2011/02/18

日記「ついにプエルトリコに挑戦す」

「プエルトリコのインケツ性」「商館港2トップ戦法の確立」「スクールミュージカルの主役決定」ほか

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■11/02/06(日) □ ついにプエルトリコに挑戦す
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イスファハンはいいゲームだけれど、サンファンで建築がうまく行き後半ポイントが加速していくあの気持よさ、つまり拡大再生産フィーリングは味わえない。拡大再生産マインドを最高に満たすものを探していくとやはり、サンファンの上級機種「プエルトリコ」となる。


Java 版プエルトリコ、Tropic Euro
プエルトリコのフリーPC版はいくつかあるのだが、スタンドアロン版は俺のPCでは動かず、快適に動くのはこの Java 版「Tropic Euro」となる。作物や建物名がオリジナルとは変えてあり俺のような学習者には非常にややこしいのだが(※)、すでにルールを知ってる人にはまったく問題ないと思われる。ユーザーインターフェイス自体は素晴らしいデキ。BrettspielWelt のプエルトリコよりも分かりやすい。
(※)元のプエルトリコはやや人種差別的だという理由で作者がテーマを変えたらしい。コーン→バナナ、インディゴ→ココア、タバコ→ゴムとそれぞれ変わっている。名称が違うだけでルールは完全にオリジナル通り。拡張建物も選択可能。
ボードゲームのルールブックはどれもこれも分かりにくく、プエルトリコなどルールが複雑なので極めつけと言えるのだが、やはりサンファンをマスターしたあとなので前には皆目わからなかった各職の役割が分かり、最初からゲームを進めることができる。あとはより複雑になっている売買の仕組みと輸出のルールがわかれば、遊びながら建物効果を学ぶだけでプレイできそうだ。ちなみに公式ルールブックよりも、英語版だがユーザーが作った pdf のチュートリアルが1つ1つの手順を図解していて圧倒的にわかり易い。

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とりあえず数回やってみて、おおまかな進行はわかった。というか要素が増えただけでサンファンと同じだ。高価なコーヒーを売って最高額 $10 の建物を建てられたときは嬉しかった。コーヒー工場を作ったところから資金が潤沢になり、大学、宿屋など人員を自動配置できる建物を入手して着々と町を拡大する。ううやはりこれは楽しい :-)。拡大再生産テイストはやはり完璧だな。頑張って細かいところまで覚えよう。

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■11/02/08(火) □ プエルトリコのインケツ性
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晩飯後プエルトリコ(Tropic Euro)。造船所(4隻目の船を自分専用に持てる)で勝負をかけてガンガンと輸出を続け輸出量でトップに立ったのだが、建物ポイントで負けた。惜しい。まだ一度も COM に勝てていないが、なんで勝てないのかは分かってきた。俺はとにかく金回りが悪いのである。サンファンは産出した品目をほぼ自由に売り利益を建築に使えたのだが、こちらは売れるのは1品だけ、しかもまだ商店が買っていない品のみ、さらに4品目が売られたら店じまいという三重の制限がかかっている。

さらにさらに産出品を売って金を作りたい時に、敵によって出荷されてしまうことがありまくる。これはイスファハンの出荷と違って防ぐ方法がなく腹が立つ。売れば$5の貴重な希少なコーヒーを、最安雑魚商品と同等のポイントにしかならない出荷に送られてしまうのは実に手痛い妨害だ。この2つの障壁/駆け引き要素によりプエルトリコは、金を作ることが非常に難しいフラストレーティングなゲームなのだとわかってきた。生産売買施設拡充の楽しい拡大再生産ゲーム! なんて単純ハッピーなものではないのである。

出荷も1船に1種類しかできないという制限があって、このせいでとにかく品物がはけない。COM 敵が賢いのか俺のタイミングが拙いのか船の品目は常に COM 敵が選択しており、船が空になるまで俺は売れない上に輸出すらできないという状態が延々と続くのである。せっかくの商品を売ることも出荷することもできないときのインケツ性は、カタンのサイコロ不運に匹敵する (^-^;。

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8戦目、勝った。やっと勝った。またも船荷を抑えられ苦戦するが、大倉庫で無駄を最小限に抑え造船で単独出荷に持ち込み、最後に建てた公邸(入植者数÷3)でぎりぎりしのぎ3点差勝ち。ドキドキした。出荷金策下手な俺が勝つにはこれらの建築カードが命綱だな。

噂に違わず面白いが、サンファンよりも考えねばならないことが多岐に渡り、それをまだ全然言語化できないので COM 敵相手でもえらい疲れる。サンファンで負けるというのは、つまり「こういうプランで勝とう」という得点計画が引きと読みの悪さでうまく行かなかった時であり、ギャンブルに敗れたというさっぱり感がある。プエルトリコにはランダム性がないので、負けはすべて自分の行為の結果であり、生産・出荷・販売・建築のすべてがうまくいかなかったというぐったり感がある。まあ勝てば気持ちいいわけだが。

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■11/02/09(水) □ 商館港2トップ戦法の確立
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プエルトリコ、COM の戦法を見ていると結局コーン大量生産→そのまま出荷が最強だろうと、大コーン(Tropic Euro ではバナナ)農園主となり自分専用船も買って大量出荷しまくると、やはり勝てる。

しかしこうして直球の必勝法を見つけて勝ってもうれしくはない。いろんな建物を建て、その効果を楽しみながら勝ちたいではないか。そのためには金策だ。どうにか生産物をうまく売り建築に進む方法はないのかなと―――悩む状態が続いている。ネットでは建築有利と言われているが、Tropic Euro ではコンピュータ AI が出荷を得意としており、俺が金を作り建築をやってると点がまったく届かないのである。

ネット上でプエルトリコ各種定石論を読み研究してみる。そして試行錯誤の末、強力だと推奨されている工場で生産ごとに2~3G手に入れ、作物を売りやすくなる商館をゲットして生産物を毎ラウンド売って堅実に金を作り、コーンが手に入れば輸出に回して、造船所、公邸、税関と高額建物を入手....とすべてがプラン通りに進み、48:45:44 で快勝。やっ・た\(^-^)/。初めて自分のやりたいようにやって気持ちよく勝てた。商館と造船所をゲットしておけば、思うときに売れない・輸出できないという俺のフラストレーションはなくなり、長時間たっぷり楽しめるサンファンというプレイ感になる。面白い。

その後数戦して、造船所よりも出荷ごとにポイントが入る港の方がさらに強力なのを発見、この港と商館の小粒2トップが当面俺の得意作戦となるだろう。

最終戦:だんだん勝ち筋が見えてきたので初の4P戦。ところが収穫をするたびに商店を4個先に埋められ、商品売りを完璧にブロックされ建物わずか6個の惨敗。やはり人数が増えれば増えるほどガバナーが回ってこないので難しいゲームとなる。ふいー。しかしこうして戦術研究がいくらでもできるのが COM 相手のゲームのありがたさだ。

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■11/02/10(木) □ スクールミュージカルの主役決定
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Dr ズースという
英語圏の定番絵本シリーズを
元にしたミュージカル
スクールミュージカルは、意外にも萌が主役のホートンに決まった。まあ立候補が実質萌とCHの2人しかいなかったらしいが、演技がうまく派手で舞台映えするCHにおそらく決まり萌はがっかりするだろうと俺は心配していたのである。

決まったからには頑張ってもらいたいので、萌の部屋で通し練習をやらせてみると、萌は案外演技がうまくなっている。周りに冷やかされてがっくりと肩を落とすといったあたりは見事なものだ。

しかしもともと曲は大人の男用に書かれたもので、子供にはキーが全然合わない。ゆえに萌は伴奏に釣られて1オクターブ下で歌い出し、低いところが歌えなくなってしまうことが多々ある。そこで自分の声が伴奏の音で聞こえないときのキーの取り方を、バンド時代の経験から萌に教授する。要はマイクに拾われない程度の音量でイントロ中に「んー」と歌い始めればいいのだよ。声を出せばオクターブが低いとわかるから、1オクターブ上げればいい。

子供を指導しているディレクターはミュージカルの専門家らしいが、この辺とか目線のやり場などは指導してないらしく、萌は演技や歌をやりながら俺の顔ばかり見ている。自分の演技がいいのか評価が気になるのだ。学校ではきっとディレクターの顔を見てるのだろう。それじゃ全然ダメなわけで、気持ちが役と歌に入っていれば大人の顔なんか気にならんのだよ、役者が客席を見てなければお客にはつまらんのだと言い聞かせる。俺の顔を見るたびに駄目出しをして何度も歌わせ、最後にはキッと目線も声もよくなった。よしよし。一世一代の舞台だ、頑張りなされ。

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サンファンのブログ記事を書きながら久しぶりに1戦、初めて凱旋門フルスコア8点で勝った。やっぱサンファンはシンプルかつ毎度展開が違って面白いわ。これが安かったら本物を買ってもいいくらいなのだが、カードゲームなのにカルカソンヌと同等の値段なんだよなー。

プエルトリコは4P戦でも勝てるようになってきた。インディゴ、小市場、商館、コーヒーと建て、このコーヒーを勝手に出荷されないよう生産時期を慎重に待ち販売に成功して波を掴み、あとは港、砦と大物を順調に建て 57 点の大勝利、気持ちいー。

しかしここで COM の強さをハードにして愕然とする。COM(強) はコーンと港であっという間に出荷独走態勢に入り、俺も港を取り追いかけたが出荷 pt で 30 点も差がついては勝てない。あれは場にコーンが出たら自分のプランを変更してもコーンを拾う(出荷型に拾わせない)という戦略が必要なのかな。うーん、いろいろと勉強したくなるゲームである。いろいろと勉強せざるを得ない、厳しいゲームである。

2011/02/14

日記「イスファハン for Windows」

「豆まきゲーム」「面白いのに物足りない」ほか。

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■11/02/03(木) □ 豆まきゲーム
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弱い鬼

ダウナーな鬼
 日本語学校で節分について習ってきた萌が主導し、初めてうちで豆まきをやった。子供の頃なんとなく家の中の暗闇に向かって投げていたような気がするので、たぶんそういうところに鬼がいるのだよ、投げろと家族に指示。それでよかったのかな。


鬼の豆盛りゲーム
 萌は、「豆まきというのは自分の心の悪いところやダークなところをふるい払うためにやるのだ」と学校で聞いてきて、だからそれを各自絵に書いて、そこに豆をまこうとゲーム化する。なるほど。萌は「心の弱さ」、Mは「怠惰」、義母BRは「自己中心性」と絵を描いた。俺は、うーん、最近のこのダウナー(欝)さだよなと、「ダウナーな鬼」を描いた。

 そこに豆を投げてみるとみな盛り上がる。豆まきというか、よこしまな鬼たちの絵の上に大量の豆がズザザと山盛られていったという感じ。はは。この豆まきで俺は確かに少し気持ちが上向きました。

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■11/02/04(金) □ イスファハン for Windows
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美しい砂漠の町イスファハン
 イスファハンというフランス製の美麗なボードゲームの PC 版が見つかった。これはすごい。遊星からのフリーキック氏が「すばらしいといっていいのじゃないか」とメカニズムを称賛し、ジョーコデルモンド氏が「ボードデザインがよければドイツゲーム大賞に輝いてもおかしくなかった」とまで言う傑作が、PC 相手にできるとは。ありがたやありがたや。興奮ものである。

 ルールを確認しつつ最初のゲームを終了。上記の解説通り確かに1ゲームが早い。サイコロを振って商店に品物を送り、時折ラクダに送って出荷ポイントも取りと手順を確認していたら初級で簡単に勝ってしまった。ありゃこれだけかという肩すかし感。2戦目はやることがわかったのでさらに早くプレイし2位。ふむ。ほんとめっちゃ短くて楽しいが―――サンファンより早く 10 分かからない―――、さほど高いゲーム性があるとは見えてこない。

 しかし特殊効果がある建物カードを取り始めたらゲームがばーっと広がってきた。つまり商店コマ置きを我慢して金・ラクダ・カードに投資し建物を作れば、自分の能力を大幅に上げられるのである(コマ置き+1とか得点+1など)。そこにゲーム的決断と結果の明暗があり楽しい。

 この大量9個ダイスシステムは素晴らしいな。高得点エリアに自分のコマを送る「いい目」はあり(当然確率的に出にくい)、ダイスを振った手番の人がそれを取るわけだけど、あと番の人が取る残り目にも何もできない「ハズレ」は1つもないのである。残り目で得点は低いが完成は容易なエリアにコマを送ることもできるし、コマは使わず金かラクダかカードを取ることもできる。キャラバン(後述)にも荷を送れる。チャンスが実に広く民に分配されており、そこが同じくダイスを使うカタンとはぜんぜん違う。選択肢のどれもがプラスになるチャンスなので、悩ましさが前向きで全然苦しくないのだ。

 最後は相手の強さをミディアムにして接戦を楽しむ。うん、面白い。同じサイトで配布されているサンクトペテルブルクをもっとビジュアルに楽しく、悩みにくくしたという感じのゲームだ。さまざまな手段でポイントを最大化しようというサンクトと同じ系統のゲームで、残念ながら俺が望む生産開発ゲームではないけれど。

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■11/02/05(土) □ 面白いのに物足りない
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 【イスファハン】ノーマルだと常に接戦になるので CPU を最強にしてみたら、驚いたことにダブルスコアで負けた。こんなに大量点が取れるゲームなのか。勝った CPU はキャラバン(画面右にあるラクダの隊商)にガンガン商品を送り込んでいた。あれがけっこう大事なのかもしれない。

 このキャラバンのスコアルールは非常に分かりにくく公式ルールブックを読んでも計算法がまったくわからないのだが、日英ルールを相互参照し(※)、BoardGameGeek のフォーラム記事でのルール議論まで読みつつ得点を細かく計算しながらプレイし、やっとキャラバンルールが全部わかった。
(※)いろんなボードゲームの日英ルールブックを読むと、どれも翻訳も悪いが原文も同じだけ分かりにくい場合がほとんどで、翻訳者は苦労してるんだろうなと思う。

1) キャラバンに荷を送るごとにラクダに書かれた点(2/1/0)が入る。早めに送ったほうが点が高い。
2) 週末にキャラバン得点が入り(各自のコマの最高到達点x総個数、つまり x3 部分に置けば高得点)、しかもキャラバンはリセットされない
3) ラクダの荷がフルになるとさらに 2 と同じ得点が入り、ようやくリセット

 どのルール記述を読んでも2と3がわからなかった。つまりキャラバンはフルになりリセットされない限り繰り返して点が入るわけで、変なルールである。週末の得点はなしで、荷物が満載になったら得点しリセットでいいではないか。この妙なリピート制のせいで、週末の精算前には荷物を送って便乗するか満杯にしリセットしておかないと、荷物が多い人と少ない人とでやがてえらい差がついてしまう。これだけは納得しがたい。

 たとえばキャラバン隊列を半分コマで埋めたら18点入るが、週末前にリセットしなければこれが何の努力も要さず2回リピートされるわけだ。これをうまくやればキャラバンだけで勝ちが決まってしまう。ゲームのメインはどう見ても派手なサイコロによる見目鮮やかな町の商店占有なのだから、キャラバンは《ダイス運が悪い人がキャラバン戦略で点を補う》という程度のサブ得点源としておくべきだろう。リピートはいかんよ。

 ともあれ、余ったお金を使うと黄色ダイスをさらに最大3個足して振ることができるのだが、このメリットもやっと分かった。メカニズム的に非常に出にくい壷エリアの目を出す確率を上げられるのだ。1つでも出ればおいしいのである。よくできている。建築物はどれも強力だが、完成商店+2点のバザールがもしかすると最強か。バザールがあれば1週間に6~8点くらい余分に稼げるのだ。

 ルール=やるべきこと=戦術が全部分かると、このゲームのメカニズムの素晴らしさが身にしみてくる。大得点の町に置いていたコマをキャラバンに強制送付され得点が減り、それを防ぐために防御用ラクダを常に1つ手元に置いておくプランニングが必要なんだと知ったり(これで逆に敵の町を攻撃することもできる)。そういった駆け引きがどんどんわかり、俄然面白くなってきた。

 面白い。これはいいゲームである。開発生産の楽しみはカタン・サンファンに及ばないが、その他全ての面で完勝だろう。

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イスファハン(評価8)
《長所》
・ダイス運を絶妙な塩梅でゲームに込めたダイスシステムは革命的
・どれほどダイス運が悪くてもカードは取れるのでハズレのターンがない
・メインの商店街占有はやることが一目瞭然できれい
・効果カードが強力かつサイクルするので皆に引くチャンスがある
・得点方法がかなり多彩でありながら選択肢がわかりやすく迷うことがない
《短所》
・キャラバンのスコア法がとにかくわかりにくい上に二重得点はバカげている
・ゲームがえらい短い。ひと要素加えてもう10分遊ばせてほしくなる
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 というわけで、ボードを買ってやるならキャラバンのスコア法をハウスルールで改め、さらにコマを足してなにか拡大再生産要素を加え、もっと長いゲームにして遊びたいな。ここに何をどう加えたら面白いのかまでは思いつけないけれど、楽しいからこそ物足りなくなるゲームなのだ。こんなに面白いのにもう終わりかよと、もったいなさを強く感じてしまうのです。

2011/02/10

日記「PCサンファンを発見」

「サンファン改造」「バスケットコーチ」「コーヒーカップのサムデイ(佐野元春)」ほか。

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■11/01/30(日) □ PCサンファンを発見
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 生産開発をするPC(コンピュータ相手の)ボードゲームがやりたくて探しに探し、ついにサンファンが見つかった。上級版プエルトリコはルールを読んでも全然理解できないのだが、これは分かりやすそうなので習ってみたい。

次に何をするのかを教えてくれる、
UI が非常に優れた
ユーザー製作のサンファン
 親切なサイト(操られ人形館)で解説を読みながら2回やってみて、ルールが分かった。カード自体が通貨だという面白いシステムになっている。通貨=カードを増やすには2つ方法があって、畑を買い作物を作り売るか、山からカードを引くかとなる。

 しかし建物にいろいろな効果があるのが楽しいわけだが、その効果が絵を見ても全然わからない。産物を1つ多く売れるのがたとえば船の絵ならわかるが、「交易所」という単なる建物なので他の建物と区別がつかない。この点はアイコンで効果がわかるサンクトペテルブルクのほうが優れている。まあ本当のカードを持っていればそのカードを読めばいいのだろうが、ゲーム画面上では小さすぎて読めないのだ。

 その建物効果の分かりにくさに苦労しつつ戦い、生産が波に乗ってコスト5の建物が作れるくらいになると、相手がもう 12 個建物を建てておりゲームが終わってしまう。うわせっかく資金のめぐりがよくなり面白くなってきたんだからもっとやらせてくれーというのはサンクトペテルブルクと同じだ。現時点で面白さもサンクトペテルブルクと同等である。生産して売るのが面白いのだと思うが、そこが思ったほどうまく楽しめない。まあもっと上達しなきゃ駄目か。

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■11/01/31(月) □ サンファン改造
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 サンファンのカード効果がわからずどうにもゲーム性が上がらんので、手作業で分かりにくい10枚ほどにテキストを入れてしまう(bmp ファイルを開いて文字入力)。これで1ゲーム。これは見た目は悪いが効果ばっちりで、一目で効能がわかるので手札を見て即座に作戦が立つ。そこで生産+1、販売+1の畑システムを構築し、できたお金で畑x2pのギルドホールを作って、1ポイント差でついに初勝利。相手が先に物件を12作ったのだが、ポイントでは俺が上回ったのである。やっ・たとガッツポーズが出る。これは面白い\(^-^)/。

 カタンがつまらんのは、先に10点に達したら早いもの勝ちでゲームが終わるところで、制作物の「デキ」で勝負がつくほうがやはりどう考えてもクリエイティブで楽しいのだ。ゲームとしてはサンクト同様10分以内で終わるのだが、もうちょっとやりたいなーと強く思う。そう思うならより重量級のプエルトリコ等に行けということなのかな。

 というわけで、生産の楽しさでやはりサンファンの方がサンクトペテルブルクよりも面白い。PCに勝つのはサンクトよりもはるかに難しく、ゲーム自体が難しいということだろう。気がつけばこの新ゲームたちのおかげで、昨日初めて BrettspielWelt に丸一日ログインしなかった。俺は BSW でカルカソンヌ拡張をやり過ぎて、2ヶ月連続銀メダルという気恥ずかしいものをもらってしまったので―――プレイ回数×勝率みたいなもの、つまり皆勤賞 (^-^;―――、これで BSW 頻度が下がるのはありがたいことである。

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■11/01/31(月) □ バスケットコーチ
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 萌が Wii バスケットの影響か最近バスケットに凝りだし、クリスマスお年玉で自分でボールを買い、晴れた日は俺と一緒にうちの前のカルデサック(ロータリー)でやっている。彼女は運動神経が鈍くボールキャッチなどで体がどうしても逃げてしまうのだが、俺が「こうしてキャッチすればとりあえず怖くないんじゃないの」とか、シュートでは「胸の前から打つとストロークが長くなってコントロールが難しいから、おでこの前あたりから短いストロークでスナップと膝の力で打ってみな」と教えていくと、鈍いなりにどんどんうまくなっていく。

 俺は無駄な努力をするのが自分はもちろん人がやるのも嫌なので、常に最もイージーで合理的な方法を考える。スポーツでも同じことで、萌ができないことの1つ前のステップを作ってやって、そこから最短最小努力で克服させていく。それが子供の上達には向いているのだろう。

 俺がバスケ部にいた中学の時には、顧問の先生がこんなことは1つも教えてくれなかったよなと今にして思う。高校に入り、俺の中学より強かった別の中学のバスケ部出身の奴にちょっと教えてもらったら目からウロコで俺は飛躍的にうまくなったのだ。つまり子供のスポーツは、周りにいる大人のスポーツインテリジェンスがめっちゃ影響あるのですね。

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■11/02/01(火) □ サンファン最高
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 PCサンファンは短時間にちゃっちゃとやりたくてずっと2プレイヤー戦にしていたのだが、これだとギルドホール作戦という確実な勝ち手があって意外と底が浅いかなと感じ始めた。俺は拡大再生産がしたいのだが、ギルドホールを取ったら生産せず小さな(安い)畑をたくさん作るのが最強なのである。カルカソンヌのリップ都市&草原作戦とまったく同じ、アグリイで簡単で強いのだ。

 で今日初めて4P戦をしてみると、生産と収穫が2ずつできるガバナーフェイズが4ターンに1回しか回ってこないので資金の流通量がおよそ半分になり、ほしいカードも分散して集まりにくくなる。したがって全員苦労しゲーム時間が伸び、より戦略工夫が必要になって非常に面白かった。これなら誰かがギルドホール作戦をしてもそうそう点は伸びない。「ギルドホールを引いた人が勝つ」というゲームではない。

 2P戦だと自分のフェイズで大量に作物を販売し、1回待って第3フェイズで建築を選び大量の作物=通貨をどーんと使えるのだが、3人以上だとルール上もう一度自分にフェイズは回ってこないので、誰かが建築を選んでくれないと売れ残って腐ってしまう(※)わけだ。当然ここでは誰も俺のために建築など選んでくれないわけで、生産するタイミングを考える必要がある。うーん、なるほど。面白い。これがこのプエルトリコ式ルールデザインの面白さなのね。ガバナーが次にいつ来るかを考えながらプレイする必要があるのだ。
(※)8以上はバーストしターンの終わりに捨てなければならない。が、カタンのバーストは手持ちが半分の4枚になるので壊滅的だが、サンファンは7枚残るので痛さはほどほどで、ちょうどいい独走制限になっている。

 畑方面で攻めたり建物安建築を目指したりで、俺は勝てないが戦術バラエティは楽しんでいる。引きが悪く畑も建造物もまるで作れないときに、礼拝堂だけで 10 点取りギリギリ2位になったゲームなど味わい深かった。面白いときもそうでないときもあるが、これは運に左右されるカードゲームの宿命だろう。

 これは面白い。勝つとガッツポーズが出るし、負けるとあー惜しいあと数ターンあればと思う。カルカソンヌ以降に出会ったゲームで、これがやはり最高だな。 

サンファン(評価9点) 
  • 《長所》
  • いらない手札がすべて通貨となる無駄なきシステムは秀逸 
  • 全員が同じ作業を行うプエルトリコ式も秀逸 
  • 効果が違う建物類が楽しい 
  • うまくなると生産と販売が思い切り楽しめる 
  • 手札7枚バースト制はゲーム性を上げている(12 枚持てるタワーもある)
  • 《短所》
  • 建物類の絵と効果が一致せず覚えられん(カードに細工で対処) 
  • 明らかに強すぎる勝ち筋(コンボ)がいくつかある 
  • もっと生産を続けたい! 20 件くらい建てたい


サンクトペテルブルク(評価7点) 
  • 《長所》
  • 後半お金ザクザクのウハウハ感
  • 序盤の建物投資も毎ターン少しずつ積まれていく構築感 
  • 手札一時預かりシステムは秀逸 
  • 効果カードが単純ですぐ覚えられる 
  • 貴族で逆転があり得る

  • 《短所》
  • 生産物を売る楽しみはない(アップグレードが少しカバー) 
  • カードはほとんどポイントが違うだけ、効果カードは少ないのでサンファンを知ってしまうと戦術がやや単調に感じる


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■11/02/02(水) □ コーヒーカップのサムデイ
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 夜、NHK「Songs」に佐野元春が出る。昔の曲をがらっとアレンジを変えてやっている。ボサノバになった「ヤングブラッズ」はどうかと思うが、フィル・スペクター風エコーなしの非常に抑えた音で「サムデイ」のあのイントロが聞こえてくると、お、これはいいなと思う。佐野元春は 40 代後半にシンガーとしてこれはヤバいというほどに声がやせ細っていたのだが、一時的なものだったらしく今はちゃんと声が出ている。

 ちらっと流れた若い頃の同曲のライブ映像よりも今の「サムデイ」のほうがいいではないか。天才佐野元春といえども若い頃はステージでアドレナリンが溢れトゥーマッチになって、この歌の滋味が少しこぼれ落ちていたのだろう。これはコーヒーカップからゆっくりと、こぼさずすする「サムデイ」だ。

 そして曲がセカンドバースに入り、俺はだんだん涙がこぼれそうになる。なんていい歌なんだ。いやいい歌だなんてわかっていたし昔から好きだけど、それにしたってなんていい歌なんだ。
「手おくれ」と言われても
口笛で答えていた あの頃
誰にも従わず
傷の手当もせず ただ
時の流れに身をゆだねて
いつかは誰でも
愛の謎が解けて
ひとりきりじゃいられなくなる
オー・ダーリン こんな気持ちに揺れてしまうのは
君のせいかもしれないんだぜ

 当時若者だった俺たちの心のバックグラウンドにはこの歌が、それこそクラシック音楽として流れていたのだろう。

2011/02/04

日記「カルカソンヌ・ロボットを発見」

「サンクトペテルブルク」「クニッツィアのサムライ」「アジア王座奪還」ほか。

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■11/01/27(木) □ サンクトペテルブルク
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 デモ版カタンが期待はずれだったので何かPC相手にできるボードゲームがないかと探してみると、「サンクトペテルブルク」というカードゲームのフリーPC版があった。いろんなサイトの感想を読んでみると、あこがれの生産開発ゲーム「プエルトリコ」のカード版「サンファン」にプレイ感が近いとある。完璧ではないか。

 これは覚えるしかないとルールを見ながらやってみると、ゲームは割合簡単である。安い職人や農民を買って働かせ、稼いだお金で高価な貴族や建物を買いポイントにするというゲーム。同じカードを取ると1ルーブル安くなるとか、お金がないときは後払いのツケでキープできるとか、アップグレードカードは差額だけ払えば手に入る(売買感覚が楽しめる)とかのルールは軽くて楽しい。

 だが役を揃えるゲームじゃないのでカードを取ること自体が今ひとつ盛り上がらない。町を作るゲームなのかと期待したのだが、これはつまり序盤は農民で金を作り、後半タイミングと配牌を見てそれを建物でポイント化するというリソース配分ゲームだな、大筋で。その部分はしっかりと面白いが得点を最大化すること以外にゲーム性はなく、なにかを作るという面白さは希薄だ。いろんなカードがあるが要はどれも数値なので、やってるうちにだんだんカードの数字にだけ注意を払うようになってくる。最高価格の宮殿を買っても女帝をゲットしても、大きなポイントが入ってくるだけで安いカードとの違いはないのである。

 中期以降に職人や貴族でお金がザクザク入るようになるのはうれしい。しかしそれで建物を買うのは単なるポイント還元作業で、初期の資金稼ぎに比べたらさほど楽しくないという結論になる。町を作りその町で何か別の愉しみが得られたら、もっと面白かっただろうなあと思う。まあルールはよくできているし、何度もやって勝てるようになるとだんだん滋味も感じるようになってきた。このPC版はフリーなのに十分楽しめてまったく文句ないです。やり続けます。

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■11/01/28(金) □ クニッツィアのサムライ
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 PC版ボードゲーム探しは続くが、見つかるのはチェスとポーカーと麻雀ばっかりだ。ああいうクラシックゲームはコンピュータ化しやすいらしく、フリーウェアがゴマンとある。この手は研究の歴史もあり AI を作りやすいんだろう。ボードゲームは思考がより人間的でコンピュータ AI を作りにくいのかな。カタンの AI 作成はコンピュータサイエンス学生の研究主題になってるのだそうだ。


実に信長の野望的な盤面
 おお、「クニッツィアのサムライ」デモ版を発見。陣取りゲームらしい。面白そうだが、今俺がやりたい生産とはぜんぜん違うか。

 やってみると陣取り的な楽しみはない宝取り競争で、限られたタイルで効率よく宝を取るにはいろいろ考えどころもあるのだろうが、全然考えなくても侍タイルがあれば宝は取れるぬるいルールなので、イージーで全勝、ノーマルでも2回目に勝ってしまった。んー。

 COM を強く設定すればこんな漫然打ちでは勝てなくなるだろうが、面白ければそうするがそうでないゲームをハードにしたいとは思わないのである。ちなみに英語圏最大のゲームサイト BoardGameGeek じゃこんなゲームがカルカソンヌ (76th) やチケットトゥライド (64th) より上の 62 位にランクされている。世界のボードゲーマーの価値基準がわからん。ちなみにカタン 58 位、サンクト 102 位。「サムライ」よりはサンクトペテルブルクのほうが構築の面白さはあるよな。

 これは没だがともあれ、日本地図での陣取り(風)というこのゲームを見ると、「信長の野望」ってすごいよなと思う。生産の面白さと陣取りが完全に一体化してるのだ。武将コレクションという「デッキ構築」も、歴史背景を知る日本人にはこれ以上はあり得ないだろうという形で完成している。ひょっとすると俺が望むボードゲームは、「信長の野望」のような総合的な面白さを対人かつ短時間で味わえるように出来上がったゲームなのかもしれない。そんなのってあるのかな。実は「信長の野望」がPCでできれば、俺はそれで満足するのかもしれない(昔やった Playstation 版はさすがにもうやる気はしない)。

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 「How To Train Your Dragon(ヒックとドラゴン)」は「アバター」に続きまたもや宮崎映画焼き直しモチーフ満載で、飛行シーンや、主人公だけがドラゴンは邪悪ではないとわかりそれを隠し父親に (以下略)...というあたり全部ナウシカだなあと思った。そのドラゴンが猫と犬とツンデレの女の子とポケモンという子供が好きなかわいいものセットから合成されてるのがなんとも安易である。まあかわいいけどね。

 ハリウッドのアニメクリエイターは志が低い。動物が喋る話かこういう焼き直しばかりだ。人物も「アバター」的怒れるマッチョアメリカンと、こういう《うろたえ臆病で弱いが本当は勇気があるいい人》の2種類しかないではないか。Mも主人公の声が嫌だと言っていたが、そのあまりの個性と魅力のなさに苛立っていたのだろう。

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■11/01/29(土) □ アジア王座奪還
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 【アジアカップ決勝】普通にやれば負けるはずがないのだが、日本の守備陣の足並みが揃う前に2発シュートを打たれる。パスもつながらない。フィジカルの劣勢で中盤でボールが保持できない展開が続く。日本は疲れがあるのだろうか。豪はキューウェルとケーヒルにボールを飛ばし、シンプルにガツんと攻めてくる。イングリッシュな感じの豪の崩しに次々に好機を作られ、よくない流れが延々と続く。

 35 分、ようやく日本がパスをつないで崩そうかと試みるが、引かれると自分のほうがミスをしてボールを失ってしまう。好機はまったく作れず前半終了。これはどうも、予想外な展開だ。これまで試合に出てなかったのでこの苦しい展開に対応できず攻撃にも守備にも効いてない藤本を替えるのは当然だが、劣勢は彼のせいではなくとにかく日本のパスと動きのスピードが上がらないのだ。香川がここにいても同じことである。

 日本のデキが非常に悪いのもあるが、豪が WC 予選時より強くなってるのも事実である。あの頃はピッチのどこでも日本のほうがうまく、アクシデントがなければ負ける気がしなかったのだが、このチームはシンプル確実なハードワークが見事に機能しつけ込む隙がない。オジェックは結局いい監督だったのか? 昔彼が監督だった頃のカナダが同じようにシンプル確実なハードワークからアクシデント的得点でゴールドカップに勝ってしまったのだが(当時俺が書いた記事がまだスポナビに残っている)、この豪はそれに加えカナダより人材が揃っている。キューウェルなんか年をとっても本田よりうまい。

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 【後半】藤本に替え誰が入るのかと注目していると、答えは岩政。3バックにして両サイドを上げるのかな。この策は見事に効き攻守とも安定したが、しかし両ウィングバックの攻撃力頼みというのが日本のベンチの苦しさを表している。内田は突破するまでの切れはないし、長友も動きはいいけれど組み立てのアイデアは不足している。クロスを入れても真ん中で勝てないしなー。

 あ、今野が左SBに入っての4バックか。―――あそうか、長友をもうウィンガーとして前に出しているんだ。わかった。なんという大胆な采配。そしてそれは完璧に効いている。さすがは玄人監督。しかし双方決め手なく延長へ。

 延長前半、李が入る。入って早々に落ち着いたいいプレイでボールをキープ。相手の脚が止まったこともあり日本がボールを持つ時間は長くなっているが、双方散発的にチャンスを迎えゴールには至らず前半終了。フォーメーション変更以後は日本が劣勢というゲームではないが、豪のほうが得点機はより近いというバランスは変わっていない。うーん。

 そして長友のあの突破から李のクリーンゴールとなったわけである。結局苦しい試合は個の力で唐突に決まるのだ。しかしなんで李がノーマークだったんだ(笑)。まあよかったよかった。アジア王座奪還だ。

 とにかくよく失点しなかった。これはDFたちと川島の勝利である。みんなえらい。日本は夜中だがめちゃ盛り上がっているらしい。俺も町に出て車のクラクションでも鳴らしたいところだが、ユーロならアリだろうがアジアカップは韓国人街にでも行かないと俺のこのうれしさはわかってもらえないだろう。いつかアジアカップも世界から注目されますように。日韓豪は見るに価するサッカーをやっているぞ。

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■11/01/30(日) □ カルカソンヌ・ロボットを発見
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Java が入っていれば Win でも Mac でも
Linux でも動くカルカソンヌ・ロボット

 英語圏ゲームサイト BoardGameGeek にPC版ボードゲームという長大なスレッドがあり、そこでなんと Java のカルカソンヌ JCloisterZone が見つかった。UI 的に BrettspielWelt オンラインよりかなりしょぼいのであまり期待せずに試してみると、―――うわ強いぞこのカルカソボット、初戦はなんとドロー (^-^;。

 都市乗っ取りの攻防では攻守ともにからきし下手なのだが、草原はちゃんといいところを取ってくるし、なによりブロック&トラップ的な置き方が実にうまく、こっちがリスクを考えずに打ってると簡単にトラップされてしまう。うまい。たぶん敵が』の字、コの字地形にいたらトラップするという基本戦術がプログラムされてるのだろう。そういう危険な地形を作らずにプレイするという練習にちゃんとなるのだ。たいしたものだ。

 相手がPCだと俺も驚くほど豊富に相手をトラップするアイデアが浮かんでくる。それこそどんなタイルでも相手の妨害に使え、自分はしっかりと点を取りつつ相手を毎度数個トラップできる。やっぱ無慈悲になるとこのゲームは強いんだわ。人間相手にもこういう冷酷な打ち方ができるのが、オンライン BrettspielWelt の破壊者たちなわけだ。俺は人に対してはそこまでできんが、PC相手なら嫌なプレイをすることは勉強になるし、けっこう楽しい(笑)。

 いやーこれは素晴らしい、これでいつでも速攻で歯ごたえのあるボットとカルカソンヌがやれます。待ち時間がないので対人の半分の時間、10 分そこそこでできる。拡張タイルも揃っている。ありがたやありがたや。

2011/01/31

日記「ボードゲームお試しの日々」

「カタンを習う」「チケットトゥライド」「アジアサッカーのショーケース」ほか。

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■11/01/19(水) □ 過ぎ去っていく子供らの子供時代
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 萌の前の学校の友達ALがカルガリーに引っ越すことになり、サヨナラの手紙と写真を渡しに行く。転校で会う機会が減って以来2人のフレンドシップはトーンダウンしてしまい、永の別れとなるであろうこの引越しに関しても萌はセンチメンタルなところがあまりない。こないだ遊んだ帰り際に「じゃカルガリーで元気でね」とえらいあっさりと別れを告げたので、それだけじゃALがなんか気の毒だと俺が思い、萌に手紙を書かせ、写真を選んでプリントしてあげたのだ。


数少ない去年の真夏日、最高でした
 実際2人よりも俺のほうがはるかにセンチメンタルになっており、去年の夏の写真をプリントしながらしんみりとしてしまい、「あの海に行った日は、去年の最良の夏の日だったよ」とAL少年にメールを書いてしまった。子供ってまったくアッサリしてるよ。親がこんなことにセンチになるのはたぶん、過ぎ去っていく子供らの子供時代に対して、本人たちよりも惜別の情が強いからなのだろう。

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■11/01/20(木) □ カタンを習う
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カタンのオンラインデモ
 カルカソンヌに死ぬほどハマり4ヶ月、依然まったく飽きていないが他のボードゲームもやりたくなり、ボードゲームの歴史を変えたという名作カタンのオンライン・チュートリアルをやってみた。「何もない緑は丘→羊毛が取れる、→木と土と麦と羊で町が作れる」といった、リファレンスがないと覚えられないタイプのルールだらけで難しい。説明書抜きで誰でも分かるカルカソンヌは偉大だ。

 2日で7~8回のデモゲームをし、あちこちでヒントを読んでようやくコツが飲み込めてきた。確率的に着実にポイントが出る土地を抑え、そこの町を拡大して毎ターン入ってくる資源を最大化し、トレードを活用して開発を波に乗せるのである。このベーシックな段取りが掴め、最後のゲームは計画通りに開発が進み「こうしてうまくいくとたしかに楽しいな」と思っていたのだが、突然敵が何かカードを引いて勝利。得点カードを引いたらしい。へえ(嘆息)。他のユーザーも言っているが、「カードを引いて点が入り終了」というのは実にしらける。

 【カタンの感想】資源セットアップがうまくいくと面白く、そうでないとつまらない。選択や運が悪く資源の役が揃わないときに、せめて枚数をためて何がしかの有効利用に使うという道があればいいのに、8枚以上は盗賊に持っていかれる「バースト」ルールのせいでコツコツためることすらできないのが腹立たしい。いい位置を取り正しく資源計画を立てほしいサイコロの目を出し資源を常に無駄なく使いきり増築していく者だけが幸せになれる、スイートスポットがえらい狭いルールだと感じるのだ。むろんナイトで勝つとか生産で勝つとかいくつかの勝利の道筋はあるのだろうが、整然たる計画を立てうまく行った人にしかこれは面白くないだろう。

 それに毎回最長ロードや最多アーミーで唐突に勝ちが決まりばっさりとゲームが終わるのもつらい。俺だって劣勢にせよいろいろ考えて仕込んでいるわけで、ちょっともう少し遊ばせてくれよと言いたくなる。終了後にボーナス&精算ポイントが入るわけじゃないから逆転の余地はまったくない。制作物の総合的な「出来栄え」で勝負がつくほうがクリエイティブで楽しいはずで、早いもの勝ちというのはゲームの終わり方として最も味気ない。

 全体的にせせこましく幾何学的なゲーム盤の見た目通りの、カツカツして遊びの広がりが感じられないゲームだった。もっとゆるやかに広く美しい地形で豪勢に資源を掘り出し、自分の陣地を拡げていくという爽快なゲームがやりたい。

 しかしカタンにあるこの「生産・取り引き」というシステムは実に楽しく、ドラクエでRPGを初めてやったときのようなときめきがある。面白い生産ゲームをぜひともやりたいなあと思う。探してみよう。

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■11/01/21(金) □ カタール戦
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 【カタール・日本】6時に起き後半から見る。カタールの堅守に日本が攻めあぐねている感じ。カタールの前線アフリカ南米勢はみんな脚が強烈に速いので、日本の守備陣はファウルを取られ苦しんでいる。厚く守ってボールを飛ばせば前線がなんとかしてくれるので、カタールのほうがチャンスは多い。

 香川は相変わらずボールが今ひとつ脚に吸いつかない状態だが、混戦からこぼれ球を香川が持ち出し左足で決める。よし。華麗ではなかったがあの落ち着きはさすが普段リーグで点を取りまくっているだけある。

 長谷部が前にドリブルで持ち出したり、飛び出してボールを引き出そうと変化をつけている。キャプテンらしい働き。本田はなぜか中盤にいるストライカーといった感じのプレイで、後ろ向きでボールを受けポストプレイばかりしている。シュートに持ち込めない中距離でポストなどしていても効果はない。ドリブラーがいないのだからトップ下はもっと早くボールを散らさないとチャンスは作れないだろう。パッサーとしてひらめきを見せていた柏木を出してほしい。

 残り 10 分、日本がボールキープできず相手のCKが増えてきて、負けるとは思わないがこのままではもう1点取れる気もしないと思っていると、長谷部の高速スルーを香川がぎりぎりコントロールして持ち出し倒され、伊野波がこぼれ球を決める。あのスルーを出した長谷部もそのボールを失わずあそこまで持ち出した香川もえらかった。素晴らしい。

 というわけで、やれやれの辛勝。日本は勝ったもののトップフォームとはとても言いがたい。香川はなんでブンデスで点をボカスカ取ってるのかわかるプレイを2回見せてくれたがまだまだ本領はこんなものじゃないだろうし、グレイトなのは長谷部だけだった。これで韓国には勝てんだろう。本田のポジションを変えるか、彼のプレイ選択を変えていかないと。

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■11/01/22(土) □ チケットトゥライド
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 カタンでコンピュータ相手のボードゲームの気楽さを知ると、破壊型プレイヤーに会うこともままあり、いったん始まったらしばらくPC前から離れられない BSW でのオンライン・カルカソンヌ対戦を重く感じるようになる。カタン以外にもなにかソロプレイができるボードゲームはないものかと探してみる。と、なんとほしかった最強初心者向けゲーム「チケットトゥライド」のデモが見つかった。やっ・た。ルールを読みながらやってみよう。


チケットトゥライドOnline
 デモでやれる3ゲームを終了。1戦目はルールがわからず何度も中断してルールを確認し、2戦目で要領がわかってロボット相手に2位となった。面白い。敵が自分に近い路線に来ていると、先に取られたらつなげなくなるぜと焦る。欲しいカードを取りたいが、あの路線を今取らないとヤバいというジレンマがある。取れなかった路線を回してつないでいくあたりはなんとも楽しい。

 しかしルールが「これだけ?」ちゅうくらいシンプルなゲームで、楽しいけれどえらいあっさりしているなと思う。なにかメインの路線接続以外の得点法はないのかな(※)。まあカルカソンヌも最初は対戦プレイヤーとの絡み方や草原がわからず肩すかし感があり、そこが分かってからとめどもない熱狂が始まったので、チケライも慣れて相手と路線を奪い合うようになればもっと盛り上がるのだろう。
(※)調べてみると3の「メルクリン」は乗客ルールというものがあり、それで 30 点どーんと取れることがあるらしい。それがカルカソンヌの「草原ルール」に相当するサブ得点法だな。

 続いて同じくデモの【チケットトゥライド・ヨーロッパ】。1の北米大陸よりも路線が密集したマップ、トンネルルールがやや面倒。せせこましいので、人にワルシャワ線を取られたらもうベルリン→モスクワがつなげなくなってしまった。それくらい狭い。

 しかしあとから「駅舎」をつかえばあの取られたワルシャワ線を自分の線路とカウントしていいのだと知り、それを使って2駅をつなぎ2戦目はポルトガルからストックホルムへの21点最長距離を見事接続した。気持ちイー。しかしこの「駅舎」は自分でつないだわけじゃないのでややチートっぽい気もする。これが1個ならまだしも、3個もあるんじゃどんな路線だって人の線路でつなげてしまうではないか(※)。
(※)Takkun 氏の評によれば、実際のボードでは単に駅舎コマを使わなければよく、このバージョンは最高とのこと。なるほど。

 USA と比較すると、追加ルールがなく広々した1のほうが楽しいかな。しかしデモだけでは甲乙付けがたい。どちらも文句なく楽しいけれど、やはり今俺はもう少しいろんなことがやれる生産系のゲームをやりたいな。

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■11/01/25(火) □ アジアサッカーのショーケース
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 朝5時半から【日韓戦】。序盤は日本が速く短いパスをつなぎ攻める。プレスも速い。韓国は中2日でやや疲れが残っているのかもしれないが、日本の動きが前の4試合より明らかにいい。

 12 分、韓国も反撃。長谷部がパクとばちばちやり合っている。韓国はいつ戦っても「やっぱり強いなあ」と思わせるものがある。現チームでは日本のほうがタレントが揃っていると感じるが。

 遠藤がワンタッチで完璧なスルー、長友のクロスに岡崎のヘッドがゴールポストでぎりぎり止まる! 素晴らしい攻撃だった。日本のパスの速さと正確性はWCより一段上がっている。これはいいぞ。

 20 分:―――え! PK。ロングボールに競ってパクにショルダータックルした今野にPK。15 番が決める。この甘いマスクの 15 番が韓国の新エースなんだろうか。しかし唐突で事故的な失点だが、時間はある。この試合は日本が明らかに支配している。技術に加えフィジカルコンディションで上回っている。パクも調子はよくなさそうだ。

 そして本田→長友→前田のビューティフルゴール。これだけ強い相手にあれほど美しいゴールを決めたというのは、日本代表史上に残るようなシーンだろう。スルーを出した本田もそれを紙一重でつるはげチャドゥリの裏で受け全速のままコントロールした長友も、ただ者ではないことを示すゴラッソなプレイだった。それこそ全盛期の中田英寿に匹敵するワールドクラスな2人である。香川もついに本領を発揮しており、ボールタッチが素晴らしい。この3人がフル稼働したら、これは強いわ日本。

 前半終了。素晴らしい。本田香川長友内田となぜ騒がれるのかよくわかる強さ巧さとクレバーさ、岡崎前田遠藤は J リーグのレベルを示す速さと巧さ、まさに日本サッカーのショーケース。前の4試合とは段違いだ。しかし韓国も出だしの重さが取れるとやはり強い。アジアサッカーのショーケースといえる試合になっている。

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 しかし前半飛ばしすぎたのか韓国が戦術的に対応してきたのか、後半はガラっと趨勢が変わってしまった。日本がまったく攻められない。韓国もアクシデント的にしかチャンスを作れないけれど、それを危険に結びつける力は十分にあるので怖い。この審判も怖い。

 後半60分:韓国が2人でごりごりと突破しシュート。代表歴の少ない岩政あたりは、あそこまで倒れず前に進み打ち切る相手とはあまりやったこともないかもしれない。すごい経験である。65 分、往時の中田ヒデを思わせる本田の絶品なトラップ、しかしそれに振り切られずついていてシュートを打たせなかった韓国 DF もたいしたものである。

 韓国のパスワークにも素晴らしいものがある。前半見せた日本のワンタッチパスは昔の小野のワールドユースチーム並みに美しく、韓国にはああいうサッカーはできないが、個人が個で持ちこたえここしかないというところに乾坤一擲のパスを送るという韓国のサッカーもほんとにさすがである。魂を感じる。

 延長5分:岡崎はまだ走っている。―――PK! えー。まあいいけど(笑)。やっぱ一番疲れてない細貝が一番最初に追いついた。

 延長後半、岡崎はまだ走っている(笑)。残り10分、韓国は放り込みを開始。そしてうわ、来た。やっぱいつもの諦めない韓国。うーむ。

 しかし川口同様頭脳はどうかと思うが PK 戦には無茶強そうだという国民の期待に応え、川島が止めてくれ試合終了。よし! いつもいつも勝てそうで勝てなかった韓国に勝て、無茶苦茶気分がいい。

 というわけで、今日の前半は素晴らしかった。素晴らしすぎた。あんな素晴らしい=神経が張り詰めるような絶妙なダイレクトパスサッカーを後半まで維持できるのかなと思ったら、やっぱり全然できなかった。決勝ではあの前半の9割程度を前後半通じて出せれば、もう楽勝だと思われます。ウシシ :-)。

2011/01/18

日記「シャキーン・ザ・ライブを世界に」

『「20 世紀少年」3部作』「Wii にふるえる子供心」「カルカソンヌの拡張考察」「岡崎はえらい」ほか。

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■11/01/04(火) □ 「20 世紀少年」3部作
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 映画「20 世紀少年」3部作を見終わる。3部作通じて物語はマンガ的すぎて(まあマンガなのだが)、面白さとうーむの微妙なあたりにある。(以下、ネタばれは書いてません)。

主役のケンジは、友人としての魅力はあるがなにか特別な人物とも見えない。その彼に数十年ぶりに会った幼なじみが全員命を預け、彼の姪を「最後の希望」と崇め助ける。この友情物語のキモ部分がすべて日本マンガ&ドラマ的リアリティのなさでできてるのが難しい。日本のハナシは「交通事故から助けてくれた人が実は会ったことがない双子の弟だった」みたいなのが多すぎるんだよな。

 全篇通じて彼が歌いまくりそれが人類の希望の詩となるという図も変であった。だってその歌が売れないバンドマンにふさわしく超つまらないのである。

 しかし昭和の町並み再現、大人にそっくりな子役発見、東京を囲む壁(永井豪の影響ありあり)、そしてもちろんあのロボットなどもろもろの映像はまさに「20 世紀日本マンガの映像化」で、すごかった。こんな映像が作れるとは、日本の特撮技術は飛躍を遂げたのね。マンガの歴史と円谷プロからの積み重ねが完璧に結びついている、20 世紀ニッポン文化の結晶だ。

 そして最後10分ほどのエピローグは、賛否両論あるだろうがよかったな。あれがなくてコンサートのシーンで終わっていたら、かなりハラホロヒレハレだっただろう。

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■11/01/07(金) □ Wii にふるえる子供心
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 久しぶりに萌と甥MKのところへ行く。カルカソンヌ2をクイックに1戦。萌は Wii をやりたかったのだがTVが壊れていてできない。しかしTVがなくてどうせ使えないのだからと、この Wii システム一式を萌が借りられることになった。萌は大喜びである。帰ってうれしさに飛び跳ねながらセットアップし、Wii スポーツを楽しむ。

 Wii は改めていろいろやってみると、実に優れた スポーツゲームばかりである。ボーリングやテニスなど、「本物ではないということ以外はすべて本物と同じである」という感じ。タイミング、手首の角度、スピード、スナップの効かせ方などなど、体技を上手に行うために必要なもののすべてがコントローラから画面に伝わっていくのだ。ほんとすごいわ。

 中にバスケットボールがあったのだが、これがまた驚きであった。ジャンプシュートのポーズを取らないと画面上のキャラのジャンプが足りず、打つ前に足がついてトラベリングになってしまう。なんでジャンプしてるかどうかが Wii に分かるんだ? すごい。角度だけじゃなくて上下方向の慣性も読み取っているのだろうか。結果萌の圧勝。俺は天井が低くてジャンプシュートできず、1点も取れなかった(笑)。

 任天堂ってほんと革命的だよな。ソニーや他社がグラフィック命のモンスターと化して行くなか、どうしたらもっと面白い遊びができるかと考え、Wii とか DS をばーんと作っちゃうところが任天堂はすごい。

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ひとしきり遊んだ後萌は、「このくらいにしとく」と興奮疲れで自ら早めに終了し、「Wii ってほんっっとにいいよね!」と俺に心から語りかけ、そして日本のイトコAちゃんに電話したいと言い出した。そして「Wii をもらったってAちゃんに言いたいの、そう言っていい?」と聞くのだ。なにか複雑な子供の胸のときめきがそこにあるようである。Wii がうちにあることがうれしくてうれしくて、そのうれしさを「借りてるだけ」ということで水で薄めたくないのかもしれない。

 こりゃこれから俺は貸してくれたMKに働きかけてだな、「こんなに喜んでるのに返せと言えないぞお前」と、そのような方向に持って行きたい。父として。

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■11/01/06(木) □ カルカソンヌの拡張考察
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 うちはカルカソンヌ購入以来ずっと俺が拡張セット1のデカコマ抜きのハンデでやってきたのだが(総手コマ数は同じ8個、つまり大人はデカコマを得点ボード上のマーカーとして使う)、最近は萌があまりにも強く、俺がどれほど頑張っても勝てなくなってきた。ここのところ1勝4敗くらいなのである。ここまで差がつくとやはりつまらない。もう萌に対しデカコマハンデは無理が来ているのである。

 そこで萌といろいろ試してみて、俺もデカコマを使い、萌にはうちで使ってない「修道院と市長」セットの市長コマを2個目のデカコマとして持たせることにした。何度か試したがこれはバランスがいい。俺もデカコマがあればこれまで不可能だった乗っ取りができるし、萌は当然デカコマ2つを1つの都市に送り込んだり(つまり4コマ相当!)、2箇所で同時に乗っ取りを敢行したりとクレバーに使える。全体としては萌が有利なまま、しかしこれでより競ったゲームが増えるはずだ。

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 カルカソンヌは疑いの余地なく最高級のゲームだが、この市長コマなど拡張セットの追加ルールはバランスに難があるものが多い。俺がやったことがあるものを列挙してみると、

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 【拡張1:大聖堂と宿屋】
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 大聖堂都市タイル数x3点は点が大きすぎて、エキサイティングではあるのだが大都市1個で勝敗が決まってしまうことが多々ある。逆に未完成でゼロ点制も酷すぎる場合が多い。そこで大聖堂都市はサイズに関わらず+ボーナス5点、未完成時はマイナス5点くらいが手頃なのではないかと思う。
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 【拡張2:商人と建築士】
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 オンライン BrettspielWelt で一番人気があるのだが、建築士コマのために勝っても負けても常に大差になる。要は追加タイルを引ける建築士コマの活用度で引けるタイル数が大きく異なるからで、相手の建築コマを凍結し(クローズしにくい場所に追い込み)、自分だけ多くのタイルを引くというのが最重要キラー戦術となる。これに成功したほうが大勝するわけだ。同じ持ちリソースから多くの点を取るのがゲームの技量というもので、持ちリソースが大きく違ってはフェアネスを欠くと思う。商品も人の都市を完成させたらその分相手の点を削れるというルール(商品2枚で4点奪取とか)なら面白いが、ポイントをためるというのはまだるっこしい。
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 【拡張5:王女とドラゴン】
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 これも BrettspielWelt でやってみたが、置いてあるコマを除去できるというのは無茶苦茶なルールで、大きな都市に誰もおらず、次に都市タイルを引いた人のものになるなんて馬鹿げた事態が多発する。これじゃカルカソンヌではなく別のゲームである。
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 【拡張9:修道院と市長】
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 クリスマスでもらったが、追加コマはゲームバランスを崩すので1つも使っていない。都市にあるクレスト (紋章) の数と強さがイコールになる市長コマは、大きな都市では4コマ相当にもなり無敵すぎ、カルカソンヌの基本戦術を壊すので没。敵の農場を奪い取る大農場も同じく没。完成した地形からその隣へと移動できるワゴンは使ってみると全然機能しない。それにそもそもコマが3つも増えるとコマ不足が発生しなくなり、面白さが減る。

 というわけで、ほしいルールだけを採用し、さらにその家に合ったようなルールでやるのが一番楽しいのである。他のルールでやってる人とプレイするときは公式ルールでやるしかないけれど。

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■11/01/11(火) □ シャキーン・ザ・ライブを世界に
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 昨年秋に放送された「シャキーン・ザ・ライブ」を Youtube にアップロードした。ほんとにいいコンサートだったので、多くの人に見てもらいたいのだ。



①ザ・シャキーンズのテーマ

メインボーカルの気弱さが歌詞のテーマにどんぴしゃ。そしてサビに入ってくるセカンドボーカルの声にぶっ飛びます。誰だこのベースはと調べてみると、外人部隊というユニットの ACKO という人らしい。なんてかっこいいんだ。



②かんじてごらん
楽器の音色、コード、コーラスとすべてがビートルズで、歌詞は全部小1の学習漢字でできているというもう、傑作工芸品といえる曲であります。メインボーカルのテツロー、サイドのサキタの両者とも声量と技巧がないのが実にロック。エンディングのこの圧倒的なサイケ音を現場で浴びた親子は幸せものだ。



③知るや君
古典の教養がない私たちにも島崎藤村の美しさが分かる名曲、「知るや君」。この曲が音楽教科書に載り、作曲のサキタハヂメが毎月のお米代を終生もらってもいいくらいの曲だと思う。ノエ(熊本野映)さんの歌も素晴らしい。



④いっしょにいるから
弱い心と体を持ち才能はあるがなかなか日の当たらない(ように見える)テツローを、お日様のようにつよく照らし、その温かさを知るノエ。JPOP は「あなたを信じてるそばにいる待っている」てな、いわば無条件サポートを謳う保証書みたいな歌ばっかりですが、この歌にはそれらとは違う、人という字は支え合ってるのだという普遍的な善美があります。メンバー間でボーカルを回していくというクラシックなことをしてくれる二番にもほんとに泣ける。ここでもベース ACKO 氏の声が突き抜けている。



⑤うた時計
御大ムッシュかまやつもくるみ割りソルジャーとなり登場。このコードとメロディの豊かさよ。この曲のアニメ版は3分で地球の歴史が学べておおおと勉強になるんだよね。どこかに残っていないものか。というわけで、後世になんとか伝えたいすばらしいコンサートでした。

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■11/01/13(木) □ アジアカップ・ネット観戦
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 ネットで日本シリア戦がライブで見られた。ありがたい。見たのは後半だけだが、シリアが予想以上にいいサッカーをやってるなあという感じ。中東はどこも昔から日本より足技はうまいわけだが、その技巧とチーム全体のマネージメント力が釣り合ってきたのだろう。攻撃に人数をかけているし、守りも前から仕掛けているので日本がそうそう自由にはプレイできない。日本の失点シーンでも相手の詰めがあったからミスが連鎖したのだ。

 日本は格上サッカーをやっており、結果も幸いそうなったのだが、本田、香川あたりがもうチト「モノが違う」プレイをしてくれないと今後も点はなかなか入らないだろう。この試合ではどちらもJリーグの普通のうまい選手としか見えなかった。とりあえずWCでのイタリーのように、苦しみながら勝ち進み調子を上げてくだされ。

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■11/01/17(月) □ 岡崎はえらい
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 【日本-サウジ】セカンドハーフに間に合うよう6時に起きると、なんとすでに3点入っていた。岡崎が裏に抜けてループ、ニアに飛び込んで完璧なダイビングヘッド。前田がクロスに合わせ3点目。非常にイージーなゲームのようである。柏木が入っているらしい。本田を休めているのかな。

 後半早々伊野波のクロスから前田が2点目。内田がイエローをもらったから次の試合に慣らすために伊野波を出したとのことで、その彼がさっそくアシストなんだから日本にはツキもある。

 サウジがやけになってラフなプレイをすることはなく、プレスはゆるくなっている。サウジってこれだからWCでいつも大敗するんだよな。日本にとっては相手のボールをしっかりと奪い攻撃というちょうどいい練習になっている感じ。香川が相変わらずJリーグレベルなのを除けば磐石の日本であるようだ。まあJリーグレベルで国際マッチでも十分通用するんだけど。吉田に換えて岩政、ザッケローニはジーコや岡田監督と違って合理的にサブを使ってくれていいなあ。このあと李にもチャンスが与えられるだろう。

 日本は柏木がズバっと意外性のあるスルーやミドルを狙うことが多い。カナダユースの時も思ったが前園みたいだ。ああいうファンタジスタな角度とタイミングのボール出しって中田俊輔が衰えて以来日本代表じゃ見てないので、どんどん狙い成功し代表に定着してもらいたい。

 岡崎ハット! 狭いところを前田とのコンビで通していきステップなしのトゥキックで撃ちぬく素晴らしいゴールだった。あれができれば移籍と噂のドイツでもどんどん点が取れるだろう。あんなシュートが打てるならどんな相手からだって点が取れる可能性があるよな。才気にあふれ器用な選手ではないのだが、一発で得点機に持ち込むことだけは死ぬほど反復してやってるのだろう。えらいえらい。

 ありがたやありがたやの5-0勝利。早起きの必要もないほどゆるい後半だったが、ダイジェストじゃ見られないだろう柏木のひらめきを何度も見ることができたので満足である。

2011/01/05

日記「3つのカルカソンヌ拡張セット(カルカソンヌ破壊者論)」

デストロイヤー対策(カルカソンヌ破壊者論 」「カラオケの嵐」ほか。

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■10/12/26(日) □「坂の上の雲」
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BV家でクリスマスブランチ。夜、録画しておいた NHK「坂の上の雲」を見る。明治の青年期を描いた第一部はその映像が宝物のようでわくわくしたのだが、戦闘が始まってしまうともうどこの国のどの戦争映画とも変わりはなく、すでに本で読んでる人間としては映像化による喜びはあまり感じない。

華やかなロシア王朝などを描いた部分も同じで、金がかかっただろうなあ、すごいなあと思うだけであった。で第3部の放送は1年後というのがすごいな(笑)。戦闘をはしょってもっと早く見せてくれ。

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■10/12/27(月) □ 3つのカルカソンヌ拡張セット
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俺はクリスマスプレゼントで3つものカルカソンヌ拡張セットをもらってしまった。ゲーム時間を伸ばしたくないのでミニセット「キング&スカウト」だけを頼んでおいたのだが、萌が「リバー2」を、MKが「メイヤー&アビー」を買ってしまったのである。特に「アビー」はタイルもコマも増えて新ルールが入り、非常に複雑化してしまう。うーむ。とりあえず1つずつ試してみよう。

「キング&スカウト(王と斥候)」は、一番大きな都市、一番長い道をそれぞれ完成させた人にボーナスが入るというミニセット。萌がさっそく張り切って 16 タイルの超ロングレイクロードと 48 ポイントの大聖堂シティを完成する。そこにリソースを傾注しすぎたゆえ他で点が取れず結果 12 点差で負けたのだが、そこで「あ、キングだよ萌!」と気がつき、10 点 x 2 が入り、Yahoo! と大興奮大逆転大成功初戦となった。

やっぱこりゃいいな。オンライン BrettspielWelt でも劣勢を王と斥候で逆転できることがしばしばあるのだ。新タイルもそれぞれかっこいい。都市王と道王タイトルホルダーがもらえるタイルも、まあかわいいし :-)。

「リバー2」は 12 タイルの川をランダムに組み立て、そこからゲームがスタートするというミニセット。初期の選択肢が増え、このあたりに俺様の都市群を築いていこうという戦略性が増す。それに草原を分割する効果が高いので、大きな草原を巡り2~3コマが争い負けたほうが草原点ゼロ点という悲惨な争いが避けられる。分岐は風景としてきれいだし、使いたいときだけ混ぜて使えるし、これはよいアクセントである。


大都市で絶大な権力を持つ市長、
町から道へと移動できるワゴン、
草原を独占する大農場コマ
そしてこの「アビー&メイヤー(修道院と市長)」が問題だ。ルールを読んで萌と共に1つずつコマを試してみたが、その働きはそれぞれ面白いものの、ゲームのメカニズムを大きく変えてしまうのでどれも使う気がしない。それにそもそも3つも手ゴマが増えてしまうと、限られた手ゴマをうまく工夫し配置するというカルカソンヌの面白さがなくなってしまうのである。



この空きスペースに置けば
道と都市がクローズ扱いになる
しかし追加タイルは非常に面白い。立体交差が入り、大きな草原を分割する効果が高い町&道タイルが増え、行き止まりの道やロータリーなどが入っている。面白い。

そして各自1枚配布されるアビー(大修道院)タイルが最高。どこにでも置けるワイルドカードで、大きな町をクローズできない終盤に切り札として実に助かるのだ。萌とも相談し、うちでは追加コマは加えずタイルとアビーだけを使うことにした。

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寝る前に上記のタイルを加えもう1戦。これまたいい試合で、最後に萌がクローズできなかった道と町をアビー1枚できれいにクローズし、これで見事に点がドローとなった。なんていい勝負なんだと感動していると、王と斥候で萌にさらに 20 点が入り快勝、がっくし。

しかしタイルが増え追加ルールもありながら、それでも最後は僅差になるのだから素晴らしいゲームだ。やっぱ開発元も何百回もテストプレイした上で、熟練者同士ならいい勝負になると判断し各種ルールを決めてるんだろうな。ほんと素晴らしいゲームだわ。クイックで運と戦術の両方があり、ハンデも簡単につけられ、やるたびに景色が新しい。他にこんな完璧なボードゲームがあるのか疑わしいくらいである。

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■10/12/30(木) □ デストロイヤー対策(カルカソンヌ破壊者論
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BrettspielWelt オンライン・カルカソンヌで2ゲーム連続で破壊型プレイヤーに当たり、げんなりさせられた。2人目にはやめると宣言し俺は途中で抜けた。彼らがやってるのはサディスティックないたぶりであって、ゲームではない。こういう悪趣味に付き合う義務など誰にもない。

コの字の内部に町を作るなどタイル1枚でトラップ(ミープルを未完成建物に封じ込め使用不能にすること)されるようなミスをしたら、そこにつけ込まれるのはこれはもう単なる下手であり仕方がない。でかい町の完成を妨害し、その結果としてトラップするのも勝負ではアリに決まっている(俺はよほど相手がポカをしない限りトラップまではしないけど)。しかし Her**ma や今日の相手のように、自分の町を作らず最初から全タイルを使い相手の町を壊しに行くのは、まったくフェアではない。なぜならば;

◆カルカソンヌではメカニズム上破壊は防げない

防御側(普通の)プレイヤーは敵が侵入できずかつクローズが可能であるよう考え抜いて構築していくわけだが―――そこがこのゲームデザインの神がかった優秀さなのだ―――、破壊者は侵入と得点は目的ではなくクローズが不可能になればいいのだから、どんなタイルでも相手の町の周りにガンガン置いて妨害していけば、いつかは必ず不可能地形にできる。これは時間の問題で、攻撃される方は相手の狙いが見え見えでも防ぐ方法がない。運がよければ不可能にされる前に必要なタイルを引いてクローズできるが、クローズに必要なマッチするタイルは有限で、マッチしない=破壊タイルは悲しいことに無限にあるのである(※)。
(※)ためしに1人2役で片方が妨害と破壊だけをやってみると、簡単に2個をトラップし、4個を終盤までフリーズすることができた。やはりこれじゃゲームにならない。

◆得点方法を逆手に取っている

防御側プレイヤーは乗っ取られないよう大事な町には多くのコマを入れるが、そうすればするほど破壊者にとってはトラップできるおいしいターゲットが増えるわけで、破壊の結果防御側は多くのミープルを一気に失う。つまり点を取ろうとすると罠にかかるという逆手になっている。

◆破壊者は攻撃を受けない

前半すべてのタイルを妨害と破壊に使う破壊者は、自分の町を持たないので攻撃を受けコマを失うことがない。したがって終盤はコマ数で圧倒的優位な破壊者が得点機を独占し、負ける可能性はほぼ皆無となる。

つまりカルカソンヌのおそらく唯一の必勝法がこれ、「序盤は破壊だけ行い敵のコマを壊滅的に減らす」なのだ。これ以外に Her**ma たちが 80% なんて数字を出せるわけがない。実際昨日の3人戦では今日の破壊者 bej** がいいところなくビリだったわけだしな。あれは2人を破壊するにはタイルと回ってくるターン数が足りないので、破壊を控えめに普通に打っていたわけである。すると彼らには必勝の切り札などないのだ。

カルカソンヌの製造元もルールとしてこういう破壊行為は禁止しようがないわけで(文章化もシステム化も無理)、このゲーム(―――おそらくあらゆる対人ゲーム―――)の楽しさはお互いに楽しもうという人々の善意にかかっている。善意を持たないプレイヤーとのゲームは避けるしかない。今後はほんとこういう輩は相手にしないでいこう。目安としては自分で町を作ってるかどうかで、数手打つだけで分かる。

【Her**ma 後日談】その後オンラインゲームサイト BSW のカルカソ破壊魔王ドイツ人 Her**ma からまたゲームを挑まれ速攻で逃亡したのだが、彼はおそろしいことにチャットで追尾してきた。

「逃げるのか貴様。答えろ」
「いやだって対戦相手を選ぶ権利は誰でもあるでしょう」
「いや、貴様は対戦相手募集とフラグを立てていた。したがって私の対戦要求に少なくとも答える義務がある。黙って去るのは非礼だ」
「それは失礼。しかし、ぼくは君のプレイスタイルが好きじゃないんだよ。だから今後はどうしたら非礼のないように君を避けられるか考えますよ。じゃ」
「待て。つまり貴様は私のような強い相手とはやりたくないというのだな」
「まあなんとでもw じゃ」

とまあ、打ち手通り高飛車な閣下でした。こわかった(笑)。

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■10/12/31(金) □ カラオケの嵐
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ごった返す大晦日の中華スーパーで年越しの買い出しをし、晩飯はカニ鍋。俺は生きたカニを殺す度胸がないので普通のカニ足だけ買ってきたのだが、それでもやはり鍋はうまかった。案ずるより鍋が易し。

そして鍋のあと、年越しカラオケ大会をやってるというNKさん宅にマイクとアンプを提供がてら訪ねてみると、子供らは紅白を見ながら「嵐」の歌を歌い盛り上がっている。なんという完璧な日本のお年越しなんだ。日本人家庭はみんなやっぱり TV Japan で「怪物くん」を見て盛り上がっていたらしく、「怪物くん」「モンスター」では全員大合唱だった。

KDさんは「嵐」の大ファンだそうで、モンスターを歌いながらなんと「嵐」うちわを振っていた。どこでそんなものを手に入れたんだ君は(笑)。萌はPC上でセットアップしてもらったカラオケでも「モンスター」を歌い踊る。カラオケ自体が萌は生まれて初めてだろう。ビデオを持っていけばよかった。よかったよかったのお年越しでした。

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紅白はいつも通り早朝録画して早送りで見、ちゃんと見たのは怪物くん、嵐、桑田佳祐、ドリカムの4曲くらい。桑田とドリカムはよかった。ドリカムは年に1度しか俺は見ないが、毎年その音楽の力に感動させられる。萌も一度見ただけで歌を覚え、吉田美和さんのジャンプを真似てましたよ。素晴らしきワールドミュージック。

2010/12/29

日記「叱られクリスマスコンサート」

「LD家カルカソンヌ大盛り上がり」「クリスマス欝」「『原始の営み』感想」ほか。

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■10/12/14(火) □ クリスマスプレゼントいろいろ
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 クリスマスプレゼントで小型掃除機を買ってもらった。絨毯をやるときは今あるビルトイン(壁埋込み式)掃除機を使うのにやぶさかではないが、長大ホースの出し入れと扱いが大変で、もっと小回りの効く普通の掃除機が長年ほしかったのである。

 アメリカ・カナダの工業製品はなんでもそうだが、思いつきはいいがアプリケーションが悪い。ビルトイン掃除機なんてのも排気を屋外に出すというアイデアは素晴らしく文句ないが、ホースがあれほど長いと実に使いづらいし、そしてあれだけ長くても家の中にはホースが届かない場所がたくさんあるのだ。うちは上下階1つずつしか排気コネクタがないのだが、2部屋に1つくらいつけておいてもらいたい。


ロボット掃除機。赤外線センサーやら
オートチャージャーやらを動員して、
1部屋1時間もかけてノロノロお掃除
義母BRが1階で使ってるロボット掃除機も、オートでマッピングして床中くまなく掃除するというアイデアを思いつくのはいいが、実現されたロボットが1部屋の掃除に1時間もかかるのだからバカげている。人間がやれば3分で終わる仕事を、ギーコギーコというノイズを轟かせ1時間やってるのだから、作った人も使う人もアホかとしか言いようがない。BRは超耳が遠いので気にならないらしいが、あんなものが周りにあったらあまりの無駄とうるささに俺は気が狂うだろう。いくらロボットでも 10 分かそこらで終わるようにしとけよな。米加の技術者というのはかようにことごとく、作ってテストし改良するというマインドがないのではないかと疑うのである。

 ともあれデパート Sears の新掃除機だが、日本製に比べると大きさとノイズが 1.5 倍、吸引力とヘッドのデキは 50% といったところ。しかしカナダで手に入るものとしてはこんなもんだろう。今日はクリスマスツリーを入れたので、落ち葉吸い込みに大活躍であった。

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 夜、今度はLDに頼まれてプレゼント用のアコースティックギターを一緒に買いに行く。こないだ楽器屋で試し弾きした FG-200 はまったく昔の FG-200 と同じしょぼい音だったのだが、この店には FG-350 が百ドル台、FG-700 が2百ドル台である。ヤマハの価格構成は数字x万円と明確だったのだが、ポリシーが変わったのだろうか。

 聞けば中国製だそうでそれが安い理由なわけだが、ともあれこの FG-700S がなかなかいい音で、ぱらんと弾いただけでLDと俺の表情がぱっと輝く。低音のディープさに欠けるので俺みたいな乱暴な弾き方には合わないが、プレゼントするLDの兄貴はニール・ヤングやサイモン & ガーファンクルみたいのが好きだそうだから、こういうコードバランスがよく高音が繊細なギターは喜ばれるだろう。こないだの FG-200 とは2万円分くらい音が違う。LDは想定予算を超えていたので悩んでいたが、他の兄弟からもカンパを募って買うわと決定して購入を決定。きっと喜ばれるよ、これはいいギターだ。

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■10/12/15(水) □ 叱られクリスマスコンサート1
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 萌は今日クリスマスコンサートの第一部だったのだが、友達と後方でふざけていて観衆の面前で教師に痛罵されたのだとえらい動揺して帰ってきた。萌たちの態度がどれだけ目障りだったのかわからんからなんとも言えんが、「すぐにグレード5は下の子の模範なんだからっていうけど、そんなパーフェクトになんてなれないわ!」などと言う。

 「いや見てないからわからんけど、コンサート中に静かにしてろなんてパーフェクトというほど大げさなものでもないだろう、普通にちゃんとしてろってことだけでしょ」
「でも怖い顔で怒鳴りつけたんだよ!」
「いやたしかに教師っつーのはヒステリックな人が多いと思うけど(笑)、まあ子供がふざけて大人を怒らせるのは事実でさ、それはしょうがないんじゃないの? お父さんだって毎朝ちゃんと支度しろって萌に怒ってるじゃん、同じことだよ」

 萌はそれでも納得できないようだが、最近萌はつまらぬ口答えをするようになってきたし、やや反抗期に入ってきたのだろうな。ま、ふざけていたら叱られてくれ。そして反省してくれ。

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■10/12/16(木) □ 叱られクリスマスコンサート2
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 萌の学校のクリスマスコンサート2日目。「世界のクリスマス」という寸劇を曲間にはさんだ凝ったもので、その寸劇が長くて説明臭くて全然面白くなかったのが残念だが、とにかく力の入れようは前の学校とは大違いであった。音楽に熱心な先生が全クラスを指導したらしい。だからどのクラスの出し物も演出は似たり寄ったりではあったが、まあともあれどこもデキはよかった。

 しかしまた萌がどやしつけられて泣く。歌が終わった後バックステージで友達と談笑していたら昨日と同じ教師に萌だけが叱られたのだそうで、そりゃ昨日の件で萌はそのヒステリー教師に目をつけられているのだろう。「どの先生なんだ、昨日の件はちゃんと家で話し合って反省してるんだ理解してくれって話すよ」と萌に聞くも、萌は対立が怖いのかその教師のところに連れていってくれない。

 結局そのまま迎えに来たMの車に乗ったのだが、Mは「教師なんてそれくらいの誤解はいつでもするわよ、たいしたことじゃないわよ」と笑い飛ばしている。そうかなあ。俺はその教師のところに行って、「なるほど、友達と話して笑うことすら許されないのがあの、校長がコンサートでさかんに言っていた『クリスマスのラブと思いやりスピリット』ってやつですか」と言ってやりたかったぜ。まったく教師のいう思いやりなんて上辺だけだな、世界中どこでも。

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■10/12/18(土) □ LD家カルカソンヌ大盛り上がり
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 LD家のファミリーパーティへギターとカルカソンヌを持っていき盛り上がった。DVとその彼氏CKが熟練カルカソンヌ・プレイヤーで、初めてオフラインで大聖堂フルルールを使った本気カルカソンヌとなる。

 5人だと取れるタイル枚数に限りがあるので、大きな町を開いてしまうとクローズできない。だから俺は小ぶりの都市を作り、後半MKが作っていた大聖堂シティにマージしてシェアに成功する。しかしメインの大草原に俺だけが入っていけなかったので負けたと思ったが、うまくつないだロングレイクロードが効いてCKと1点差で俺の勝ちとなった。楽し :-)。

 俺はそれで疲れたMとBRのためにカルカソンヌを置いて帰ったのだが、その後はDVとKNも混じって大盛り上がりだったらしい。MKがメールで写真と実況を送ってきた。ああ俺も残っていられたらなあ。残念。

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 ちなみにこないだ頼まれてLDの兄貴KNのために買った YAMAHA FG700S は、ショップで指で弾いたときはバランスがよく粒が揃ったいい音だったのだが、ピックで弾くと音が想像したよりもかなり堅かった(店ではピックを使えなかった)。まあKNが弾き込んでくれたら馴染んでもっとよくなるだろうと思うが。ギターというのは自分の家とか、エレキならばバンドで使ってみないと本当の音はわからないものだ。楽器屋の試し弾きで選ぶのは難しい。

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■10/12/23(木) □ ハードボイルドな破壊者
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 BrettspielWelt オンライン・カルカソンヌで Tom.** という戦績やや格上の人と会い、開始数手でこいつは自分で町や道を作らない他人の町破壊専門業者だと判明。そこでトラップされないよう慎重に打ちながら、おもむろに話しかける。

「君は典型的なタイプだな」
「何が?」
「町を作ることに興味がない。ただ相手のコマをトラップしたいだけだ」
「そうかもね(笑)」


 このようなハードボイルドな会話で皮肉られても彼は全然めげずに破壊活動を続け、ついに俺の大都市の出口真ん前に障害物を置かれてしまう。くー。

 しかししばらくして、この障害物はこれはこれで町として完成できるなと気がついた。そこでさささとタイルを寄せてその町の外郭を閉じ、あとはこのシティを俺の大都市に切断か接続か、どちらかのタイルを引けば大得点という状態を見事に作り上げる。我ながら惚れ惚れする腕だ。

 そしてこんなダーティな奴とフェアに戦っている俺にカルカソンヌの神も微笑んだのか、たった1枚残った分割タイルが俺に出た。この1枚で 24 点+38 点の2都市が見事完成、大逆転勝ちとなった。この手の破壊業者に勝ったのは初めてである。うれしー\(^o^)/。

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■10/12/24(金) □ クリスマス欝
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 今年もクリスマスプレゼントを巡り欝になる。Mが俺に必要ないものを買おうとしたのでいらんと言いケンカになったのだ。クリスマスだからといって必要がないものを「買ってもらう」というのが俺は苦痛なのであって、人に買ってあげることは苦ではない。必要ないものを持ちたくないという俺のこの精神は偏屈なのだろうか。

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グリコのおまけみたいなコマがついてます
MKたちがクリスマスディナーに来て、「フォービドンアイランド(禁断の島)」という新しいカードゲームを持ってきた。「洪水を遅らせ宝を取って逃げる」というもので、これがまたこないだ彼が持ってきた「フォーミュラD」と同じで、「クレバーなシステム(複雑ながら論理的整合性がきれいに取れているルール)」だけがあり、ゲーム性がない。

 ゲームが進むほど洪水が早くなるルールシステムになっており、それで危機感を煽るのがこのゲームの「クレバー」さなわけだが、全プレイヤーがやることはまるでバケツリレーのように浸水扱いのカードを元に戻していく地道な作業ばかりで、教室で危機回避の図上シミュレーションをやってるような感じである(実際「パンデミック」という人気危機回避ゲームの簡易版らしい)。

 ルールもまったく直感的ではなく、ルールブックを読むMKの指示通りに皆が粛々と動くだけ、俺と萌が知恵を絞る要素はからきしない。思考と決断とその結果の報酬や失敗の味わいがゲーム性なのであり、リーダーの指示(―――というかルールの論理から導き出される最善手―――)に従うだけでは単なるドリルなのだ。どこへでも飛べる万能ヘリコプターカードなどが登場するいかにもアメリカっぽい格調の低さも合わせ、うーんという感じ。

 MKが盛りあげようとしてるので俺と萌も相槌を打つが、結局静かにゲームは終わった。こういう水が迫ってくる、逃げろというゲームはアクションゲームにはどうやったってかなわんだろう。MKってなんかゲームの面白さというものに対するセンスが俺とはえらい異なっているなと思う。「クレバー」ならばなんでも評価するようだが、クレバーで面白くなければ意味ないではないか。やっぱ Linux なんちうクレバーな傍流を本業にする奴は変わっとる(笑)。

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■10/12/25(土) □ 「原始の営み」感想
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イソップ童話をもらいました
クリスマスの朝。萌ももうほとんどティーンエージャーなのでおもちゃをもらうということもなく、例年通りたくさんの本と服と、友達とのディナー券(子供だけでレストランに行くというアイデア)などスペシャルイベントのチケットをもらった程度で、プレゼント的には静かなクリスマスだった。


カルカソンヌ2・城と道が森と川に
俺たちと同様にカルカソンヌにはまっているMK夫妻には、俺が「カルカソンヌ 2 - Hunters & Gatherers (原始の営み)」を贈呈した。さっそくやってみるとやはりオリジナルと絵柄があまりにも違いすぎて、どこがつながり終わっているのかよくわからずみな戸惑う。森というファジーな特徴が境界線を曖昧にしていてよくないのだろう。どういうタイルがあるのか全くわからないので、あまり野心的な建設はできないという感じで恐る恐る森を作る。1にはないので期待したボーナスタイルも別に盛り上がるイベントはなく、初回はルールを確認しながら淡々と終わった。全員「ふむ、なるほどね」という反応。やっぱオリジナル・カルカソンヌがあったらいらんかなあというのが正直な感想である。

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 しかし1回じゃよくわからんのでMKとサシでもう一度やってみる。するとこれはやはりカルカソンヌで、地形が見えてきていつも通りの思考が働き始め、MKも俺も盛り上がってきた。やっぱりカルカソンヌには、絵柄やルールが変わっても変わることはないほど強靭な面白さのメカニズムがある。

 そしてこの2は川(オリジナルの道に相当)が最高で、川の両端が池になっており、その両方の池の魚の数だけポイントが加算される。だから魚4匹とかの肥沃なレイクを引くと非常に盛り上がるし、得点した後も池は次の川につながるのでつないでいけば同じ池の魚からどんどん点が取れる。このおかげで双方に手頃な得点機がこつこつと途切れず、1よりも非常に生産的なゲームになる。水系に置く魚取り小屋ポイントも含め川が楽しく思考が進むのだ。

 草原も動物の多いタイルを自分の草原に集めていくという、オリジナルとは違った方向での開拓が面白い。ボーナスタイルもゲームを左右する強力なイベントは2つだけだと分かってしまえば当初の期待はずれ感もなくなり、出たタイルを「建築士」ルールのエクストラタイルと同じ感覚で自分の町や草原の得点アップにサクサクと使える。

 2回目をやって、これは大丈夫だ面白いと確信した。絵が好き好きとはいえベース・カルカソンヌより間違いなく面白い。俺は拡張セットを持ってるのでこれを欲しいとまでは思わないが、家族パーティにMKが持ってきたら俺はどんどんやりたいと思う。

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 【追記】(Jan 2011) その後MKと何度もやったのだが、やや弱点も感じられる。まず、誰が勝ってるか盤面から全然わからない。おそらく絵柄的にどこにどのサイズの町ができているか見えづらいことに加え、池に池をつなげばタイル2枚で8点とか取れたりするので、プレイしたタイル数や戦術的積み重ねと得点にかなりのズレがあるのだろう。考えてみると川は最短2枚で点が取れてしまうのだから、運だけで点が取れすぎるような気もする。もうちとレイクロードのように自分の工夫戦術努力によって点を取ったほうが面白い。

 その戦況の曖昧さに加えタイル5~6枚以上のでかい町があまりできないのが、このバージョンが楽しいけどやや盛りあがりに欠ける原因だろうな。タイル構成を見てみると3面タイルがオリジナルよりはるかに少ない。だから町が拡散せず3~4タイルですぐ閉じてしまうのだ。これは川同様サクサク点が取れクローズ不能が起きにくいというメリットはあるが、森を完成したときの達成感はなくあっさりしすぎているし、閉じるのが早いのでマージや乗っ取りの機会自体が少なく丁々発止のやりとりが全然発生しない。

 川の点は上記の理由でランダムだし森の争奪もないとなると、どこで知恵を絞り相手と競っているのかが微妙で、だから全体に平和的で楽しいけど個々が黙々と点を積み重ねる静かなゲームとなってしまう。

 こうして見るとやはりオリジナル・カルカソンヌの、でかい町と豊穣なファームが一目瞭然に育っていき、それを巡る攻防が自然と発生し明暗がクッキリつくというシステムは、シンプルで本当に偉大だなと実感するカル2感想であった。

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【追々記】(Nov 2012)その後オンライン戦で熟練者と戦い、考え直しました。これは名作です。これは森ではなく川の魚と草原の動物を育てるゲームなのだと。追記事「カルカソンヌ2は名作だった」

2010/12/14

日記「カルカソンヌ:デーモンとつばぜり合い」

「新学校最初の通知表」「『呪いのミイラ』発注」ほか。

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■10/12/01(水) □ もっと競技カルカソンヌを
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 萌と盛り上がる花札カルカソンヌ(手札3枚持ちルール)に初めてMを誘ってみると、計画乗っ取りの面白さに目覚めた萌がMにどんどん乗っ取りをかけてしまう。最初はみな笑ってたのだが、Mはスポーツや競技でのがつがつしたコンペティション自体が嫌いで平和的にやりたいのに萌がやたら突っかかってくるので、途中からやや機嫌を損ねてしまった。萌はMの機嫌が心配なのと興奮とで感情が入り乱れる。これはゲームで胸踊る 10 歳に競技性を抑制せよというほうが無理なのであって、萌には俺にだけアタックしろと言っておくべきだった。

 後半萌は俺が2コマ置いて守っている大聖堂シティにきれいに2コマ送り込んできた。素晴らしいテクニックである。こういうクリエイティブなプレイに興奮するのがゲームというものだ。攻防なしに各自町を築くだけならばカルカソンヌの面白さは半分も出てこない。Mや親戚とやると楽しいねで終わってしまい盛りあがりに欠けるのは、みなプレイ回数が少なく乗っ取り/マージという競技方向での創造性が発揮できないからだ。カルカソンヌは競技になったとき、ドイツ(=実質世界)ゲーム大賞に輝いたその面白さのすべてが出まくるのである。

 だから人と競合せず大きく美しい街を作りたいというMの方針は分かるが、美しい町を敵から守り完成させて勝つという方向に進んでもらいたいものである。町の防御にも創造性は生かせるのだ。

 しかしハンデありとはいえ 10 歳の娘とやってもこうして白熱するくらいの腕前なんだから、俺がBSWでなかなか勝てないのも当たり前だな(笑)。オンライン勝率は 40~42% あたりからまったく上がらない。勝率 50% あたりの一般プレイヤーとならばいつでもいい勝負になるが、60~70% の達人がごろごろいる世界だからなー。

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■10/12/02(木) □ 新学校最初の通知表
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 萌の1学期通知表がきた。なんと ABCCBC という感じ。これまで萌は言われたことだけ普通にやっていればAをもらっていたわけだが、そういうシステムをよしとする教師の下での数年の学業のせいで知的レイジーさが身についており、物事を強く深く考えようとしない態度が顕著になってしまっている。だからMが担任に「萌が言われたことだけやったならばCにしてくれ」と依頼し、その通りになったのである。

 これは萌には気の毒かなと思うと、彼女もお母さんにミニマムだけやってたら駄目とつねづね言われているから分かっているようで、「これが現実的な評価よね、もっと努力して上げないと」と悔しさを隠している。まあそうしてくれ。物事を考え抜くのだ。

 やはり普通の小学校に通い(フレンチだと教師の水準が英語よりも低い)キッズチャンネルを見ながら暮らしていると、子供のセンスが鈍麻していくのは当然である。俺とMがそうはならないようにと猛烈に働きかけてはいても、学校とTVの影響はものすごく強いのだ。

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■10/12/10(金) □ 「呪いのミイラ」発注
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 今夜うちにスリープオーバーするCHを送ってG夫妻がやってきて、お茶を飲み歓談となった。話をすればするほどハイソサエティでアーティスティックな夫妻である。俺たち夫婦など下世話な俗物に思える(汗)。


友達が完全に役になりきってるのに
照れる娘
 CHはうちに来る回を重ねるごとにハメの外し方が強烈になってきており、ものすごくエナジーとパッションが詰まった子なんだなと思う。萌と組んで芝居をするときの表情の変化なんか、すごい演技的才気に溢れているなあと感じる。萌はキュートだが、照れてしまうし芝居のセンスはあまりないようだ。


盤の向こう側から磁石でミイラが
ズイズイと追いかけてくる仕掛け
 プレゼント用に探していた「呪いのミイラ」が京都のゲーム屋で見つかり、これを日本の甥姪に送れることになった。ピラミッドの中で探検者が宝を盗んで逃げ、ミイラがヒントを頼りにそれを追いかけ捕まえるというゲーム。子どもがひゃ~と逃げ大人がウガオオオと追いかけたら、こりゃ盛り上がらないはずがない。うちでもほしいのだが、なぜか北米じゃ通販でも手に入らないのだ。残念。

 これを小さな子供たちに、中学生の甥っ子たちには当然ながらカルカソンヌを送る。年末年始ゲームで盛り上がってくれますように :-)。

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■10/12/11(土) □ デーモンとつばぜり合い
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  ┃ 久々のデーモン戦 ┃
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 オンライン・カルカソンヌ BrettspielWelt で、初回対戦時俺のコマ8個全部をトラップした悪魔的名手デーモン Her**ma に2週間ぶりに会う。俺もあれからやはり成長しておりそう易々とトラップされることはないし、乗っ取りも許さない。そしてこちらからも逆襲し奴のコマをトラップしてやる。攻撃されるとこの人は逆上するようで、タン! タン! タン! と打つのが異常に早くなる。こわー (^-^;。

 かくして中盤まで五分の試合を展開していたが、しかし人の大聖堂シティをクローズ不能にする彼の悪魔的手腕はやはりすさまじい。自分が引いた町タイルをどんどん俺の都市の開口部近辺に置いてくる。こちらは彼が都市にマージ(接続して点を強制シェアすること)できないようにタイルを配してるわけだが、Her**ma のような拡張破壊者は点が目的ではなく都市のオーナーが困ればそれでいいわけで、どんなタイルでも障害物として置けるのだ。

 置かれた町タイルをシティに接続してしまうと、その分開口部が広がる上に完成できるタイルの選択肢が狭まり、完成が難しくなってしまう。俺もそこは学習しているので、その妨害町タイルをシティから切断するタイル(大聖堂セットで5枚)が出るまで待つしかない。

 辛抱強く他の場所で小さな得点作業をし、切断タイルが出ると置かれた分を切り離してクローズ作業を再開する。するとまた拡げられる。あと2手でクローズというところまでは行ったのだが、また拡げられ、さらにダメ押しで完全に完成不可能になるタイルも置かれてこの町は破壊された。結局彼はこのシティを潰すためにタイルを6枚くらい使っていた。相変わらず徹底しておる。

 しかしまあこれで勝ち目は消えたが、前のように手も足も出ないという状態ではまったくないので知恵比べは楽しい。さらにもう1個 Her**ma のコマをトラップし、攻守とも互角のままゲームは進むが、俺が新たに町を作り直すほどタイル枚数は残っておらず今回も大差負け。【×85 / Her**ma 132】(16 分 54 秒)

 しかし相手はどう思ってるか知らないが、あのデーモンに十分に対抗できたのだからゲームとしては楽しかった。点差はついているがこれは得点リソースを大聖堂建築に使い破壊されたからで、何事も作るより壊すほうが簡単なのである。知恵くらべではまったく負けた気はしない。だんだんオンライン・カルカソンヌで自信がついてきた。引き運が悪かったりバカな悪手を打ってはボコボコ負けてるが、しかし運がよく悪手を打たなければ俺は誰とでもいい勝負ができるぜ :-)。

2010/12/04

日記「花札カルカソンヌ」

「ダルマ落としサイコー」「娘もカルカソンヌに目覚める」

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■10/11/24(水) □ ダルマ落としサイコー
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 週末萌が軽い風邪を引き、学校からの帰路夕方の日本語学校(1時間半)は休もうかと言ったのだが、どうしても来たいという。萌は学校で友達と会うのがなによりも楽しいんだろうな。


打たれた胴コマが宙に浮いてます
 で行った甲斐あって、こないだ萌が勝った気持ち悪いお化けコンテストのお絵かきコンテストの賞品として、ケン玉とダルマ落としをもらってきた。これは素晴らしいと大盛り上がり。ケン玉はよほど才能に恵まれないと楽しめないが、ダルマ落としは誰でも楽しいのである。

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■10/11/25(木) □ スクール芝居「キャッツ」鑑賞
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 起きると 5cm ほどの初雪となっていた。オールシーズンタイヤなのでずるずるのスラッシーに苦労して萌の送迎。今日はスクール芝居の「キャッツ」がある。


全員黒猫装束の「キャッツ」
 この「キャッツ」は萌が定員オーバーで入れなかった子供ミュージカルレッスンなのだが、緊張した面持ちのCHら総勢25名ほどの子供たちが頑張って歌い、なかなかよかった。ソロを取った5人くらいの子も、声が震えたり上ずったりすることもほとんどなく持てる力を出しきっており感動的だった。あれが萌だったらちゃんと歌いきれただろうかと想像しながら俺たちは眺めていた。

 萌はダルマ落としを学校に持っていったのだが、特にボーイズに大受けだったそうである。迎えに行くと一緒に遊んだらしいボーイが俺に駆け寄ってきて、「あの日本のオモチャで前も遊んだことがあるよ、サイコーだよ!」と俺に興奮して喋りかけてきた。そ、そうか、そんなに面白かったか、よかったよかった。

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■10/11/27(土) □ 花札カルカソンヌ
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 夕方萌が花札をやろうという。うちには世界最上級のタイルゲーム・カルカソンヌがあるのに花札かよとがっくりきつつ一度だけ付き合う。どうして萌はカルカソンヌに熱を上げてくれないのだろう。

 しかし久々にやってみると花合わせはお手軽で、やはりけっこう楽しい。こういう手札を持つゲームにはいい札を隠し持ちフフフと策略を巡らせ、ここぞというところでバシっとそれを打つ愉しみがあるなと気づく。カルカソンヌはタイルを1枚めくってその場で置くゲームなので、手札がないのだ。―――む? もしやこれか? 萌が花札を好きなのはこのフィーリングか?

 そこで萌に「花札みたいにカルカソンヌをやってみよう」と説明し、ドイツでオプションルールとして一番人気があるという【手持ち札3枚ルール】(※)でやってみた。するとやはり萌は自分のカードを眺め目を輝かせ、都市をプランニングしサクサクときれいに作り上げていく。そして「私の番だよね、じゃココ!」とすました顔でバシッと俺の都市に乗っ取りをかけてきたりする(俺はデカコマ(大ゴマ)を使わないハンデ戦なので、乗っ取りはデカコマを使う萌が絶対的に有利)。これまでとはエライ違いの積極性だ。やはりなにごともプランするのが好きな萌には、この手札を隠し「自分だけが秘密を知っており計画を立てられる」フィーリングがすごく合うのだ。間違いない。

 逆にいえばノーマルルールで萌があまり盛り上がらないのは、計画があまり立たず出たタイルを点につながる建設に使えず、ただ置くという状況が頻発するからだろう。慣れた人が草原ルールありでやればどんなタイルでも草原をつなぐ手段や相手を妨害する用途で配置できるわけだが、うちは草原ルールなしだからな。

 そして非常にフェアで生産的なゲームの結果、萌の快勝で終了。こりゃいいぞ。このオプションルールによって萌が一時の花札ほど熱を上げてくれれば、俺はデカコマなしのハンデでちゃんと力を入れて戦えるようになるかもしれない。そうなったら最高だ。
(※)サカタ家「花札カルカソンヌ」ルール(「大聖堂と宿屋」拡張セット使用)
◆各自手札3枚を持ってスタート、置いたら1枚補充
草原ルールは省略(草原取り合いは子供とビギナーには複雑すぎる)(その後しばらくして草原もアリに変更、10 歳ムスメも完璧にマスターし草原争奪をやってます)
大聖堂は普通のタイルとして扱う(大聖堂3点ルールは完成しないとゼロ点になるため、未完成大聖堂都市へのシリアスな妨害を招き険悪になるので排除)(その後しばらくして大聖堂3点ノーマルルールに変更、10 歳ムスメも完璧にルールを駆使してます)
◆修道院は4枚中プレイヤー数分だけ使用(偏りを低減するため)
◆俺はハンデでデカコマなし

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■10/11/28(日) □ 娘もカルカソンヌに目覚める
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 Mたちが外出し、俺はのんびりと映画を見る。映画は「二十世紀少年」映画三部作の1で、映画単体として見ると粗が多いが、天才絵師浦沢さんの思い描くイメージを実写映像化したのだと思えば楽しめる。後半のロボットSFXはかなりすごかった。

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 夜「怪物くん」を見つつまた萌と手札3枚持ちカルカソンヌ(萌は花札カルカソンヌと呼んでいる)をやると、やはり手札でプランニングできるので双方都市建設がサクサクと順調に進む。萌が狭いところに都市タイルを置いたので俺が「そこはクローズするのが難しいよ」というと、「だって...」と困った顔をする。おーそうか、なるほど、クローズするタイルを持ってるのね。段取りを決め計画的にやっているのだ。えらい。

 萌にはこのほうが絶対面白いだろうし、俺もこっちのほうがお手軽で楽しい。計画が立つのできれいに大きな町が作れ、運による不公平感(相手にばかり使えるタイルが行く的な)が激減するし。それにやはり俺だけデカコマなしというのは絶妙なハンデで、俺にとっては攻撃も防御もほどよく難しい。


1、2、3ときれいにマージされ
赤シティを奪われる
 竸ったいい試合となって、最後は俺が 20 点ほどの街を完成しギリギリ逆転かなと思ったところで、空き地を挟んだ対岸から萌がデカコマでマージ(相乗り)してきた。―――あーっ! 俺にはその手がまったく見えていなかった。素晴らしい。敵ながらその手の見事さに快感を覚える。まるでBSWオンラインのドイツの達人のような華麗な打ち手だ。萌も Yahoo! と雄叫びを上げる。

 これで俺の頼みの綱が消え、萌がまたもや快勝となった。これは当家のカルカソンヌ史上、間違いなく一番面白かったな。サイコーだ。ついに萌10歳もカルカソンヌに目覚めたのであります。