてきたわけで、その娘のエマのこのエキセントリックさは戦争前から違和感がある。まあ学校や勤労奉仕でガイジンの娘と心が傷めつけられた反動や、極限状態での動転もあってこうなってしまってるという設定なのはわかるが、熊さんらの忍ぶ心の忍びがたさを浮き上がらせるための作劇上の対比物とされてる感が強すぎ、ただ痛い。



 アニメ「赤毛のアン」のマリラを見るたびに俺は昔の人の考え方の質実さ厳格さ厳粛さを感じそれだけである種胸を打たれるのだけれど、マッサン一家はまったくその同時代人らしくない。ただ割れ物のごとくエマを大切にするマッサンとエリーは、現代の(凡庸な類の)日本ドラマの人物としか感じられない。髪を緑に染めてしまったと絶望に沈むアンを半笑いしつつちゃんとケアして、アンが自力で浮き上がってくるのを支えたマリラのドライな暖かさとはぜんぜん違うのである。現代英国系カナダのお母さんであるうちのMを見ても、エリーよりはマリラのほうに近い。

  母となって以降のエリーに俺は魅力を感じられないな。マリラみたいだったら若い頃とキャラが違ってしまいすぎるが、しかしあの時代の英国系女性が持っていたであろう謹厳さをエリーにも見たかったなと、終わりが近づいてきたこの長いドラマを振り返って思う。ツイッターのシャーロットさんに宛てても、書くことなど何も思いつかなくなってしまった。ただ今後に幸多かれと願うのみ。

2015/03/08

日記「中島みゆき的イメージ(マッサン)」

「ピンナップベイビー、アイラブユー」「ハリウッド的なものにしらけている俺」「春の庭仕事」「闘士のエリー」「ヘドバンギャー」

 =======================
■15/02/14(土) □ ピンナップベイビー、アイラブユー
 =======================

 起きたらシーナの訃報がネットを流れてた。ああ。シーナはその存在感だけでなく声が唯一無二の人で、1曲の中で少女のような可憐な声と男に恋い焦がれダメになった大人の女のような声がコロコロ入れ替わるという、他じゃ聞いたことがないような歌い方をしていた。

 法政で見て、「クライクライクライ」のオーディエンス着火性はスゴイと話し盛り上がったのはTRさんとだったかな。芝浦でOKOと見た時は娘さんたちがステージに降りてきて幸せそうだったよ。HMさんとはパーティで「プロポーズ」を演奏しましたね。



 このビデオには本当に泣くな。死んだからじゃなくて美しいから泣けてくる。怪獣みたいな声してなんてかわいらしいんだろうシーナ。わずか2年前だよ。ピンナップベイビー、アイラブユー。

 日本のロックを知らない奥様にもこれを見せてしまった。大好きなロックシンガーが死んじゃったんだ、だけど見てよこれって。なんてかわいいんだろうって。彼女は微笑んでくれたよ。

 =======================
■15/02/15(日) □ ハリウッド的なものにしらけている俺
 =======================

 映画【007 スカイフォール】を一緒に見ようと奥様に言われ、まあそうだなバレンタインだしなとゲームやりたい心を抑えてカウチに座ったのだが、画面で起きてることのすべてが Xbox のゲームに見えた。はは。

 映画の感想は(ネタバレなし)、誰のモチベーションも俺にはわからんかったなというところ。あと最後はスコットランドでの戦いで、「マッサン」エリーの故郷ハイランドケルトはこんな寒々してるのかと思った。やっぱりノバスコシア州(カナダの「新たなスコットランド」)に似てる。そしてこの程度の熱中度だとツイッターするとか感想をリアルタイムで書くとかせずに2時間集中するなんて、俺には無理だなというところ。

 映画のテーマにピンと来なかったのもあるけど、映像的な好みもこういう欧米メインストリームと俺とでは大きく違うのかもしれない。たとえばこないだ見たフェリーニの「道」ではあらゆる瞬間が神々しいほど美しいと思ったし、アクションで言えば「カリオストロの城」は何度見ても快感を感じる。対してスカイフォールのトルコの陸橋を通る列車上での格闘では、「ああこういうきれいなところがあるのか」「落ちて怪我しなきゃいいな」くらいしか感じない。壮絶な実写アクションシーンが展開されても、感じるセンセーションは SFX やゲームとたいして変わりないなと思う。意外性におーと声まで出たのは1箇所だけだった。



 それとこれは言っても詮無きことなのだが、311 報道をリアルタイムで見てしまった俺たちには、あれより怖いものは何もない。なのでハリウッド映画(――これは英国映画かもしれないが、とにかく世界中の人が無条件に見るという意味での「ハリウッド映画」――)の多くを占めるパニックやサスペンスに俺は完全にしらけてしまっている。そういうものを目にするたびに「悪いけどもう世界は変わってしまってるので…」と思う。

 また、去年から「Radioactive(放射能汚染)」という核戦争後の崩壊した近未来を歌う古くさい SF 的テーマの歌が流行ってるのだが、実際にレディオアクティブな地域に何万人もの人たちが住まざるを得ない世界でこの歌を歌うバンドの自然保護団体的な意識の高さや、解決の道さえ見えないテロと人種対立の時代にこんなのんきな反戦歌がヒットしちゃう欧米ポップカルチャーにも鈍感さを感じてしまう。もう世界は変わってしまってるので。俺が考え過ぎなのかな。

 =======================
■15/02/17(火) □ 春の庭仕事
 =======================

すごいぽかぽか天気だ。今日は外仕事をしようと、もう倒れるのは時間の問題だったバックフェンスを一念発起して板材で直した。傾いていた柱もまっすぐにしてつっかい棒を両側に添えた。よし。見た目は悪いがこれでうちのフェンスはあと数年持つ。持たせてみせる。フェンスを直していると隣のおじさんが芝刈りを始めた。「こんな早くから芝刈りなんて記憶にないよ!」。春だなあ。

 作業中聴いてたバンクーバーの FM 104.3 がなんか選曲が変わったぞと調べると、70~80 年代に育ったユーたちへと方針が変わったらしい。前からあるクラシックロック局はプリンスすらかけない真のオヤジ向けだったので若干若返りと言えなくもないが、若干だなー。90 年代まで広げりゃいいじゃん。というか年代やジャンルを限定なんてせず、いい音楽をかけてくれればいいんだよ。それができないから限定してるんだろう。

=======================
■15/02/18(水) □ 中島みゆき的イメージ
 =======================

 【マッサン】戦争が激化し、特高にハラスメントを受ける政春夫妻というつらい週。エリーを日本に連れてきたのがいかんかったと政春は後悔する。自分が連れてきたばっかりにという政春の気持ちはわかる。だけどエリーは「新しい大好きをマッサンと探したい」と故郷を離れ、行く先々でそれを見つけてきているんだから、何が起きてももう誰のせいでもないよ。

 エリーという人の描き込みがイマイチ足りない(ですよね)のは、実のところリタさんの人生がどういうものだったのか、作者にはよくわからないからじゃないかな。俺も評伝等は読んでないけれどあの笑顔のない写真群を見ると、彼女は何を感じてるのかなと不思議に思う。幸せだったのかなと思ってしまう陰がある。


しかし「大好きな人々、大好きな明け暮れ」という主題歌の2番を聞いた時には、中島みゆきにはリタさんの人生が見えているのかと驚いた。国を捨て幸せだったのか、後悔があったのかなんてわからない。しかし母国に残してきたそれらに恋い焦がれないわけがない。それでも「新しい大好きをあなたを探したい」というリタさんの気持ちを、中島みゆきはピンで留めるように見事に書き表している。リタさんもシャーロットさんも俺もそうなんだよ。国を出たあらゆる人の気持ちをこの歌は、狂いなく射抜いている。

 竹鶴さんも政春もそれを知っているから、人生かけてパートナーを幸せにしたいと狂わしいほどに思う。「みんなエリーのおかげなんじゃ」という政春の言葉は実際的なエリーの内助の功を言ってるわけではなくて、そこまでしてわしを思ってくれる君がいたから生きてこれたということでしょう。

 君がいなくなればわしの火は消える。工場は止まり樽は割れ、すべては地面に流れ消えていく。あなたから離れたら私の庭の花は枯れる。窓は割れ水差しの水は蒸発し、空に消える。「マッサン」はそういう愛の物語なのだと思う。シャーロットさんと玉鉄のおかげで、脚本に書かれていないところまで中島みゆき的にイメージできる。

 =======================
■15/02/19(木) □ 闘士のエリー
 =======================

 【マッサン】エリーが特高に連行される。はあ。シャーロットさんの朗報(ブロードウェイで主演)が本日発表されたのは、特高によるエリーと政春への理不尽な仕打ちに耐えられん弱き私たちのスピリットを、あらかじめ少し上げておこうかなー的な希望のともしびだったのだろうか。はあ。

 いつもは家族のことでポロポロと、指でつついただけで泣いてしまうエリーなのに、今日は泣かなかった。わしも連れて行けと特高に食って掛かる政春の背中で、家族のために立ち向かう泣かない闘士に切り替わっていた。「私は亀山エリーです! この国に愛する夫と娘がいます!」。すごい。ため息。

 =======================
■15/02/24(火) □ ヘドバンギャー
 =======================

 こないだカレッジバンド合戦を見てロック気分が高揚した萌が帰りの車でベイビーメタルをかけたんだけど、最後に女の子が「ヘドバンギャーッ!!」と叫ぶのがおかしくて、家につき車を止めてからゲラゲラ笑った。なんだそれ。すばらしい。ヘドバンギャーッ(笑)。

 萌はいつも車で俺にアークティックモンキーズを聴かせる。カッコいいけど自分から聞こうとは思わないというくらいの感想なんだけど、今朝親子沈黙の車内でまたこれを聞かされ、「このバンドってヘドバンギャーだよね。ダークなヘドバンギャー。私にはダークにヘドバンギャーな青春はなかったからな。ただのバカで」と話した。

 歌詞は読んだことがないんだけど、アークティックモンキーズの音は硬く無愛想で、彼らが練習する狭いスタジオに入っていって迷惑そうな視線を受けながら聞いてるような感じ。その居心地悪さに打ち克つほどの快感は俺に湧いてこない。お呼びでない? こりゃまた失礼しましたヘドバンギャーって感じ。



 萌が「自分のパッションを語る」という学校の課題で作った『私のパッション:写真とビデオ』というビデオクリップが素晴らしい。学校から帰るバスから見える風景や友だちと行ったバンクーバーの映像を、流れるように美しくまとめている。フランス語科なので何を言ってるかぜんぜんわからんけれども、きっと言ってることも情熱的なんでしょう。ヘドバンギャー。

 私のオリンパス・マイクロフォーサーズを持って本人は映像に収まっているけれど、実は彼女はこの映像を全部 iPod で撮っている。iPod だけで写真とビデオと編集ができてしまうんだからすごいよね。いまどきの子供は、その気になればこんなクオリティのものを作れてしまうのだ。

2015/03/01

日記「洋ゲーの底力」

「バットマンすばらしい :-)」「洋ゲーの緊張感」「Gamejunk はカナダ人だった」

 =======================
■15/01/24(土) □ バットマンすばらしい :-)
 =======================

RPG「キングダムズオブアマラー」は一時休止して、うちの Xbox ゲーム 50 本詰め合わせに入っていた中で評価が非常に高いアクションアドベンチャー、「バットマン・アーカムシティ」を開始した。キャラクターものかとややバカにして始めたらもう笑ってしまうほど面白い。建物から建物へヒュンヒュン跳びスパスパ登っていく。アマラーで満たされなかった高いところへ登るデザイヤーが存分に満たされていく。

 ザコ敵すらサクサク倒せずバトルに苦労しているが、劇場的なゲーム性とやれることの多彩さが素晴らしい。けむり玉を地面に叩きつけ、ケムに巻かれて怒号を上げる敵を音もなく急襲して倒すミッションには楽しくてゾクゾクさせられた。着地する地点がわからずこれを10回も失敗したのだが、操作感がよく楽しいのでちっとも苦にならない。死ぬたびに敵のハーレイクインにけたたましい声でキャハハハ Stupid bat! と侮辱されるのも腹が立たない。というかむしろ気持ちいい :-)。

 というわけで最高に面白いのだが、奥様にこれやる? と尋ねると「バットマン? あなたバットマンのゲームやってるの!?」と大笑いされてしまった。いや俺も最初はそう思ったよ。だけどよくできてるんだよ。今回 Xbox と共にうちにきたゲームではおそらくこれが、謎解きとバトルの組み合わせで最もゼルダに近い面白さがあるな。



ハーレイクインに罵られながら改めて思うのだが、Xbox ゲームの男キャラはどうでもいいが、女性キャラは魅惑的だな。俺はアメコミ絵より日本アニメの絵のほうがずっと好きなのだが、ゲームキャラでは FF 等の口半開きイノセント女性より米ゲームの気が強く攻撃的な女性のほうがずっと魅力的、魅惑的に感じる。3D でくりくり動くゆえに、女性の身体のボンキュッボンや動きの柔らかさが強調されるからだろう。ロック歌詞に出てくる「俺を惑わす女」っていうフレーズがぴったりくる。こういう女に振り回されたいというアメリカ男の夢を正直に包み隠さず表現している。というか俺も同類です、包み隠さず書くと。

 奥様もこういうふうに歩いたらどうだろうかと提案すると、ガリガリに痩せてハイヒールを履かないとこうはならないのよ、どっちもやる気なしと却下された。

    ----------------------
 Xbox 360 本体の言語を日本語にするとバットマン、Forza 4 などは日本語版になるのだと判明した。言語選択がユーザーごとじゃなくコンソール一括なのがそもそも洋ゲーアホ UI としか言いようがないのだが(子供は英語でも親は別言語という家庭はカナダ中に…まあ親はゲームせんのか普通)、この柔軟さはすごい。さすが安い汎用 PC で動く Windows の会社が作ったゲーム機という感じがする。

 そういえばうちに住んでた頃甥 MK が初代 Xbox を買ってきて改造し、TV の HDD レコーダに仕立て上げたことがあった。「この値段でこのグラフィック性能の PC は絶対に買えないから最強、バンバン作って売る」とかマッサンみたいなこと言って。しかし当然改造の手間に見合うわけなく頓挫してたが。

 =======================
■15/01/31(土) □ 洋ゲーの緊張感
 =======================

 週末バットマン・アーカムシティを再開。最高に面白いが緊張して少しずつしか進められない。意外に雑魚が強く囲まれるとヤバイという緊張もあるが、自由度の高さに緊張している。自由であるがゆえに、何かを見落として進んでるのではないかという不安が常にある。ここが和ゲームと違う。

 たとえば今ハーレイクインがたてこもる工場内のあるモノは全部破壊することができる。ゼルダならその1つ1つに役割があって、たとえば《2つ爆弾がある→爆弾で突破するトリックが2つある》という暗黙の了解があり、それがヒントにもなっている。それが済めばその部屋・エリアでの仕事が完了する。しかしより現実に近くお約束の少ないバットマンでは、謎解きに使うモノもあればただ壊れるだけのモノもある。先に進むだけならそのモノをまったく使わなくてもいい場合もある。あるステージから次へといつどう先に進むかは、プレイヤーの裁量に委ねられているわけである。

 進むべき道が整備されている和ゲーしかやったことがない俺は、この自由度に戸惑い「これで進んで…いいの? さっきのアイテムやドアはチェックしなくていいの? なんか見落としてんじゃない?」と常時後ろ髪を引かれてるわけである。いやほんと面白いなこの違い。




 プレイに慣れてゲームの作りはわかってきた。最初のうちは建造物は膨大にあるし、街中どこからでも乱闘が起き助けてくれという男の声が聞こえてくるのでどこから手を付ければいいのかと戸惑ったが、とりあえずメインストーリーだけ追っていればいい。助けてと喚いてる奴を助けるのはドラクエでスライムを倒すのに等しい経験値稼ぎなので、やりたいときに適当にやればいい。他のサブミッションも同様。こうしてオープンワールドゲームの遊び方に俺は少しずつ慣れていく。


 メインストーリーを追っていると話がどんどんとつながり、バトルの舞台となる大型建物へと誘導されていく。ボス敵がいるその建物をラジオその他の様々な手段で探し出し、忍び込み戦うというのがメインゲーム。で映画に出てくる悪役らしきボス敵を倒すと次の建物へのヒントや新しい武器が手に入る。ストーリーはさすが、見事によくできた活劇で面白い。

 大きな建物はちゃんと攻略法にアイデアを注ぎ込んだダンジョンになっている。最初は謎解きもヒントが明白だったのだがだんだん高度になってきた。ゼルダほどの規模ではないけれど、どうやってこのドアを開けるんだと悩まされるのは同じように楽しい。どう敵を倒すかも同様にいつも考えさせられる。

 話がところどころダークでグロく、絵は写実的であるがゆえに情報過多で見にくく、そして多彩なことができ敵が強いのでゲームの難度は高い。なのでMにプレイしてもらうのは実際無理なのだが、アクションと謎解きはゼルダに引けをとらないくらい面白い。

 =======================
■15/02/01(日) □ 洋ゲーの底力
 =======================

 【バットマン AC】いやー最高。精密に作られた地下鉄廃坑や博物館廃虚の 3D モデルを、ガラスの質感までよくできてるなあと隅々まで鑑賞して歩いて行く。ゲーム的には単なるバトルの舞台なのだが実に細部まで作り込まれている。いい加減にやめて寝ろと奥様にも娘にも叱られた。楽しい。洋ゲー作法にも慣れてきて、すべての仕掛けを解けずとも「まあいいか、ここまで」と自己判断で進めるようになってきた。

 ゼルダのようなアイデアの集積ゲームは日本ならではのものなのだろうと俺は思っていたけれど、やっぱそんなことないすね。解けたら快感のパズルステージをこつこつ作り上げることは、日本の専売工芸品ではなかった。パズル性はそれがスペシャリティであるゼルダのほうが当然上ではあるけれど、アクションの多彩さと画面の緻密なモデリングを総合するとこっちも互角に面白い。これはアクションゲームの東西横綱クラスなんではないだろうか。俺が人生これまでやったゲームの中でも指折りである。ゲームは進化したなあと、SEGA メガドライブから Playstation に買い替えたとき以来の感慨を覚える。

 Xbox 導入前にやれるゲームを調べると戦争や犯罪ものばかりなので、「単にハリウッドのアクション映画がゲームになっている、俺はゲームならではのものがやりたいのに」と批判的に感じたのだが、このバットマンはアクション映画をゲームでなければ体験できない楽しさに見事に変換している。「オブリビオン」(とその後継スカイリムの映像)には恐れ入らないが、これには恐れ入ったな。日本のゲームメーカーもこれには圧倒されたことだろう。




ストーリーのあるゲームはまだ「アマラー」とバットマンしかやってないが、洋ゲーの底力は映画産業に裏打ちされていると感じる。王道感と意外性が程よくブレンドされたプロット、ハードボイルドでキレのある台詞と演出、そして映像と声による痛快な演技。キャラと声優による悪役の芝居がとにかくうまい。

 バットマン AC のボス敵はみな映画や TV に出てきた敵役だそうだが、明らかにその映画での喋りや動きがモデルとして使われている。ゲームの発売元はワーナーなので、バットマンやジョーカーの声は実際の映画の役者なんだろう。日本メーカーの 3D モデルの大本になっているのは一般モデルだろうし、声も一般的なアニメボイスなわけだから、映画産業をバックボーンにした洋ゲーはリソースの潤沢さがケタ違いなのだ。和ゲーがこれに対抗していくのは容易ではないな。うーむ。



 アマラーでゲームキャラたちが喋る長い英台詞は非常に聞き取りにくいのだが、バットマンは聞き取れる。それは主人公のバットマンが喋り、会話形式になるからだと気がついた。

【悪役】とうとうやってきたなコウモリめ!
【バットマン】会いたかったわけではないがな。
【悪役】ここがお前の死に場所だ!
【バットマン】まあ今にわかる。

 といった会話の簡潔なリズムで内容がきれいに入ってくる。RPG の場合普通主人公は喋らないので会話形式にできない。名前もプレイヤーによりマチマチなのでセリフに使えない。なので固有名詞がやたら多いアマラーでは、

【悪役】とうとうやってきたな死にゆく者よ。このリレランロレラリレの釜の底がお前の死に場所だ。アマキサナサッレセンソンゴにでも祈ったらどうだ死にゆく者よ。ムジェカカウスネインンギトへ落ちるか。それともおとなしくキィスネフフスケンシカを手渡すのか、あァ死にゆく者よ!
【俺】はい/いいえ


 みたいなテンポのクソ悪さと用語の聞き取れなさで理解を阻害するわけである :-)。

 =======================
■15/02/13(金) □ Gamejunk はカナダ人だった
 =======================




今年の BC は記憶にないくらいの暖冬だった。氷点下になったのは1週間かそこらだったと思う。もう花が咲いてるし晴れた日は外でシーツを干せちゃって、ありがたくて仕方がない。ごめんね the rest of カナダ。

    ----------------------
 例のゲームポッドキャスト gamejunk を、俺は毎日聴いている。この3人はトロントのカナダ人だと判明。会話に「子供の頃カナディアンタイヤマネー(カナダ最大のディスカウントスーパーの商品券)でゲームを買った」と出てきてわかった(笑)。道理でだよ。俺に大量のゲーム付き Xbox を超安く売ってくれた地元プログラマー氏と同じ、物腰やわらかな感じがするよ。

 カナダで TV やラジオを見聞きしても俺はさして面白く感じないんだけど(そりゃ威張れることじゃないですが)、これは面白くて仕方がない。日本語の趣味系ポッドキャストを聞いてるのとまったく同様に気持ちが相通ずるのに加え、日カの文化差も当然感じられて非常に面白い。

 やっぱり TV ラジオでやってるのはメインストリームで、ポッドキャストはサブカルで、後者のほうがずっと万国共通度・共振度が高いんだろうな。この番組で3人のゲーム話を聞いてると、俺はいい国に住んでるんだなあと改めて思うのであった。こんなところでそれを実感してたら知人友人が怒ると思うが。

 【赤毛のアン】高校卒業式の回。小さなアンがマシューと馬車で来た道を、アンとマリラとマシューがグリーンゲイブルズへ向かっていく。ああ終わりに近づいてるんだなあと寂しい。「花子とアン」と同時期に始まって、「マッサン」と同時期に終わりを迎えるのか。このアニメを英語音声でカナダで放送すれよ CBC!