2008/07/21

日記「Fort Langley ファームツアー」

「健康食の罪」「ヤングコリアンズ夢の1月」ほか。

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■08/07/07(月) □ 健康食の罪
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 俺の誕生日、日本行きの準備や掃除等雑事のみで行事は特になし。昨日KT・HNを呼んでケーキを振舞った。

 萌は毎日サマーホリデイを楽しんでいると思うが、TVで見る大ウォーター遊園地のCMを見て興味を示したりしている。ああいうところに連れてってやらないとかわいそうかなあと思う。まあカナダなので水遊びするほど暑い日はあまりないわけだが。日本では当然地元のサマーランドに連れて行ってやれるが、8月の酷暑と田舎町の娯楽の少なさが心配である。

この頃前よりアニメチャンネルを見るようになったので、萌はこうしてCMに影響されているのだが、こないだ「日本に行ったらハニーナッツチェリオ(シリアル)を買ってくれない?」と言ってきた。ハニーナッツチェリオなんてカナダのもので、日本になんか多分売ってないよ。

 しかし萌がなんでこんなことを言うのかは明らかで、萌は健康食主義母が買うオーガニック全粒粉の低糖シリアルを食べなきゃいけないと考えているのである。だけどCMで見るハニーナッツチェリオがどうしても食べたい。そこで「日本に行くときはバケーションだから許されるかも」という理由を思いつき、俺にお願いしてきたわけである。そんないたいけな気を使わずとも、ハニーナッツチェリオなんて今度買ってやるよ。朝は栄養のある全粒粉シリアルにして、ハニーナッツチェリオはスナックに食べればよいではないかと妥協案を打ち出してやると、夢がかなったといって超喜んでいた。

 健康食というのは罪なもので、なんでもかんでもオーガニック全粒粉で作るから、ボソボソの味気ないパンやシリアルやパンケーキができあがる。マルチグレインのパンなんか、まともに噛めば歯が痛むくらいコッチコチの堅い穀物が混ぜてある。あまりの食感の悪さに俺はそういうのは喉に通らない。萌はそれを食べて育っているので普通に食べられるのだが、ときどきかわいそうだなと思うのである。いくら健康にいいといってももう少し美味に作れないものかと思う。

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■08/07/14(月) □ 快適すぎる Poco 市の夏
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 窓から吹く風が気持ちよくてたまらないこの頃。25~26度、日向は肌がジリジリする紫外線地獄だが(紫外線強度は日本の5~7倍とのこと)、Mを迎えにクルマを出せば陽光きらめきながらも風は涼しく、ここは軽井沢かという高原気候だ。

 夕方学校のプレイグラウンドでDIとまた待ち合わせ遊んだ。日向はまだかなり暑かったが、日陰にいれば快適。DIのお母さんとも話したのだが、俺は東京に住んでるときは夏の旅行にすべてを賭けて働いていたのだが、ここに住んでいると夏にどこかへ旅行したいという気持ちがちっとも起こらない。気候が快適すぎるのであろう。まあ雨季の冬は乾いた暑いところへ行きたくなるけれど。

 しかしDIのお母さんはユーコンで育ったという珍しい人なので、こんな環境でもまだ子供たちにとっては自然が足りないわなのだそうだ。そりゃユーコンなんていったら人間よりシロクマと狼の方が多いみたいなところだろうからなあ。

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■08/07/17(木) □ 南洋の風
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 萌は急遽呼ばれてBRのバースデイパーティへ。BRのところは夫婦共働きで大変なんだとずっと思っていたのだが、ピックアップしに行ってみたら普通の家に住み、大家族で面白いおもちゃに囲まれて幸せなお宅なのだった。ビンボーなのかと思ってた (^-^;。

 ガーデンパーティに集まったBRの家族親族が、まあこっちに座れ食べていけと大人数で盛んに招き寄せる。なんかうちの隣家のパーティには顔を出す気がしないのだが、こっちは時間が許せば寄って行きたいなあと思わせる雰囲気があった。BRの家族はフィジーから来てるのだそうだが、その南洋系の大らかさに惹かれるのかしら。

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■08/07/18(金) □ ヤングコリアンズ夢の1月
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仕事を半分終わらせ、MがESLを教えていたカレッジの卒業パーティへ。今回1月短期留学に来ていたのはプサンの大学の生徒たちだったのだが、4年前の日本のM学院大学生とまったく同じだなあと思う。言葉が違うだけで、表情や振る舞いからは見分けが付かない。日韓の若年文化はそっくりで、非常に幼い。必ずしも悪い意味ではなく、おどけた仕草などみんな本当にまだ子供なのだ。見ていてくすぐったくなる。

 英語でのプレゼンテーションの内容がちょうど萌たち小学校低学年と同等だったのだが、たとえ母国語でもそれはあまり変わりなかったんじゃないかと思えるくらいコドモコドモしていた。

 最後にこの1月の思い出をまとめたスライドショーがあったが、たった1月でバンクーバー周辺の名所をくまなく周っていて驚いた。15年住んでる俺たちでも行ったことがないところまでちゃんと行っている。これはこのプチ留学プログラムのコーディネーターがよほど優秀なのだろう。その人が撮ったのであろう写真も実に見事にヤングコリアンズの夢の1月を捉えていて、つくづく楽しそう。各生徒がもらえるらしいこのスライドはこの上ないお土産だ。帰ってからこれを見せれば、お父さんお母さんたちはお金を出してやってよかったと心から思うだろう。それほどに素晴らしい1月だったようである。

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■08/07/19(土) □ Fort Langley ファームツアー
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 Mのハードスケジュール終了記念、Fort Langley ファームツアー。さほど暑くなくほどよい行楽日和である。

最初にホースパークへ。びっくりするほど広大なパークに馬がごそごそいる。こういうところに来ると北海道のノーザンホースパークを思い出すなと、父さんが北海道で有名な馬を乗りこなしめちゃくちゃかっこよかった話をMにしてやる。Mは感動的だわとたいそう喜んで、今日のツアーはおじいちゃんに捧げることにしましょうというのだった。大学の哲学課程でやった仏教・神道的な概念にかぶれているわが妻は、きっとおじいちゃんもあの世から一緒に来てるわよと喜ぶのである。そうだったらいいねえ、父さん。

 しかし屋内馬場でなにかベーシックな引き綱の技術査定のようなことをやっていたが、期待していた飛越競技はやっておらず他に見るものも特にないので、ぐるっと周って次へ移動。おなかが減った。

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 こないだ通り過ぎたときに感嘆した、あの Fort Langley の町に戻りランチ。フロンティア(日本で言うアーリーアメリカン)調のほんとにかわいい町だ。軒を連ねる商店はみな古い建物を改造したもの。生えている樹木もモコモコした、カナダでは他に見ないポプラ等デカ葉樹木で気持ちいい。同じく古い町であるハリファックス同様町のど真ん中に 教会と墓場があり、その墓場までがかわいいのである。

あまりうまそうな食べ物屋はなく、フィッシュ&チップスを買って公園に行く。ここでこの町の問題点が発覚。蚊がすごいのだ。表通りを歩いているときからいるなーと思っていたが、藪に囲まれた場所ではひっきりなしにガンガンとアタックしてくる。ぐわーたまらん。やはりフレイジャーという大河に面した町なので(橋から徒歩 30 秒で町だからな)、淀みや湿地に無数の蚊が生息しているのだろう。気が付けばプロパンガスを使った「モスキート・マグネット」というものを使っている店が多かった。熱でモスキートを吸い寄せるというのだろうか。謎だ。

しかしその蚊問題以外は文句なく気持ちのいい町で、夕方まで散策を楽しんだ。セラミックの巨大キノコを並べたガーデン品店とか、ブリキおもちゃ屋とかステンドグラスショップ、古い駅舎と見張り台に乗れる貨車などなど、普段見かけないものがたくさんある。俺は郊外住宅地の利便性を捨て切れない小市民なのでメルが言うがごとくここに住みたいとまでは思わないが、リゾート訪問は楽しい。

2008/07/05

日記「夏休みのプロジェクト」

「夏休み初日&パークピクニック」「夏の夕暮れ川遊び 」ほか。

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■08/06/27(金) □ 夏休み初日&パークピクニック
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 放っておけば一日 Webkinz などPCゲームをやってそうな萌を叱咤して、他の遊びやピアノをやらせる。コンピュータを使わせないためには、親が一緒に何かをやってやる必要がある。

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 夕方、Mがこの夏久々に英語(ESL)を教えているカレッジのピクニックへ。途中 Lougheed で大渋滞にはまってしまった。事故かと思ったら、単にハイウェイに入ろうとする車の列が Lougheed を堰き止めていたのだった。夏休み最初のウィークエンド、行楽地へ向かう車で地獄のハイウェイとなっているに違いない。このバンクーバー周辺と、車で何時間もかけていく田舎とでさほどの違いがあるようには俺には思えないのだが(気温は内陸に行けばかえって上がるゆえ避暑というわけでもない)、カナダの人々にとってはこの渋滞を抜けた先にある「人のいない場所」に行くことがバケーションなんだろうな。



ピクニックは萌がウォーターバルーン投げやら綱引きやらのゲームで盛り上がるのを眺め、俺は年配の先生たちにギターを弾き歌を歌ってやったりして楽しむ。ゲームが終わるとあちこちで何組ものサッカーが始まり、公園中がサッカー大会という感じになった。

 メインの試合はカレッジESLの生徒たちが大人数でやっていたのだが、UAEとメキシコと韓国から集団で来ている大学生たちで、これがみなうまい。メキシコはボディシェイプがよく、ボールを足元で動かしながら遠くを見パスコースを探し、UAEは高い身体能力と足先のうまさを見せるという試合で、素人サッカーながら見ていて面白い。

 メキシコの若者がサッカーがうまいのは当然という気がするが、UAEもここまでやるとはなあ。WC予選で日本はバーレーンやオマーンに相変わらず苦戦しているが、やっぱアラブ系は東アジア系より身体能力と基本キック力が高いんだなと実感する。韓国大学生たちはUAEとメキシコの間で脇役になっていた。

 UAEはアーセナルのシャツを着た子供が何人かいた。やっぱUAEの国民にとっては、自国の国営会社名を大々的に冠したこのクラブが誇りなのだね。

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■08/06/29(日) □ FM 2008三年目終了
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 ついに真夏日2日目、今年最初の屋外プールへ。プールに入っていると俺と萌はすぐに冷えてしまうのだが、上がっていったん体を温めてからの噴水遊びは非常に盛り上がった。

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 【FM 2008】ローマとリヨンを粉砕し2年連続CLファイナルへ。強い。相手も2年連続アーセナルでうんざりだが、今のうちならば勝てる。一時調子を落としたのは戦術の混乱であった。プレミアは最終盤にマンUが1試合落とし、こっちは大久保の1発によるドローでしのいで、FM 2008三年目にして初めてのタイトルを決めた。よし。

 しかし暑い。室内で29度だが風がないのでもっと暑く感じる。日本に行くまでに暑さに体を慣らさないと大変だ。FM 2008 はPCに負荷を与えるので、CPUもHDD温度もメーター限度を振り切って困っている。ケースを開けているので、これ以上温度を下げる方法がないのだ。日本の八幡ハウスなんかもっと暑かったわけだが、いまのPCはあの頃よりもクロック10倍で熱量も高いのであろう。

 ま、またCL決勝で負けた。今年もまたヴァンペルシーにやられた。がっくし。駄目だ、ここ一番でアーセナルに負け続けるおまえら West Ham の選手たちにもう未練はない。やめてやる。

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 辞任すると、さっそくリバプールから監督オファーがきた。しかしベニテスが阿呆なことに大金を叩きつまらない選手を揃えた上にCL出場権を逃しており、おかげで今年の補強費はわずか2億(絶句)。これではどうしようもない。うーん。......いろいろ考え、初期化して初年度からリバプールに就任することにした。West Ham とは格が違うチーム力をベースに、この3年の経験を生かし安くていい選手を集め、万年4位を脱し最強チームに育てるのだ。よし。

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■08/06/30(月) □ 夏の夕暮れ川遊び
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 電話番号を知ってる友達をリストアップしていってJTが首尾よく遊べることになったのだが、萌とJTはJDがいないとあまり盛り上がらないようで、妙に静かに遊んでいる。覗いてみると萌は本なんか読んでいる。うーん。JTは賢い子なので俺がバカをやって盛り上げるという感じでもないし。まあ庭で静かに話をしながらクッキングをしてるので、いいのか。

夕方は今度は約束していたDI一家と学校裏の小川を散歩した。こっちのほうがどちらかというと夏の夕暮れらしい楽しさがあり盛り上がった。DIは家族にいろいろと問題があり気の毒な子なので、遊んでやれるときにはできるだけ楽しませてやりたい。ゴムロケット打ち合いとかのバカ遊びを喜んでくれてよかった。

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■08/07/02(水) □ カナダ郊外暮らしの利便性
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 エリオのオイル交換でCTへ。問題は何もなく、クルマは安車でいいからとにかくメンテフリーで走ってほしいという期待に応えていてくれる。オイル交換でエンジンが滑らかで静かでパワフルになった。タイヤローテーションもやってもらい、タイヤの減りが均等化され直進性とショックの吸収性が良化した。ちょっとしたケアで走りに気持ちよさがよみがえる。実際この車のエンジンとATは最高で、Lougheed Hiway で3速に入るあたりの加速は1年経った今もゾクゾクするものがある。2ストバイクにはかなわないが、4スト単気筒バイクには圧勝する快感エンジンだ。

オイル交換が予定以上に長く2時間待ちとなったので、公園で1時間遊んだ後マクドナルドに入る。普段ファストフードになんてめったに行かないゆえ、おまけ付きチキンナゲットなんか買えて大喜びする萌を見つつ、まずいアイスコーヒーを飲む。こうして1箇所に生活必要施設がまとめられ、1ポイントで用事が済むようになっているカナダの郊外暮らしは実に合理的で快適であると感心してしまう。公園のボードパークなんかも、実によくできているしなあ。ありがたいありがたい。


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■08/07/03(木) □ 夏休みのプロジェクト
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 こないだから Zimmer Twins というTVアニメのゲームを萌がやっている。フラッシュアニメの用意された動画を選択し台詞をつけショートストーリーを作るという遊びで、絵を描かなくても簡単にアニメが作れてしまうのがすばらしい。しかも面白いストーリーは実際に声優がセリフをつけオンエアしてくれるというのだからすごい。

 萌は夢中になって作っているのだが、8歳の子供がぱっぱっと思い付きで作るストーリーだからやはりガキ的で、元の絵柄につられたありがちな言葉がつき、ちっとも面白くない。まずいことに保存すると作ると同時にパブリッシュされてしまう仕組みになっており、そうして萌が作った不出来なアニメがもう3本もアップロードされていて、「つまらんつまらんつまらん」といったキツいコメントがついて萌は少しがっくりきていた。

 だったら全部消してちゃんと面白いのを1本作ろうと、俺も一緒に考えてみた。萌が自作したジョークが非常にスマートでよいのでこれをベースにして、ボケ役のブラザーが強力にくだらないジョークを返すという日本の漫才風味を加えると破壊力が出る。ここにくだらないジョークを入れてと萌に注文するとまたいいのができて、いいデキのアニメが完成した。アップロードすると即座にポジティブな反応がきて、「間違いなくTVに出るね」とまでいわれ萌は大喜びであった。よおし。この夏 Zimmer Twins で放送されるというのを、萌の夏休みプロジェクトとすべし。

2008/06/26

日記「タレントショーで終業式」

「老人ホーム訪問 」「巨大バーベキューマシン」「子供の習いごとは先生次第」ほか。

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■08/06/12(木) □ 老人ホーム訪問
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 萌は誕生日から金土日のパーティまで行事が続き、行事疲れで週明け風邪をひいてしまったのだが、もう大丈夫。今日はクラスが老人ホームを訪問しバンブーダンスと歌を披露する日で、朝から張り切って出る。

 見に行くと実に立派な高層の看護ホームで、ステージとなる1階ロビーには教会ルームなどもできている。しかしほとんどの入所者が車椅子であり、呼吸器をつけたり認知症のお年寄りも多く、年を取るということはどこの国でも大変だと思う。

萌は学校での発表会でもそうだったが人前で歌や踊りを披露することがうれしくてうれしくて、クラスの中で一番ニコニコと笑いが止まらない。エンターテイナーに向いてるのかもしれない。俺も人前で演奏することはもちろん好きだが、ステージに出る前にはあんなにハッピーでニコニコではいられなかったぜ。

 バンブーダンスの演技とその後の歌は、司会の先生が大きな声で盛り上げても観客がお年寄りすぎて反応が「...ye.a.h....」という感じでか細く(笑)、そのせいで子供らも学校で披露したときよりも元気が足りず、今ひとつだった。だがもちろん十分に喜んでもらえ、最後にお年寄りたちに手を振り握手をして会は終わる。

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 帰る車の中で萌が、泣いてるオールドピープルがたくさんいたよという。「え? 感動して?」「そうだと思う」。そうかー。子供らが歌ったのは "This Land Is Your Land"、ウッディガスリーの歌らしい。調べてみると 1940 年というから、ちょうどお年寄りたちの青春の歌なんだろう。年を取り死ぬ間際に、あんなにキラキラと未来がほとばしり光り出るような子供たちがやってきて歌を歌ってくれたら、俺も泣くかもしれない。

 "This Land Is Your Land" は、「こんなすばらしい国に生まれたことを感謝する歌なの」だそうだ。実際カナダはいい国です。ここで子供を育てられることをいつもありがたく思う。ポップカルチャーがつまらないこと、おいしいものが少ないことその他の不満を我慢して余りある。

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■08/06/14(土) □ 巨大バーベキューマシン
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 親戚2人を迎えて焼き肉というので昨日支度をしたのだが、あとMとBとAの分もねと後からいわれ、総勢8人なんて肉も野菜もヒバチ面積も足りるわけないだろうと喧嘩になる。結局LD家から巨大バーベキューマシンを借りてきた。

こういうバーベキューマシンは使う気がせんのだよなあ。こんなに場所を取り、業務用のごとくでかいガスタンクをスタンドまで運びガスを充填してもらうという手間をかけさせながら、役に立つのは夏に数度のバーベキューだけというのが馬鹿ばかしい。キャンプ用コールマン・ツインバーナーなどお手軽汎用道具の対極にあると思う。

 だいたい小型多機能なものや工夫した使い回しが好きな貧乏性日本人と正反対に、カナダ人はこういうデカ単機能製品を好む傾向が強い。向かいの家の親父が典型的な単機能モノ愛好者で、カナダ郊外親父セット一式(ピックアップトラック、キャンピングカー、モーターボートなどの季節デカもの)はもちろん、落ち葉を突風で飛ばす掃除機の反対みたいな機械まで愛用してるんだよな。落ち葉を数mぶっ飛ばす以外に何の用途もないバカ機械。そいつで何十分もかけ家の前の落ち葉を車道に飛ばしている彼を見ると、あまりの非効率さに人事ながら腹が立ってくる。

 こういうバーベキューマシンは俺ではなくああいう親父にこそ似合うのだ.....と心の中でぼやきつつ、ともあれお客が大人数なので頑張って肉を焼き始めると、MAX にしても火力が弱く思ったほどに焼けない。どうやらふたを閉め内部温度を上げて調理するらしい。そういえばフタに温度計がついているし、つまりこれはオーブンなのだ。今日は一応日本風焼き肉を期待してお客が押し寄せたのだが、出来上がったものは焼き肉風ローストビーフなのでした。

 食べてみるとやっぱうちの小さな炭ヒバチで焼いたほうがずっとうまい。だがもともとカナダの肉なので、ベストな味が出なくてもまあそんなに惜しくもない。みな喜んで食べてくれたのでよし。ビーフよりもポン酢仕立てのチキンのほうが好評で、あっちを大量に用意しておくべきだったかもしれないな。

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■08/06/18(水) □ 子供の習いごとは先生次第
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 カラテ:3代目師範代の毎回40分に及ぶストレッチ&筋トレづくしに腹を立てている。彼は自分が強くなるためにこういう筋トレメニューを組んでやり効果があったのだろうが、生徒はみんな子供なんだぜ。筋力なんてつける時期ではないのである。最近は初期よりさらにエスカレートして正拳腕立てやら指立てまでやらせてるんだから、怪我をしたらどうするのかと思う。指立てなんてまじめにやらんでいいと、俺は萌たちに日本語で声をかけている。2代目の指導も鬼ごっこばかりでカラテの中身は薄く馬鹿ばかしかったが、少なくとも子供らは楽しんおりエアロビクス効果はあったのだ。

 今日は久々に1人1人で型を疲労したのだが、この師範代になってから筋トレばかりやらされ型や基本技をまったくやってないので、全員てきめんに下手になっていた。スピードが落ち体がブレている。結局GL先生が産休に入って5ヶ月、誰も進歩しないまま春夏が過ぎてしまった。子供の習い事は本当に先生に左右される。先生が悪ければどうすることもできず停滞してしまう。

 今後もGL先生が戻るまでは変わりはないだろう。今月末で3ケ月の期間が切れるので当面やめさせるとLS母さんにいうと、彼女も同じ考えで、LSが続けたいなら別流派に入れるとのこと。うちは9月以降GL先生が戻るまで保留としよう。

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 【FM 2008】CL:くじに恵まれガラタサライを 2-0/4-2 で軽く突破し、ベスト4。準決勝レアルを相手にすばらしいパスサッカーで 2-0/2-0 と完勝。1対1では格上のチームから点は取れないが、完成したFWのコンビネーションがあれば点が取れるのだという見本のようなサッカーだった。最初は動きがヘボいと思ったがここまで組織力が上がるとは、FM 2008 のパス創造エンジンはすばらしい。メンバーをある程度固定したほうがコンビネーションが上がるようだ。

 リーグは最終戦裏でマンUがドローとなり、うちがチェルシーを相手に1点差を守り切ればなんと大逆転優勝というところまできたのだが、最後の3分を守り切れず2位で終わった。しかし面白いシーズンだった。

 【CL決勝】は予想通りアーセナル。勝つ確率は 4-6 くらいと見込んだが、だいたいその通りの試合となり、2-3 で負けた。ファンペルシーをサンバが止められなかった。能力差20の違いで負けた。はあ。チームを強化しよう。来シーズン資金は相当にあるはずである。

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■08/06/21(土) □ テコンドーパーティ
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日本語学校終業式。この学校はこれが初年度なわけだが、ノウハウと資産を蓄積していた前の学校時代とボリューム的に変わりがなく、内容的にはある部分前よりクリエイティブで優れたものを、たった2人の先生たちがやったのだから頭が下がる。ご苦労様でした。

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 夕方は萌が好きな男の子ALの誕生会でテコンドージムへ。テコンドー道場はどこもそうだがサービス精神にやたら富んでいて、ストイックな武道っぽさは皆無である。

 萌が空手スキルを発揮できるかなと思ってしばらく見ていたのだが、キックパンチの動作を交えたジム遊びとしか言いようがなく、技術を見せることはできなかった。ミットを蹴るといった空手と同じアクティビティでも、先生がミットを適当な高さにちゃんと構えてないので前蹴りできちんとミートすることができないのである。それを見るだけで、この先生がスポーツマンとしてどれほどのレベルなのかがわかる。萌カラテの今の師範代は筋トレフェチでマジメすぎて馬鹿ばかしいのだが、やっぱテコンドーは逆の意味で馬鹿ばかしい。まあこの道場に入っているスポーツ天才少年ADを見るとテコンドー蹴りがちゃんとできるようになっており、普段の稽古はもっとちゃんとやってるのかもしれないけど。

 あとで萌に聞くと、笑って笑ってパーティはすごく楽しかったけど、別にマーシャルアーツではなかったと冷静な答えだった。そうすね。

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■08/06/26(木) □ タレントショーで終業式
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 年度最後の学校行事タレントショー(習い事などの成果を見せる学芸会)。萌はカラテの型でLSたちと初めて出られることになり、張り切りかつ緊張している。クラス全体で人前に出るのと3人だけでやるのとではやはり違うらしい。

が本番になればきちんと型を決め、3人とも完璧な演技だった。萌たちの前にテコンドーのグループがあったのでテキは派手にやるのかなとLS母さんともども警戒してたのだが、そちらは型も声も意外にショボく、気合いの声が入った分萌たちの方がウケていた。

 タレントショーをフルに見るのは初めてだが、ダンスと歌は見る方もやる方もつらいものが多い。アヴリル・ラヴィーンを歌う子がやはり多いが、カラオケの経験がないからなのかみな声が小さく音程が合わず、そして振りがなく棒立ちゆえ盛り上がりようのない3分間が延々と続いていく。

 こういう発表会ではやっぱり長い歴史の蓄積のあるピアノ学習者が強いと改めて思った。SVのやったソナタなんて、多少失敗しても目の玉飛び出のすばらしさだった。小学生がギターであそこまでうまくなるということはありえないので、ピアノというのはやはり小さい子でもやればやるだけうまくなれるメソッドが開発されている種目なのだろう。萌がやめてしまったのは残念だが、右手と左手を別々に動かす神経はすでにつながっているのが幸いで、俺が教えてやれば彼女は左手でコードを弾き右でメロディを弾けるのである。うらやましい。

 そして最後に今日で学校を去る校長関連のハリウッド風長い長いスピーチがあり、やっと夏休みとなった。お疲れ様でした。

2008/06/11

日記「Webkinz に感心」

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■08/06/01(日) □ これが Webkinz
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 ここ数日、萌が興奮しすぎ眠れないほどになっていたバースデイ・スイミングパーティ。あそこの流水プールは大人でも体が持っていかれるほど流水がきついので、俺は大量キッズの安全責任を感じMKともどもプール内で目を配ったのだが、たまたまなのかパーティだからなのか流水が止められており危険なし。よかった(※)。
(※)水が心配ならば萌のスイミングレッスンを再開しろと言われ、小さな子がいる場所をわざわざ危険にして、大人がついていれば危険ではない、レッスンを取って泳げるようになれば危険ではないとヘリクツを通す考え方がそもそも嫌なのだといってまた喧嘩になった。あれだけの流水に体が持っていかれたら、小学生では足がつかないんだからたとえ大きな危険はなくても恐怖ではないか。なぜ流水を弱めるか、足がつくよう設計しないのか理解できん。


 萌がもらったプレゼントで一番興奮したのは、前からほしがっていた Webkinz (ウェブキンズ) というぬいぐるみ。オンラインゲーム用のコードをつけるだけで、$15 もするやくたいもないぬいぐるみ(実価 $5 くらいか)がバカ売れするのかよと腹を立て、さらにそのコードが登録から1年しか有効ではないと判明して、どこまで子供の血をすするふざけた商売をするつもりかといい加減呆れる。

 が友達がみなハマっており、自分もずっとやりたかったという萌があまりにも興奮しているのでそういう悪感情は抜きにして一緒に始めてみると、オンラインのバーチャル世界は非常によくできている。昔「森川君」という人工知能を飼うというゲームをやって途中で飽きたのだが、こっちは人工知能や3Dポリゴンなどという高望みをしない代わりに、簡素でかわいい方面に作られた美麗なグラフィックを楽しみ、ペットの住環境を改善してやるというファンを追求している。いろんなミニゲームをやってポイントを稼ぎ、それで家具や庭を買い家を快適にしていくという、RPGっぽいコレクションの楽しみに的を絞っているのだ。なるほどこれは子供が夢中になるわけである。俺だってかわいい家具がほしくなる。

だがお金が足りない。家具を2~3個買ったら元金はなくなってしまう。なんか簡単にお金をゲットする方法はないのかと調べてみたが、ミニゲームを地道にやる以外ないみたい。RPGならば萌が寝てる間に経験値とお金を稼いでおいてやれるのだが、ミニゲームはめんどくさい。うーむ。

 その資金面の問題はともあれ、萌が最も興奮しているのはオンラインで友達の部屋に行ったり、自分の部屋に友達を呼ぶことができるという機能らしい。まだJDたちのユーザーネームが不明なのでトライできないのだが、それは俺が聞いてもぞくぞくするようなスンバらしいアイデアだ。

 というわけで当初の憤慨は、1年でアカウントが切れるということと、子供がほしいのはコードでありぬいぐるみ本体は不要である(※)ということ以外はまったく消えてしまった。アカウント問題も萌は Webkinz を3個もらったので、1年ごとにコードを使いリニューしていけば3年使えるようだしな。
(※)これも大手スーパーでは売らないという特殊なマーケティングによって、地域の零細おもちゃ屋を潤わせるという考えがあるとのこと。たしかにコードだけならおもちゃ屋では売りにくいので、ぬいぐるみ本体が必要かもしれない。

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■08/06/03(火) □ Webkinz に感心
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 昨日の夜萌のために Webkinz マネーを稼ぎつつあちこち見ていたら、クラブハウスというところで初めて他のユーザーに出会った。がんがんとメッセージ(出来合いの "how's it going?" とかの挨拶を選択して send する)や対戦ゲームへのお誘いを送ってくる。おそらく相手は子供なんだろうなあ何をやってるんだ俺はと恥ずかしく思いつつ、ドキドキしながら "Hi" と返事を返した (^-^;。クラブハウスは16種類もありそれぞれビリヤード、ボーリングなどを楽しめるようになっている。うーん、これはすごい。

 数日やってみて、これは子供相手でも一切手抜きがなく、素晴らしいなと認めざるを得ない。ミニゲームもちゃんと面白く難しすぎず、さらには買い物に使えるポイントがもらえるのでRPG的よろこびがある。

 ただし大きな家具でもデータに過ぎないのだから、千ドル以上なんて理不尽な価格はつけないでほしい。自宅ボーリング場(!)だとかの動く特別な楽しみがあるもの以外は、子供が教育的クイズを全問答え、ゲームを2~3頑張ったあたり、つまり1日で無理なく稼げる 300 ドルあたりでたいていのグッズが買えるようにしておいてほしかったな。1500 ドルの庭の池なんて、すごくかわいいけどきっと誰も買わないだろう。もったいないのである。

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■08/06/04(水) □ FM 2008 初年度の感想
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 学校のパーキングで萌は、今日はコンピュータデイだからJDとウェブキンズのチャットを成功させなきゃと張り切っている。しかし学校でウェブキンズなんてやっちゃ駄目だろうというと、みんなやってるよと。じゃあ萌だけやるなとはいわんが、先生が駄目だといったらやめなよと送り出す。また先生に呼び出されて怒られそうな気がするが、まあたいしたことではないのでそうなったら一緒に叱られてやろう。

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 【Football Manager 2008】初年度 07/08 シーズンが終了。Aston Villa が気に入らず West Ham に乗り換えリバプールと4位を最後まで争い、最終戦の直接対決でドローを取り、見事CL出場をゲットした。めでたし。俺が作成し全盛期の7割くらいの能力を与え、中盤でしっかりと仕事をさせた中田がなんと12本のプレミアアシスト王。2位はニューカッスルに移籍させた俊輔(データはデフォルトのまま)。やはり日本の中盤は優れているのだ。そういえば俊輔と中田とのマッチアップでは、中田が俊輔に何度もボールを奪われており面白かった。持ち味からすると逆なのだが、157 と 140 という現能力の違いで、ボールの取り合いでは俊輔のほうに有利に出るらしい。このへんも FM 2006 とはぜんぜん違い興味深い。

【FM 2008 初年度の感想】

○プレースピード
 当初強く感じたプレーの遅さは、コンディションとコンビネーションが上がるにつれ解消された。しかしゆるいミドルシュートが入ってしまうことが多いのは、やはり興を殺ぐ。

◎ドリブルとキープ力
 うまい選手のドリブルとキープ力が効くのは最高。前は中盤にはボール狩り者しか置けなかったが、AMFを置いたらちゃんと相手のDFにプレスをかけにいくし、ドリブルで相手への脅威になるところが素晴らしい。FM 2006 とはマッチエンジンが全然違う。

▲ゾーンマークの頭の悪さ
 4-4-2で戦った場合、相手が同じ 4-4-2 じゃないとマークがずれまくり、バイタルエリアでフリーの敵をゴロゴロ許してしまう。ゾーンマークなんだから普通そこまでマークはずれないはずだが、サイドハーフが敵の中盤を放置してサイドバックをケアしていることが多々ある。阿呆か。

◎戦術性の高さ
 FWがシュートを打てなくて戦術調整にはまだまだ苦しんでるのだが、たとえばFWの攻撃メンタリティを上げすぎると守備には関与せず、DFがボールを奪ってもFWが遠くにいすぎてパスが通らず攻撃力がかえって落ちるところなど、戦術は本当にリアルで面白い。すべてがなるほどの世界という感じ。

▲裏へのパスが出ない(通らない)
。俺はサイドバックからピシューとライン際を縦パスが通りFWが走る (Run Onto) する、チェルシー的サッカーが一番好きなのだが、FM 2006 では決まりまくったこの戦術が決まらない。DFにヘッドされるかゴールラインを割るかで、裏へのパスはまず通らない。おそらくこのマッチエンジンではボールの飛びが変わり、DFとGKの間に速いボールを送ることが物理的に難しくなったのだろう。現実的かもしれないが困った。これが現在最大の悩みである。

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■08/06/08(日) □ 船に乗ってフォートラングレー
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 朝俺が起きると待ちかねた萌が、「もう1つの Webkinz をファミリーに入れたの!」と興奮している。3つもらった Webkinz を1年ごとに登録して3年アカウントを維持しようという話だったのだが、まあ3年が2年になっても不都合はないだろう。3年を待たず飽きるかもしれんし。

 黒猫が加わり2シスターズとなったファミリーのために、萌はベッドとガーデンテーブルとチェアを2組揃えてやった。こ、これはかわいい。ペット同士がオートでじゃれるような感じにしてくれると最高だったが、そうはならず。しかしそれ以外は文句ないな。ほんと、カナダ製とは信じがたいほど(笑)手抜きがない。

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 午後Mの同僚のパーティで、フォートラングレーというところへ行く。ラングレーとはまたえらい遠いなと思ったら、ハイウェイじゃなくて Lougheed からフェリーでフレイジャーリバーを渡って行けるのよと、Mと萌が盛り上がっている。フェリーで川を渡るって?


行ってみるとほんとに川辺にフェリー乗り場があり、30台ほどを乗せた小さなフェリーが15分置きに往復している。川幅はわずかなのでこんな面倒をやらず橋をかけりゃよさそうだが、フレイジャーは大きな船が行きかう商業河川なので、橋をかけるならパトゥーロウブリッジみたいな巨大橋が必要になり採算が合わないのだろう。流れがきつい川を小さなフェリーでどどーんと渡っていくのはちょっと緊張する。車止めはただのチェーンだし(笑)。しかし乗ってしまえばすぐに対岸であった。

船から下りるとそこはすぐにフォートラングレーの町。これがまるで知らなかったのだがこれまで見たカナダの町でも有数のかわいい町で、メインストリート1本の小さな町全体が、フロンティア時代の香りに統一されている。アーリーアメリカンのかわいい建物だらけ。町の真ん中に教会や墓地があるところも、ハリファックスと同じで町の古さを感じさせる。おーかわいーとここに住みたいーと皆で叫びながら町を抜け友人宅へ。フレイジャーバレーは、俺たちが住むグレーターバンクーバーとは違うなあといつも思う。生えている木の種類が違うのかなあ。こんもりとしたいい感じの木が多い。見たこともない、葉っぱが花のようにまっ黄色な木があった。



 そして友人宅は広大なファームを見下ろす丘の上に立っていた。こ、これはすごいと感動して景色を見下ろす。長野のどこかにこういう景色があったなあ....と思っていると、「日本ならこの下には田んぼが見えるだろうね」と知らない人から話しかけられた。どうやらカナダの教育者はみな日本で英語教師をやってた経験があるらしい(笑)。それをまさに今考えていたのですよ。

 うーん、これはすばらしい。高級住宅地ホワイトロックの豪邸などなんとも思わないが、こんなかわいい町のこの景色がある家に住む人々が、実にうらやましいと思った。まあ PoCo などの一般住宅地に比べたらなにかと不便で、子育てが終わり悠々自適みたいな人々しか住めないでしょうが。

2008/05/28

日記「Football Manager 2008 に移行」

「花札ざんまい」「カナダの子供アニメ」「FM 2008 エンジンの味わい深さ」ほか。

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■08/05/18(日) □ 日本語学校運動会
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 日本語学校運動会。去年までの学校に比べると人数が少ないのであまり大掛かりな催しはできないだろうと思っていたが、先生たちが頑張って種目が豊富、天気も幸いにすばらしく、みなのんびりと初夏の運動を楽しんだ。

 しかし帰ると萌は頭が痛いという。別に暑くはなかったのだが熱中症かと濡れタオルで冷やすも、喉も痛いと風邪症状となり、昼寝をし起きると久しぶりにべそべそ泣きになってしまった。元気なときはまったく問題ないが、こうして体調を損ねるとやっぱりマミーマミーとMにべったり。萌と2人で日本になんて行けるのだろうかと不安になる。

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■08/05/19(月) □ 花札ざんまい
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 祝日、萌は熱が少しあるので静かにさせる。


 前に日本で買った古いおみやげの中から萌が花札を見つけ、どうやるのと興味を示すので、花合わせという子供のときにやったゲームのルールをネットで探し教えてやる。するとあまりにも簡単ですぐに覚えられ、そしていいカードが取れたときの興奮はなかなか他のゲームにはないものであり、萌は超気に入って何度も何度も対戦していた。俺も子供のとき花札はすごく好きだったのだが、それはこのなんともいえず味のある絵にも魅力があるんだろうな。

 それに『みよしの』『あのよろし』という意味不明の言葉が載っているのも楽しい。意味を聞かれて全然分からないと答えると萌は大笑いしていた。その意味をまた検索したりしつつ(それでも意味はよく分からなかったがまああによろし)、静かに一日を過ごしました。

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■08/05/21(水) □ カナダの子供アニメ
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 今週からMが朝シフトなので俺も毎日早起き。夜、皿洗いを1時間繰り上げ相撲を録画し早く寝なければ、寝不足でもたない。

 朝萌は Teletoon というアニメチャンネルを見ていたのだが、これが日本製とカナダ製アニメを交互にやっていて、クールでパンクでありたくもおトボケになってしまうカナダのティーンライフを描いた「6 Teens」というのが面白い。「彼はキュートなんだけど、キスがものすごく下手で犬になめられてるみたいなのよ!」なんて怒ってる女の子がいるあたりが、ロボット変身ガーンばっかりの日本アニメとものすごく違う。ああそうか、カナダの子供はこういうTVを見てるのねと納得した。こういうのを見てると、カナダのティーンってかわいげがあるなあと思う。萌は前々からラブ・ロマンスに強い憧れを持っているが、こういうのを見てれば当然だよな。

 萌は学校から帰っても晩飯まではなんだかんだと忙しいし、その後はMがTVを使うのでそんなにTVを見てないと思うのだが、朝こうして見てるのが学校での話題になるのね。この時間にアニメだけじゃなく、子供情報番組なんかもやってくれたらいいのにな。

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■08/05/22(木) □ Football Manager 2008 に移行
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 再燃中のFM熱を反映し、ついに【Football Manager 2008】をゲット。第一印象は、新ゲームのスタートとセーブが速い。しかし2年経っても操作性はまったく上がってないし、欲しかった機能は何も加わっていない。俺は97年からこのシリーズをやっているが10年経っても操作性は向上しないのだから、使いにくいということ自体に英国人が気づかないのだろう。これはもう消え行く英国車同様どうしようもないことなのかも。

 試合は選手とボールの動きが遅く、2006 より爽快感に欠ける。立ち止まりゆっくりボールを回しているのがイライラする。パスの出しどころに迷うあたりはリアルだが。結論として初見ではいいのかどうかなんともいえないというところ。まあ FM 2006 も最初は 03/04 よりGKがうますぎて腹が立つなど違和感があったしな。そんなところ。寝よう。

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■08/05/23(金) □ FM 2008 開幕
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 今日は夕方スクールシネマとのことで萌とJDを連れてきてみると、みなパジャマを着スリーピングバッグを持ってきて、暗いジムで音楽をかけ踊り、お菓子を支給され超盛り上がっている。ああなるほど、こういうムービーナイトなのね。こりゃ楽しくてたまらんだろう。しかし映画自体は何年も前のヒットしなかったディズニーCGもの。せっかくの特別な夜なのだからいい映画を選べばよかろうに。非常につまらん。

 萌は今日ブック・キャラクターデイ(仮装で一日スクールデイを過ごす日)、JDを招待しての遊びと手巻きずしディナー、ムービーナイトとあまりに盛りだくさんで、興奮して朝早く目を覚ましすぎたこともあり夜はヘロヘロになった。映画がつまらなかったし、結局バッドデイだったなんていっている。なにを言ってるのかね。

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 【FM 2008】を最新 8.0.2 にアップデートし、まずは慣れ親しんだパレルモでテストプレイ。どのバージョンでも必ず獲得していた中田が引退したのが悲しい。Jリーグの選手が相変わらず入ってないのもやる気を殺ぐ。練習と戦術は 2006 のものが使えるので助かったが、2006 と違いパス回しがえらい遅いので、速いパス回しにトライさせようと戦術的工夫をさっそく始める。

 そして公式戦第1戦、vs パルマ。.....うーん、これは。双方プレスがえらい弱く、ボールを持って何秒も出しどころを探し(守備者はそれをじっくりと見守り)、やがておもむろにえいとスルーパスという攻めが続く。そしてそのスルーパスがFWにおめおめと通ってしまい、シュート&ゴール。こ、こんなシュートが決まってもうれしくもなんともない。結果 4-0 で勝利。うーん、これは。これは Football Manager 2008 は大ハズレなのではと青ざめてます。

 FM 2006 はどこのチームもプレスが非常に速く、それをかいくぐるダイレクトパスの精度の高さがチームの強弱の決め手となり、ぎりぎりで通る速いパスと選手の連動性が美しさを生んでいたのだが、このバージョンではプレスとパス出しが共に遅すぎる。俺が追求していたチェルシー的高速サッカーは消えうせ、こりゃ引退選手のオールスター戦かよというもたもたサッカーになってしまった。

 こんなはずではと次のミランと対戦。今度はこっちが簡単に3点奪われやる気をなくす。このバージョンのGKは相当に能力が低い。なんでそれに触れないのだという単純シュートを決められまくられている。

 しかし呆れつつも眺めていると2点を返し、その2点目がMFがドリブル突破すると見せかけDFを引き付けてからサイドに開き、その折り返しをFWがゴールという美しいものだった。プレスが弱い(ボールを奪われにくい)分ドリブルの効果が大幅に上がっている。これは面白い。今のところ全然期待通りのデキではないバージョンだが、ともかくしばらく戦ってみよう。

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■08/05/24(土) □ FM 2006 と 2008 の比較
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 昨日1日の感触から、FWを補強し戦術をダイレクトプレーに修正して本気でシーズンイン。今度は 2-1 でミランに完勝。FM 2006 で詰めてきた組織力を監督の俺がチームにシステムをもたらしたという感じで、組織が未熟なミランを上回ってしまった。2点ともに組織と個人の力が噛み合った美しい点であり、2日目にして初めてガッツポーズが出る。

 しかし人工知能が賢く意外性のある組み立てをするのは実にうれしいのだが、プレスとタックルが弱くなった分ボールを持ちすぎ試合が遅くダルいし、決定的中長距離パスが出なくなっている。シュートも全体に弱く、軌道に美しさがない。攻守とも選手の美技が出にくくなっているが、GKの拙さで単純なシュートがころっと入るところがげんなりする。

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 FM 2008 に失望して FM 2006 に戻ってみると、プレスの効いたスピーディな試合がやはり心地よい。しかし一度 FM 2008 の微に入り細にいるAIを見てしまうと、スピーディではあるがピンボール的な 2006 のサッカーに、中田が活躍できなかったプレミアリーグっぽい中盤飛ばしの単調さを強く感じてしまう。

 FM 2007 のデモもダウンロードして比較してみると、マッチエンジンは 2006 と同じだった。FM 2006 (2007) はボールを奪える頑強な守備的MFと、DFに競り勝ちイーブンボールをものにしシュートに持ち込めるアスリート系FWが大活躍し、ファンタジスタは中田・中村はおろかカカー・ロナウジーニョですらいい仕事をできなかったのだよなと、2008 を見て改めて 2006 エンジンの欠陥に気づかされる。

 ボールを持っての遅効が増えた FM 2008 では、技術があればMFが攻撃の要になってドリブルし、いいところにパスを送り込むことができる。うーむ、これはもう戻れない。中盤が生きるこのマッチエンジンで、スピードがあり美しいサッカーを実現したい。

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■08/05/25(日) □ FM 2006 日本人データをゲット
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 【FM 2008】シーズンインして10試合を消化し、他チームも組織がしっかりしてきたのか、単に選手のマッチフィットネスが上がりどこも動きがよくなったからなのか、下位チームでも馬鹿げたプレスの弱さはなくなり、凡な得失点が減り試合が厳しく面白くなってきた。ほっ、こういうゲームだったのね。2日であきらめないでよかった。

 せっかくこれまでと違いドリブルが効くゲームなんだからやっぱ大久保を入れたいぜと日本人データを探し、wireframebox という方が作った J-League データを発見。やっ・た。ざっと見たところ細かいパラメータは入力されてないが、ちゃんとポジションと能力値が入力されている。大久保が 145 と評価が甘めすぎるが(――デフォルトで 156 の俊輔は別格だが、他は 140 が日本人最高レベルだろう――)。作者は日本人ではなさそうで、どういうお方か存じませんが感謝します。

 このデータを自力で修正して中田英寿を作り、大久保と共に Aston Villa へ。中村憲剛ら日本代表選手たちもプレミアに移籍させる。このマッチエンジンならば間違いなく、前よりも俊輔・憲剛ら技術系が活躍するに違いない。

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■08/05/27(火) □ FM 2008 エンジンの味わい深さ
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 おとといから大久保&中田入りで始めた Aston Villa は、予算が30億とパレルモとは桁違いに潤沢なところがさすがに景気のいいプレミアリーグという感じだが、予想したよりも弱い。個人技が生きる FM 2008 では1対1で能力差が前よりも激しく出る傾向が強く、ビッグクラブの有名選手は選手たちの頑張りでは抑えようがない。セスクやトレスにDFが翻弄され、簡単にシュートを決められてがっくりくる。もう少し強いチームを探そう。

 しかし技術パラメータの違いが現実的に反映されるのは素晴らしい。前は堅固なMFを並べれば格上チームの攻撃を跳ね返せたのだが、2008 ではMFが守備専門だとボールを奪っても展開力がないのでキープできず、延々と守るばかりになってしまう。中田がいるといないのとではキープ力=攻撃時間量が違うのだ。

 大久保をセンターMFに回してみても、ミドルシュートを打ちすぎ吹かしチャンスを大量に無駄にはしたものの(笑)、MFとしてちゃんとボールを収めキープし出すという仕事が務まった。前はAMFをセンターに置くと守備力がなさすぎてガタガタになったのだが、この辺がリアルで非常によろしい。「うまい選手はボールをキープできる」というところが、FM 2006/2007 との最大の違いなのであろう。

 チェルシー戦、大久保が絶えず裏を狙い、ボールを持てば即打つという彼らしい動きでDFに脅威を与え、MFにスペースを与えMFのミドルからの得点を生む。結果 2-2 でドロー、非常にいい試合だった。よし。

 プレスが弱すぎ、イラっとさせられるヘボ得失点があり、スター選手は抑えようがないなどこのマッチエンジンには不満も多い。最高だとは言い切れない。が、戦術的な味わい深さは間違いなく、歴代最高であろう。

2008/05/17

日記「【FM 2006】スペースの使い方」

「コンパクト布陣の落とし穴」「対チェルシー戦術」ほか。

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■08/05/08(木) □ コンパクト布陣の落とし穴
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 ほぼ1年ぶりの【Football Manager 2006】、中田と大久保を入れ初めてプレミアを戦った Aston Villa は、初年度3位と望外にいい成績だった。最初はチェルシーに 0-5 で粉砕され (^-^;、ニューキャッスル戦でもオーウェンにハットトリックを決められたのだが、戦術を詰めることで最後は4強にも抵抗できるようになった。

 今回わかってきたのだが FM 2006 の戦術のキモは、自軍の並びよりも相手をどう動かすかにある。最初は守りを意識して 3-3-2-2 という感じの岡田監督的コンパクト布陣にしたのだが、これは後ろに厚みがあり相手の攻撃を止めることは安全にできても、ボールを拾った時点で近くに相手選手がわらわらと存在しプレスをかけてくるため、スペースがなくボールを回せなくなってしまう。たちまち自陣でボールを失い、やられてしまうのだ。

 これが機能せず普通の攻撃的 4-4-2 に切り替えると、自軍配置もそれをマークする相手選手の間隔も適度に空き、パスが通りポゼッションサッカーで戦えるようになる。なるほど道理である。サッカーは深い。

 センターで奪い、右で上がる大久保の前にボールを飛ばす攻撃がよく機能する (Use Target Man/Target Man に大久保を選択/Run Onto Ball) 。そこからの単純な折り返しではなかなか点が取れないのだが、相手を崩すきっかけになる。大久保の切れも楽しめる。

 上位には勝てないがともかくCL出場を見事決めたわけで、エディタを使ってCL放映料を15億ほど前借りし(シーズン中放映料が入ったら返す)、いい補強をして2年目を戦おう。

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■08/05/11(日) □ スペースの使い方
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 【FM 2006】LS来訪。俺は2人を遊ばせながら、不調に陥った2年目 Aston Villa の戦術を考えている。不調の原因はあえて言えばシュートが入ってないということだけで、崩して打つところまではできている。FW陣の動きが悪いわけでもないが、ただただ点が入らない。弱った。

 ここまで詰めてきた 4-4-2 では何をやってもダメで、経験上こういうときはいったんフォーメーションを既定値に戻し作り直すしかないと、デフォルトで入っている中からダイヤモンド型 4-4-2(4-4-2 Diamond Attacking v2)を試してみる。するとなんと、突如攻撃陣が爆発した。センターから美しいスルーパスが前に通っていき、能力の高いうちのアタッカーたちが決めまくっている。げげ、なんで?

 攻撃を見ていると、このフォーメーションは DMF と AMF の間のセンターサークル周辺に広大な無人スペースがあるのだが、ここがキモらしい。つまり1年目のコンパクト陣形失敗と同じ理由で、味方がいる場所は敵がマークをしにやってき、いない場所には敵もいないから使うスペースがあるというサッカーの真理がそこにあるのである。センターでMFがいい体勢でボールを持ちパスを通すことができ、普通の 4-4-2 ではまったくなかった中央突破が出てきた。感動。うーん、サッカーは深い。それをここまで見せてくれる FM 2006 もすごいとしか言いようがない。

 相手が強いと反撃も同じスペースを通ってくるだけに速く厳しく、CLのミラン戦・マンU戦ではスコスコと2点取られたが、うちのキレキレの2トップバロシュとザライエッタが、チェルシーのごときカウンターで点を取ってくれる。この2トップに加えAMFのロシア人アルシャヴィンら、素晴らしい選手を持っていることを誇りに思う。クラブのサポーターというのはこういう幸せな気持ちなのだろうな。相手の並びによっても効果は変わるだろうし、これを参考にトライを続けてみよう。人が作った戦術なのが癪に障るが、中央突破ができるのは俺の理想のフットボールだ。

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■08/05/14(水) □ 強くなる稽古はいいが
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 カラテ:最近ウォームアップを見ていて思うのだが、LSは柔軟性が大きく増している。前は特に柔らかいとは思わなかったが、今はひざに額が見事についている。これだけキツいストレッチを週2回やれば、子供には効果絶大らしい。前蹴り横蹴りが高く上がるようなストレッチも教えており、この師範代はやはり自身が求道的なだけあって、強くなるための方法には精通してるなという感じ。子供たちも厳しいウォームアップに慣れて、チャレンジとして楽しみ始めた様子が伺える。

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 しかしこの師範代の放置カオススパーリングは相変わらずで困った。上級者たちのスパーを見ていて思うのだが、痛くなくスピードと技術と気合が入るという正しいスパーをやってるのは厳しかったGL先生に習った生徒で、ダメなのは代理MK先生がスパーを始めさせた生徒なんだよな。その違いは明確である。

 スパーリングが終わると、師範代の助手の人が萌に近寄り、グッジョブだったとほめていた。あの助手の人は師範代よりもやや広範に目が届いているようなので(単に若い師範代よりも子供の気持ちに敏感なのかもしれない)、スパーリング時我を忘れラフになりがちな子にもうちょっと目を配ってくれと相談してみようかな。

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■08/05/17(土) □ 対チェルシー戦術
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 遅い春がとうとう来ないまま終わり、今週から夏になった。家の回りじゅうのタンポポを抜いたが、わずか数時間の作業で大バケツが満タン。タンポポは取っても取っても増えていくモンスターであり、人間の手には負えないとつくづく思う。



 Mと萌は映画を見に行き、帰ると庭でまたバーベキュー。夏に気持ちが盛り上がってます。

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 【FM 2006】うちの Aston Villa はプレミア首位を快走し、CLでもユベントスを 4-5 という派手な点の取り合いで下しベスト8に進んだのだが、プレミア首位決戦のチェルシー戦に完敗した。ここはモンスター軍団である。どうやっても個人能力差で勝てない。はあ。リセット。

 調べてみると過去2年うちはリバプールにも全敗で、マンUとアーセナルには互角に戦っている。どうやら相手が格上で、かつ 4-4-2 じゃないフォーメーションだと、うちは手も足も出ないということらしい。具体的には今のダイヤモンド型フォーメーションはセンターからの攻撃がキモなわけで、相手のシステムにアンカー(マケレレなどの守備的MF)がいるとトップ下がつぶされてしまうのだろう。アンカーの脇を突くにはどうしたらよいのか。

 チェルシーのフォーメーションをさかさまにして、こっちが突きたいスペースと抑えたいスペースを考えてみる。うちは2トップでいきたいので、4-4-2 のウィングを上げた 4-2-2-2 システムを作ってテストしてみる。これでマケレレの両脇を攻略するのだ。

 バロシュの抜け出しで先制、ロッベンのミドルで追いつかれる。コールとボジノフにも叩き込まれ簡単に逆転されたが、前よりは勝負になる。試合中さらに細かい指示を詰め、戦術は完成。リセットし本番へ。これで負けるなら個人能力の差であり、仕方がない。

 あー、FKのマーキングミスでロッベンをフリーにし失点。がー、凡ミス。0-1。だがしかしこっちも点が取れなかったので、この負けは受け入れよう。それ以外はみなよく戦ってくれた。続くリバプール戦も同じシステムで前半守り倒し、後半スペースを攻略して3得点で撃破。完璧だ。守り外を回すサッカーとなってしまい美しさにはやや欠けるが、強敵を相手にした場合は仕方がない。

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 そして2年目にして見事プレミアを制覇。やっ・た。CLもあれほど苦手としたチェルシーにセミファイナルで完勝して決勝へ。これは非常にうれしい。

 決勝はインテル、うちはユベントスと打ち合って勝ったのだと自信を持って戦ったが、あと一歩のところまで追い詰めるもマルティンスの超ミドルにやられた。あれを入れられては守りようがないという、ワールドクラスだけが打てるやつである。あー。まあこの陣容でプレミアを勝てたのだから、いいシーズンであった。

 大久保は2シーズン使ってみたが、やはり Work Rate/Off the Ball の低さゆえかいいところでボールをもらえず、シュートが打てない。大久保ならこれは決めるだろうというシーンでもキーパー真正面に打ったりしている。おそらく Composure(落ち着き)の低さのせいだろう。2年で11ゴール、12アシスト。悪くはないが、大久保はプレミアではここまで止まりだろうな。

 中田も同じく2年で12アシストと物足りないが、武闘派が多いうちのセンターMF陣の中ではひらめきがあり数字には出ない組み立てに貢献しているので、3年目も使ってみたい。やはり昔は能力値が 165 もあり正真正銘のワールドクラスだったのだが、今は 140 という設定なので、決定的な仕事がなかなか出ないのは致し方ない。

2008/05/09

日記「カラテ道場カオス」

「カナダのアイドル」「天皇賞@P2P」「空手ディシプリン問題」ほか。

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■08/04/26(土) □ ライオンズパーク&バーベキュー
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 ドライウォール筋肉痛と共に目が覚める。アイタタタ....。


 BRを駅へ送るついでに萌とライオンズパークへ。暑くなく寒くなく気候は最高である。こんな小さな町でも、公園には素晴らしいスケートボードパークがあるのがうらやましい。俺なんか高校時代銀行横の歩道でしかできなかったもんな。

 公園でバーベキューの煙を見、萌に今日やろうかと振るとやろうやろうと盛り上がり、スーパーで肉と野菜と炭を仕込んで帰宅。急遽庭の桜を見ながらのバーベキューとなった。焼き肉に適当な部位がなくてビーフ・ブレイドという部分を買い味はそこそこであったが、ポン酢と甘ダレをまぜたものにつけた鶏肉が絶品の味で満足であった。

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■08/04/30(水) □ カラテ道場カオス
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 カラテ:萌はいい感じで数人とスパーを消化し、これは今日は万全かと思ったがLSと当たると双方たちまち興奮し、ふざけてバチバチ打ち合い掴み合って転んでしまった。危ないので叱る。しかしLSの前蹴り攻め(※)への対処や横へ逃げる動きはさすがに前回よりできており、あとは萌もLSもとにかく落ち着けということだな。今回は最近で最良のスパーだった。そのことを萌にもいってやる。LSとやったときはふざけてて全然駄目だったけど、それ以外はよかったよ。
(※)LSは相手の攻撃もすべて左足を上げることで牽制・ブロックしており、スタイル的にテコンドーっぽくなっている。このレベル(寸止め組み手)ではテコンドーが有効なことがわかる。

 しかし今日はMK先生が不在で長身師範代が指導していたのだが、武道家らしいかっこいい見た目はいいもののMK先生同様全体に目が届かない人で、スパーリングになると5歳児たちがまた暴走し放題であった。萌は常に語りかけガードを取らせることでハイパーMTをうまく落ち着かせていたのだが、他の子は興奮した彼に軒並み力まかせに叩かれていた。MTらは小さすぎるので危険で反撃できない。難儀したJSとその母親が「落ち着け」と呼びかけてもMTは指示をノーといって拒否するし、DRとは追いかけっこのけんかになっていたし、おとなしいAKもがんがん腕を殴られ困っていた。こういうわが子を放っておいてニンテンドーDSをやっているあの父親がだいたい理解できん。あの父親には萌も気づき呆れていたのである。

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■08/05/02(金) □ カナダのアイドル
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 友達の家に行った萌が、その子がアヴリル・ラヴィーンを歌うCDを聞いたといって感心していた。あのうちもお父さんがギターを弾くらしい。それで萌も "Complicated" を風呂で歌っていたのだが、そのコードが沢尻エリカがドラマでやってた歌にすごく似てるなと気がついた。実際同じようなアイドルなのであろう。そう思うと子供に人気なのも納得がいく。カナダのティーンには恋の気分として「complicated・frustrated」という言葉が響き、日本では「信じる・一緒」(※)といった言葉が好まれるのだろう。
沢尻さんの歌など覚えてなかったが、「沢尻エリカ 歌詞 信じる」でちゃんと目的の曲がヒットしてしまった。JPOP の歌詞は定型すぎ (^_^;。

 萌はクラシックロックと日本音楽は万全だが、アヴリルとかブリトニーなんとかは全然知らんので、話題作りのために聞かせるべきなのかなあと時折考える。まあ本人も今はフィンガー5に夢中でアヴリルにあまり興味はなさそうなんだけど。

 だいたい音楽番組のないカナダの子供は、どうやって新しい音楽を聴くのだろうと不思議だ。音楽に限らず子供が共通で見るTV番組もあまり思いつかない。「昨日あれ見た?」と学校で盛り上がるようなシーンが想像できないのである。

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■08/05/03(土) □ 天皇賞@P2P
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 夜、P2P で初めて日本競馬を生観戦。春の天皇賞である。なつかしい。競馬放送は老齢で亡くなった方以外は15年前と同じ解説者がみな出ているのがおかしい。すばらしくクラシックな社会である。見てる人が多いせいかコマ落ちが激しかったのだが、最後の直線だけは幸いコマが落ちずに競り合いを見ることができた。知らない馬ばかりだが、久々に好きなレースを見れて満足。

 しかしこの Keyhole TV は低いレートですぐ見れるのでお手軽だが、混み合うとコマ落ちするのでは P2P の概念に反するのではないだろうか? 多人数になればなるほどシェアの理論が働きスムーズになるはずでは? P2P はまったく謎に包まれている。しかしともかく日本のスポーツが見れてありがたいとしか言いようがありません。

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■08/05/05(月) □ 空手ディシプリン問題
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 カラテ:2週続けて長身師範代&アシスタントとなる。MK先生はやめたのだろうか。長身師範代はMK先生よりはるかにシリアスな空手家で、ストレッチをえらい入念にやらせている。萌はこの先生が怖いとのこと。たしかにちょっと物腰に武道家のすごみが出すぎているよな。ウォームアップが非常に長く厳しく、途中で疲れ飽きた様子を見せる子には止まったら腕立てだぞと厳しい声を飛ばす。武道家を真剣に目指している(のであろう)自分と同レベルのストイックさを5~10歳の子供に求めるのもどうかと思う。厳しいのが好きなDRのおばあちゃんは大喜びだが(笑)。

 よい点は先生が2人組なので初めて5歳児たちがフルタイムで型を習えたことで、彼らもようやく進歩していた。これまで4ヶ月はほんと、誰にとっても一切技術的進展がなかった日々だと思う。

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 しかしウォームアップは異様に厳しいのに、スパーリングになると自分が楽しんじゃって規律も何もない放置になるのがこの師範代のわからないところだ。道場は先週に続きカオスとなる。萌もBTの腕振り回しゴリ押しに全く対処できずに終わった。反撃しなければ彼を止められないのだが危険で打てない。いったん止めて双方に話したが、空手が何かを知らないBTには何を言っても理解する力はない。まだキンダーだから集団行動自体に未習熟なのである。萌もこれだけ技術に差があるのだから、痛くなく打つことでBTを止められるはずだろうと指示したのだが、苦笑しながら後ずさりするばかりで何もできないのである。双方まったくダメ。はあ。このいかめしく話しづらい先生を相手に、また前と同じ議論(5歳児にフリーでスパーリングは規律的に無理)をせねばならんのかとうんざりする。

 体格と技量がまさるDRがAKを壁に押し付けて打ち込みまくっていたのもよくなかった。あれじゃ単なるイジメである。これも俺が止め、圧倒され呆然としていたAKに「too much だと思ったらストップとかウェイトとか言いな、言っていいんだよ」と言い聞かせる。これも入門1ヶ月の彼女にスパーリングを始めさせたMK先生のせいである。やれやれ。子供スポーツ指導がこれほど難しいものだとは。というか、子供スポーツコーチがこれほど子供に目が届かないものだとは。はあ。

2008/04/28

日記「いたずら叱責事件」

「押し込まれスパーリング」「エリオは軽トラの巻」ほか。

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■08/04/22(火) □ いたずら叱責事件
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 萌をピックアップしに行くと先生に教室に呼ばれ、萌が友達の椅子に水をたらしたとのことで、厳しく叱られた。「普段は問題ない萌が、こんなことをするなんて今後が心配だ」などとえらく深刻な顔をする。子供の前で先生に逆らってはまずいので神妙な顔をしてハイハイと聞いていたが、その程度のいたずらで何をそんなに騒いでいるのかとのみ思う。そんなのおならブークッションとかと同じ典型的小学生いたずらではないか。「面白くない、以後やるな」で罰として十分済むことだろう。

 きつい叱責に泣くのを必死にこらえる萌の手を引いて車に向かいながら、「萌さ、お父さんは怒ってないよ。そのくらいお父さんだって子供のときやったよ」と声をかけると、わーと彼女は泣いてしまった。

 家でMも当然怒りゃせず、静かに話し抱きしめてやり話は済んだのだが、萌がいないところで「実は先生はえらい剣幕だったぜ、なんでこの程度のイタズラであんなに怒られるのだ」と俺が聞くと、わからんがよくあるイジメの手口に見えたんじゃないかという。いま学校はアンチいじめキャンペーンに熱心だからね。―――あ、そういうことか。しかしそんなワケないだろう。過剰反応だぜ。

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 萌の気持ちが落ち着くまでひとまず置いておいて、元気いっぱいになった晩飯どきにもう一度話を切り出した。

 先生がなんであんなに「心配してる」って言うのか分からなかったからさ、さっきマミーに聞いたのよ。そしたらいじめっ子がああいうイタズラをよくやるんだって。それで「うわーこいつおしっこもらしたー」ってからかったりするんだって。そういうことになったらよくないと先生は心配してたんだよと思うよ。だから萌はさ、友達に恥ずかしい思いをさせるようなことはしないと、それだけ気をつけていればいいわけ。今日怒られたことは気にせんでいいよ、ほんと。

 そしてお父さんなんかもっと悪いことをして、鬼みたいな先生にスラップ(ビンタ)されまくったよと笑わせるのであった。まったく教育というのは、子供に与える影響が甚大だな。

 こないだ NHK で中国のエリート小学校というドキュメントをやっていて、目を疑うようないびつな教育をそこではやっていた。勉強ができれば国家に益を為す皇帝で、できなければ害となる被差別民という感じに鋭く二分されている。ああした教育を受けた若者が、愛国無罪という極端な二項対立思考で暴走するのは実にわかりやすい。まったく教育というのはデリケートな分野だと思う。

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■08/04/23(水) □ 押し込まれスパーリング
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 カラテ:スパーリング。萌は2週間ぶりにLSと当たりついに家での練習が生かされるときだったのだが、実戦はやはり思ったようにはいかず、攻撃も防御も駄目であった。今日は判定のつく試合はなかったのだが、萌はJSとLSとのスパーでかなり押し込まれていた。

 練習した半身で試合は始めるのだが、相手の圧力に押し込まれ、下がる一方になるから体が開き防御が難しくなり、壁際に追い込まれてしまう。そこから反撃しても、踏み込んでの攻撃ではないので空を切りまったく効果なし。試合の切れ目に横に回れ、ステップイン・ステップアウトだと声をかけたが、相手の攻撃への防御に必死でまったく練習したことはできなかった。

 また週末、今度は横に回りこみ圧力をかわす動きを練習しよう。そしてとにかく攻撃しなければ、ここのところの押し込まれスパーリング状況は改善できない。だいたいLSの前蹴りは、防御しなければお腹に入るくらいの強さでくる。だから相手が自分より大きな男子でも押し込めるわけである。萌もラインが入った子にはブロックする腕に当てるくらいの感覚で打つべきだろう。特に回し蹴りは双方痛くないので、速いのをどんどん打つべし。

 はあ。本人は気にしてないが、練習成果が生きず、リアルタイムでコーチングすることもできず、俺はがっくりきた。結果を出せないスポーツコーチの気持ちがわかる(笑)。

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■08/04/25(金) □ エリオは軽トラの巻
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 1年前の浸水から庭に積まれたままになっていたドライウォールくずを、ついに片付けることになった。レンタカー屋にピックアップトラックがあったので助かったのだが(前は引っ越し用トラックしかなく、積み込みも掃除も一苦労だった)、濡れて汚れたドライウォールの引き取り手が見つからずたらい回しにされ、予定外に時間がかかり超大変であった。Mも俺ももう腕が上がらない状態です。

 しかし0.5トンのドライウォールを下ろし軽くなったトラックで Lougheed を運転していて思ったのだが、実はエリオはこのトラックそっくりのハンドリングとドライビングポジションである(笑)。前にトラックに乗ったときは非常な違和感があり、レガシィに戻ったときにほっとしたものだが、今日はこのトラックのハンドリングが完璧に手の内に入って、PoCo コーナーズなんかで狙ったラインに自在に乗せ爽快なスピードでコーナリングできてしまった。そしてエリオに戻っても、アクセルの軽さ以外まるで違和感なし。つまりエリオはトラックハンドリングだったのである。軽いから軽トラ。

 緻密でガチっとしたハンドリングのレガシィに比べ、エリオは全然雑なのに乗ってて面白いのは、つまり長野の豪傑おいちゃんが軽トラのタイヤを鳴かせ志賀高原ロードを味噌配達でかっ飛んでいたのと同じ感覚なのであろう。

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 長野聖火も世界各地と同様盛り上がったようだが、中国留学生たちとけんかしたのがチベット活動家ではなく右翼団体だとの報道で、これは恥ずかしい。Mはかつて住んだ町なのでニュースを見て興奮していたが、萌はもみ合いを見て驚く。それでお母さんに詳細な説明を受けておった。あんま子供に複雑な政治状況はいわんでいいというに....(^-^;。

2008/04/19

日記「カラテレッスン改善討議」

「腹筋運動音楽」「カラテ自宅特訓」「映画・東京タワー」「本山の復活を祈る」ほか。

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■08/04/11(金) □ 腹筋運動音楽
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 久々に胃もたれし、そういえば最近まるで腹筋運動をやってないなあ、消化を助けるためにやらねばと思うのだが、腹筋はつらいばかりで楽しみが何もないのでやる気がしない。何か音楽に合わせてやるとかそういう方法はないものか。

 そこで考え、リズムマシンで10秒x10セットの腹筋用音源を作ってみた。これにギターでリフをかぶせるとなかなかいい感じの体操BGMになるのだが、音楽は4小節で1セットなので、10カウントで1回の腹筋との相性が悪い。ギター8小節分を10秒に合わせにくいのである。

 いろいろ試行錯誤していると、mp3 のキーとテンポを自在に変えるという驚愕ツールが見つかった。ほんとにどんな歌でもキーを変えずにテンポを上下したり、反対にテンポ一定でキーを変えたりできる。すごい。どういう仕組みなんだこれは。何度聞いてみてもその謎はてんでわからないが、ともかくこれで適当な歌の8小節が10秒になるよう微調整し、録音。できた。これに合わせて毎日エクササイズしましょう。

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■08/04/12(土) □ 春一番
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今年一番の暖かい日。Mと萌は半袖でガーデニングにいそしむ。甥MKは屋根掃除。俺も外でランチ。Pocket PC に録音した昨日の音楽に合わせ庭で腹筋もやる。

 午後、萌と自転車で近辺の花見ツーリングをする。春になり光線がよくなって、久々に切れのあるいい写真が撮れた。カナダの桜は美しくないが、このマグノリアは素晴らしい。

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 隣家のカーキチ次男坊Mがマツダ RX-8 に乗って里帰りしてきた。げげこれ RX-8でしょ、すごいじゃんと褒めるとえらい喜ぶ。「まあ俺なんかが買える中じゃ最高の車だね」とのことで、たしかにインプレッサもランエボもカナダじゃ高級車価格なうえに見た目はファミリーカーだし、これが若者が買える最速車であろう。ブシャーとすばらしいロータリーサウンドを立てて発進していった。すると続けてADが新しいBMWに乗ってやってきた。前に乗ってた骨董メルセデスの修理費がかさみついに引退させたとのこと。こちらはしゅーと静かに発進。みな好きな車が買えていいなあと思うが、これらの車と並べてもエリオのミニマムさには魅力があるよなと思う。レガシィの快適さを恋しく思う気持ちはあるが、ミドルクラスにはもう乗る気がしないな、ほんと。

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 夜 Sopcast で浦和・鹿島。うーん鹿島はほんとにいいチームだ。浦和は10人で鹿島が12人いるんじゃないかというくらい、常にいいところに選手がいる。レッズはトゥリオのイマジネーション頼みという感じで、これが浦和にとってベストなのかどうかは知らないが、やはり彼はチーム内で飛び抜けたアイデアと決断力がある。彼よりもひらめきと決意に欠ける浦和のMF全員が反省すべきである。

 ともかく鹿島がチームとして2枚くらい上な感じがするなあと思っていると、永井が2発決めてしまった。後半終盤のドリブル突破と2点目のゴールは、永井代表復帰確定という感じのものすごさだった。彼のドリブルは馬っぽさがCロナウドに似ている。

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■08/04/13(日) □ カラテ自宅特訓
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 週末やろうと思っていた萌のカラテ特訓をする。萌はおかしくて笑ってしまうし、背丈が違いすぎて手合わせが難しいのだが、辛抱強く説明しお互いに左半身での防御を実験してみる。スパーリングのビデオを見て考えた通り半身は効果大で、中段への攻撃は前蹴りでも正拳でも、本能的な体の動き(身をよじりながら左肘でブロック or サイドステップで離れて交わす)で無効化できる。

 本能的というところが大事なわけで、ここの流派は古式空手ゆえ建前的な動きが多いのだが(それゆえに「型」は美しい)、そういう「受け」を実戦で使うのは本能にさからい効果も薄く無理なのだ。とっさの体の反応が防御につながらないと意味がないのである。サイドステップで常に距離を取り、ひねりと左腕で防御し、鋭いステップインで反撃する。これの繰り返しを何度もやり、萌もかなり感じをつかめたと思う。

 「つまり前蹴りはこう来るからさ、こうすればオートマチックにブロックできるわけよ」と半身の有効性を説明していると、萌は俺に抱きついてきて「お父さんって、いいね」という。ふむ。それはつまり「いい空手の先生だ」ということだね。I think so too。子供はこうして大人が分析し合理的な解を与えてやれば問題を解決できるんだよな。別に俺自身が空手経験者でなくてもいいのである。これで強豪LSに勝てるかどうかはわからないが、それがスポーツというものだ。

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■08/04/14(月) □ 映画「東京タワー」
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 先週から始まった「キロメータクラブ」という放課後アクティビティで萌たちが校庭を走る。俺も付き合って走るが、1周が限度であった。しかし少なくとも部屋でインドアバイクに乗るよりは、やっぱり子供と走ったほうが楽しいなと思う。春の到来が遅い今年のBC、まだ風が冷たい。

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  去年父さんを看取りに行く飛行機で見た「東京タワー」が、日本語 TV で放送された。ストーリーがわが旅の目的と被りすぎて飛行機内でつらかったことがつよく印象に残り、その後の自分の体験のほうが大きくて内容は忘れていたが、すごくいい映画だった。みんな同じだ。同じだな。この映画を含めて去年の日本であったことのすべてが、1年経ち甘く感傷的な思い出のパッケージになっている。


 「世界の中心~」や韓国ドラマなど、アジア的感動ものは日本語TVでけっこうやってくれるわけだが、この映画は脚本も役者も映像も格がまるで違う。悲劇性や純愛の熱烈度で心を動かそうとする物語は化学調味料みたいな味がし、この映画からはその舌に残る嫌な感じがほとんどしない。何気ないシーンがもう一度見たくて、録画を何度も見直してしまう。しかし日本の映画を見ているとタバコが吸いたくなる。厳しい。

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■08/04/16(水) □ カラテレベル差プロブレム
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 カラテ:今日はスパーリング日なのに、体力メニューと鬼ごっこのおかげで時間がなくなってしまった。残り15分あたりでようやく始まったが、時間が短すぎて萌は炎のライバルLSと当たらず、日曜の防御練習成果は発揮できなかった。先生とのスパーでは攻守ともいい感じで、きれいな寸止めキックを何発も決めていたが。

 それはとにかく問題は、先生が小さな5歳児までプロテクターをつけさせスパーリングに加えてしまったことである。前の先生は技量に厳格で、萌は1年、LSは2年かけてスパーリングに至ったのに、入門わずか3ヶ月の5歳児が全体スパーリングに加わるのは無理がありすぎる。1人は自分の攻撃が萌に交わされることが不満で「you're too fast」とブーたれる。彼は防御と攻撃が空手だということ自体わかっておらず、キックボクシングごっこがしたいだけなのだ。

 もう1人の子は両手を振り回し、うわーと大声を上げノーガードで飛び掛かってくる。上の子はみなブロックし交わしているのだが、なにしろガードせず頭から猪突猛進してくるのだから、反撃したらどうセーブしてもまともに顔かボディに入ってしまい痛い目にあわせてしまうため、攻撃できず逃げるしかない。萌はその子にタックルで倒され苦笑し、3本線のJSはこの一方攻撃の不合理さに明らかに怒っていた。

 こんなことをやっていても危ないだけで意味がない。時間がなかったので今日は話せなかったが、来週先生と話そう。

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■08/04/19(土) □ 本山の復活を祈る
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 KT・HNが久々に来訪。庭で遊んでいたが、あまりにも風が冷たいのでそこそこに家に入らせる。今年はほんとに春が遅い。昨日は裏山に雪が降ったしな。

 来てからずっとゲームをねだるKTに3時を過ぎてから許可したのだが、「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」の3連ジャンプが体得できず、高いところに登れず憮然としたまま時限を過ぎてしまった。ちと気の毒になりゲーム後「こち亀」を見せてやる。こち亀は初めて見たはずだが、ドリフ・こち亀と続く日本子供ギャグ文化はやはり普遍で大笑い。これでだいぶ機嫌を直して帰っていった (^-^)。

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 【鹿島・ガンバ】:かつての天才ドリブラー本山は、やはり本人も言ってるようにドリブル力がなくなってるなあと感じる。ボールを持って突っかけていくかというところで、晩年の中田と同じでボールが足にくっついてこない。仕方なく横に流しておしまいというシーンが何度もあった。晩年スピードが落ちるのはわかるのだが、下手になるのが素人にはよくわからない。スピードと技術は不可分なのだろうか。ブラジルのおっちゃん選手なんか、いつまでもうまいというイメージがあるのだが。天才といわれた日本人で、20代後半も力が落ちてないのは俊輔だけかもしれない。彼はもともとスピードがないから落ちないのだろうけども。

 しかしガンバはうまくて遅いというイメージがいつもあったのだが、個々の選手は意外にもファイトもできて、この鹿島を相手に互角に戦っていた。最後は明らかにガンバの引き分け狙いになったのだが、ここで本山がサエないので交代させられ、代わりにボランチ青山という選手が攻撃に上がる。しかし彼はポジション柄決断力と決定的技術がなく、何もできないうちに機を逸してばかり。やっぱ本山がバイタルエリアで仕事をしないと(前半1つ決定的なシュートをアシストしたが)、マルキーニョス・ダニーロ・小笠原がいくら頑張っても攻め手(決定機)が足りないよな。

 本山は単に疲れて不調なのだろうか。そう思いたい。別に鹿島を応援しているわけではないが、この機能性に優れミスがなく爽快なチームで、本山が去年のように活躍するシーンを見たいのである。

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■08/04/21(月) □ カラテレッスン改善討議
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 カラテ:30分早く行き、考えていたレッスン改善案を先生に話す。彼の師範としての(前の先生とはやや異なる)持論もあったため、かなりの長話となった。

 俺が危険だと思う下の子を入れたスパーリングは、レベルが違う相手とやることがコントロールを学ぶ上で有効なのだという予想された答えがくる。それならば双方がコントロールを学ばねば意味がないではないですか、下の子がノーガードのフリーファイトをやってるから彼らが怪我をしそうで危ないといってるのですよ。これで、確かに今のままでは下の子の鼻っぱしらに(アクシデントで)パンチが入るかもしれないなと先生もいい、次回からは下の子たちにもきちんと自制心を持って防御をやらせるということで話がついた。

 萌たち上の子がずいぶん前から不満を抱えているレッスンレベルの低さについては、よりセンシティブな問題なので慎重に話す。「レッスンがビギナーに合わせスローなので、萌は集中できないでいる」という言い方をしてみた。クラスを2つに分ける感じでやってくれないか。具体的にはどうしてほしいのか、1人で2つのレベルを見ていては目が届かないと先生は尋ねるので、前の先生は初心者に時間を割く間は、上級者には自習させていたよと説明する。初心者だった萌とLSが個別指導を受けるときは、上級生徒がリーダーとして皆でやったりしていたよというとほうと驚いていた。

 とにかく、必要に応じ自習させてくれれば、少なくとも上の子が初心者のレベルに合わせる必要はなく less frustrating なわけですよというと、わかった、そう心がけてみようということでレッスン開始となった。

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後半の型で、この先生になって初めて上級者に「on your own(自習)」の指示が出た。やはり自習になると初心者への指導のためにいちいち全体が止められることがないので皆集中し、いい型ができていた。その間先生は小さな子に個別指導する。こっちのほうがどっちにとってもいいに決まっている。萌は手の動きに自己流の装飾的動きを入れ、くるくると回したりしていた。非常に美しいので俺は文句ないが、武門の型からはやや逸脱しているのでいずれ直されるかもしれない。

 最後に武門のワッペンをもらう口頭試験があり、萌は合格し終了。今日はこの先生になってからおそらくベストの内容だった。やっぱこの先生は人物はいいんだよな。もっと前にお願いしておけばよかったな。やれやれ。

2008/04/11

日記「燃えよ拳・炎のライバルの巻」

「漢字かな混じり文は美しい」「親知らず年貢の納め時」「フレンチエマージョンへの思い」ほか。

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■08/04/02(水) □ 漢字かな混じり文は美しい
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 萌が先日生まれたイトコのNちゃんのために作った本を送る。久々に作った本だが、マンガと漢字ドリルが合体したすばらしいデキ。



 萌は日本語学校で週に5個ほど習う漢字を、実に立派に使いこなしている。知ってる漢字はちゃんと書けてしまうのだ。しかし1つ1つの漢字に意味があることまではまだ理解していないので、「なんとかしま下」などといった誤用は当然ある。そのたびに俺が間違いを正してやるのだが、「せっかく工夫して漢字を使ったのに」と無念そうな顔をしている。これはまったく無理もないことで、漢字圏の子供は気の毒なり。でも漢字は美しいので頑張ってくれ。漢字かな混じり文は、世界で一番美しい文章なのは疑いない。萌が作ったこの本を見てもそれはよくわかる。

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■08/04/05(土) □ 親知らず年貢の納め時
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 「ちりとてちん」の落語再現シーン総集篇があった。萌と見て、改めて面白かったねえ、「瞳」はつまらんねえと話す。

 師匠が地獄に行きおじいさんと会うシーンで、またも萌はじーんときていた。「おかみさんにも会えればよかったんだけどね」というと、「でもここで会えるんだよ」と萌はいう。いや出てなかったぞと思って見ていると、「おかみさんも三味線構えて待ってますがな」というおじいさんのせりふが入っていた。あーそうか。俺は忘れていたが、萌はこういうディテールをきちんと覚えているのでした。

 今日は親知らずを抜く日。日記によると 92 年に最初に出てきたものである。ここ半年は痛んでいないが、ほんとにほんとに年貢の納め時なのだろう。とほほ。

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 ◆15:40 終わった。正味手術は麻酔後 10 分ほどで痛みはなかったが、身体の一部を引き抜かれていくようないやーな感じは十分に味わえたというかなんというか。ふー。

 痛みはまだないが虚脱感で運転する気になれんので、ブレーキだけかっくんとならぬよう運転してくれとお願いして、半年ぶりにMのドライブで後ろに乗る。乗り換え後1年経ち彼女も過敏すぎるエリオのアクセル&ブレーキに慣れていて、非常に丁寧に運転してくれ予想外に快適だった。Mの運転ポジションだと後席膝前などほとんどミニバンといえるほどスペースがあるし、路面の凸凹は伝わってくるが、サスの減衰とシャシーの剛性が十分に効いており、心配した突き上げがない。M速度ではコーナーでのロールも抑えられているし、快適極まりないな。

 帰ってからMに、スズキとスバルのどっちが好きかと聞かれた。「スバルのほうが快適だったケド....」と答えると、「私にはスズキの方が快適だ」という。振動とふらつきがあるエリオがフラット王のレガシィより快適ということはないはずなので、自分が運転するときの小ささや軽さ、思ったときにピッと動かせる強力な加速性能がMにいい印象を与えているのだろう。両方あったらスズキに乗って出るなと俺も答える。それが正直な感想なのだ。

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■08/04/09(水) □ 燃えよ拳・炎のライバルの巻
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 カラテ:水曜はスパーリング。萌は一月前のLSとの死闘以来スパーでいい感じを掴めてなくて、痛いのも痛くするのも嫌だからと手加減しすぎてスローになり、技にスピードと力感がない。LSは不変のスタイルで圧力ある前蹴りと正拳突きで押しており、それは萌はもちろん3本線のボーイズを相手にしても通用している。ERが「プヒュー! なかなかやるじゃないかLS」みたいな感じで喜んで相手をしている。

 最後にジャッジがついての試合で萌は今週もLSに負け、「Yay, I'm a loser」と典型的バッドルーザーになってしまった。その後下のDRには勝ったのだが喜ぶわけでもなく、3週続けて親友のLSに負けたのでふてくされているのである。

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 この態度問題はおいおい直していくとして、技術的にどうにかならんかなと前に撮ったビデオを見て考える。負けるのは毎度毎度同じでLSのパンチが萌のボディに入るのであり、これは空手の正拳というよりは鬼ごっこでボディにタッチする動きに近い。至近距離から来るタッチを避けるのは鬼ごっこでも難しいからブロックするしかないのだが、前蹴りや中段突きは直線的に来るのでブロックが物理的に最もしにくいのである。逆に萌の得意とする回し蹴りは腕と肩で簡単にブロックできるので、痛くない爽快スポーツ的なスパーを楽しめるのだが、試合でポイントは取れないのだ。

 ―――あそうか、萌は押されると正対して後ずさりするのでボディが空き、そこを突かれるのだ。体の左側を相手に向ける半身をきちんと維持すれば、一番の脅威である相手の右前蹴りはお尻で自然にブロックされ、他の攻撃に対し備えることができる(左からの攻撃もおそらく、本能的に交わす同じ体の動きで当たりを弱めることができる)。攻撃の来る角度を的確に読むのは至難の技なので、半身でまず選択肢を減らすことが重要なのだろう。よし、ここを週末家で練習するべし。炎のライバルLSに勝つのは容易なことではないが、燃えよ拳なのである :-)。

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■08/04/11(金) □ フレンチエマージョンへの思い
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 萌のフレンチスピーチがある。自分で動物について調べ作文し、その内容を暗誦するというビッグプロジェクトで、例によって意味はわからないのでただただすごいなあと思って見ていた。キンダーから数えて2年半で、よく2分ものフレンチ原稿を書けるものだ。萌は人前で喋ることに非常に緊張していたが、そつなくこなす。

 これが英語だったら、子供らがどれだけ進歩してるのかがわかり楽しいのになと毎度思う。他の親御さんたちを見ていてもだいたい俺と同じようで「すごいなあ」と薄笑いを浮かべ見ており、Mのようにオールポジティブにニコニコしてる人はいなかった。Mもフレンチは英検2級といったレベルで内容は断片的にしかわからないと思うが、子供たちの輝かしさに喜んでいるのである。それゆえ子供らはみな、自分の親よりもMを見て勇気付けられ喋っていた。

 日本じゃ子供をバイリンガルにするために子供に英語を話す「英語育児」お母さんという人々がいるそうだが、学校で発表会があるたびに俺は、そういう家庭の父親になったみたいな気分がする。この道が、子供の学業を助け味わい関与するという普通の親の喜びを上回るものなのかどうかという気持ちは、2年半たっても変わらない。このフレンチエマージョンがフレンチ習得でベストなのは間違いないが、本人に興味があれば俺のようにたとえ大人になってからでも外国語は学べるわけだし(しかも俺は本と教材だけという、エマージョン《外国語漬け》とは正反対の方法)。もちろん本人がフレンチを楽しんでるのだから、このまま続行することにまったく文句はないが。