「漢字かな混じり文は美しい」「親知らず年貢の納め時」「フレンチエマージョンへの思い」ほか。
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■08/04/02(水) □ 漢字かな混じり文は美しい
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萌が先日生まれたイトコのNちゃんのために作った本を送る。久々に作った本だが、マンガと漢字ドリルが合体したすばらしいデキ。
萌は日本語学校で週に5個ほど習う漢字を、実に立派に使いこなしている。知ってる漢字はちゃんと書けてしまうのだ。しかし1つ1つの漢字に意味があることまではまだ理解していないので、「なんとかしま下」などといった誤用は当然ある。そのたびに俺が間違いを正してやるのだが、「せっかく工夫して漢字を使ったのに」と無念そうな顔をしている。これはまったく無理もないことで、漢字圏の子供は気の毒なり。でも漢字は美しいので頑張ってくれ。漢字かな混じり文は、世界で一番美しい文章なのは疑いない。萌が作ったこの本を見てもそれはよくわかる。
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■08/04/05(土) □ 親知らず年貢の納め時
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「ちりとてちん」の落語再現シーン総集篇があった。萌と見て、改めて面白かったねえ、「瞳」はつまらんねえと話す。
師匠が地獄に行きおじいさんと会うシーンで、またも萌はじーんときていた。「おかみさんにも会えればよかったんだけどね」というと、「でもここで会えるんだよ」と萌はいう。いや出てなかったぞと思って見ていると、「おかみさんも三味線構えて待ってますがな」というおじいさんのせりふが入っていた。あーそうか。俺は忘れていたが、萌はこういうディテールをきちんと覚えているのでした。
今日は親知らずを抜く日。日記によると 92 年に最初に出てきたものである。ここ半年は痛んでいないが、ほんとにほんとに年貢の納め時なのだろう。とほほ。
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◆15:40 終わった。正味手術は麻酔後 10 分ほどで痛みはなかったが、身体の一部を引き抜かれていくようないやーな感じは十分に味わえたというかなんというか。ふー。
痛みはまだないが虚脱感で運転する気になれんので、ブレーキだけかっくんとならぬよう運転してくれとお願いして、半年ぶりにMのドライブで後ろに乗る。乗り換え後1年経ち彼女も過敏すぎるエリオのアクセル&ブレーキに慣れていて、非常に丁寧に運転してくれ予想外に快適だった。Mの運転ポジションだと後席膝前などほとんどミニバンといえるほどスペースがあるし、路面の凸凹は伝わってくるが、サスの減衰とシャシーの剛性が十分に効いており、心配した突き上げがない。M速度ではコーナーでのロールも抑えられているし、快適極まりないな。
帰ってからMに、スズキとスバルのどっちが好きかと聞かれた。「スバルのほうが快適だったケド....」と答えると、「私にはスズキの方が快適だ」という。振動とふらつきがあるエリオがフラット王のレガシィより快適ということはないはずなので、自分が運転するときの小ささや軽さ、思ったときにピッと動かせる強力な加速性能がMにいい印象を与えているのだろう。両方あったらスズキに乗って出るなと俺も答える。それが正直な感想なのだ。
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■08/04/09(水) □ 燃えよ拳・炎のライバルの巻
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カラテ:水曜はスパーリング。萌は一月前のLSとの死闘以来スパーでいい感じを掴めてなくて、痛いのも痛くするのも嫌だからと手加減しすぎてスローになり、技にスピードと力感がない。LSは不変のスタイルで圧力ある前蹴りと正拳突きで押しており、それは萌はもちろん3本線のボーイズを相手にしても通用している。ERが「プヒュー! なかなかやるじゃないかLS」みたいな感じで喜んで相手をしている。
最後にジャッジがついての試合で萌は今週もLSに負け、「Yay, I'm a loser」と典型的バッドルーザーになってしまった。その後下のDRには勝ったのだが喜ぶわけでもなく、3週続けて親友のLSに負けたのでふてくされているのである。
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この態度問題はおいおい直していくとして、技術的にどうにかならんかなと前に撮ったビデオを見て考える。負けるのは毎度毎度同じでLSのパンチが萌のボディに入るのであり、これは空手の正拳というよりは鬼ごっこでボディにタッチする動きに近い。至近距離から来るタッチを避けるのは鬼ごっこでも難しいからブロックするしかないのだが、前蹴りや中段突きは直線的に来るのでブロックが物理的に最もしにくいのである。逆に萌の得意とする回し蹴りは腕と肩で簡単にブロックできるので、痛くない爽快スポーツ的なスパーを楽しめるのだが、試合でポイントは取れないのだ。
―――あそうか、萌は押されると正対して後ずさりするのでボディが空き、そこを突かれるのだ。体の左側を相手に向ける半身をきちんと維持すれば、一番の脅威である相手の右前蹴りはお尻で自然にブロックされ、他の攻撃に対し備えることができる(左からの攻撃もおそらく、本能的に交わす同じ体の動きで当たりを弱めることができる)。攻撃の来る角度を的確に読むのは至難の技なので、半身でまず選択肢を減らすことが重要なのだろう。よし、ここを週末家で練習するべし。炎のライバルLSに勝つのは容易なことではないが、燃えよ拳なのである :-)。
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■08/04/11(金) □ フレンチエマージョンへの思い
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萌のフレンチスピーチがある。自分で動物について調べ作文し、その内容を暗誦するというビッグプロジェクトで、例によって意味はわからないのでただただすごいなあと思って見ていた。キンダーから数えて2年半で、よく2分ものフレンチ原稿を書けるものだ。萌は人前で喋ることに非常に緊張していたが、そつなくこなす。
これが英語だったら、子供らがどれだけ進歩してるのかがわかり楽しいのになと毎度思う。他の親御さんたちを見ていてもだいたい俺と同じようで「すごいなあ」と薄笑いを浮かべ見ており、Mのようにオールポジティブにニコニコしてる人はいなかった。Mもフレンチは英検2級といったレベルで内容は断片的にしかわからないと思うが、子供たちの輝かしさに喜んでいるのである。それゆえ子供らはみな、自分の親よりもMを見て勇気付けられ喋っていた。
日本じゃ子供をバイリンガルにするために子供に英語を話す「英語育児」お母さんという人々がいるそうだが、学校で発表会があるたびに俺は、そういう家庭の父親になったみたいな気分がする。この道が、子供の学業を助け味わい関与するという普通の親の喜びを上回るものなのかどうかという気持ちは、2年半たっても変わらない。このフレンチエマージョンがフレンチ習得でベストなのは間違いないが、本人に興味があれば俺のようにたとえ大人になってからでも外国語は学べるわけだし(しかも俺は本と教材だけという、エマージョン《外国語漬け》とは正反対の方法)。もちろん本人がフレンチを楽しんでるのだから、このまま続行することにまったく文句はないが。
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