2011/07/10

女子W杯・わかってもらえるさ

「陽光と風のエリア」「日本文化紹介の難しさ」「ニンテンドーDSの完成形」「ワイルドプレイの綱渡り」「でかいぞチケットトゥライド Euro」

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■11/06/30(木) □「陽光と風のエリア」
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山川健一のツイッターアカウントが見つかった。「クロアシカバーの悲劇」「マギーメイによろしく」「みんな十九歳だった」なんてタイトルが出てきて、強烈な懐かしさにうあとうめき声が出る

東京で最も煮詰まり先が見えない生活をしてた80年代末、彼のロックとバイクのエッセイは俺と弟の教則本だった(小説とバンドはイマイチだったが)。山川の言葉とストーンズとRZを食って、俺は井の頭で生きていた。彼のように言葉で世界と組み合って自由を稼ぎ出し暮らしていきたいと思い、バイク雑誌の編集部などにも行ってみた。

ツイートを読むと山川は東北の大学でなにかを教えたりしているらしい。長い年月が経っているけれど、原発反対の発言にボブ・マーリィの言葉を引用する彼は、なにも変わらない。

バイクにテントを積み「陽光と風のエリア」に行く日を思い描いて、高円寺で汗を流していた追憶の1989年が胸に甦る。カナダにいると「クソ暑い、山に行きたい」という欲求は起きてこないが、自分の人生に対する焦燥感はいまだ解消できていない。

この夏家族がイングランドに行ってる間俺は、15年ぶりに1人でテント旅行に出ようと思っている。BCの夏にも「陽光と風のエリア」みたいなものはあるだろう。1冊だけカナダに持って来た山川の文庫本を持って行こう。

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■11/07/01(金) □ 日本文化紹介の難しさ
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カナダデイフェスティバル。地元 PoCo 市のフェスは3度行ってそんなに盛り上がったこともないので、今年は別の町のやつに行こうかなと思っていると、ちょうどAYさんたちが日本関連の催事を隣町コキットラムでやるというのでそちらに行くことにする。フェスティバルの内容はコキットラムも似たようなものだったが、やはり PoCo より大きな街なので規模が大きかった。

ロシア屋台のピロシキを食べた後、日本カルチャー展示兼大震災支援サイトを開くAYさんのテントを訪問する。こういう場で日本文化紹介というと折り紙と七夕くらいしかないのがちと地味で、訪問者はパラパラという感じ。日本食を出しゲームやアニメを見せればテントが大入り満員になるだろうが、商売じゃないんだからそうもいかんしな。

カナダに最も影響を与えている異文化は、アニメ・ゲームや様々な商品を経由した日本のサブカルに違いない。中韓物事は多々あるが、それは人口比の多い中韓移民とその子孫のためにある。どうして日本移民は中韓より少ないのだと聞かれることがたまにあるが、それは日本のほうが中韓よりも面白く、離れがたい国だからに決まっている。しかしその日本の面白さをこうしてお祭りでカナダ人にプロモートするなんてことは、やりようがないんだよな。

萌は最初は戸惑っていたのだが、やがてテーブルの内側に入り、後は帰るまでずっと来客に折り紙を指導していた。

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カーラジオで John Mayer - No Such Thing という歌を聞く。「高校の廊下を走り抜け、腹の底から叫びたいよ」。いい歌だな、なんかモンキーマジックみたいな...と思い、MONKEY MAJIK ってクオリティ高いよなあと改めて思う。

MONKEY MAJIK ってなんで母国カナダで売らないのかな。カナダのラジオでこんなふうに流れていてもまったく違和感なく受け入れられる音なんだけれど。というか、ラジオで流れているほとんどのカナダ製ポップスより MONKEY MAJIK のほうがいいと思うのだが。

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■11/07/02(土) □ ニンテンドーDSの完成形
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今日は萌が非常に前向きでいい日で、朝からTVなど見ずに掃除を開始し、午後はずっとBRおばあちゃんのクッキングを手伝っているので、学校でのケンカ謹慎でずっと保留になっていた誕生プレゼントの DSi XL オープンとなった。そんなにほしかったのかと驚くほどの大盛り上がり。

08 年に日本でもらった DS がすでにあるし、KTの DSi を見てもさほど驚いている様子もなかったのだが、実はあの落書き写真だのボイスチェンジャーだのをやりたくて仕方がなかったらしい。


こういうのって子供だましだよなと
思ってましたが、

大人が作るとこれほどまでに低レベル
(庭のたらいで行水の図)
しばらくは落書き写真などをする萌を半ば呆れて見ていたのだが、落書きだけでなく顔のモーフィングだの顔近似性診断だの手書きアニメ制作だのといった新しい遊びをやり始め、そうかこれはハードとソフトが一体化した新しい遊び開発ツールなのかとこの3世代目 DS ハードの優秀さに気がついた。単に安いデジカメと顔画像デフォーメーションが入った子供ダマシと思った俺が間違っていた。ニンテンドーがそんなケチなものを作るわけもなかったのである。

つまりこれが DS ハードの完成形なんだな。俺はコントローラがでかすぎて繊細な操作感に欠ける Wii よりも DS の方が好みなので、その究極の形態がうちに来たということにけっこうな満足感がある。よかったよかった。

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■11/07/03(日) □ ワイルドプレイの綱渡り
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LDから萌へのクリスマスと誕生プレゼント合体として、メイプルリッジのワイルドプレイというものに行く。森の中に張り巡らされたワイヤー上を滑車を使い滑りまくるという遊びで、日本で遊んだ忍者村の高品質バージョンである。俺はカメラ係。


これで7mの高さがわかるかと
で行ってみると信じがたいほど高いところに綱渡りの綱がある。小学生が行けるレベルで7mというから、3階建ての建物の屋上くらいか。最上層は10mありそうで、これはもう見てるだけで嫌になってしまう高さであった。

安全確保のハーネスにはフックが2つあり、どんな場合でもそのうち1つは繋がっているというロッククライミングのロジックで安全は保たれているのだが、それにしたって高い。もし萌が夢中になりフックを一瞬かけ忘れ、そこでもしバランスを大きく崩したらと思うと、胃がきゅーとするのである。

まあ実際萌は人並み以上に慎重なのでそんな心配はなかったのだが、ちゃんとフックをかけているか俺からもLDからも見えない場面も多々あって、そういうときはまことにハラハラした。まあ自分が子供でも、間違いなくこれは楽しんだだろうな。ホントすごかった。

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■11/07/07(木) □ でかいぞチケットトゥライド Euro
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ようやく誕生日、ついに「チケットトゥライド Euro」をゲットした。家で実物をやってみると、オンライン版ではわからなかったゲームの物理的アスペクトをあれこれと実感する。

◆チケットを伏せて置くと目的地を忘れてしまう
◆トレインカードはとても手で持ちきれず、隠し持つと分類できんので結局表向きに置いてしまう
◆ボードがえらいでかいので、カードデッキをどこに置いても反対側の人は苦しい
◆ボードを逆から見る側が視覚的に不利(参照用マップを印刷して対処)


といったあたりに戸惑う。手元を隠す衝立とカード立てとゲーム用テーブルが猛烈に欲しくなる、初の大型ボードゲームです。今のところ人の手札など見てる余裕はないので、隠さなくても実害はないが。

ルールの説明でトンネルは意外や一発で通じたが、駅舎の説明で「使わなかった駅数×4を後で加点」というのがまだるっこしい。めんどくさいので【使ったらマイナス4】と説明する。ルール的には同じことだろう。

チケット達成点も、「ルールではゲーム終了時に計算するとなっているが、完成時に発表したほうが盛り上がるので、まあ各自自由に」とする。完成したら当然うれしいので、萌も俺も発表しオオと拍手して盛り上がる。この即時発表のデメリットは完成していないチケットがどこかわかってしまうことだろうが(特にロング)、ブロックを狙わないフレンドリー家族ゲームでは問題はない。真剣勝負をするようなメンバーなら、6枚しかないロングチケットなどいずれにせよバレるだろうし。

でオランダからスイスまでを網羅的に制覇した萌が俺の中欧路線を分断するという初戦から願ってもない面白い展開になり、俺は駅を使わねばならず苦戦となったのだが、最後に萌がカディス-ダンジグの20点をつなげなかったことが判明し、俺の勝ちとなった。「つまりベルリン-ダンジグを自分でつないで、フランクフルト-ベルリンはステーションで借りれば16点取れたんだよ」と説明すると、あーそうかと納得していた。この駅舎はPC相手にやってるときはスリルを減じるヌルいルールだと思ったが、やっぱりビギナーにはいいルールだわ


This is the best game
ever invented!
萌は前のめりになり、自分の番が待ち切れないと何度も口にし、「これは史上最高のゲームだよ!」と期待通りに盛り上がった。必要なトレインカードをうまく揃え、路線を作り上げていくというのは子供にも大人にも鉄壁の面白さで、たまらなく楽しいらしい。俺もわざとつなぎにくい難しいチケットを選ぶなどしてひそかに自分にハンデを課しつつ、興奮に体温を上げながらトレイン駒を打つ。カルカソンヌの興奮再び、萌の反応を見ればそれ以上だな。

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晩飯前にもう1ゲーム。今度は萌はまず大量にカードを集め、そして一気に長距離チケットをつなぎ快勝。そして3戦目はちょうどやってきたMK夫妻との4人戦となり、萌が大量カード集め作戦に失敗し大敗。萌はカルカソンヌでも、みんなとやると鮮やかに勝とうとしすぎて墓穴を掘るのである。俺はハンデとしてロングを取らずにプレイしていたので、ゲーマーMKにまんまと勝たれてしまった。奴の路線だけはブロックすべきだったのだが、俺はまだ本物ボード上ではそこまでゲームが俯瞰できない。

多人数戦だとどうしてもみな駅舎使いまくりになるのだが、「ここを自力でつなぎあそこに駅舎を置けばつながる」とパズルを解く感覚になり結構面白い。そして「ステーションを使ったら路線の持ち主に4ポイント払う方が面白い(※)」とMKがいう。実は俺もそうしたいと思っていたのだ。珍しくハウスルールで奴と意見が合った。次からそうしよう。
(※)次の日気づいたのだが、4点を敵に払うと相対点差はマイナス8になり、ペナルティが大きすぎてショートチケットではマイナスにすらなりかねない。安易な駅舎利用を抑制し、路線早い者勝ちのスリルを保つ上ではいいと思うが、相対点差8点はでかすぎるかも。要テストプレイ。

というわけでカルカソンヌ以上に大ウケの初日であった。萌が夢中になってくれたので、今後カルカソンヌ並みにうまくなってくれたら最高だな。

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■11/07/09(土) □ 女子W杯 - わかってもらえるさ
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【女子W杯ドイツ-日本】すごいブーイング。日本は、技術的には自分たちは格下ではないと自信を持った立ち上がり。よしよし。同じメンバーで来ているがゆえのフィジカルの不安が出る前に、ペースを掴んでおきたい。

軽い接触で次々にドイツ選手が倒れ、1人は怪我で交替。「ドイツは昨夜長時間シュート練習を行った」とのことで、地元ゆえのプレッシャーでオーバーワーク気味のコンディションになっているのかもしれない。うわ、澤さまがフランクフルトな容貌のおばちゃんにエルボーを食らった。やめろ。しかし澤率いる効率のいいプレス網によりポゼッションは日本が上です。悪くない悪くない。

パワープレイで来られると、やはりゴールマウスで紙一重のクリアが続く。これを避けるには日本がポゼッションをキープするしかない。落ち着いて、ヘンな横パスを取られずセーフに行けば大丈夫。

30分、永里こぼれ球をフリーで外す!! く~。返す刀ですごいミドルを打たれわずかに外れる。ふー。しかし押されてはいない。日本は試合をコントロールできている。ドイツはFWがプレスをかけていない。ホームのスタジアムが静まりかえるこの流れが戦略とも思えないので、フィジカルがやはり落ちてるのではないか。前夜の練習しすぎで。

日本の保持率58%と出る。やはり思い通りにプレイできている。よし。

【前半終了】澤が一度前に抜け出しボールを呼ぶが通らなかった。澤はいる場所、プレスをかける場所、ボールを流す場所と実に間違いがない人で、ミスはあっても間違いはしない人らしい。その彼女が得点の匂いに上がっていけば、間違いなく点は取れる。いつかきっとそんな日になる。もうすぐなんだ。

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カナダTV解説は澤が上がっていたもう1つのシーンをスロー解析し、「日本のMFが澤が上がっていることに気づかず後ろに戻してしまった。これをやっていれば高いポゼッションは保てるが、勝つにはここを見逃さず勝負に出なければならない」とコメント。その通り。

【後半】ドイツが圧力を上げてくる。またゴールマウスでDFが紙一重のクリア。ムトーさんが言っていたけれど、女子にとって男子と同じゴールマウスは広すぎて、GKが2人いないと守り切れないのかもしれない。日本のGKは特に下手っぴではある。

大野と丸山はキープしてチーム全体が上がるのを待たねばならないのに、苦しいので前に進み無為に失ってしまう。我慢するんだ。我慢するんだ。ここであきらめちゃ、奴らの思う壺。―――イワブチ IN!

カナダTVアナはドイツ女子がいかに強いプレッシャーと戦っているのかと延々5分くらい喋っている。ノイローゼで代表を辞退した選手がいるとかそういう話。第3者がそういう敗因っぽいものを話しだすくらい、ドイツは精細を欠いている。

完全なシーソーゲームです、と加アナ。しかし日本の守備に穴が開いてきた。苦しいのはお互い同じだ、我慢するんだ。キープするんだ。

岩渕初のドリブルから、ハーフチャンスを宮間がミドル。惜しい。あの形を続けたい。ポゼッションは高いが位置が後ろすぎる。長いパス数本で危険なところまでボールを運べる相手は楽である。ドイツ怒涛の放り込み、耐えて耐えて跳ね返す日本。そして延長へ。

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【延長】ふー。ボールをどうにもキープできない丸山に、「交替で入った丸山はゲームに入りきれていない」と的確な加アナ。2枚の交代が早すぎしかも外れ気味だったので、あと1枚の交替で状況を変えられる気がしないというのが正直なところ。

日本にミスが頻発し、ドイツが攻め込んでくる。しかしこれで岩渕がカウンターに走るスペースもまたできる。我慢して前に運ぶんだ。

元カナダ代表主将デヴォスが、日本のフィジカルが鍵になってきているね、と日本の体力限界を示唆。しかしドイツのサッカーがいいわけでもないんだ。我慢するんだ。走れる奴にボールを渡すんだ。

そして澤のロブ→丸山! ゴール! ―――完璧。完璧すぎる。鳥肌。

ヘボを重ねていた日本GKもここに来て好セーブを見せる。よし。行ける。行けるぞ。宇津木 In、あと4分。ここまで放り込みを守り切れたんだ。最後の4分が前より難しいわけではない。大丈夫。

【試合終了】やっ・た。やってくれた。

このサッカーのよさが、いつかきっと君にも、わかってもらえるさ。いつかそんな日になる。僕はなにも間違ってない。もうすぐなんだ。

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この試合はストイチコフのブルガリアがドイツを倒した94W杯準々決勝に匹敵する。あの巨象が倒れたようなショックを、ついに日本が成し遂げてしまったのだ。いつかそんな日になる。僕はなにも間違ってない。もうすぐなんだ。

2011/06/30

日記「サヨナラ小学生ライフ」

「チケットトゥライドの交錯の妙」「CONCACAF サッカーの発展」「TTR Euro の味がわかってきた」

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■11/06/20(月) □ チケットトゥライドの交錯の妙
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チケットトゥライド USA Online のデモで対PC5人戦を選択し、必要な路線区間を次々に敵に奪われ負けた。うーむ、面白い。いったんコツが分かったらカルカソンヌ同様コンピュータ相手では楽勝だろうと思っていたのだが、この負け方を体験して考えが変わった。

これはコンピュータの思考ルーチンが優秀だからこうなったわけではなく、それぞれが自分の路線を完成させようと努力するなかで線路が交錯し妨害が自然発生するという、チケットトゥライドのシステムが生む《交錯の妙》が働くのだ。つまり相手が愚かなロボットでも、チケットがうまいこと交錯さえすれば白熱したゲームになるシステムなのである。偶然とも戦術とも運とも違う、「ゲーム的交錯」という感じの絡みが立ち上がる。スポーツのようだ。サッカー的だ。

カルカソンヌで相乗り攻防のやり方が分かったときに、あまりに単純かつ精妙なメカニズムに感動したが、それと同等のコアメカニズムの素晴らしさがこのゲームにはある。それに加え、プレイ中なにもテキスト(=例外処理の説明)を読む必要がないというのもやはり優れている。

というわけで、来月の誕生日に本物ボードゲーム版を買うことはもう決めているのだが、USA を買うか Euro を買うか決めかねているのでデモをプレイしまくっております。

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■11/06/22(水) □ CONCACAF サッカーの発展
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【金杯準決勝メキシコ VS ホンジュラス】両チームとも一歩も引かない真っ向プレス勝負、体の全パーツをゴチゴチとぶつけ合いながら奪ったボールをもの凄い勢いで前に進めていき、すごい試合となっている。まさにメキシカンプロレス。彼らには痛覚がないのか。これは俺が今季見た中で一番面白い試合だ。

中盤を厚くすることでメキシコ相手に完全に互角のプレス勝負をできるホンジュラスなのだが、その分1トップは孤立しており、なかなかシュートに持っていけない。攻撃力ではウィングが3トップ気味に張ったメキシコが1枚上だが、ホンジュラスの守りもラインコントロールもほんとうに素晴らしく、チチャリートまでボールを通させない。

延長になったらホンジュラスに疲れが見えてきたと思う間もなく、メキシコがコーナーから2本ゴール。劣勢なリソースでファイトし抜くホンジュラスを応援してたのだが、ついに守備陣の集中力が尽きたという感じだった。残念だが、あの孤立した1トップでは点は取れそうになかったし、そこがまだメキシコとの力の差と言えるだろう。

しかしメキシコとプレス合戦を90分やり抜けるチームが出てきて、CONCACAF サッカーはすごいことになってきた。カナダは完全に取り残されているが、こんなサッカーが見れるなら CONCACAF の発展ばんざいであります。

ホンジュラスのMFはカンザスシティーにいるそうで、MLSでもこんなうまくてファイトする選手が揃ったサッカーを見れたら面白いんだけどなー。バンクーバーの試合を見る限りでは、まだまだ技術もスピードも希薄もユルすぎて、あまり楽しめないのである。

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■11/06/23(木) □ TTR Euro の味がわかってきた
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【チケットトゥライド Online】複雑な Euro のマップと地名にも慣れ楽しめるようになってきた。マップ自体を比較すると、やはり USA マップは簡単すぎるなと思う。デュルース-ヒューストンなど色なしトラックで5区間8コマも連続しているので、カードを集める必要もなく簡単につなげてしまう。ポートランド-カルガリー5コマ、ロス-デンバー8コマ、アトランタ-モントリオール9コマも同じ、このあたりは同色列車カードを2~3個ずつ揃えていけば簡単に繋げられる。また西海岸と東海岸のロングをいったんつなぐと、その内側のシカゴ-ソルトレイクあたりはすでに繋がっているので宝くじの前後賞的安直な得点増になる。

Euro ではこの反省から、色なしトラックは東欧の辺境に断片的に置くなど調整がなされているわけだ。そして短い路線はトンネルやフェリーでもって難度を上げている。なるほどねー。この辺がわかってくると、Euro マップの味わいもしみてくる。だんだん Euro に購入意欲が定まってきました。

Euro は長距離チケットが6種類しかないのが味気ないが(何回もやっていると、「またこの路線かよ」とすぐ感じ始める)、どこを通って行くかは手持ちのチケットとトレインの引きと敵の分布により変わってくる。だから同じチケットを続けて取ったとしても、工夫の余地はある。これはチケットトゥライド・シリーズのゲームデザインの勝利というか、鉄道網というものの美しさと面白さをそのまま見事にゲーム化しているんだよな。

つなげなかった区間を4ポイント払って自分の区間として点数をカウントできるという Euro の「駅舎」ルールは、評価が難しい。「あー先に取られた! 仕方がない、あっちから回ろう」というのがチケライ最大の面白さなのに、「あー先に取られた、4ポイント失った」では台無しだと思う。しかし対人でブロックが多発するような高度なゲームになると、駅舎なしでは勝てないという説も見聞きする。この辺は人とやってみないと分からない。

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対PC戦のみとはいえ何度もやってみて思うが、これは本当に面白いゲームである。最愛のカルカソンヌと比較すると、ある程度うまい人とやらないと盛り上がらないカルカソンヌに対し、チケライはコンピュータ相手でも困難を乗り越え物事を完成させる喜びが味わえる。この面白さはビギナーとやっても同じであるはずだ。そこかしこに小さな賭けがあり(これを micro-decisions、小さな決断と呼んでいる人がいた)、その成否が1ゲーム中何度も味わえる。

また、カルカソンヌは全手札を妨害に使うというダーティな戦法が強いわけだが、チケライは妨害をするにもトレインカードが必要で、それを消費すれば自分の路線が伸びない。この自然に備わった兼ね合いにより、破壊者有利というカルカソンヌ的弱点からもおそらくまぬがれているだろう。Euro の「駅舎」ルールと合わせ、妨害が嫌いなうちの奥さんにも完璧なゲームなんではないだろうか。



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■11/06/28(火) □ サヨナラ小学生ライフ
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キモノでセレモニー
萌の卒業セレモニー。キモノを着て行っていいかと聞かれ、いいけど他の子はそれほどドレスアップしないだろうから目立ちすぎるだろうと言ったが、それがいいのだとのこと。さすがに晴れ着的なものはやめて、クリーム色のきれいな浴衣を着ていき、本人の希望通り美しく映えていた。

セレモニーは子供らの感謝のスピーチがいくつもあり、影像担当教師による今年1年の膨大な写真とビデオをまとめたムービーがメインの演し物としてあり、校長が例によって長すぎるスピーチをした以外は期待以上によいものだった。


スクールキャンプで湖に浮いた丸太遊び、
なんてゴージャス
この影像先生の尽力ムービーのおかげで、先々週のキャンプをピークとしてキッズがどれほど楽しいイベントの数々を体験したがよく分かる。これはカナダの教師としてはちょっと例がないほどの親切で、あの先生はおそらく今年1年、どの親よりも多く子供らの写真とビデオを撮ったことだろう。ただカメラを持ってそこにいるだけではなく、アクティブに働きかけなければ撮れないいい映像に満ちているし、そのDVDを頒布もしてくれたし、ありがたいことである。最低限のことしかしてくれない校長と教師が揃った前の学校を捨て、小学校最後の1年をこの学校でとお母さんが決断してよかったとつくづく思わせてくれる影像と卒業セレモニーだった。

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総体的には素晴らしい1年だったのだが、しかし最後に萌は親友CHRと大ゲンカになり、それが実は多人数でCHR1人を無視するというけしからん状態だったと後からわかり、萌は家では謹慎中になっている。自分の誕生パーティも罰としてキャンセルとなり、グロリアスだったここGLでの小学生ライフはやや末尾を濁す終わり方となってしまった。まあそれほど叱られても本人は、親たちほど落ち込んでいないのだが。


サヨナラ小学生ライフ
カナダだからなのか日本でもこうなのかわからないが、女子11歳は本当に難しい年頃である。萌は反抗的なわけではなく、扱いは難しくないほうだとは思うが、この1年で親のイメージする道理の通りにはまったく行動してくれなくなってしまった。体はこんなに伸びすぎるほどに成長しており、家族友人への自己主張もそれと同期して強くなっている。道理を判断する方面の精神年齢も早く、この外見とシンクロしてもらいたい。

2011/06/25

「カナダサッカーの停滞と NHL 戦術の単調さ」

「カナックスのメンタリティ」「カナダサッカーの停滞」「NHLについて考える」ほか。

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■11/06/13(月) □ カナックスのメンタリティ
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【NHLプレイオフ第6戦】1st ピリオドで 0-4。こ、これは....。うちの嫁は八百長だと怒っておりますが、ここぞというところで何度もガラガラと崩壊してしまうカナックスの姿は、「勝者のメンタリティ欠如」というやつでは....。

とにかく負けすぎはいかん。このファイナルは3戦目の大敗で流れが変わったのは間違いない。大敗するとラフになりすぎて身体的ダメージも残る。落ち着いて、負けは認めつつ点差をできれば詰めて、最後の1戦につなげるいいイメージを掴んでもらいたい。

このNHLプレイオフってやつはとにかく馬鹿げた長さで、2ヶ月28試合にも渡りピークを保たなければならない。優勝経験がないカナックスみたいなチームには本当に厳しいフォーマットだと思う。しかしボストンも調べてみると古豪で40年優勝はないとのことだから、しんどいのは同じか。

カナックス1点返した。よし。負けてもいいから流れをこっちに。クレイジー&クールに(鮎川誠)。カナックス2点目! よし! ――あ、取り消しか。しかしきた、流れがきた。間違いない。カナックスはクールになっている。

ボストン追加点、5-1。しかしこれはパワープレイ中だったので仕方がない。5人の状態で残り時間をきちんとコントロールして終われば、次の最終戦@ホームにいいマインドセットで向かえるはず。

よし。とにもかくにも2点取ってくれましたカナックス。1st ピリオド中はもっとひどいゲームになる可能性もあったので、いいことです。決戦は水曜日。

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■11/06/14(火) □ カナダサッカーの停滞
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【ゴールドカップ:カナダ VS パナマ】20分経過、0-0。今日はカナダのデキがいい。カナダはいつもそうなのだが、トーナメント3戦目くらいになると一緒にいる効果でサッカーがサマになる。前2戦とは段違いの組織感で人とボールが効果的に動き、ボールを支配している。あとはひらめきがあれば点は取れる。

30分、何度も決定機を迎えるも無得点。カナダの支配率はなんと65%。すでに2勝しているパナマのモチベーションが低いという可能性もあるが、パナマも負けると2勝で3チームが並ぶので安泰ではない。やはり今日のカナダのデキがいいのだろう。あと少し、頑張れ。

前半終了。ドン引きのパナマ守備陣を崩せないカナダ。こういう展開では、小回りの効く技巧的な選手のいないカナダはどうしても遠目からのクロスやショットばかりになってしまう。後半から最も得点力のあるジャバーが入ることに期待。というかなぜあいつはいつもフル出場しないんだ? そこが分からん。

分からんといえば、カナダで一番足技があるデロザリオをトップ下に置いた形がこれまで一番よかったのに、試合ごとに彼を左右のウィングに置くこの監督の考えが分からない。サイドでも彼は効いているけれど、彼からFWまで距離がありすぎる。あの距離を隔てて生きたボールをFWに渡すほどの技術はないのである。もっとFWの近くにいなければ生きない。

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トップ下に移動したデロザリオがいったん外に流してからボックスに飛び込み、DFに倒されPK! 自ら決めて先制。よし。ここでジャバーを投入して一気に大量点を。ぜひ。もう1点取れば得点差で追いつける。

と思ったがジャバーは出ず。コンディションに問題があるのだろうか。

そしてその後は負けるとヤバいと気がついたパナマがモードを切り替え、延々と猛攻することになる。俺は晩飯(お好み焼き)を作りながらの苦しい後追い観戦を余儀なくされたのだが、こうしてパナマが本気になると実はカナダはまったく押し返せないのだった。パナマはこれまで完全に手を抜いていたわけで、そんなチームを後悔させてやらずにどうする、カウンターで息の根を止めてやれ。

しかし前半押し込んでもシュートを打てなかったカナダが、数少ないカウンターから点を取れるわけもなく、最後は守備が決壊し、混戦からキーパーごとゴールにボールを蹴り込まれてドローとなった。敗退確定。

勝ち進めばもっとチーム状態が上がったのだが、カナダの追加点狙いも押し上げもイマイチ必死さに欠けていた。動揺しながらの調理でうちのお好み焼きも味がイマイチであった。がっくし。

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このゴールドカップ3戦を見て、カナダの選手の質から見てやっているサッカーのレベルが低すぎると痛感した。特にグアドループ戦とパナマ戦前半、あれだけボールを持てていながらシュートがまるで打てないとなると、攻撃陣の位置と動きを整理しアイデアと好機を引き出すことができない監督に問題があるのではないかと思える。具体的にはさっきも書いたように、FWにラストボールを通せる距離にデロザリオや他のドリブラーを置かないから個人技が連鎖しないのだ。

それにこの2戦でのカナダのチームスピリッツにも問題が伺えた。あと1点取れば勝ち抜けるのに、暑さもあるのだとは思うが、本当に必死に戦っている気配が見えてこなかった。

現監督ハート氏は、監督のなり手がないときにいつも臨時で出てくるみたいな人で、経歴を見たらやはりプロチーム監督の経験はない。選手としての経歴も、俺が夏期講習で通ったハリファックス・セントメリーズ大学だけらしい。懐かしい。弱小カナダとはいえ選手のレベルと所属チームの格は上がっているので(昔はスコットランド、今はブンデス勢が多い)、そういうアマチュア監督の指導では動かせないのではないだろうか。戦術的にも、メンタル的にも

実際年表を見てみると、サッカーカナダの監督でプロコーチは、2000 年のゴールドカップを勝ったオジェックだけだ。カナダサッカーはお金がなくプロ監督を雇えないから強くならない、強くないからお金がないという、単純な構図から抜け出せないでいるようだ。

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■11/06/15(水) □ NHLについて考える
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NHL本年度最後の最後の1戦。長いことカナダに住んで、今までオリンピック男女ホッケーの勝利祝福もご相伴に預かったけれど、NHLは本当に特別なんだなと最後の1戦を待つ町の緊張を感じながら思う。他の都市は分からないが、オリンピック男子決勝よりも明らかに盛り上がり張り詰めている。ボストンには野球もバスケットもあるけれど、バンクーバーにはこれしかないのだ。頑張ってくれ。

このファイナル数戦を見ていても、見るスポーツとしてはNHLよりオリンピックホッケーのほうが(さらにはスレッジホッケーのほうが)サッカー的なパスワークと組織プレイがあって面白いという気持ちに変わりはない。NHLは車のドラッグレースやインディ500マイルを見ているような感じで、狭いところをものすごいエンジンを積んだ大男たちが行き交っていく。

この速さとリンクの狭さ(スペースのなさ)でパスは不確実でカウンターが危険すぎるので、NHL はどうしてもドリブル(?)でパックを運ぶのがメインのプレイとなるわけだが、狭いので当然ハーフラインを過ぎたあたりでプレスがかかり手詰まりとなり、遠目からゴール方向へドカンと打って終わる。基本的にその繰り返しが60分間続くスポーツなのだ。選手交代は無限なのでプレスが落ちることもない。

リンクの広いオリンピックホッケーは、うまいドリブラーによるカウンター独走や遅攻でのパスワーク組み立てがあり、誰が上手いのか素人が見てもわかり楽しいのだが(かつてのパベル・ブレは強烈だった↓)、NHL のこの高速往復運動の繰り返しでは、真剣に見ても誰がうまく速いのかすら分からない。プレスサッカーの極致みたいなもので、個人技をやれるスペースも時間もないのだ。本当に、スポーツとして真面目に偏見なく見ていて NHL はひどく単調で戦術的につまらんのである。でこのプレス合戦内の闘いではボストンのほうが地力が高いので、押し上げる圧力が高くこぼれ球を多く拾い優勢というシリーズになっている。



俺にとってはバスケットも同様なのだが、こういう狭いところを超熟練者が猛スピードで行き交うスポーツというのは、戦術的なものはよほどの熟練観戦者にしかわからないのではないかと思う。好きな人はシュートトライや選手の美技や派手な肉弾戦だけでも十分に盛り上がれるだろうが、俺は戦術が分からないとスポーツが半分も楽しめず、したがってこのファイナルを見ていてもスポーツとしては面白くない。だが、とにかくNHLはとにかく、心情的にカナダに勝たせてあげたいのである。

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【最終戦開始】帰宅早々ボストン先制。しかしまだまだ 1st、時間はある。落ち着いて、まずは同点に。大丈夫。

1st 終了。ホッケーは本当に力量差が分かりにくいけれど、しばらく集中して見ているとカナックスが前にパックを運べないのが分かる。ボストンのフォアチェックがいいのか。ホッケーはパスが非常に繋がりにくいのでドリブル(?)で持ち上がるしかないのだが、すぐに狭い方に追い込まれてしまう。うーむ。

このホッケーの戦術について俺は知りたいのだが(――劣勢なカナックスが局面を変える戦術マジックはないのか、サッカーなら「デロザリオをトップ下に持って来い」と素人でも戦術が語れるぞと――)、ホッケーアナはプレイスピードに合わせ競馬中継並みに早口で、何を言ってるかまったく聞き取れない。戦術をリアルタイムで語ってくれる人はないかと Twitter で探してみるも、日本語では解説ツイートは見当たらず、英語では1万2千ツイート/hour とかでとても読めない状態。

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2nd ハーフ中盤、カナックスがやや盛り返したが、パスのつなぎはやはり劣勢に見える。先制したボストンが特に引いているようにも見えないが、前に持って行くたびにプレスの網にかかりポゼッションを失う感じ。

そしてカナックスのつかの間の攻勢が止むとまた押し込まれ打ち込まれ、ボストンに2点目。これだけ打たれていてはこぼれ球がいつかは悪いところに行くのである。ふー。

カナックスのパワープレイで攻めている中カウンターを食らい、3ゴール目。打った選手がゴーリーを押し出して入ってるではないか、これはサッカーなら取り消しだろうと思ったが、解説は「もしゴールは認められなかったらDFのファウルでPKだったろう」「打った後のフォロースルーでFWがGKに当たったのだからゴールは認められる」的なことを言っている。そのへんの基準は違うらしい。

さらにもう1点失い残り10分、ボストンはもう点を取る必要はないのでフォアチェックの圧力を落としており、このまま終わるだろう。この数試合を見た感想として、カナックスは単純に地力及ばずということなんだろうな。ボストンの選手が特にうまいとも強いとも感じないが(GKがこの2試合では段違いだったが、カナックスのGKも勝った試合ではスーパーだったらしい)、カナックスのチーム力が相対的に下なのは明らかだった。2ヶ月の長い旅を経てはるかここまでたどり着き、さらに3勝してホームに望みをつないだことが、カナックスにとっては大健闘といえる快挙だったのかもしれない。

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【試合終了】0-4。ボストンは実はカナックスよりもカナダ人選手が多いのだそうで、優秀な自国選手を国内に留めておけるようにならない限り、気の毒なことだがカナダはスタンレーカップを取り返せないのでありましょう。観衆はまだカナックスに声援を送っている。カナダ人は優しい。

戦術論を探して英語記事を読んでる時に、「カナダ人だけどボストンを応援してる、カナダ選手が多いし、カナックスは嫌いだ」って人がいた。もしかするとカナダのコアなホッケーファンには、カナックスなんて新参者で半可通な存在みたいな価値観があるのかもなーと思いMに聞いてみると、

もともとNHLの伝統対決はトロント対モントリオールで、カナダ対アメリカというライバル感情は昔はなかった。ボストンも昔からいるからおなじみだけど、カナックスが新参者という感覚はわかる

とのこと。なるほどねー。

そのへんの機微は、外国人+ホッケー無知には難しい。しかしそれくらいにカナダ国民にとってホッケーは特別なものなんだなと深みを感じるスポーツ感情のあやではある。静かな、静かな夜。試合中から町中が死んだように、あるいはもう死んだほうがマシだとでもいうかのように静かだ。

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うわ、夜10時、バンクーバーでは暴動が終わってなかった。試合直後は暴徒をポリスがポカポカ叩いて下火になっていたのに、知らぬ間に暴徒が盛り返し、町中に火が回っている。建物に火が移っている。デパートに泥棒が入っている。ポリスはどこに行ったんだ?

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■11/06/16(木) □ 暴動が終わった朝
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暴動が終わった朝。市長や経済人が、「オリンピックで築き上げた町のイメージに一部の無法者が傷をつけた」とさかんに嘆いているが、そんな風評被害を心配する姿はやや見苦しい。今朝から朝イチで大量のボランティアが掃除をしてるとのことで、素晴らしい町であることに変わりはない。ただ馬鹿者はどこにでもいるということだ。

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夜、「チケットトゥライド」のオンライン・デモ「USA 1910」をプレイ。ようやくチケライにも慣れてきて、つなげない路線は見切って新チケットを取る、ロス>カルガリーを右から回してつなぐなど戦略性が出せるようになり、非常に面白い。初の勝利。

このデモはもうじき期限が終わってしまう。父の日のプレゼントに鉢植えを買ってくるとMが言うので、「鉢植えよりもチケットトゥライドを買ってくれ」とお願いすると、誕生日じゃないのよと一蹴された。まあそうすね。

2011/06/12

「初めてのボードゲーム会」

「子供カメラを探す」「スペシャル日系買い物誕生日」「ディア・ドクター」「日本語学校でコントを希望」「ゴールドカップ開幕」「日本のミュージックビジネス」

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■11/06/01(水) □ 子供カメラを探す
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 明日萌の誕生日なのだが、Mは出張中だし本人も去年同様暑くなるのを待って水着パーティをやりたいとのことで、明日は何もイベントがない。一切何もしてやらないのはかわいそうなので、こないだ見かけた激安ビデオカメラでも買ってやろうかなと考えている。顔面至近撮影でツバだらけにされるので俺のカメラはもうキッズに貸したくないが、どうせ撮るのは顔のアップなのだから、激安カメラで十分なはずだ。


驚異の廉価カメラ、$9.99
 というわけで、子供用ビデオカメラ$10(!)とDS用スピーカ$5を買ってきた。カメラは単4バッテリー駆動で1GB、カードスロットまであるという本格的なもので、クオリティはダメダメだろうがこんなおもちゃ価格なんだから、動きさえすれば買って後悔するわけがない。Youtube で見る限り、予想通りのキッズ画質で撮れそうである。

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■11/06/02(木) □ スペシャル日系買い物誕生日
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 朝イチで萌にカメラを渡す。期待通り大盛り上がり。さっそく使ってみると絵は予想以上にきれいだ。せっかくの誕生日なんだから、このカメラを学校に持って行ってみんなのバースデーメッセージでも録画しておいで。

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 学校のインドアホッケーを朝初めて見に行くと、萌のチームはすでに準決勝まで勝ち上がっており、しかし今回は相手が明らかに強い。ガンガン点を取られ、失点のたびにチーム全員の表情がどんどん険悪になっていく。「そんなに気にすんなよ」と横から声をかけるも聞こえない。子供スポーツって難しい。

 萌はホッケーなぞ当然超ヘタでチームの足を引っ張ってるので、交替時にとにかく相手のあのでかくてうまいFWをフリーにするな、間を詰めるだけでもディフェンスになる、ボールを拾ったら体で敵からボールを守り、そして前にクリアするんだとサッカー的にアドバイスする。これは即効性ありで、次のピリオドから萌のディフェンスがそこそこ役に立ち始める。技術はなくてもチームスポーツならやれることはある。

 子供のスポーツを見ていると、自分も子供の頃はこうで、試合中何をしたらいいのかまったく分からず頭が真っ白だったんだよなと思う。コーチがいいチームがすぐに強くなるのは、子供の真っ白な頭に必要な情報を単純な方法で入れてやれば、こうしてすぐさま効果が現れるからだろう。

 結果は 15-0 の爆負けで、あまりの士気の低さに試合後校長がスポーツマンシップとはとチームに5分もの訓示を垂れるほどの負けっぷりだった。だがこれは仕方がない。相手は強かったし、でかくてうまい奴をFWに置いて徹底して攻めてきた戦略勝ちでもあった。

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指までなめちゃうビアードパパ
 ビデオカメラ+DS用スピーカで狙い通りクラスパーティとなり盛り上がったという萌をピックアップし、Mを空港へ迎えに行くついでにリッチモンド・アバディーンセンターに直行、「ビアードパパ」でシュークリームを食べさせてやる。ついでダイソーで好きなものを5点買っていいよと買い物。そしてたこ焼ディナー。萌の日系買い物誕生日フルコースだ。

 そしてブラブラした後空港でMをピックアップし、プラン通りに9時に帰宅。お疲れ様でした。いい萌の誕生日であった。ダイソーでの買い物は「こんなものがあるのか」と楽しく、買ったアイデア商品を帰ってから使うのも楽しい。萌は何を買うかと思ったら意外や脳トレ的パズルブックを買っていた。これは日本語を読む訓練にもなっていいね。

 あの萌の$9カメラは実際驚きの実用性能で、レンズが超しょぼいので遠距離だと分解能が足りず役に立たない(まるでピンぼけのように写る)が、子供が好きな顔どアップだと文句なくいい絵が撮れる。これは素晴らしいオモチャだな。買ってよかった。

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■11/06/04(土) □ ディア・ドクター
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 映画【ディア・ドクター】。八千草薫が自分の病気について喋り始めた瞬間、鶴瓶は話に集中するためにTVの野球中継を切る。一刻を争う外科処置にうろたえた鶴瓶が、針を刺す位置を余貴美子に目くばせで教えてもらう。そうした細部が実にいい。後者のシーンなど、アメリカ映画なら怒号のやり取りで熱いハートの大成功となるところだが、その代わりに余貴美子の壮絶な表情とささやき声がある。たまらない。メインの物語は「??」と思うところも多いのだが、こうした細部の味わいは日本映画ならではだ。

 刑事が鶴瓶を知る関係者に聞き込みをして回る。警察がそんなに熱心にニセ医者の動機や心情背景を調べるとも思えないのでこの刑事は狂言回し感が強いのだが、ニセ医者とわかったあとの村人の反応が面白い。だまされていたという裏切られ感と、しかし被害といえるようなものは何もなかったという実感とが、小市民のズルさ寄りに表現されていく。そしてその反応の余韻が、ラストシーンにつながっているのだ。いい映画でした。

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■11/06/05(日) □ 日本語学校でコントを希望
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 日本語学校の卒業発表会。萌は小5なのだがカナダ日本語学校ではなぜか卒業となる。直前が日本で育ちバイリンガル弁護士になりたいという強烈な上昇志向の子だったのでいくぶんスパークが奪われたが、萌の卒業スピーチもばっちりだった。

 しかし日本語学校の発表会は「わ・た・し・たち・わあ。なになに・をお。べんきょうしました」みたいな和式唱和スタイルが相変わらず大半である。幼稚園課は仕方がないが、小2~3以上は子供たちも苦笑しており、かんべんしてくれと思ってるだろう。漢字が難しいので日本語学校が嫌いだと正直にスピーチしていた子がいたが、反抗期にさしかかる萌くらいの年頃の子供にとってはこの《日本語キッズライフにまつわる幼稚さ》も、間違いなく日本語学習へのネガティブな要因となっている。

 ー番面白かったのは家で日本語を使わない子たちによる寸劇で、医者で鼻にティッシュを詰め治療されるという、子供ら自身で考えたに違いないコントに皆がゲラゲラ。唱和や原稿丸読みじゃなくて、こういうパフォーマンスのほうがやっぱいいすよ。

 いっそのことだな、こういう日本語コントを習う学校があればいいのではないか。現実としてカナダの日本語学校は、宿題を見る限り単なる漢字読み書き塾にすぎない。これで日本のマンガを読めるようになる子も中にはいるだろうが、それは家で親が日本語物資を子供に与え、子供がそれを消費しているおかげであって、萌のようにカナダカルチャーにずっぽり入っている子にとって日本語学校の勉強は実用には結びつかない。片親がカナダ人の子供はどこもうちと似たようなものだろう。

 だから漢字ドリルの時間を減らしても俺はまったく構わないから、日本語を使うアクティビティとしてコントをやってほしい。こういう楽しみがあれば子供らが毎週通うモチベーションが上がりまくるだろう。萌が卒業スピーチで日本語学校一番の思い出として同級生が言ったジョークを挙げていたように、笑いは一番強いモチベーターなのだ。学校でコントを毎月1本習い、家で親に披露するとかいった具合になったら素晴らしく楽しいことだ。先生に希望を話してみよう。

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■11/06/07(火) □ ゴールドカップ開幕
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 【ゴールドカップ(サッカー北中米選手権):USA対カナダ】見どころのあまりない試合であった。個人の力量で上回りバランスのいい米が順当に勝ったがデキは悪く、コンディションで上回るカナダは長時間攻めることができたのに、まるで攻撃が形にならないのである。長く強い球出しなど個人の力は昔より上がっているのだが、PKエリアなど大事なところでボールをコントロールできない。

 終盤のカナダの猛攻もエヴァートンGKのハワードが止めまくり、調子が悪いなりになんとかしてくれるドノヴァンら一流選手がいるUSAがうらやましいというゲームであった。カナダはカナメのMFの位置にいるのが、今季加入のMLSで全然勝てず、試合を見ても今のところ見るべきものがないバンクーバーホワイトキャップスの選手だもんなー。あそこにうまい選手がいてほしいとほんとに思った。

 ま、カナダのコンディションだけはいい。グアドループとパナマには走り勝ちできるでしょう。それくらいしか今のところは期待できん。

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■11/06/09(木) □ 日本のミュージックビジネス
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 AKB総選挙という(どうせ不愉快になるのでなんの選挙なのか調べたことはない)話題に日本は席巻されたらしい。カナダでもアイドルはいないではないが、たとえばうちの萌はジャスティン・ビーバーにもアヴリル・ラヴィーンにも興味はないように、国民こぞってアイドルに注目するなんてことはあり得ない。日本では大人までもがAKBの話題に付き合っているのが変なところである。

 NHKの音楽番組で今日、ウーバーワールドというバンドが東京ドーム公演を成功させたと紹介されていた。昔 Boowy が武道館をやったとき「ついに国産ロックバンドがここまできた」というエポック感はすごかったわけだが、今は普通に人気があるバンドは東京ドームでやれるらしい。

 つまり、日本ではミュージックビジネスの成功の単位が甚だしくデフレしている。《ロックバンドの普通の成功が東京ドーム公演で、一番人気アイドルグループは総選挙で国民的行事》という成功の尺度になっている。

 それが悪いこととは言えないが、ものごとの価値をなるたけ高所から公平に眺めたならば(まあそんなことは不可能ですが)、ずいぶんイビツに見えるのは間違いない。成功は集中ではなく分散してほしいな。

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■11/06/11(土) □ 初めてのボードゲーム会
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 甥MKの関連会社のバンクーバーボードゲーム会に招かれる。会場につくと昔うちに一時居候していた懐かしいLNがいた。最後に音沙汰を聞いたのは奴が南アWCを見に行った後、放浪していたアフリカで「汚職警官に捕まり出国できず困っている」という話を聞いたあたりで、彼は釈放された後も旅を続け、なんとバイクで転倒し大怪我をしていたのだった。お前なあ、気をつけなきゃ駄目だろうと肩を叩くと、その通りだよねと笑う。まったくいいヤツではある。

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 会場で山積みのゲームを調べ、俺が欲しくてたまらぬ「チケットトゥライド Euro」を発見。やっ・た。しかしMKが俺の知らぬゲームをどんどん運んでくる。

 まず【ギロチン】というカードゲーム。手札のアクションカードを使い場札の貴族カードの位置を操作しギロチン送りにするというもの。悪いゲームではないが、大量のテキストを読まないと効果が分からないアクションカードが主だというのは、それだけでゲームデザインを好きになれない。ドミニオンでもそうだが、カードに書いてある効果とはつまり《基本ルールに対する例外ルール》なわけで、効果テキストに依存するゲームというのはゲーム中ずっとルールを苦労して読んでいるのに等しい。ドミニオンほど面白ければやがて全部効果を覚えてしまうのでその苦は減少していくが、ギロチン程度のゲームにこれだけのテキスト読み苦労が付随していてはとてもバランスがとれん。

 続いて【カルカソンヌ2】、LNと競って俺の勝ち。やっぱカルカソンヌは例外ルールがなく得点に集中できていいよ。いつやってもサイコー。LNがカルカソンヌ好きだとわかったのもうれしい。


 萌はその間、うちから持っていった「オイそれはオレの魚だぜ」を小さな子とやっていた。ルールが1つだからどんな小さな子にもできるが、子供が盛り上がるにはちょっと少しパンチが足りないかもしれない。他の子供らはやはり「人生ゲーム」をやってました。

 次はまたMKの選択【ゾンビダイス】。ショットガンが3つ出るとバーストというだけの単純なダイスゲーム。子供が学校の休み時間に鉛筆サイコロでやる程度のゲームである。まあ他に何もやることがなければないよりマシだねという程度。

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 そしてさあ次はというところで、またMKがゲームを出してくる前に俺が【チケットトゥライド Euro】を突っ込み、ようやく開始。オンラインでデモを楽しみ、いつか買いたいと思っているゲームそのものである。ワクワク。

 マップとカードのグラフィックと質感は評判通り素晴らしい。俺は色弱なので、チケライ・オンラインではカードの色が分かりにくく困っているのだが、各カードにわかりやすいマークがついており問題はなかった。素晴らしい。俺以外はみんな初めてなので、ルールのあらましを知っている俺が説明しつつ(※)、トンネルと駅舎ルールは省略してゆっくりと味見プレイ。
(※)しかしこれだけデザインが明快なゲームでも、英文ルールブックは分かりにくい。最初にチケットが何枚か、手札が何枚か、場札が何枚か、ルールブックの地文をほぼ1ページをまるまる読まないとわからない作りになっていたせいで開始に手間取った。各何枚配布なのかを冒頭に箇条書きにしておけば即座にゲームを始め、遊びながら不明な部分をチェックできるのに、なんでこんな当たり前なことが分からないのか英語マニュアル書きピープルは。

 序盤は全員「これでいいの?」という感じで恐る恐るプレイしていたのだが、このゲームのデザインは実にシンプルかつ合理的で、数ターンもしたら全員のゲーム脳がクリックし、どんどん打ち手が早くクレバーになっていく。この説明不要性がカルカソンヌ同様ゲームデザインの勝利だよな。何も読む必要がないし、例外を知る必要もない。どうしたら多く点を取れるかを盤面から読み取り考えるだけでいい。《コアのメカニズムさえわかれば、あとは誰でも知力を絞る気持ちよさが味わえる》、こういうゲームこそが美しいと俺は思う。


俺様の華麗なカディス-ストックホルム線
21点(黄色)完成に憤る甥MK
 俺の向かいのアジア系の奥さんは落ち着き物静かでゲーマー的に賢そうな人で、この人の打つ手がなかなか気持ちがいい。おおそこに打つか、MKの路線が妨害できるではないかえらい、という感じ。こういう声の低いアジア系カナダ女性にはたまに出会うが、スマートでかっこいい。アジアで育ったらこの骨格の人からこんな低い声は絶対出てこない。うちの萌が今そうであるように、小さい頃から高く子供っぽい声を嫌い低く強い声を出そうとするからこうなるのだろう。今の萌の喋り方は年齢不相応で不自然だが、こういう声に育ってくれたならそれはすごくいいよなあと思う。

 中盤、俺は2つの短距離路線が完成し、それを使ってカディス-ストックホルム21点の長距離路線も完成してぶっちぎりとなる。あと少しで長距離路線が完成するというあたりでは、うれしくてニヤけ顔を抑えられない。路線を完成しても見せないのが正式ルールらしいが、完成したらその場で発表しスコアを入れたほうが盛り上がるに決まってるので(デメリットも思いつかない)、みな完成するごとにじゃーんと発表し、オオいいねえ美しいと盛り上がった。

 俺はさらに新チケットで短距離をもう1つつなぎもうスコアは余裕だったのだが、最後にMKがモスクワからリスボンあたりをつなぎ追いついて、俺がもう1枚引いたチケットをつなげずマイナス点を食らい、これで負けとなった。うーん、やはりコンピュータ相手のオンラインよりもはるかに面白い。終了後、これは面白いわねえとアジア系奥さんと話に花が咲く。これは買うしかないな。

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 最後にMKがまた持ってきた【パンデミック】。俺は同作者の「禁断の島」がまるっきり合わなかったのでパスしたのだが、ゲームはえらい盛り上がっており、誘われて俺も2ゲーム目に入る。しかしやっぱり俺は「禁断の島」と同じ感想だった。

 システムはクレバーである。だんだんリスクが上がっていくところ、閾値を超えると一気に爆発的感染を起こすところなど、誰もがなるほどと唸るだろう。そのシステムの整合美を味わい、システム上の最適解を解いていくドリルという感じで、俺はあまり遊びをやってる気がしないのだ。このゲームシステムでは誰がやっても、分担して感染都市をケアし、知識(カード)を集中させ特効薬を作るという作業内容に大差はないはずである。システムとしては見事だが、これを多人数の「ゲーム」としてやることに意味があるのかどうかよく分からない。ボードゲームをするということはよくできたシステムを工芸品のように慈しみ味わうことでもあるのだが、それだけでは物足りない。

【追記】 パンデミックにおける勝ち負けは、高ポイントを得るために賭けに出てのるかそるかといったゲームっぽいものではなく、前に出た感染(エピデミック?)カードが早すぎるタイミングで再度出るかの「確率」によりもたらされるものとなる。プレイヤーが協力して危機に対処することは楽しいが、感染カードが悪い都市に出てしまえばその努力とあまり関係なくあっという間にゲームセットになる。少なくとも俺の見た2回ではそうだった。好きな人はそれでああ惜しかったと盛り上がるわけだが、俺はゲーム中自分の判断に独自性が薄い上に、ゲーム結果も自分の判断との関連が薄いと感じ、気持ちを深くコミットできない。「禁断の島」でもそうだった。

 しかしMKたちにはほんと大受けで、3回も連続でやっていた。ロジックパズルなどを好む人々にはすごく合うのかもしれない。マイクは数学が異常にできる割にカルカソンヌは妙に弱いし(笑)、チケライも楽しんだけど俺ほど熱狂はしなかったので、俺とは明らかに嗜好が違うんだよな。俺はこうした理詰めのゲームよりも、カルカソンヌやチケライやサンファンのように、偶然性からチャンスを掴みものを作り上げて突き抜けるようなゲームに最も大きな喜びを感じる。

 というわけで、人の希望との兼ね合いがあり思う存分やりたいゲームをできたわけではないが(――「カタン」と「プエルトリコ」もあったのだが、誰も箱を開くことはなかった――)、とにかく憧れのチケット・トゥ・ライドがやれてうれしかったのであります。買います。今でも USA にするか Euro にするかで迷っているけれど。

2011/05/31

「ロック労働者たちの歌」

「コキットラム小学校陸上大会」「移民都市リッチモンド」「ルーニーがもう1人いてくれたら」「英語の声と日本語の声」

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■11/05/24(火) □ コキットラム小学校陸上大会
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まことに立派なスタジアム。
気分が高揚します。
 コキットラム市内小学校陸上大会。萌は例によって先生の話をちゃんと聞いてなかったようで、他の子が個人種目とリレーの両方に出ているのに、萌は最後のリレーにしか出られなかった。結果は振るわずビリから2番目。でもまあ天気も悪くなかったし、友達と外で騒いで文句なく楽しい一日だっただろう。

 施設はほんとに素晴らしいスタジアムだった。なにせ昔サッカーカナダ代表が合宿してたスタジアムだもんな。今年ももうじきゴールドカップがやってくるので、またここで合宿してくれないかな。そしたら見に来るんだけど。

 子供らが走るのを見ながら、日本じゃ中学の時に学校対抗陸上があって、よその中学のかわいい子にボーイズが騒いだりしたものだよとMに話す。後からどうやってなのか、その子の名前を調べだす奴がいたりしてね。なつかしいな。Mが暮らしたノバスコシアは貧乏州だったから、こんなイベントなんかまるでなかったわよとのことだった。

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■11/05/26(木) □ 移民都市リッチモンド
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 ニューブランズウィックに行くMを空港へ送り、帰りがけ久々にリッチモンドのアバディーンセンターでランチと買い物をする。ここへくるたびに日本風食べ物屋が増えている。客は中国系なのにメニューが日中英の順で書いてあるところに、日本ファストフードのブランド化傾向が感じられる。

 しかしリッチモンドに行くと、ランボルギーニやアウディ R8 なんちうスーパーカーが走っている。うちのコキットラム地方ではせいぜいコルベットだぜ。お値段の桁が違う。

 中華移民都市リッチモンドのこの金持ちっぷりはすごいな。1つの言語グループだけで金を回すから、互助効果が働き一般(英語)ビジネスよりも有利になるのだろうと思われ、ややアンフェアな感を受ける。碁盤の目に商業施設が建ってるだけの殺風景な町で、経済が活動している。

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■11/05/27(金) □ ロック労働者たちの歌
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 Twitter でARBについて一言書いたら石橋凌の関係者らしき人とつながり、朝から夜までARBツイートが流れてきて、ブルージーン穴だらけである。

 その中に、

@makkatmercury: 石橋凌とARBのことを30代後半の人に話しても「知ってるけど俳優でしょ?」と回答される。時の経過は恐ろしい。

 というツイートがあった。ロッカー石橋凌は役者石橋凌の百倍すごいのに、彼が中堅役者としてしか世間に認知されていないのは本当に惜しい。

 バンドマンは常に突き進んでいないとクルマが止まってしまい、仕事としては本当に苦しい。だから誰もがやがてリタイヤしてしまう。俳優は多くの人が支えてくれ、個人が苦闘して作らなければならないものが音楽よりもはるかに少ない、サステイナブルな仕事なのだ。

 しかしヤクザや刑事や侍の装束をまとった石橋凌に、俺の胸は動かない。石橋凌のイメージで映画を作るとヤクザ映画になるらしいが、俺がARBから聞いていたのは別にアウトローのメッセージなどではない。マジメで地道で報われず、それでも腐らず生きていく、ロック労働者としか表わしようのない者たちの歌なのである。

 音楽性や文学性、破壊力や貫通力など、どこを取ってもARBを超えるバンドはたくさんある。が、どこを取っても一番にはなれない男たちの哀感こそが、ARBの歌になっている。それを俺たちは愛していたのであり、今の報われぬ若き労働者の耳にそれがまったく届かないことが悲しい。ARBを歌っていたら、クソみたいな所で踏みとどまり突き抜けられたかもしれない魂は数多くあるだろう。

 役柄を着せられた石橋凌は「イカレちまったぜ!」と叫べない。「Fight It Out」と歌えない。歌も売れてる二枚目役者が、一発で腰を抜かすほどの声と歌を彼は持っているというのに。それがまったく悔しいのだ。

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■11/05/28(土) □ ルーニーがもう1人いてくれたら
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 出先から帰りCL決勝に間に合った。居合切りのように深く速いマンUのタックルがザクザクと決まり、面白い試合になりそうです。

 序盤マンUが猛然と攻め、それが収まると自力に勝るバルサの流れとなり、シャビの超絶スルーからペドロが完璧に決める。メッシのドリブルの止められなさは物理を超えており、イニエスタらのパス回しのテンポが上がるとタックルの刃も届かなくなり、マンUはまったく手も足も出なくなる。せっかく苦労して奪ったボールを、マンUがすぐロングボールで放してしまうのは何故なんだろう。バルサのプレスが早いのか? これではバルサを疲れさせることすらできないではないか。

 しかしほとんどただ一度だけゴールそばでフリーでボールを持ったルーニーが、何もないところから1・2を作り出しゴール。あんなチャンスともいえないところからの1プレイで点にしちゃうんだから、まったくルーニーはすごい。

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 後半も同じ一方的な展開で、メッシの超絶ステップ&ゴールで1-2。そして何発もすごいショットを止めたファン・デル・サールのさらに上を行く巻きショットでビジャが3点目を取り勝負あり。恐れ入りました。

 バルサがすごいというよりは、前回と同じくファーガソン打つ手なしという試合の印象だった。前線の天才と後方の労働者たちという彼のチームづくりが、どこからでも同等の技巧でフィニッシュに持っていけるバルサに負けてるのだろう。

 そんなクラシックなファーガソンのチームづくりでも機能すれば美しいので試合前期待は高まったのだが―――野次馬の多くはマンUの奮闘に期待したのではないか―――、結局こう苦しい試合になるとボールをキープし前に運び事件を起こせるのはルーニーだけだった。労働者パクたちはただただ振り回され、攻撃時には何もできないのである。

 パクは守備的アタッカーだからまだ起用は分かるが、押し込まれることが分かっている試合で、好調とはいえ守備やフィジカルな競り合いなど期待できるはずもないベテラン・ギグスの経験と煌きに期待したりするロマンチシズムがファーガソンにはあるらしい。そこがマンUの人気の秘密なのかもしれないが、準決勝までの圧倒的な強さをバルサ相手にも発揮するにはどうしたらいいのか、もう少し策を立ててほしかった。

 ルーニーがもう1人いてくれたら最高のゲームだったんだけどな。彼はフィールドのそこら中にいて、どこにいても最高のプレイをしていた。メッシ以外のバルセロナの誰よりもすごかった。だがファーガソンの考えが「戦術ルーニー」だったのだとすれば、1人では足りなかったのである。

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■11/05/29(日) □ 英語の声と日本語の声
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 柔らかい日差しの絶好のスポーツ日和、初めてライオンズパークでローラーブレードをやってみた。公園内の自転車道は車道よりもずっと滑らかなので、ひとこぎですーっと大きく進みすさまじく気持ちいい。こりゃたまらん。萌も Yahoo! と声を上げる。

 しかしブレーキがない乗り物で下りを行くのはやはり超恐ろしく、ガード下の急坂に阻まれ PoCo ダウンタウンの方へ遠乗りすることはできなかった。ヒールについているゴムを押し付けてスピードを殺すのだとローラーブレード指南には書かれているが、その姿勢でバランスを取ること自体ができん。ほんとに可能なのか? まあともあれ公園内だけでもほんとに気持ちよかったけれど。

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 その公園で滑っているときのビデオを夜見ていると、自分が英語を喋るときと日本語を喋るときの声が全然違うことに萌が気づいて笑い出した。「(日本語時の自分は)すごく子供っぽい!」「いや、日本語を喋るときは昔のままの萌で、イノセントなんだよ。英語のときはカナダ小学生らしくサーカスティック(皮肉屋な)になってるわけ。今は両方の萌がいるんだよ」。

 萌はTVのティーンショーのスターみたいに声が低く自己主張が強く、シニカルで「ファニー」な言葉を我先に喋る最近の自分が気に入ってるのだろうが、大人はもちろんそれがガキっぽさ第二形態だと思っている。イノセント/チャイルドライク(子供らしさ)がチャイルディッシュさ(ガキっぽさ)になったわけで、愉快な変化ではない。だがまあこれがカナダ小5の歳相応というものなのだろう。実際萌はこういうコミュニケーションスタイルを身につけるまでは、気の強い子に圧倒されがちだったもんな。

 こうして声を聞くだけで分かるほどの生来のイノセンスが、萌の内側には残っている。それをキープする卵の殻として日本語が働いてるのかもしれない。そして何年かすれば、「オトナっぽさ」への憧れで言動がねじ曲がるガキっぽさは徐々に薄れて、英語でもくだらんシニシズムにとらわれない素直な少女となってくれることだろう I hope...。

2011/05/22

「宮沢賢治よ起きてください」

「カナダキッズの低い声」「オイそれはオレの魚だぜ」「日本ブランドは寓話だった」「スクールミュージカルその2」

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■11/05/08(日) □「宮沢賢治よ起きてください」
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 夕方、MK夫妻に誘われて Port Coquitlam のタイ・ベトナム料理店へ行く。実に久しぶりにトムヤンクンスープを食べこれはうまかったのだが、Mのチキン唐揚げの甘酢煮とBRのチャーハンは普通(こりゃどっちもチャイニーズだろう)。MKの野菜炒め、焼きヌードル、萌のライスヌードルは並み以下だった。

 総じて言えば中程度のチャイニーズという味で、タイカレーが$13と価格もかなり高い。こんな店が満杯になってるんだから、ほんとカナダの外食産業は楽な商売だと思う。あとでググってみたら平均レビューは4つ星で驚いた。こういうところに来る客というのは、「う、うますぎる!」と体がフリーズするほどの食味経験をしたことがないんじゃないだろうか。

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 夜皿を洗いながらネットラジオ「武田鉄矢の三枚おろし」を聞く。武田鉄矢は震災後泣いて泣いて何もできなくて、せめて詩を書こうと夜明けに泣きながら書いていたそうだ。
「宮沢賢治よ起きてください。あなたのイーハトーブが燃えています」
「発電所が燃えております。グスコーブドリを遣わして、あの火を消してください」


学校からの募金に添えて、東北へ送った写真
 ああと体から力が抜け、皿を取り落としそうになってしまった。そうだよ。まったくだ。お願いです。グスコーブドリを遣わして、あの火を消してください。

 福島第一の現状を撮影したスライドを見ると、すさまじい壊れ方で途方に暮れる。この惨状で諦めず作業案を立て実行している人々はほんと、グスコーブドリだ。

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■11/05/12(木) □ カナダキッズの低い声
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 萌のクラスのCHとMRが来る。小5が3人揃うと興奮して言うことを聞かないし調子にのって危ないことをするし、扱いにくさ普段比1.5倍という感じ (^-^;。

 カナダの小学生はみんなそうなんだろうが、寄り合って盛り上がるとき、相手の言葉を遮る勢いで低音に力を込めた自己主張トーンで喋る。自分が会話をリードすることが強力に目的化しているようだ。

 小学生のうちからこうしてやや無理めの強い低音を発声し続けるから、カナダ人(欧米人?)は声帯の下のほうが腹式呼吸的に発達し、声が低く大きくなるのだろうな。日本でも小5の自己中度はこんなもんなんだろうが、低い声はかわいくないという価値観があるから声は高いまま育つのだろう。どちらかといえば低いほうが好ましいけれど、10歳で子供の声からナチュラルなイノセンスが消えていくというのは悲しい。

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■11/05/14(土) □ 新ゲームを探す
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 MとLDが借りたコキットラムリバー沿いのレンタル畑に肥料を入れに行く。河原の平地に小さなかわいらしい区画がたくさん並んでいる。家の庭に畑があるのによそに同規模の畑を借りる理由はよくわからんが、まあ農園を持つということ自体が楽しいのだろう。

 帰りに飯を食いに行き、その横のボードゲームストアに久しぶりに入ってみるとセールをやっていて、「オイそれはオレの魚だぜ」や「ディクシット」が値下がりしていた。面白そう。しかし萌は友達のところでやったことがある「UNO」や「ピクショナリー」など有名 US ゲームを所望し意見が合わず。大人ボードゲーマーはドイツ系の、考えどころの多いゲームをやりたいんだけど、子供はやっぱり友達と素早く単純に盛り上がるUS系ゲームに惹かれるのかもしれない。まああれこれ調べて考えてみよう。

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■11/05/15(日) □ オイそれはオレの魚だぜ
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このプラペンギンの「デラックス」より
古い木のコマのバージョンがほしかった
 たっくんのサイトをはじめたとした各サイトで評を確かめ、《オイそれはオレの魚だぜDX》を買ってきた。1ゲーム10分なので3回もやれた。で、3敗 (^-^;。敵を狭い方に追いやり橋(移動できるマス)をカットしてやろうと画策するとまさに陣取りで非常に燃えるのだが、動かしてから「あ、墓穴を掘った」と気づくことが多く、Mはそこを見逃さず俺の背後を取り退路を断ってくる。面白い。中央部で広がる穴で大陸が分断されていくときなど、どこを取るかと考えワクワクする。

 カルカソンヌをやらなくなってしまった萌がボドゲ娘に戻るような高揚感を持つゲームではないと思うが、これはMがけっこう遊んでくれそうである。彼女は攻撃的ゲームが嫌いなのだが、これは相手を小島に孤立させる攻防自体がゲームなので、うーむやられたと盛り上がれ、後味が悪くならない。

 プエルトリコのような、このゲームを手に入れればあれもこれもできるという贅沢感はないが、陣取りの面白さと10分で終わるキレのよさは見事だ。プエルトリコ/サンファンっぽい拡大再生産をやりたいのはやまやまだが、うちの場合カルカソンヌ以上に重いゲームはやってもらえないと思うので、そういうゲームはコンピュータや BrettspielWelt でやっていこう。

 子供同士のパーティゲームとして、萌がほしがってた《ピクショナリー》もいつか買おう。あれはたしかに面白いだろう。

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■11/05/17(火) □ 日本ブランドは寓話だった
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 福島原発だけでも何十件も過去に故障隠しがあったというニュース記事を読む。日本の企業と政府って、これほどまでにいい加減だったのか。プロジェクト X なんておとぎ話だったと落ち込む話である。「日本ブランド」というのは、たとえ経済は落ち込んでも品質とモラルはどこにも負けないという武士の高楊枝マインドだったわけだが、それはもともと日本人の願望の中にしかない寓話だったらしい。

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 ランチ後TVを見ながらMと「オレの魚」。やはり10分かからずに終わる。2人プレイなら勝てると思ったのだが、俺の狙いを読んだMがムーブを読み切って罠を張っており、Mコマを孤立させても返り討ちに遭い、相打ち状態でリードを奪えない。結局6点差で負け。強い。

 夜もう2戦して、ようやくMとのソロ戦で勝った。局面の移り変わりがダイナミックなので、萌とMとの対戦を横から観戦するのも楽しい。ゲームの面白さは正直カルカソンヌには及ばないが、カルカソンヌでは味わえない純粋陣取りが手に入ったのはうれしいし、スタート盤面をいろいろとデザインして始められるという柔軟さもいい。なによりもカルカソンヌでもなかなかやってもらえない非ボードゲーマー家族持ちにとっては、あっという間に1勝負終わり、その中に必ず「あー」「ウシシ」があるというのは大きな美点である。

 このあっさりとしたゲーム性にしてカルカソンヌと同価格はやや高いので、木のコマの「ノーマル版」がほしかったな(絶版かもしれない)。「デラックス版」は大きなプラペンギンがコマになっておりそれが売りではあるのだが、さほど魅力のあるフィギュアでもないのである。木のコマのほうが見やすいしかわいい。

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■11/05/19(木) □ スクールミュージカルその2
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主役よりも華やかな衣装で大見得
 萌のスクールミュージカルその2、「アリストキャット」。萌はほしい役が取れずふてくされ家での練習を怠っていたので俺とMに叱られたのだが、幕があいてみたら一番きれいな目立つコスチュームで、セリフと演技が主役と並んで多い役どころだった。なんでこの役でブータレていたんだ? ソロ歌唱はなかったが、笑えるセリフもあればバシッと決めポーズもあり、はっきり言って前回よりもおいしい役ではないか。

 萌はコスチュームがよかっただけではなく、あの練習サボリっぷりからはまったく予想外のデキのよさだった。主役ながら緊張からやや早口の定型的な演技しかできなかった前回とは段違いの自信のある表情で、長い手足がリズムに乗り伸び伸びと優雅に動く。踊るには難しい4ビートの曲が多かったが、見事に踊り切っていた。やっぱDSバンドブラザーズ(音楽ゲーム)などのおかげで、リズム感が育っているのである。よくやった。素晴らしい。

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 【オイそれはオレの魚だぜ】BoardGameGeek で、「自分だけの島を切り取るのが勝利への道だ」というコツ解説を発見。そうか、俺はM萌のコマを孤立へ追い込もうとしては背後を取られ墓穴を掘っていたのだが、自分を豊かな孤立状態に持っていき独占するという逆転の発想が必要だったのか。

 その作戦を持って午後、Mと対戦。また負け。Mは実は俺を攻撃するより3魚タイルを徹底して狙っており、それが勝つコツなのだという。ならばと「自分だけの島を切り取る法」をやりつつ2~3魚タイルを狙ってみると、ようやく会心のゲームでMに勝てた。やっ・た\(^-^)/。

2011/05/11

日記「福島にふくしまにふくしまに」

「信じる気持ちは揺らいでいる」「不良男子賛美ドラマはもういい」「パワートゥザピープル」―――《俺は生まれた長野須坂に自分を置いてきたような気はしないが、東京には相当量を置いてきたと実際思う》

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■11/04/29(金) □ 信じる気持ちは揺らいでいる
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 福島の小中学校での被曝限度を巡り大変な論争になっている。20ミリは多すぎると告発してやめた学者の言葉は重い。

 「校庭に8時間立っていても年間20ミリには達しないという基準なので、教室内にいる時間のほうが長い子供の実際の被曝量は大幅に小さくなる」という政府の説明はわかるが、「大幅に」「見解の相違」などという定量化できないことを言うから議論が噛み合わない。根拠と自信があるのならば、「1年間通学し、1日1時間校庭にいたらこうなる」と数字を出し明確につよく反論すればいいではないか。それがなければ親はなにも判断できず、不安と怒りをつのらせるだけなのだ。

 それに、福島および近県産の食材を食べてくれ、給食にも使おうというのも難しい話である。農薬ですら子供の口には入れたくないと努力している母親が多いというのに、「汚染はちょっとだから放射能入りの食べ物を買ってくれ、買わないのは風評被害です」というのは無理がある。納得した大人だけが食べるならまだしも、給食というのはあんまりだ。

 普段高額な有機食材を買っている人々は、「より安全で倫理的なものが買えるならお金は惜しまない」という方向で物事を考える。今はこうした消費者と同じ考えを適用し、原発被災地域の農家の経済損失は国が補償し(つまりお金は惜しまず)、放射能が検出されない/無視できるほどに小さい地域の食材を逆に原発被災地域に送り、国民全体が摂取する放射能量を少しでも減らしてほしい。減らせば減らすほどいいことに間違いはないのだから。被災地域の農業を救うために放射能を我慢しようというのは共倒れ政策である。

 日本政府が事実を過小評価し、手遅れの政策をやっているとする悲観的な考え方はつらすぎるので俺は絶対採りたくないのだが、信じたいという気持ちは常に揺らいでいる。

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■11/04/30(土) □ 不良男子賛美ドラマはもういい
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 TV Japan で映画「ルーキーズ」。TV版も見てなかったが映画も同じような話であり、途中で見るのをやめる。映画が作られるからにはTV版は大ヒットだったのだろうが、日本のこの不良男子賛美は、舌足らず女子偏愛とつがいの嗜好なのだろうな。こないだ見たドラマ『迷子』に出てきた、不良だった父親を恐れ家に帰りたがらない男子や、明るくバイトし口が悪く弟を蹴る女子のほうがずっと好ましいと俺は思う。

 TV Japan で「ごくせん1」をやっていた頃は萌も楽しんでおり、それがうちでの希少な日本語ネタになっていたのだが、2、3とあまりにも内容が同じなので飽きて見なくなってしまった(2、3は配役も激しく劣化してたと思う)。それにトドメを刺したのが「ルーキーズ」や「サラリーマン金太郎」と続いた血ドロドロ路線で、結果として萌の日本語TVワッチ習慣が完全に途絶えてしまい現在に至る。一緒に見られる日本ドラマが枯渇して本当に困っている。

 萌が見たい―――というか今でも見せたら見そうなのは、TV Japan でやったものでいうと「ケンジとヤスコ」「怪物くん」などの学園モノなわけで、血ドロドロばかりじゃなくああしたローティーン向きコメディをやってくださいと TV Japan にメールを送ってみよう。別にジャニーズが出ていなくても古いものでも構わないので、軽快でコミカルな日本の番組をやってくださいと。

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■11/05/04(水) □ パワートゥザピープル
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 原発補償による東電の値上げ見込みに対し、激しく批判が起きている。日本は電気だけではなく、全部の公共料金が高い。カナダから日本に行けば成田から長野の実家に辿りつくまでに交通費で1人百ドル以上が吹っ飛んでしまう。車に乗ればガソリン代より高速料金のほうが高い。家中を無駄に温めているカナダのセントラルヒーティング家屋より、人がいる部屋だけをミニマムに温める日本のほうが光熱費が高い。電話代も放送受信料も高い。

 震災以降の日本はこうしてガラリと、公共料金や政治や企業やマスコミに対し厳しい目を向ける国に生まれ変わったのは明らかで、それだけはよいことだ。一昔前ならこうした大きなものへの怒りは自分の身の回り以外に伝わらなかったのだが、いまや人々の怒りが即座にコネクトし、そこに十分な駆動力があれば共振して世論となり影響力を持つメカニズムも完成している(エジプトを見よ)。

 むろんネットだけではなく日本全体が、ささいな失敗でも袋叩きに遭う「つるし上げ社会」になっているという嫌な面も当然あるだろうが、つるし上げる対象選択とそのアゲ度合いに対してもネットによる批判=ならし効果は働くのであって、徐々に適切で効果的になっていくのではないだろうか。パワートゥザピープル、ライトオン。

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■11/05/05(木) □ 福島にふくしまにふくしまに
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 NHKで猪苗代湖ズのビデオクリップを見て、各都道府県代表ピープルがほんとに歌ってるんだ、そしてその声が入ってるんだと気がついたら、涙がポロポロ出てきた。下手うたは人の心を打つ。

 日本の都道府県はどこも素敵だ。俺はボンビーかつ物欲に弱い(ゲームやガジェットへの出費過多な)奴だったので日本国内でも行ったことがある場所はそんなにないけれど、バイクや軽自動車にテントを積んで巡った日本のあちこちの海山町は、ほんとどこも思い出深い。

 弟とバイク合宿をした箱根・伊豆、何十回走ったことかわからない奥多摩有料道路と近くの村落、日光から群馬伊香保へ抜ける途中のどこかで見た美しい田園風景(当時は銀塩カメラすら持ってなかったのが口惜しい)、隅々まで走りまわった信州各地、Mを連れて今だに語りぐさになるくらいいい旅をした岐阜、福井、京都。東北には行ったことがないのだが、どれほどいいところなのかは想像にがたくない。福島の素晴らしさは友達に何度も聞かされた。

 住&育児環境のいいカナダに住んでることにはほんと感謝しているけれど、ああした日本の町をもう旅できないということはとても悲しい。日本の山の緑は豊かで、町は自転車で用事が済むコンパクトさで雑然と作られ、1つ1つに個有の味がある。カナダ(といってもBCとノバスコシア州だけですが)を旅しても、あとから追憶に胸を掴まられるようなことが俺はないのだ。その理由を明確には言えないのだが、カナダ人にはキヨシローの歌のよさがわかってもらえないように、俺にはカナダの本当のよさがわからないのだろう。

 福島に、ふくしまに、ふくしまに、置いてきたんだ、本当の自分を。俺は生まれた長野須坂に自分を置いてきたような気はしないが、東京には相当量を置いてきたと実際思う。バンドもあれ以来できないし、英語ではもともと乏しい自分の言葉の半分くらいしか表せないし。

 俺は―――サンボマスター山口もおそらく―――、置いてきたことを後悔しているわけではない。だけどときどき振り返ると、悲しみは襲ってくるのである。

2011/04/29

日記「日本人の音楽リテラシー」

「カナダの画家たち」「中学校見学」「NHK『おひさま』の楽しみにくさ」

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■11/04/17(日) □ カナダの画家たち
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 となり町ポートムーディのアートフェスへ。町のお祭りなのかと思ったら、PoMo でスタジオを借りてやってる画家たちの合同イベントで、町では特に何もやっていなかった。街路樹が1本アーティストによりショッキングブルーに塗ってあった程度。

 カナダのアートというのはいつも思うのだが、特に風景画は凡庸なものが多い。写真から構図をていねいに写し取ってきれいに色を塗ったみたいな絵が並んでいる。つまり写生ですね。題材も湖に杉と山いう、カナダだったら全国津々浦々どこにでもある風景が多いし。俺に絵が分かるのかといえば分からんのだが、日本でやってたバンドのメンバーは全員美大生だったので、あいつらならこんな平凡な画想は抱かないだろうくらいは分かる。


こういう題材を筆でていねいに
描いているわけです。
  一番脱力したのは海辺のデッキチェアを精密に描いたものだった。リゾートに行ってビールでも飲んで感じた幸せを描いたのだろうか。そりゃよござんしたねくらいしか言いようがない。こりゃ絵日記の挿絵である。

 しかしこのイベントに誘ってくれたGYの絵はよかった。実は彼女の家にある自筆の絵をいくつか見て、ああこういう感じなのねと軽く予断を抱いていたのだが、出来がいいのは当然ながら全部こっちのスタジオに置いてあったのだった。彼女の絵も風景画だが上記のような写生ではなく、美しい風景に打たれた心象を水彩でしゅっと表している。風景から色彩と陰影を切り出す筆さばきにスピード感と俳句的な芸があり、オリジナルな美を作り出している。とても気持ちがいい絵であった。

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■11/04/20(水) □ 中学校見学
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 9月から萌が行くMC中学校の説明会へ行く。4人ほどの教師が「チーム」となりお互いに互助していくという学業システムの説明もよかったし(これは秀逸な仕組みで、馬鹿な教師の怠惰と暴走を抑制できる)、多彩な課外活動の話も胸が躍る。

 音楽室にはドラム2台、ガットギター20台、エレキとベースが10本、ミニキーボードが10台もある。これだけあればクラス全員に楽器が行き渡るだろう。指導の先生が元ミュージシャンだったというおじいさんで、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」などを教えているとのこと。その横には体育館とは別に舞台アート専用のステージを持つ小さな講堂があり、照明や音響が完備されている。

 教室を巡ってみるとどのクラスもテーマを決めて生徒たちが紙類で飾り付けており、ごちゃごちゃっと乱雑に賑やかでいい感じである。どの教室にもカウチが置いてあり、フレンチ8年生のクラスにはなんとバスタブが置いてある。これはなにかと尋ねると、生徒が落ち着いて本などを読めるよう他のクラスはカウチを置いてるんだけど、私はこれに決めたのよとファンキーな先生が言う。こりゃいい学校だな。施設も校風もいい。ここに通うカナダの子供が羨ましいよ。

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■11/04/25(月) □ NHK「おひさま」の楽しみにくさ
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 3週間経っても NHK「おひさま」は面白いのかどうか今ひとつ分からず流し見してるのだが(まあダメな朝ドラは1回目ですっぱり見限れるから、まるでダメではないのは確か)、満島ひかりさんがとても魅力的だ。誰かにすごく似てるなあとずっと考えていて、姪のSFだと思い至る。

 満島ひかりさんは別に外国人ぽくなく、SFはアジア人ぽいところがまったくないのに、2人はそっくりなのが不思議。

 しかしこのドラマはなぜか、戦前の日本を現代のおばあさんが振り返るという意味のない二重構造になっていて、そこが味を落としている。元気で明るい主人公の60年(?)後が若尾文子だという設定だけですでに物語の結末を見てしまった的な大きな興ざめ感があるし、斉藤由貴のべちゃっとした芝居がそれに輪をかけて興ざめを加速させている。なんなのかなこの馬鹿げた無駄は。

 だいたいナレーションというものがなければ視聴者は物語の意味や感情の機微がわからないと思ってるところが、朝ドラ制作者はひとを馬鹿にしている。解説不要のベタなストーリーではないか。「あの頃は喫茶店に行くだけでも大変な悪いことだったの」「男の人に手を握られただけで死にたくなったの」なんつーナレーションは単に自明の繰り言であり、現代シーンと共に物語の鮮度を意味なく落としているのである。

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■11/04/26(火) □ 日本人の音楽リテラシー
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 萌を学校で降ろしたあとラジオで珍しく Zep の「ランブルオン」がかかり(普段は Zep でももっとメジャーな曲がかかる)、なんちういい音が詰まりまくった曲なんだと改めてびっくりした。イントロでスティックがパタパタと鳴り出しただけでウオウ気持ちいいと肌がざわざわする。あれは何を叩いてるんだろう。座布団?

 これをレコードで聴いてた高校生の頃は、こんないい音に気がつかなかった。大人になってからも多分わかっていなかった。年を取るといいことはあまりないが、前には分からなかった良さがわかったりすることもあるのだ。

 ラジオや MP3 じゃなくてもっといいハイファイで「ランブルオン」を聴きたくなるが、レコードもステレオも日本に置いてきてしまったよ。そしてたぶん実家の母親に捨てられちまったよ。哀愁のヨーロッパ。

 俺はアコースティック的にいい音が聞きたいのだが、それは別にアコギの音とは限らず、人間の手足が楽器に触れることで出てくる、不定形な音が気持ちいいのだ。たとえば軽く歪んだエレキギターのざくっとしたコード音、ボンボンとスキップするベース。ポップ音楽にはこういう《人が楽器を鳴らしそれが空気を震わせている音》がまったく不足している。たとえば中島みゆきの歌はすごいと思うが、彼女の歌を構成する楽器の音は全部つまらない。レディガガの今流行ってる曲(Born This Way)も、メロディはかっこいいが単調なシンセ音に耳が耐えられない。

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 しかしこうしてカナダのラジオから流れてくるロックのうちイイものは大抵知っている日本のリスナーのロックリテラシーは、国際基準でも相当に高いんじゃないかと思う。これに加え日本の音楽も同量以上に知ってるわけで、総知識量は間違いなく英米加ロックファン以上だ。

 カナダで暮らしていて悔しいのが、日本のすんばらしい音楽をどうやってもこうやってもカナダの人たちに伝えることができないことで、奥田民生などを聞かせるといいねと言ってくれるけど、それ以上踏み込んではもらえない。やっぱ一緒に歌えないという言葉の壁は厚い。

 俺はもしラジオからサンボマスターみたいのが聞こえてきたら、それが何語であっても反応すると思うが、そういうの(言葉はともかくいい音楽はいいと思うの)って日本人リスナーだけなのかしら。台湾の Crowd Lu 君なんかすごくいいです。

 日本の音楽をカナダに伝える方法はないかと考えて、娘を優秀なロッカーに育て上げ、日本語ロックを翻訳し歌わせるという案を目論んでいたのだが、現時点では米ポップに完璧に娘の魂を奪われています。がっくし。

2011/04/15

「全部クソだったんだぜ」

「Gamers Heart Japan」「ミネカダマウンテン登り」「Pray for Japan 集会」ほか。

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■11/04/03(日) □ Gamers Heart Japan
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北米のゲーム開発者が日本産ゲームと日本への熱い思いを語りまくり、震災被害者への募金を呼びかける「Gamers Heart Japan」という番組があり萌と一緒に見る。最も偉大なゲーム&その開発者としてダントツだったのがやはり、スーパーマリオの宮本茂氏。FF 好きな萌は絶対 FF7 よーと言っていたが、北米クリエイターにはあまり影響を与えていないらしい。そういえばドラクエも1人も挙げなかったな。

番組を見て思ったのは、大災害への同情ゆえにこんな特別番組を作ってもらえたけれど、それとは関係なく出てきた全員が日本に行った経験があり、日本の文化とゲームについて早口でいくらでも語れるというその事実がやはり、すごいなあと思う。萌も「これも日本のゲームなの?」と驚くことしきり。日本と世界のつながりは、経済だけではないのである。

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昨夜「原発がどんなものか知ってほしい」という文書が広まっていると知り、それに対する福島原発勤務者のていねいな反証論文「re: 原発がどんなものか知ってほしい」を読んだ。これを読むと原発というものは現場において誠実に運営されているのだとわかる。

しかし、「こんな事態には絶対になりえませんが」という前提でここに書かれた数々の安全保護手段、非常用ディーゼル発電機、バッテリー、外部電源のすべてが水泡に帰し、「最後の手段」の海水投入でも止まっていないのが悲しい。これを書いた人はおそらくいま第一原発にいて、泣きたいほどの悔しさを感じながら戦っていることだろう。

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新しい朝ドラ「おひさま」が始まった。とりあえず見たところ今度は主人公が一般公募の人ではなく芝居ができる人らしいので期待してるのだが、出だしはまるきりトトロの焼き直しで、まだなんとも言えない。原田知世は奇跡の美貌だが、この人の芝居のできなさもこれまた奇跡的なものがある。「体が弱い母」演技はドリフターズのコントみたいだった(笑)。

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■11/04/08(金) □ ミネカダマウンテン登り
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ミネカダ・マウンテンパーク
学校のあと皆で裏山のミネカダへウォークしに行こうと誘われ、とことこと歩き始めると5分で登山になってしまい、おいおいこれはウォークとは言わんだろう。まあ気持ちいいけど―――と思っていると、小山を超えたところで絶景の沼地がばーっと開ける。げげ、こんな近くにこんなところがあったのか。長年住んでてちっとも知らなかった。小山を超えないと見えない沼地なので、近いけどひと気のないプチ秘境なのである。美しい。まさにカナダ。

そこからさらに山を 10 分ほど登って小高い見晴台に出、下って湖畔を巡り帰る、非常に気持ちのいいハイク/軽トレックであった。ウォーク(散歩)だというから水筒さえ持ってこなかったが、こんな気持ちのいいトレックならば飲み物とスナックを持ってきて、ゆっくりと時間をかけて歩きたいよ。


デジカム動画は気持ちよし
このハイクは先月格安で入手したデジタルビデオカメラ JVC Everio MS-120 の野外初公式戦となったのだが、映像は期待通りの自然な色で撮れた。デジカムのデジタルブレ補正は案外効果が高く、歩きながら快適な絵が撮れるのが前のアナログカメラとは違いありがたい。

登った山の高みから7~8キロ向こうのピットリバーブリッジ上の車が写る。先走り 300m先に行ってしまった萌の表情が写る。最後には数百m彼方にいるクマまでアップで写せてしまった(汗)。ビデオカメラのズーム性能というものはすさまじい。こうして外出時にデジカメとデジカムの2台を持ち歩くというのは間抜けなカメラ親父感が否めないが、持ってきてよかったと思える影像が撮れました。

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Mと萌の会話で、萌が次のスクールミュージカルでも前回同様友達のCHと役を争っているのだとわかる。でCHが「萌がその役に応募するなら、(前回に続きまた負けてその他大勢になるのが嫌だから)別の役に応募する」と言ってるのだそうだ。そこでMが、それじゃCHがかわいそうじゃないの、違う役に立候補しなさいよと萌を諌めると、萌は「だって...」と泣いてしまった。

この春萌と俺は衝突しまくって深刻に困ってるのだが、萌のこの精神不安定ぶりはつまり、11歳にして強力なエゴの発現なんだなとここで思い至った。自分の存在を世界に示したいのだ。まだほんとは全然子供なのだが、誰にも指図されずインディペンデントでいたいという衝動に振り回されている。こういう精神状態がいつまで続くのかな。ため息。

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■11/04/09(土) □「全部クソだったんだぜ」
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Youtube で斉藤和義の「ずっとウソだった」を見る。最高。信じてる待っているの JPOP は何のチカラも持っていない。ロックは持っている。斉藤の言葉が正しいとかそういうことではなく、力を生み出せるということ。「ずっとクソだったんだぜ」と歌いながら作業に向かえば東電作業員もきっと力が出る。

実際「上を向いて歩こう」というCM映像は JPOP 的で見る気がしなかった。「歌の力」なんて人はよく言うけれど、気持ちが前向きになれば事態が改善するような平時とは違うだろう。「ほんとクソだったんだぜ」と悪態をついたほうが足に力がこもるだろう。

「原発に無批判だった自己を反省する視点がない」みたいにこの歌を批判する人もいるけれど(それはそれで真っ当な意見です)、斉藤は論陣を張っているわけじゃないのである。すべてがクソだったんだぜと悪態をついているのである。つまり Fxxk! と言ってるのである。

「この国を歩けば、原発が 54 基」という出だしからして「え、そんなにあるの?」という斉藤のノンポリ性が伺える。だからこれで反原発ソングよくやったみたいに褒めるのは意味がないし、批判しても彼はすいません不勉強で俺もクソでしたというだけだろう。

いま日本政府が言ってることが嘘だとは俺は思わないし、そういうことを言う海外メディアを無神経だと思うが、しかし「ずっとウソだったんだぜ、ほんとクソだったんだぜ」と歌えばこんなにキモチがいい。

原発の「万が一」を看過してきた日本は斉藤自身を含め全部クソだったわけで、むろん世界も大同小クソであり、東北沿岸の壊滅っぷりと放射能の恐怖を合わせ見てそれでも核兵器や放射性弾薬を保持していられる国のクソ性など、まったく論を待たない。

ほんと「全部クソだったんだぜ」と東電作業員も歌ってほしい。それは責任転嫁ではない。東電社員だって怒りたいはずではないか。会社に、国に、原子力政策に、いま起きていることのすべてに。取り返しがつかなくなる前に変えられなかったものやコトや自分に罵声を浴びせながら、働いてほしい。

Twitter や Youtube でこの歌の感想を読むと、人々の言葉の応酬は「原発是か非か」あるいは「反原発ソングの是非」に限りなく近づいていく。そんなことがこの歌から発せられているわけではない。もしこれがキヨシローだったら歌った後で、「俺は逃げるぜ、おつかれさん」とか言ってマイクを蹴り倒して帰るだろう。斉藤和義もキヨシローも無責任で不謹慎だけど、苦しい心に空気穴を開けてくれる。それがロックなのだ。

◆        ◆        ◆

東電社員の家族に対する嫌がらせが今起きているらしい。そういうことをする人は、日本の戦争犯罪を永久に許さんと理不尽な攻撃をし続ける人々と同レベルだ。これほどの災害大国に住んでいるのだから、精神くらいクソでなくあってほしい。でなければもうやっていけない。

俺はかつてバンドの解散時に「魔の山」という歌を作り、そこで
「信じる気持ちは尽き果てても、ロープを手渡して/いつの日かこの旅を終えたなら、二度と会うこともない
とバンドメンバーに対する気持ちを書いたけれど、この歌詞は今の日本の人から見た東電への視線に似ている。みんな苦しい山を登っている。頑張ってくれ。

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■11/04/12(火) □ 東日本大震災の写真
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10 数年前にストリートスライダーズ話で盛り上がったりかちんが、斉藤和義関連の Twitter で俺を発見してくれた。こんなときにこんなふうに再会するとは、なんてロックな。

りかちんの Twitter をさかのぼってしばらく笑いながら読むと、やっぱりその言葉の発し方とか、そこから想像できるモニター越しの表情は変わりないな。やっぱロックの子だよな。「あの頃のまま」(by ブレッド&バター/松任谷由実)でもある。

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萌の学校であさって Pray for Japan 集会があるとのことで式次第が届いたのだが、そこで使われる写真が、俺が震災翌日見てあまりの精細さに衝撃を受け気分が悪くなった boston.com の津波写真集だった。こ、これを使われては子供のトラウマになってしまうと慌てて連絡。

で写真を差し替えてもらう段取りをつけ、結局俺が選ぶことになってこれまであまり見ないようにしていた東日本大震災写真サイトを改めて見て回ったのだが、ほとんどが海外のサイトだった。やはり見るのがつらいという気持ちが日本の報道サイトの写真を少なめにしてるのかな。

しかしこんな写真を自分で集めることになるとは思わなかった。あの boston.com のページは、まったく保存する気になれなかったからな。今でも津波そのものの写真は正視に耐えない。津波の映像や写真は、逃れられない破壊と死のイメージを強烈に発散している。地震のないカナダの人には、そのイメージがあまりリアルに分からなくて、あの先生は無造作に選んでしまったのだろうか。

「破壊のすさまじさは表しつつ、津波は写っていないものだけを選んだ。死のイメージは子供らに与えたくないのだ」と説明を添えて担当の先生に送ると、そのまま使う、あなたの意見を心から尊重するとの返答。ありがとうございます。子供たちがエンパシーと助けることの尊さを感じてくれればいいのであって、ここで天災や死への恐怖は与えたくないのである。

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この災害写真セレクトの件で、やっぱカナダの人々にとっては遠くの出来事でリアリティないのかな、「カナダでいえばこれくらいの規模が壊滅」といえば実感してもらえるのかなと想像を巡らせ調べたのだが、東日本大震災での全壊家屋は今日の時点で判明しているだけで約6万戸、萌の学校があるコキットラム市の全私有家屋 41000 戸よりも多い。こういう数字を知らせたら、カナダの子供に被害の規模が分かってもらえるのではないかと思う。まあそんなにどうだまいったかと披露する必要もないが。

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■11/04/14(木) □ Pray for Japan 集会
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萌の学校の Pray for Japan 集会。俺が想像し心配したような強烈な災害イメージによる子供らへのショックなど肩すかしなほどになく、災禍に瀕し困っている人々のためにお金を集めることの有意義さに重きが置かれた教育イベントになっていた。

俺が作った低ショック型災害写真スライドは体育館のぼやけたプロジェクターではさらに情報度が5割薄まってもうなんだかよくわからず(笑)、「建物の上に乗っかってしまった船」の絵を見てその素っ頓狂さに子供たちはゲラっと笑い、「笑いごとじゃないのよ」と教師にたしなめられていた。

まあ子供があれを見て笑えるのが幸せだということだよな。日本が受けたダメージなど全然伝わらなかったと思うが、自然災害がなく恵まれたカナダの子供らの気持ちをダウンさせても仕方がない。募金をしてくれた子供らに折り鶴が行き渡り、ほんの少しの縁がつながることを喜びたい。

2011/04/03

日記「日本の神様」

「サンファン再評価」「NHK ドラマ『迷子』」「ティーンエイジャーとその親」他。

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■11/03/23(水) □ ゲーム「キングスブルグ」PC版
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愛機キャノン Powershot A530 のショット
 日本からのニュースアップデートはなし。午後HNを呼ぶ。天気がいいので久しぶりにエバーグリーンパークまで自転車で行く。俺と萌の自転車はかなりガタが来ておる。

 萌とHNのブランコ写真を撮っていて、そういえばこのカメラを買って初めて公式戦で使ったのがこの季節のこの公園だったと思いだした。あのときはホワイトバランスのくせがわからずいい写真が撮れなかったんだよな。今日の写真は色とホワイトバランスは完璧である。もうあれから4年だが、やっぱりいいカメラだ。

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 「ドミニオン」は3セットのカードをあらかた覚えると常時コンピュータに勝てるようになってしまい、また新しいPCボードゲームをやりたくて探している。サイコロの目を割り振る「キングスブルグ」がよさそうなので、資料を揃えてやってみる。

 サイコロを振って役人を雇って資源をもらい、その資源で建物を建てるというアイデアはルールを読む分にはなかなか面白いのだが、実際やってみるとどの役人を雇ってもあまり大差がない。目が大きい役人のほうがより多くの資源をくれるが、最大18の「王」でもたかだか4資源である。

 で集めた資源で買う建物がこれまたどれも大差ない。町の防御力+1とか2とか、ダイスが1個増えるとか勝利点+1とか、その程度の地味な効果しかないのである。苦労して建物を建てても、別に自分の町が発展し強力になっていくわけではないのだ。拡大再生産じゃないのである。

 建物で上がっていくのはほとんどが、4ターンに一度あるモンスターとの戦い時の町の「防御力」なのだが、モンスターとの戦いといっても単に「モンスターの攻撃力7」「町の防御力6」という数値比較なわけで、これで盛り上がるわけもない。役人を雇っても建物を建てても面白くないのだから、ゲームが面白くなるわけもない。残念。しかしこれで Boardgamegeek 144 位かよ。あのランキングはほんとアテにならんな。

 次は「レースフォーザ・ギャラクシー」PC版。これは何度トライしてみてもカードデザインが最悪で、すべてがアイコンで表現されていながらそのアイコンが下手な標識サインの見本という感じで、1つも意味が分からずプレイできない。ルールブックもダウンロードしてみたが、もうびっしりと文字が書かれていて読む気がしない。パス。さすがにPCでやれるボードゲームも尽きてきたなー。

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■11/03/24(木) □ サンファン再評価
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 午後バスケットをしに萌と外に出ると、ぶわーと温かく気持ちのいい風が吹いている。昨日は公園で寒くないと思ったが、今日はもう温かい。春一番だ。春はいい。東北にも早く春が来ますように。

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 【サンファン再評価】ドミニオンはもう飽きて、俺が好きな拡大再生産だとやっぱりプエルトリコかサンファンが最強だよなとPC版サンファンを再開する。するとやはりこれはほんとうに面白い。ゲームとしてはプエルトリコのほうがよくできているのだが、サンファンは配牌次第で毎回違った作戦を取らざるを得ないところがランダム性のないプエルトリコと違い、そこが面白いのである。

 序盤配牌を見て初期プランを立てる。この時点でカルカソンヌで感じるような、「今回はどんなゲーム的冒険を楽しめるだろう」というわくわく感が常にある。そしてコツコツと建築を続けつつ、中盤に引いたカードを元に勝負手を決めて勝負をかける。これがうまく行けば勝てるし、はずれるとまるで駄目になる。このギャンブル性が実に面白い。

 ドミニオンにもランダム性とギャンブル性はあるが、デッキに入れた札がコンボで手札に入るかどうかという程度のギャンブルなので、何度か手番を回していれば必ず当たりは来る。《これとこれを使い点を最大化する》というサンファンの勝負感とはシビレ具合が違うのだ。

 今回ルールを読み直していて、クレーンは差額だけ払えば上位建物を建てられるのだと知った。つまり序盤は安い作物/建物を速攻で作って利用し、機を見て上級作物/建物に建て替えればいいのである。これは一種の分割払いで、うまくはまれば最高額の6点建物もより早いタイミングで建てられる。これは使える。楽しい。もうほんとサンファンを買いたくなってきたな。

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■11/03/27(日) □ 日本の神様
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 日本の朝、宮城沿岸でまた強い地震と 50cm の津波。少し川に水が入ってきているのが見えるが、浸水までは行っていないようだ。神様神様頼みます頼みます。もう勘弁して下さい。

 こないだ友達の家にスリープオーバーに行った萌が、クリスチャンの子とムスリム(イスラム教徒)の子に「世界のすべては神が作ったのよ、信じないの?」と言われ、返答に窮して電話してきた。当たり障りのない答えとして「そうかもしれない」という答えを俺たちは萌に授けたのだが、「お父さんはどう思う?」と後日聞かれたので考えて答える。


ダイコンの神、おしら様
 「千と千尋で、川の神様とか大根の神様とか出てくるじゃん。ああいう風にいろんな神様がそこら中にいるというのが日本人が思うところなわけ。1つの神様がすべてを作ったとは思ってない。たとえばいま日本の地震でさ、日本中の人たちが『神様お願いします、もうこれ以上悪いことが起きないよう、助けてください』って感じで祈ってると思うけど、これは具体的な名前のある神様じゃない。ただ『神様!』と思わずにいられないわけ。神様がいるかどうかなんて誰にも分からないんだけど、あまりにも地震がひどすぎるからさ、神様がいて助けてほしいとホント思うよね」。

 助けてほしいと、そうさ、ホント、思うよね。

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■11/03/30(水) □ NHK ドラマ「迷子」
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 災害関連報道が時間的に大きく減ったのに TV Japan(or NHKの国際編成?)は「てっぱん」と高校野球ばかりやって普通の番組をやってくれないので、録りためていた震災以前のドラマや映画を見始めた。中にNHKのドラマスペシャル「迷子」というものがあり、これがよかった。普通の若者たちが普通に喋り、ゆきずりの恋や幼なじみの恋が始まりそうな気配や姉と弟のけんかがあり、言葉の通じない老婆を巡りたくさんの善男善女の静かな日が暮れていく。2週間以上ニュースだけを見ていたこともあってか、2回繰り返して見てしまった。

 「なんとかジャネ」言葉もこうして聞くと悪くないなーと思う。登場人物に嫌味や造形感がないからか、ある種の方言のような味わいを感じる。調べてみると脚本は前田司郎、以前見たカメラじいさんの東京行きを描いた「お買い物」の作家だった。そうだ、あれもよかったよなー。

 カナダに住んでアメリカのTVを見る家族と暮らしていると、スクリーンにはいつでも口論か早口でまくし立てるシーンが描かれ、まことにやかましい。君ら英語人は現実でもTVでもちょっと喋りすぎですよ。日本のこうしたなんの事件も対立も主張も問題解決も悪役もヒーローもない静かな物語を見ると、ほっとする。やっぱりいいところだよなと思う。ああ東北東日本の人々が、心静かに暮らせる日々が早く戻ってきますように。

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■11/03/31(木) □ 土掘り仕事
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 今日はTSさんに頼まれ朝から土掘り仕事。雨は幸い止み、まったく寒くない中気持ちよく働いたのだが、全体の仕事量の 3/4 あたりで体に限界が来て、握力がなくなり脚が攣りかけ、ちょうど約束の時間も来たのでそれではと帰宅する。筋肉の限界まで一応働けたというのは、普段体をまるで使わない身としてはそう悪くはないが、仕事が終わるまであと2時間ほど働くのはどう考えても無理だったなー。明日もどうかと言われたとても無理(汗)。

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 15 日の水素爆発以降、大規模な放射性物質漏出はなかったという科学者の早野さんらの分析結果が出てきている。原子炉についてはこれ以上の悪化は食い止められるだろうという多くの人々の分析は、俺は信じられる。むろん海水への流れ込みを止め、それからその元を止め、それからやっと長い長い年月をかけて冷やし、かつ汚染を抑え込み周辺を除去していくという地道で嫌な作業が延々と続くわけなのだが。

 しかし首相らが防災服を脱ぎ復興のときだと述べたそうだが、いい加減避難民の悲惨な境遇はなんとかならんのだろうか。日本の国力すべてを挙げても、20 万人余の人々を3週間も体育館に置いておくことしかできないのか。現時点で一般客などほとんどいないだろう東北圏内の旅館やホテルにどんどん収容し、その費用を政府が負うということができないのだろうか。一般客と同様のサービスは経済的に無理でも、旅館ならばとにかく暖と布団があるではないか。経済的にそれができないのだとすると、かなり日本の力に対し幻滅するものがある。

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■11/04/02(土) □ ティーンエイジャーとその親
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 あと2日で萌の春休み(2週間)が終わるが、俺は毎日毎日萌に対し暖かくしろちゃんと朝飯を食えくだらんTVばかり見るなとガミガミ言わねばならず、それを言われるのが嫌なので萌は自分の部屋かグランマのところに入り浸っており、憂鬱な日々であった。まだ 10 歳だが、だんだんティーンエイジャーとその親という感じになってきている。ため息。

 そして夜、萌が眉毛をハサミで刈りこんでしまった。ばか (^o^;)。子供はたまにこういう予期せぬ馬鹿なことをする。自分の眉が濃すぎると思ったのだそうだ。あと2日で学校が始まるので生えそろうわけがなく、アイペンシル(?)を買うか借りてきてごまかすしかないだろうなあ、これは。トホホ。