2007/12/31

日記「アツイ感受性」

「アマチュア革命的興奮」「ファミリークリスマス」「千の風」ほか。

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■07/12/19(水) □ アマチュア革命的興奮
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 オオウチコム氏という、サッカーコラム界の日没さんを発見した。こんな美しいコラム群がこれまでどうして見つからなかったのか不思議なほどの(※)、素晴らしいサッカー文章たち。日没さん発見以来のアマチュア革命的興奮だ。日没さんは競馬と音楽と東京を書いており、オオウチさんはサッカーと仕事と子供らのいるサッカー場風景を描いている。ジーコで負けたむなしさ、中田をなくした喪失感、オシム前期のサッカーを見て盛り上がれなかったわけ、アジアカップ敗退での脱力感が、顆粒となって水に溶け体に吸収されていく。
(※)サッカーシミュレーション FM 2006 でディルク・カイトという選手を獲るかどうか悩んで、名前を検索してみたらここにヒットした(^_^;;)

 このオオウチさんのコラムの中に、日本サッカーの夢の時代は「カズではじまり、中田英寿で終わる」という節がある。Jリーグの始まりからサッカーを見始めた俺たち多くのサッカー好きファンには、まさしくど真ん中だなと思う。

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 今日は本年最後のカラテで、萌たちビギナーからブラックベルトまで、総勢30名が勢ぞろいした。オレンジ以上の全員による組み手がすごかった。みなファイトに満ち溢れ打ち合っている。プロテクターをつけ、上の者は手加減しているとはいえ、ビシバシとすごい音がし痛くないのかなと俺も萌もびびった。高段者のおじさん同士はヘッドギアをつけてなかったのだが、たまたま裏拳が顔面にばしっと入ってしまい、でっかいおじさんがほとんど昏倒しかけたしな。いやはややっぱりカラテピープルはすごい。萌があんなことをするのは想像もできない。

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■07/12/20(木) □ クリスマススナックパーティ
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 学校のクリスマススナックパーティということで、ランチタイムにベジタブルを届けに行った。ランチタイムに教室に入ったのは初めてだが、萌たちはみな楽しそうにワイワイと弁当を食べていた。こんなに楽しいんじゃ、もともと食べるのが遅い萌が毎度毎度時間切れで食べ残すのも道理である。まあ楽しくてよかった :-)。

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■07/12/21(金) □ 萌のアツイ感受性
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 萌の学校が終わり、LSを連れて帰る。このクリスマス時期、ガキどもの興奮は手がつけられない。

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 「ちりとてちん」でまたえらい感動的なシーンがあり、萌はあの「師匠復活」シーンに続きまたも大泣きしてしまった。破門された草々を助けるために弟子たちが殴りあい、そしてついに草々が戻る。この人情噺で声を上げて泣くのだから、萌は感受性が成熟してるというか、母に似てアツイなあと思う。

 成熟といえばこないだ「シュレック3」を見て以来、萌はZepの「移民の歌」が気に入っている。ロック道を順調にまい進しているぜ。Zepはビートルズに次いで世界で2番目に人気があるのだ。3番目はストーンズだ。4番目はえーと、クイーンかな? と簡略な教育的説明を与えておいた。

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■07/12/22(土) □ ファミリークリスマス
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 前倒しのファミリークリスマスでSH家へ。ADがグースのローストを作ってくれた。ガチョウなんて初めて食べたが、タフだが野趣があってえらいうまい。肉がつかない鳥らしくたくさん食べられなかったのが残念なほど。カナダの家庭料理でターキーやダックが出てくると味気なく堅く臭みのあるチキンでしかないのだが、これはわざわざチキンを差し置いて食べる価値のあるものなのであった。

 萌は叔母さんたちに服をたくさん買ってもらって、得意のファッションショーを披露してご機嫌であった。

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■07/12/24(月) □ クリスマスライト
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 クリスマスイブ、萌が実に久しぶりに風邪を引いた。グレード2になって初めてだと思う。体調は昨日よりもいいが咳はまだ止まらず。Mがクリスマスイブっぽく掃除をしたり萌と映画を見たりしているので、俺は少し年明け提出の仕事を進めておく。

夜、クリスマスライトを見に外に出る。うちもそうだが近隣にこれといって見所のある家はなく、それでもポツポツと写真を撮りながら歩くうちに、萌のおなかが痛くなってしまい、1キロをおんぶして帰ることになってしまった。もう腕がくたびれ果て動きません。

 写真は 1/15 - ISO 200 くらいで固定して撮ったのだが、全部暗くて失敗であった。あらかじめこういうときに使えるモードを試しておくべきだった。やっぱキヤノン A530 は、シャッタースピード固定(=ISO オート)モードがないのは痛いよなあ、こういうときに。

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■07/12/29(土) □ 甦る本山
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 録画の天皇杯を見る。広島は守ってカウンターのチームで、優勝争いをするサッカーではないが、ガンバを相手に1対1ではすべてのポジションで対等以上の戦いをしている。注目のガンバ安田も駒野に抑えられている。こんなチームがJ2に落ちるのはまったくJの損失だ。ガンバは相変わらずで、丁寧にやっているうちに2点先取されてしまった。俺がもしガンバのファンだったら、この変わらぬトロぬるサッカーにトサカに来ると思うな。広島が見事3―1でガンバを撃破。

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 2戦目鹿島・川崎は熱さほとばしり両者譲らず攻め合う見事な試合で、ジュニーニョを抑え切った鹿島が最後は本山の力で競り勝った。面白い試合だった。本山はおそらく今年のJリーグのベストMFだったのだろうが、最近の代表メンバーを見渡しても今日の本山のように走ってこぼれ球を拾い、テクニカルにボールを動かしパスを出し、ドリブルでシュートに持っていくと3拍子揃った選手はいないよな。パスだけなら本山よりうまい選手はたくさんいるだろうが、この試合を見ればパサーの遠藤には拮抗した(=パスの出し側よりも前線の受け側で厳しい戦いが続く)ゲームを動かす力はなく、走る本山にはそれがあるというのが明白だ。

 本人は昔のようにスピードドリブルで相手を置き去りにできないというジレンマを抱えてるのだそうだが、現時点の持てるスピードを敵に詰めこぼれ球に追いつきスペースに動きマークを外して蹴るという実効あるサッカー的動きに余すことなく使っていて、それで正解なのだろうと思った。ピルロだってドリブルで相手を振り切ったりはできんのである。相手のマークをはずしボールを通すコースさえ作れれば勝負になるのであり、それには十分なスキルを本山は持っている。もう一度インターナショナルレベルで本山を見てみたいと思う。

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■07/12/31(月) □ 「千の風」
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 朝起きると録画中の紅白歌合戦がもうクライマックスに差し掛かっていたのだが、このクライマックスが音痴の SMAP とド演歌ではやはり聞くに堪えず、音声を切って見ていた。

 終わってテープを巻き戻すと「演歌対Jポップ」という組み合わせになっているようで、見るに耐えないものを5組ほど早送りする。USA出身の女性歌手が演歌の背景で歌わされリハーサルで泣いたそうだが、そのストレスは俺もまことに理解できる。米ポップもJポップも演歌もみな甲乙つけがたく下らないが、そういうニッポン歌謡ショー的しきたりは日本にしかないだろうからな。

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 明日新年なべをやりたいので食材を買い出す。しかしカナダは魚貝が高い。アサリ6ドル、タラ切り身13ドル、カニ脚4本で16ドル(泣)。まあ年に一度の正月だから仕方がないが。

 ダラーショップに寄って萌のお年玉(クリスマスマネーだけど)ショッピング5ドル分もやらせてあげた。萌は刀を買って大喜びであった。

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 お年越しなので簡素だがちゃんとうまい晩御飯を作っていただき、夕方紅白の残りを見る。萌が期待した米米クラブも普通にいい歌を歌ったため、あまり盛り上がらなかった。Gackt と大塚愛という人のステージがすごかった。どっちも音楽には興味はないが(―――いや、大塚愛という人は自分で曲を書いてるようだし、あのメロディと言葉と歌う表情には浜崎あゆみなんかとはレベルの違う才気を感じるな―――)、さすがにこのショーでしかやりようがないという超絶な人海力のかかったステージだった。

 今年を思い返すと、まず記憶に来るのはなんといっても父さんのことを置いて他にはない。この頃よく夢に出て来るんだよな。父さんや兄貴がいる店を俺がマゴマゴと手伝い叱られるというような理不尽な夢を。

 萌は紅白で流れた「千の風」の歌を、「これKがギターでおじいちゃんに弾いてあげた歌でしょ」と、どういうわけなのか覚えていて俺をひっくり返らせた。出棺時にKがギターを弾く姿をたしかにビデオに撮っていたが、あの断片的メロディを覚えていたのだろうか。この歌を聞いて俺と萌はまたセンチメンタルな気持ちになっていく。不思議なことだよと母さんに電話をし、今年は暮れていく。

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