2015/07/02

日記「女子ワールドカップ開幕」

「トランジスタラジオ」「オルタナティブなティーンロック」「日本-スイス」「にっぽんこころ旅」「高校表彰式」「Mの PhD 授与式」

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■15/05/25(月) □ トランジスタラジオ
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ドラマ【忌野清志郎 トランジスタラジオ】とてもよかった。高校に栗原キヨシ先輩がいたらスリリングだろうなあ。なかなか顔を合わせる機会のない別のクラスのかわいい子に恋をするようにときめくだろうね。高校時代にうまいなあと憧れを抱いた先輩バンドへの思いなんかも甦るナイスタッチ。

 屋上の彼女は近年稀に見るキュートさで、声や喋り方や表情がたまらない。あんな子が高校にいたら、人生どれだけ余分に恥をかいたかわからないくらいだと思った。二人の空に静かに流れる「トランジスタラジオ」のピアノがきれいだった。泣けてきそうなメロディ。

 萌の友達は皆嫌いなクラスをサボったりしてるそうで、彼女はサボったことがないのでそんなことしていいのかしらと言う。

「う~授業をサボって、日の当たる場所に私もいたことがあるよ」
「タバコも吸った?」
「吸った…かもしれない。でも私をイクザンプル(参考例)にしなくていいから」

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■15/05/31(日) □ オルタナティブなティーンロック
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 萌は俺の中高時に比べあまりロックを聞かないのだが、iTunes/iPod 内に美麗なロックコレクションを作るということに趣味的にハマっていて、家中の CD を取り込んではカバー写真を探し「アルバム」を作っている。取り込んでもあまり聞いてないと思うが、「ミックって声が嫌い。『アンジー』だけはいい」と言ってた(笑)。

 友だちと出かけるとおこづかいで CD を買ってきては壁にピンでジャケットを貼り付け、音は iPod に入れて聞いている。で車の中で俺にも自分の CD を聞かせるのだが、彼女が好きな現代ロックがその…ピンとこなくて…なんとも反応のしようがなく気まずい。すまん。

 お気に入りの中で最も有名なアークティック・モンキーズも、初期のルースターズみたいなやつ( I Bet You Look Good~や Fluorescent Adolescent)は悪くないねと思うが、萌が選んで俺に聞かせる曲はザラザラ尖ってうるさいんである。


Arctic Monkeys - Brianstorm (2007)

 グルーブしない性急なリズム、硬い音色と硬い演奏、単調で執拗なリフとメロディ、コードの乏しさ、全曲ボーカルにかかるエフェクト、1秒に5回も切り替わる絵。俺が聞きたい音も見たいものもこの曲にはない。が、この音が萌たち現代英米加ティーンの態度にそのまま呼応しているのはよくわかる。大きな音を立ててドアを閉めたり、雨の日に傘を差すことを拒む理由なき反抗のティーン精神とこれらの音が、共鳴し合っている。

 じっさい萌は意識してはいないだろうが、これだけ俺に響かない音楽ばかりを聞かせるところを見れば、俺というエスタブリッシュメントに対する反抗として、俺が好む音楽へのオルタナティブ(つまり全然違うもの)を無意識にチョイスしてるのだろうな。オアシスやスミスじゃなくアクモンなのは音のオルタナティブ性からじゃないかと思う。やれやれ(笑)。

 しかしアークティック・モンキーズやカナダのマザーマザーは従来の音から乖離してはいるが、たとえば日本のゲスの極み乙女や女王蜂のように新しいとか先鋭的だとは思わないな。俺はゲスや女王蜂を好んで聴くわけではないが、聞けばおおすごいなと思う。その感覚は萌の聞く音楽にはない。一般にヒットしてる(カナダ女子W杯の開会式に出てきた)ティーガン&サラなんて聞くと、古っ! 80 年代 MTV! って感じる(笑)。


Tegan and Sara - Closer


 そして俺はやっぱり自分でやるならこういう音を出したい。80 年代の「最新型ロックロール」は古びない。


C.M.C.(2004 Edition) / ザ・ルースターズ

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■15/06/06(土) □ 女子W杯開幕
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【女子W杯】カナダ代表プレビュー番組を見る。「ホームで、これが多分私の最後のワールドカップなのよ。準備はソーマッチできてるわ」「これはもうスペシャルなんて超えたものね。イッツ・ビヨンド・スペシャル」と、まなじりを決したカナダ代表選手たちの顔が映る。もう泣けてきそう。神様お願い、カナダにいいW杯を。実力を発揮し切っても勝てるとは思えないが、後悔のないワールドカップを。

【カナダ-中国】しかしその気合いが空回り、猛然と突っかけてボールを奪っては雑なプレイでロストするの繰り返し。狭いところでのボール扱いは小兵な分中国に分があり、カナダはオープンスペースでのスピードに乗った競り合いに持ち込みたいのだが中国が出てこないという状態。去年の秋日本にやられたときとあまり変わりなく、中盤が弱い。

 エース・シンクレアが二列目に下がりボールに触ると落ち着き、彼女がキープする間に他が上がりチャンスになるが他が拙く攻撃が続かないのも去年と同様。彼女と同クラスの力を持った選手がもう数人いればなあ。15 歳で代表に入り、2003 年W杯ですごいロングシュートを決めスターになるも膝を痛めて引退し TV 解説をやってるカララングはまだ 28 歳だった。川澄ちゃんより若い。彼女が健在でシンクレアと並び立っていてくれたら、近年のカナダサッカーの成績はだいぶ変わっていただろう。

結局ボックス内の軽いファウルで PK をもらえたのでカナダは助かったが、相手が引いていて負ける要素はなかったとはいえ攻撃がなんとも単調であった。前途多難である。

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■15/06/07(日) □ 日本-スイス
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Mが朝のうちに散歩に行こうと言い、暑いし歩くのはダルいよと自転車に誘うと珍しく乗ってきたので、俺のいつものハイドクリーク山岳コースへ連れて行く。

 うちから3分で森に入り、そこから 10 分のゆるい登りでこの丘の上に着く。ここまで来ると民家は木に隠れて見えないので、手軽に登山イクツーリング気分が味わえる。こんなところがあったのねとMも喜んでいる。小1時間の爽快な初夏のランであった。最後は脚に疲れを感じたけども。

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 【日本-スイス】前半は落ち着いて的確な攻めで新進スイスを攻略し上々だったのだが、後半は守勢一方だった。帰りの電車の奥様から電話。「どう思った? 後半はスイスが攻めっぱなしだったじゃない。ちょっと日本ガッカリじゃない?」。うーん、すいません。1点があったもんで攻める意思が弱かったよね。敵の10番があれだけ暴れてたわりに失点する予感はそんなになかったけど、もう1点はほしかった。

 やっぱり初戦は難しいな。前半相手が明らかに硬くなっており、日本は格上らしい進め方でラッキーな先取点も取れたんだけど、そこから敵の逆襲をいなすこともカウンターで相手を脅かすこともできず、どっちつかずのまま終わってしまったなあ。カナダともども今大会は苦戦が続くかもしれない。

 日本 vs スイス戦で妻と子が座ってた席の真後ろに、前の試合を終えたカメルーンチームが来て視察してたのだそうだ。なにっ!それで話しかけなかったのかよ! すごいゴールだったですね大会のニュースターですねっていえばよかったじゃん。何のためにフランス語習ってるんだムスメよ!

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■15/06/10(水) □ にっぽんこころ旅
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 1990 年代廃墟警備員時代のことを書いたブログ記事「追憶の調布関東村」に、すてきなコメントが今朝書き込まれていた。

『1970年代、小学生だった私は九州にある似たような米軍の住居を目的もなくよく探検していました。それはちょうど関東村と同じようなものでした。

フェンスの向こうには主人を失い朽ち始めたものの、外国に行ったことのない小学生には十分すぎるほどのエキゾチックな風景が広がっていました。あのような場所、風景は、戦後のある限られた一時期だけに出現したものだったんだとサカタさんの文章を読みながらその偶然性をかみしめています。

もうその場所は公園や学校になり、わずかな木々と特徴のある道路の配置と湾曲ぐあいだけが、当時を知るものだけに記憶を呼び戻す痕跡となっています。

 ―わあ。「にっぽん縦断こころ旅」の手紙みたいだ。すてきだ。とーちゃこ!

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■15/06/11(木) □ 高校表彰式
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 カナダのワールドカップでカナダが戦ってる夕べに萌の学校が親参加の行事を入れてきやがって参席中。早く終わらせてくれ。ちなみに後ろの席の父兄がイタリア系大家族で、「ワールドカップ、ワールドカップ」いうとります。わかる。わかるぞ! 俺にはイタリア語がわかる!

 行事は生徒の学業スポーツアート実績の表彰式で、まあ小学校時のリコグニションアセンブリー(頑張ったことを認めてあげましょうの会)と同じで、違いはより大仰で時間が長いこと。そして小学校時は「ハードワーク」「思いやり」といった抽象的な美徳を表彰されたのだが、高校はより具体的で成績オール A とか学年首席とかスポーツ大会での優秀成績となっている。

萌は友だちに作ってもらった美しいサマードレスで参加。しかし単に一般の学業優秀オール A をもらっただけだったので、他のさまざまな賞をもらった子をうらやんでいた。こないだの仏語ビデオアート大賞のほうが萌にとってははるかに特別なことなわけだがそこに言及なしで、彼女はがっかりしていた。おそらく賞を取ったことを、関わった仏語担任が学校に通知してないのだと思う。

 カナダの教師はそういう、自分の職掌から外れたことにはおそろしく気の利かないところがある。というかちょっと気を利かせて生徒の学校エクスペリエンスを最大化するというのは、教師の職務ではないのだ。日本の教師はサービス業で、カナダの教師は違うのである。


 「鬱問題を抱えながら頑張っている」子が紹介されスタンディングオベーションが起きたのだが、あとから「お父さんとマムだけが立たなかった」と萌に指摘された。すまん。スタンディングオベーションが起きたということに感動してスタンディングオベーションできるのがティーン感性だな。大人はいろいろ考えちゃう。あの子は鬱であることを公にしてもらいたいのだろうかとか考えてしまうのだ。

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 【カナダ-ニュージーランド】試合がとうに終わってから帰宅。ビデオで後半を見るとカナダは初戦と同じだった。ホームなんだから早くボールを奪わなきゃ、ホストなんだから早く点を取らなきゃとチーム全体が終始浮き足立っている。そのせいでいいプレイがまったく出ずスコアレスドロー。

 このカナダに比べると、落ち着いて立ち上がりスイスをいなして何度もチャンスを作っていた日本の初戦は、少なくとも前半は実にW杯王者らしかったな。後半スイスの圧力を押し返せなかったのはマジ悔しかったが、そこは明日修正してくれることを期待。

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■15/06/12(金) □ Mの PhD 授与式
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本日はMの PhD 授与式(大学全体の卒業式だった)とカメルーン戦。あの大仰な博士様衣装を着たMはかわいかった。写真をたくさん撮りたかったのだが位置的に難しく、結局公式カメラマンがたくさん写真を撮っておいてくれたので助かったが、萌の機嫌が悪くて家族写真は一枚しか取れなかった。萌と二人になったときに、せっかくお母さんの晴れの舞台なのにあんなフテてちゃかわいそうだろうとたしなめる。

 しかしこの公式カメラマンはキャノンの APS-C で撮ってたのだが、写真を見て俺の PEN のほうが標準ズームも望遠も絵がいいのでびっくりした(上2枚がキャノン、左が俺の PEN)。APS-C はいいレンズを追加購入しないとレンズが弱すぎるというのはこのことか。そしてやっぱ M4/3 って安いレンズでもこんなにいいのか。えらい。この写真は俺が下手でフォーカスが別な人に行ってしまったのだが、うれしそうないい顔が撮れた。

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そして【女子W杯・カメルーン戦】別記事に書いたが前半は最高、後半押されると得点機が作れないのに悩むという状態。FWの近くでボールを持ち、敵を交わしFWに渡しシュートを打たせる方法を考えてほしい。ドリブルをしてほしい。岩渕は使えないのだろうか。

PEN にMZ40-150mmをつけてたのだが、試合中は観戦に熱中していて全然写真を撮れなかった。この17番は最高だったよ。カメルーンも勝ち進んでほしい。

【女子W杯】イングランド戦:勝利に値するとかしないとか

【女子W杯】イギリス戦、これほど苦しい試合になるとは予想外だった。俺はスイスを破ってギアが入ったカナダが準決勝に進み、今日のイングランドのようなラン&プッシュの試合で日本を苦しめるだろうと思っていた。そのカナダの致命的ミスで労せずして勝ったイングランドはカナダより弱いと思っていた。これほど強いとは予想外だった。

 なでしこの後方選手には余裕でボールを持たせ、中盤(阪口と宇津木)に入ってくるときちっと閉めて奪うという英のプレス作戦は見事にハマっていた。押されている時間も負ける気はせずいずれは勝つだろうと思ってたのだが(――日本のクレバー極まる DF は危ないシュートを打たせず、チームには脚力と澤ら交代カードが残っていて、さらに最後は岩渕に渡せば点が入るのは時間の問題だったので――)、フィジカル優位なチームにプレスされると抜け出せず攻撃機会がなくなるのはスイスカメルーン戦と同じで、ここは勝てるだろうが決勝はどうすんだよ、USA だぞとそればかり考えていた。

じっさいスイス戦も、会場で見ていたカメ戦もオランダ戦も俺は、「この程度のプレスを交わせなくてどうする、決勝は USA だぞ」とずっと7月5日のことを考えていたんだよな。4年の蓄積でプレスされてもショートパスでスイスイ交わして進むという夢を描いていたんだけど、それができるのは対オーストラリアレベルまでだったようです。

サッカー識者によれば、阪口と宇津木自身の動きもおそらくはトーナメントの疲れで落ちているが、ここまで二人のバランスがあまりにいいので変えられないらしい。澤を出せと外野は思うんだけどね。結局日本は耐えて耐えて選手たちの才能一閃に懸けるしかないみたい。4年前と同じだ。まあ仕方ないね。楽なW杯王者への道などないのである。しかしここまでで最強の英に中盤を封殺される苦戦をして、学んだものも決勝で生きるかもしれない。

◇

 試合後娘が某英語 SNS で、「日本は運だけで勝った」と言うヘイター(なぜかみんなアメリカ人)と論戦していた。運て LOL(笑)と言ってあげろ。英は日本対策も戦術も完璧で、日本の長所を消し見事な戦いだったがあと一歩及ばなかった。日本は得意を封殺されデキは悪かったが、それでも最後は脚ガタガタの英が止められぬ川澄のすばらしいクロスが出たんだよ。あれは DF が触らなかったら大儀見が入れてたので DF は責められない。今大会の川澄ちゃんは突破にチャレンジできそうなタイミングでも行かないので、身体のキレ的には絶好調ではないと思う。しかしウォームアップのシュート練習時から溜めのある独特の蹴り方で、見ていて快感を感じるくらいキックの質はすばらしい。

 英語話者は deserved to win(勝利に値した)か否かとやたら問いがちなんだけど、それは印象だからね。ゴールでしか勝敗が決まらないスポーツで君は、印象点でどうこう言うのー? 肝心なのはゴールなんだから、語りたいなら deserved to score か否かと問えばいい。そう言えば deserve という印象言葉で勝負の是非を語るズレに気づくだろう。印象言葉でチームの健闘を称えるのはいいが、けなすのは馬鹿げている。英は完璧に力を出しきり戦術を遂行し、なでしこはあれだけ不利な試合でも1点多く入れた。Of course both teams deserved to win.カナダ解説は「イングランドほど悲劇的な敗退が似合う国はない」と形容していたよ。

 娘の論点でグッドポイントだったのは、イングランドだってカナダに大きな幸運で勝ったのに、なぜ日本だけを攻めるのだというやつ。Well said。ホスト国カナダの敗退のほうがイングランドより悲劇的だったんだぜ。わかってるのかい世界よ。



 なでしこをディスられ憤懣やるかたない娘とカナダデイの花火を見に行く。負けてあちらは当然悔しかっただろうが、日本のプレイがよくなくて私らも悔しかったよね。決勝はプレスを華麗に交わしもっといいサッカーをやれますように。神様おねがいします。◆

2015/06/27

【女子W杯】明暗分かれるクォーターファイナル



【女子W杯】カナダ-オーストラリア:試合前日の丸がうちにないから自分で描くと娘がいうので、三本脚のカラス(八咫烏)も入れなさいと言ったらこれを描きました。チョコボかよ。こんな旗じゃ負ける…。

そして最終的に写真2となった。印刷した八咫烏フラッグはカッコいいんだけど、編笠…。

試合はもー日本がやってることはすべてが正しい、ここまでやっても点が入らないか、あと何が足りないんだというところで岩渕の突破からのシュートがあり、ここで本当に流れが変わった。そのCKから岩渕が決める。ふー。足りないのは岩渕だった。間に合ってくれた。ふー! という感じ。

しかし日本のこの上昇ぶりはすごいな。トーナメントが進むにつれ勝負の狙いがどんどん野心的になってき、精度が上がってきている。前の試合で楽な相手にこの程度ではとやや不安に感じたんだけど、相手が強くなってもどんどん上がっていき、今年もファイナルまで行けそうな気がしてきた。

◇

日本戦後日本のおばあちゃん(サッカー日本代表狂)にお疲れ様でしたと電話をし、旗を入れ替え服まで着替え、カナダ-英国戦。カナダは早い時間に2点をミスから失い、最後まで攻め続けて1点は返したものの試合終了。「カナダズワールドカップドリーム・イズ…オーバー!」

試合後カナダはピッチで円陣を組み、涙を流すチームメイトにシンクレアが何かを叫んでいた。きっと顔を上げろと叫んでいたんだろう。最後は焦りという悪癖も顔を出したが、やれることはやったカナダだった。英は日本が必ず倒す。

シンクレア「私はこのチームを誇りに思うわ。2点も取られて最後までファイトバックしたんだから。この負けはつらいけれど、カナダも私たちの戦いを誇りに思ってくれると思うわ」。もちろんだよ、思う思う。◆

2015/06/24

【女子W杯】もっと攻めてくれよいややっぱ連覇に向け順調ですなでしこすいません(オランダ戦)


【女子W杯】なでしこオランダ戦見てまいりました。始まって5分でこれはスイスカメルーンより弱い、さあ行け現なでしこの攻撃力を見せてみろと声援し1点目は期待通りの美点だったのだが、その後は延々となでしこが後ろで回すので場内静まり返っていたよ。

相手FWはでかくて重いので、前を向いてドリブルで持ち込まれた止めようがないというのはたしかにあった。しかしこぼれ球がたまたま敵FWに渡るくらいしかそんなピンチはないんだから。だからなでしこDFはセンターサークル付近まで余裕で上がれてるのに、その割に誰も仕掛けない。

俺と娘の後ろのダッチおっさん軍団が「ホーラン! ホーラン!」と野太い声で吠えまくり、俺達はその裏で「ホーラン!(ジャパン!) ホーラン!(ジャパン!)」とか弱い声で叫んでたのだが、何事も起こらない時間が長かった。俺は攻めろと延々叫んでいたが、届かないむなしい叫び(笑)。

大野はもう惚れ惚れするほど相手DFに猛プレスをかけていた。交代時には手が痛くなるほど拍手したよ。大儀見もそう。しかしMF2枚が守備専門で、FWのプレスのフォローに上がっていかないのがじれったい。2点目を阪口が見事に決めたように、MFが絡んでこそなでしこの攻撃だろう。

大野と鮫ちゃんが1-2できれいに崩したように、岩渕がボールを見事に動かして相手を翻弄したように、日本の選手はもっと持てる技術を見せ仕掛けてほしい。チーム全体が安全策を取り過ぎ攻撃が薄い(追記、追々記で訂正)。今日のオランダくらいの相手だったら得点機がもう倍作れなければ、この先はちょっと…。

帰りの電車で娘に話したのだが、カナダとやったときのオランダは強く見えたが、あれはやはりカナダがどうかしてた。スイス戦で覚醒し実力を取り戻したカナダはこのオランダより強い。ホームでのW杯という勢いもついてきたので英も撃破するだろう。日本は豪を破っても、準決勝でカナダには勝てないんじゃないかな。

娘は日本から来てた知らない子たちと一緒に、TVインタビューされてました(笑)。カナダのTVでは放映されなかったみたいだけど。

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ちなみに場内はオレンジ4日本3それ以外3くらいでオレンジ軍団のほうが多かった。日本応援は女性が多くオランダ応援はおっさんが多かったな。真後ろのオレンジおっさんたちと俺たちは笑顔を交換してました。

オランダおっさんたちはチャンスになると「ヤア…ヤア…ヤアア!! グート!!」と言っていた。俺にはオランダ語が完璧にわかったよ。あとお父さんはオレンジシャツにターバンで、娘は中村俊輔の青ユニフォームを着てるインド人親子がいた。どういう経緯でそういう格好になったかまったくわからない(笑)。


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【追記】昨夜帰ってから寝る前の高揚でばーっと書いたのでよくない試合みたいに書いてしまったが、なでしこ自体はグループ3戦よりずっとよくなっていた。左右からの攻撃の手数も、大野と大儀見の近距離での連携突破も格段に増えていた。日本が仕掛けていくときは速さも迫力もあり盛り上がった。

しかし日本が後ろで延々回す時間は場内はしーんとしていたし、これほど手が合い戦いやすい相手はこの先ないんだぞ、ここで攻められずどうすると俺は焦れていたわけ。後顧の憂い一切なく敵に鬼プレスをかけていく大野がとにかく素晴らしかった。「彼女を誇りに思うよね」と娘と話したよ。

「負けるならカナダに負けてほしいから、どっちも準決勝に行かないとね」と話すと、娘は日本に負けてほしくないと強く訴える。普段の生活態度は完全にカナダ人なのだが、日本人アイデンティティは俺が想像するよりずっと強いものらしい。学校でも事あるごとに日本推しをしてるそうだし。

試合前に晩飯を食べようとスタジアムの周りを巡ったのだが、どこの店に行っても「今日試合だね」と声をかけられ「ヤース絶対勝つ!」と俺と娘は大声で答えた。イエスのティーン版YAASはこういうバカ気分に合う。スターバックスの店員は日本語で話しかけ、娘の名前をひらがなで書いてくれたよ。俺は道端で日本の小旗を売るどこの国から来てるのか不明なオッサンに、「半値にしてくれ」と交渉して「ノーノーミスター」と断られました。ああお祭りだなあ、ワールドカップ。

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【追々記】翌日録画を娘と見た。スタジアムでは日蘭攻めあぐむ時間を長く感じたけれど、プレイのアップやリプレイが入るビデオで眺めているとまったくダレを感じないすね。リアルタイムで素晴らしいと思ったプレイはその妙味ががより精細にわかる。あの2点目岩渕がスルーしてたとは。素晴らしいな。

「私やっぱりなでしこはカナダに勝つと思うな!」と娘。たしかにこうして見直すとなでしこは素晴らしいね。相手が弱いんだからもっと点を取らねばと思ったけど、ここから先の強いチームを相手にしてもこれだけいいプレイをしてくれれば文句などない。この先どうかなあと現場ではやや悲観的に捉えていたけど、プレイのディテイルの良さを見てすげえなやれるかもと思えてきた。そうなればなでしこは4年前よりむしろ強くなってるといえる。

カナダの男性解説者は明らかになでしこサッカーの大ファンで、「まるでスペイン男子だよ、冗談じゃなくて本当に。バンクーバーの観客はラッキーだったね。海堀がヘマをしたところまでスペイン男子みたいだ」とカシージャスの古傷に塩を塗っておりました(笑)。

2015/06/22

【女子W杯】カナダはベスト8へ



【女子W杯】やりましたカナダ。新星スイスを撃破! 
盛り上がっております!

意外だけどもカナダはこれが決勝トーナメント初勝利らしい(五輪ではもっと活躍している)。カナダは昔からホッケーのようなガッツと走力で米国を苦しめてきたのだが、本大会この試合の前半まではそれがめっちゃ空回りしてひどいサッカーをしてたわけ。しかしコーチがどのようにしてかこの試合の後半修正にようやく成功し、選手の位置的バランスが取れると適所に必要なだけ走ることでどこにボールが行ってもカナダが数的有利となる。すると無理して走らずとも守れ、難しいことをしなくても簡単なパスをつなぎ確実に攻めることができ、スイスが技術的優位を発揮できない状態に。

守ればスイスのスーパーな10番バッハマンでさえも1回も得意の形で個人勝負に入れない安定ぶりで、攻撃時にはどかーとすべての選手が攻撃に上がり波状攻撃をかけ、「これぞカナダというチームゴール」でスイスを沈めてくれました。すばらしい。これが見たかったのだよ炎のカナダ。これは日本と当たるな、準決勝で。お互い勝ち進んで。楽しみです。

しかしいいゴールだったなあ。5人くらいの選手がカナダらしく直線的に連動し、小細工のないズドンというクロスをエースのシンクレアが足裏で落として、このベランジェが左足で完璧なミートを決めたんだよ。惚れ惚れするようなシュートだった。

次も勝つ。日本も勝つ。よし。

2015/06/19

日記「美しき感傷の『風立ちぬ』」

「バンクーバー散歩」「ヒップホップダンス発表会」「日本エレクトロニクスの弱点」「突然中古 PC に移行」「二度目のヒップホップ」

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■15/04/26(日) □ バンクーバー散歩
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 久しぶりに家族行事だわよと奥様の声掛けでバンクーバーへ。ADの友人のバンクーバー名店のシェフが新たに出したというメインストリートのフレンチレストランで、出てきたシュレデッドポークのサンドイッチが実にうまかった。フレンチのソースに味噌を加えてあるような気がする。うまい。俺の飯運の悪さとカナダ人の外食要求レベルの低さが合わさって洋食でうまいものに出会うことが俺はほとんどないので、これだけで気分が盛り上がる。ケーキもコーヒーもうまい。さすがとしか言いようがない。




 そこから博物館に行くMのプランだったのだが、天気がいいから公園へ行こうと提案しキャンビーストリートからクイーンエリザベスパークへ行く。萌がMのお腹にいた頃に来てからだから 15 年ぶりだと思う。なつかしい。昔の砕石場を庭園にしたそれは美しい公園で、春の温かい中ここをのんびりと回ると幸福感がある。いい日であった。

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■15/05/03(日) □ ヒップホップダンス発表会
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 萌が半年ほど前から習っているヒップホップダンス発表会を見に行く。ヒップホップだけじゃなくタップダンスなど様々なダンスが一同に会しており、振り付けもよく考えられていて思ったよりもずっと面白かった。

 しかし見ていれば自然とわかるのだが子供のダンスなので、振り付け指導の講師の熱意と才能で演技のクオリティはおよそ決まってしまう。アメコミコスチュームを着た「ヒーロー」とかヘルメットの労働者を模した「ワーカーズ」など各組テーマに沿ってコスチュームと振り付けに凝っており楽しかったのだが、萌のグループはテーマが「スウェットパンツ」だという。このためにお揃いのスウェットを買わされたのだが、演技はスウェットパンツを履いたティーンが踊るというだけだった。スウェットパンツにいったいどういうテーマ性を持たせられるのかと…(ため息)。

まあ振り付けはどうあれ、萌自身の踊りはこれまで見たことがなかったので(家では本人が照れて見せてくれなかった)、ウホホまじでヒップホップだすごいと声が出てしまった。うまいではないか。本人もやる前は緊張していたけど演技後は達成感があった様子。よかったよかった。

 しかし練習は見学禁止で、今日も写真ビデオは撮影禁止。映像をほしければ公式 DVD や写真アルバムを買えというシステムになっている。このカナダの子供の楽しみを人質にしたビジネスモデルには本当にうんざりさせられる。こんなモンキービジネスに関わらず日本の田舎でのんびり高校生をやっていた俺は、その点だけは幸せだった。

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■15/05/12(火) □ 日本エレクトロニクスの弱点
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ばば様を病院に送り近くの駐車場で待機中。膝の上にはなぜか昨日買った奥様のタブレットがあるし、ここには Wifi もあるのでツイートしたり読み物したりして退屈をしのげる。まったくカナダはパブリック WiFi が多くてありがたい。

 タブレットの機種は台湾 ASUS の高級品 T300 Chi といい、美しく高性能である。しかしやや重くバランスが悪い。タブレット部とキーボードがマグネットでガシッと接続する形態になっておりその堅牢さが売りなのだが、しかしその特殊な機構ゆえに角度の自由度が低く、膝の上に置くと斜め上からスクリーンを見る角度になる。しかも手を載せていないとキーボードが浮いてしまいそうなくらいバランスが悪い。また合体しただけではキーボードが接続されずキーボードスイッチを別途入れる必要がある。各種スイッチも異常に小さく押しにくい。USB は全部マイクロなのでマウス等使うにはアダプタが必要となる。月に一度キーボードと本体をワイヤでつないで充電しなければならないのも欠点。全体として、見た目はいいがえらい使いにくいなコレという感想になる。

 ASUS は社のフラッグシップとしてこの Chi(漢字で「気」)に精魂つぎ込んでるようで、たしかに台湾製らしからぬ高級感がありよくできている。しかしどうしてこうも明らかな欠点だらけなのかという感じ。日本製ならばこんなあからさまな欠点は残すはずもないし、キーボードやスイッチ類の操作感は2倍よくできるだろう。

 現代日本エレクトロニクス最大の弱点は外国で売ってないことだよ。以前はたしかに台湾韓国製と価格面で勝負にならなかったが、消費者はこの程度でも見た目が良ければ $800 出してくれるのだ。この値段ならば日本だって同等以上のものを当然作れるだろう。いやきっとすでにあるだろう。それをなぜ輸出できないのだろうと思う。

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 しかし Windows 8 はひどいな。操作法をネットで検索して調べないと開いたアプリを閉じる方法さえわからない。Win7 までは普通にできたことが、高度なチューンを施し改造しないとできなくなっている(Start ボタンがないというのは本当にひどいので、まず最初に改造した)。コンピュータはどんどん不便になってゆくと誇張でも比喩でもなく実感として感じる。Apple と Google がスマホ発祥の非論理的インターフェイスを推し進めているのだが、Microsoft も追随してるのである。

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■15/05/22(金) □ 突然中古 PC に移行
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 Mのタブレットをいじったあとでは自分の PC の 1.6Ghz + 1GB RAM が死ぬほど遅いので、実用速度にするためもう 1GB くらいメモリーを買おうと中古 PC 屋のサイトを開いたら、

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$199 HP 6005 Pro AMD Phenom x2 3.0GHz Win7 Pro 64
【4GB】 DDR3 Dimm 160GB SATA HDD DVDRW Burner
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 なんてのが最初に出てきてアップグレードがバカバカしくなった。これを買い移行します。計算速度2倍メモリーサイズ4倍やで。すごい。

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 16:38 システム移行中、日記を書けるところまで復活。まだ操作感に慣れず、キビキビしすぎて神経質に感じる。軽自動車レベルだったのがスポーツカーになった感じ。

前の PC のハードドライブを新 PC に移植するぞと箱を開けてみてびっくり。見たことないパーツだらけや。なんだ CPU に載ってるこの工場みたいな配管は。そして移植しようにももう IDE なんてコネクタがない。どんだけ世代の古い PC を使ってきてたのか俺は(笑)。

 まあ考えてみれば 10 年落ち? くらいの前のマシンですら DVD は SATA だった。IDE がないとなると SATA を買い足さねばとまた出かけて 15 ドルで買ってきた。これでよし。快適です。なんでもっと前にこれをやらなかったのかシリーズである。

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■15/05/23(土) □ 二度目のヒップホップ
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 二度目の萌ヒップホップダンス発表会に行ってきた。今回はクラシックバレエ組との合同コンペで、俺はバレエというものを初めて目の前で見たのだが、見習い中のスチューデントでも繊細な動きの美しさにおーと胸が動く。これの鍛え抜かれたプロを見たら、そりゃ感動するだろうね。

最後にスローなエレクトロポップにバレエの技術で軽やかに舞うグループが出てきたのだが、これがまるで Perfume だった。奥様に耳打ちするとそうねという。あのつま先までコントロールされたリリカルな動きって、バレエ的だったのか。この組が本日ベストだったな(写真はイメージです)。

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 しかし前回は郊外タウンの牧歌的大会だったのだが今回は生き馬の目を抜く都会バンクーバーで、その筋では有名だという地元ダンススクールからヒップホップ組に大挙参加者があり、レベルは違うわ向こうはホームで大歓声を浴びこっちはアウェイでシーンとしてるわで、萌たちは完全に圧倒され気の毒であった。「彼らはすごいわよね。うちなんか全然ダメ」とぼやいている。いやまあでも頑張ったよ。前回よりうまくなってたし。まあ週一のレッスンじゃあれは無理だから、彼らはプロになるために毎日シリアスにやってるんじゃないかな。上手な子は3~4ものグループで踊りまくっていたからね。

 萌に言っても慰めにはならんのでそれ以上は言わなかったが、奴らはすごいけど先生がよければ萌たちだって簡単にもっとよくなるよ。ダメなのは先生であって、君らの責任ではない。

 それに彼らはたしかにめちゃくちゃうまくて見事だったのだが、ヒップホップってみんなパフォーマンス中に怒った顔してるのが俺にはどうも違和感であった。親に習わせてもらいまめに送迎してもらって楽しくやってるんだから怒った顔なんてまったくの演技であり(まあ演芸なんだから演技が悪いとは言わないが)、なんか恵まれすぎてるぜと思ったな。若者がこうして恵まれすぎてるから、シルクドゥソレイユみたいのは出てきてもいいロックバンドは出てこないんだよな、カナダって。昔から、親戚の子供らを見ながら俺はそう感じている。

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■15/05/30(土) □ 美しき感傷の「風立ちぬ」
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ジブリ【風立ちぬ】を見た。「マッサン」のテーマとして俺が受け取りツイッターでつぶやいた「君なしには不可能だった(I couldn't have done it without you)」という言葉が、そのまま英語字幕に出てきた。これもまた愛と感謝の物語だった。美しい映画だった。泣けた。

たけひ氏
印象的だったのは、過ぎし日の日本の風景の美しさで、宮崎アニメ的な誇張もあるのだが1カット1カットが夢のようだ。戦前の息苦しさも押さえつつ、それでもひとつの時代を映像の力で肯定的に再現するという試みはまさに映像作家しかできない偉業だなと思った。
りかぞう氏
なぜ私は「風立ちぬ」を見に行ったのかな。何か「行かなきゃ」っていう気持ちが働いたから、としか言いようが無い。そしてとても良かった。エンドロールの間、どう説明していいかわからないけど、ものすごい泣いた。エンドロールが終わっても涙が止まらなくて、恥ずかしくてトイレに駆け込んだ。

 2013 年にスクラップしておいたいくつかの「風立ちぬ」ツイートを今見ている。いつもツイートを見てる人たちの風立ちぬ感想をあまさず読みたくなる。だけどそんなことはツイッターの機能的に無理で、風と共に去りぬっちゃってるんだよね。

◇

 昨日 N スペ『高度成長 何が奇跡だったのか』を見ていて、戦前からの技術がつながり興産により日本が敗戦から立ち上がっていくさまをドラマチックに感じやはりある種の感動があったのだけど、そういうベース知識がない外国人には「風立ちぬ」で伝わらないものがあるのかもしれんなあと思った。

 というのは「風立ちぬ」は夜遅くに見始めたのだが、Mと萌が寝落ちしてしまったんである(笑)。ジローが三菱に入るとか飛行機試験で日本製のダメさが露呈するといった描写があるたびに、「こ、これがあのゼロ戦に…そしてやがて自動車産業に…)という感慨に俺だけが盛り上がっていた。

 軽井沢の万平ホテルでの恋とかもやっぱり、ちゃんと読んではいなくても一般常識として大正の避暑地の恋文学を知っており、それが美しい映像になってるから俺の感動トリガーは多めに引かれちゃう。「これうちもジョンとヨーコも行った軽井沢だよ!」と画面を止めM萌に力説してしまった。

 「風立ちぬ」はそうした日本のノスタルジーと感傷とを宮崎監督が思い切り恥ずかしげもなく美しく詰め込み、愛することと風に飛んだものを見事に捕まえること以外に何も持たない少女と風に飛ぶ夢を追い続ける男の恋も熱く描いてくれ、最高によかった。「千と千尋」以降で一番よかったです。

 「風立ちぬ」には宮﨑駿アニメ自体へのノスタルジーと感傷もたっぷりと含まれていたな。人々の動きや表情、風景情景、空とイタリアへの憧れ、イタリア映画っぽい音楽、ジブリっぽい音楽。もうこれからはそんなに見れなくなるのでしょうが、あなたなしにはなにもかも不可能だった。ありがとう。

2015/06/16

【女子W杯】なでしこグループリーグ終了


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06/12(金) □  【女子W杯】カメルーン戦
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カメルーン戦を見てきた。前半はいやー川澄ちゃんと鮫ちゃん最高。カメルーンのサイドの寄せが甘いのでいいクロスがすこすこ入る。宇津 木の上手さはいま日本一。カメルーンの怒涛のアタックをきゃー止めて止めてーと大騒ぎできるのも期待通りで楽しいすわーという感じ。

 後半はカメルーンも日本のやりたいようにはプレイさせてくれんだろうと思っていると、うまいうまい宇津木が真ん中に入る。お。サメちゃんがSBに戻り、ということは宮間は左ウィングか。これがベストだろうな、宇津木はこのチームで一番ボールが落ち着くし守備力もある。

 川澄ちゃんに代わった大野も攻守ともアグレッシブで、大野がくるたびに俺と娘が「オーノ!」と絶叫してたので周りのカナダ人観客は大野の名前とプレイぶ りを覚えてくれたと思う。左は宮間がこれまたボールが収まるので両サイドのキープ力が非常に高いのだが…しかしシュートがからきし打てない。サイドに開いて折り返して大儀見が競り跳ね返されるのみ。これではいくらポゼッション率が上がっても無駄である。大儀見は初戦同様24時間狙ってるのだが、彼女が シュートに持ち込めるようなグラウンダーの生きたボールが中盤から出てこないのだ。

 阪口の組み立てに問題があるのかと思ったが、宇都木と澤になっても変化はなかった。とにかく開いてクロスを入れるだけの薄い攻撃。誰かドリブルで仕掛けて守備を崩すしかないだろう。「菅澤自分で勝負しろ!」と俺は声を張り上げていたが、やがて皆の脚が止まり失点となった。

 というわけで最後の15分ほどは「この先どうやって点を取るんだこのチームは…」と考えこんでしまった。結果シュート4本だもんね。相当フラストレーションをためてるだろうFWの近くでボールを持ち、敵を交わしFWに渡しシュートを打たせる方法を考えてほしい。頼む。

◇

 試合後サブ組が出てきてミニゲームが始まった。試合が終わっても練習するんだから真面目だよ日本人。ボディコンタクトがないと全員メッシのごとくうまい が、しかし試合ではこの技術が使えないからなあと思っていると、その横をカメルーンチームが観衆に手を振り歓声を受け握手をして帰っていった。なんだか対照的だったな。

◇

あとから録画を見てて思い出したが、カナダ観衆は極端なフェアプレー志向で(…だから汚いプレーのない女子サッカー人気が高い…)常に負けてる方を応援するので、カメ選手がファウルでカードを受けたり、接触で倒れてる間日本がプレイを続けると即ブーイングが起きていた。

後半も澤が入るあたりまでは劣勢とは感じないのだが、疲れとカメのプレスに押され全員の球離れが早くなり、プレスの弱いサイドへのパス、出した先でなんとかしてくれという長いパスばかりになってしまっていた。要は男子代表と同じで運べるドリブラーがいないのでプレスに弱いんだよな。

後半は急がず後ろで回せばもう少し余裕ができたはずである。しかしいつも一生懸命というチームカラーがもともとそういうちんたらプレイをさせない上に、前記の些細な事でブーイングが起きるカナダ観客の傾向もあって、時間潰し的なプレーは非常にしにくいムードだった。やはりW杯は舞台となる国によって、プレイに影響も出るんだなと現場にいてよくわかった。

しかし前半の日本の出来は万全だったし、後半不屈のライオン・カメルーンの技術と猛攻も素晴らしく、いい試合だった。「驚くほど楽しい試合だった」とカナダTV評。日本はスイス戦、カメルーン戦で出た弱点は戦術とプレイ選択で修正できるはず(具体的には攻め急がずポゼッションを上げるとかね)。カメルーンはスイスだって倒せそうじゃない?
 
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06/16(火) □ エクアドル戦
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今日のエクアドル戦を見ていたら攻撃力の低さにやや悲観的になったのだが、来週のベスト16戦もチケットを取った。相手はオランダが有力で、対カナダ戦を見たが縦が超速い。DFは必死の防戦となろう。しかしまあどことやっても接戦になるのがなでしこの持ち味だし、バンクーバーではもう3試合目で地の利はある。

なでしこはなんで攻撃時あんなにワイドに開くのかと、カメ戦も今日もずっと思っていた。開いてDFを引っ張り出したいのはわかるが、開けば開くほどゴールから遠ざかる。遠くからクロスを入れてもゴール前で待ち構えたDF陣のほうがフィジカル的に有利なわけで、得点機にはなっていない。

誰が見てもそうだと思うが可能性を感じたのはやはり有吉・鮫ちゃん・岩渕が仕掛け、近くの味方とのコンビネーションで崩した時で、岩渕が入ってからは皆が選手間の距離を狭めショートパス&ムーブで崩そうと試みていたと思う。これをやらせたら大会チーム中日本がベストなはず。これしかない。

次まで1週間ある。合宿をどこでやってるのか知らないがこの快適な高原気候の初夏のバンクーバーを日陰は涼しいのうありがたいのうと楽しみつつ、ショートパス&ムーブ攻撃を磨いてほしい。そして岩渕は脚を治しフルに働いてもらいたい。澤は最後まで動けていたし、光明はある。頼んます。◆

2015/05/27

日記「小さな恋のメロディ」

「マッサン祭りが続く」「007よりもザ・インタビュー」「ドラゴンボート講座」「地元すぎる俺」「市営菜園」「忘却の中の選択肢」

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■15/03/28(土) □ マッサン祭りが続く
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 最終回が終わり一晩経っても爆発が収まってなかった「マッサン」ツイートを読む土曜の朝。俺には飲み下せない作演出フレーバーが頻繁に注がれるドラマだったのだが、終わってみると楽しかったし、好きだったとしか言いようない。「半年間の役者やスタッフの撮影ドキュメンタリー by たけ」もほんとそうだなと思う。

 「日本に嫁いだスコティッシュレディのドラマが終わったよ。何もかも君なしには不可能だったという愛と感謝が描かれていて感動的だった」とMに報告する。

 シャロやんが「私は日本に住んで優しくなったと思う、母国で逆カルチャーショック」と言っていたけど、そういう人だからよかったんだと思う。行く先々でエリーがおばちゃんらに好かれていたのは俺にとっても懐かしい光景だった。もっとエリーの物語を多めに見たかったんだけれど、原酒があまりなかったんだろうね。

 この半年、日本での放送から北米放送までの数時間「マッサン」関連のあらゆる語を Tabtter で一時ミュートしてきたのだが(見る前に展開を知らないように)、そのワードを今消している。エリー、政春、鴨居、亀山、大将、住吉、大作、優子、ピン子、シャーロット、玉鉄、エマ、リタ、竹鶴…。こんなところにも走馬灯があるのです。

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■15/03/29(日) □ 007よりもザ・インタビュー
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金正恩暗殺映画【ザ・インタビュー】が超面白いから見てくれと娘が言うので、えーと言いつつ家族で見たら面白かった(笑)。暗殺に向かう米2人組はこないだ見た「007 スカイフォール」のボンドより味があり、金は同映画の悪役よりも魅力的であった。そして金とアメリカを同等にからかってるのがナイス。

 問題になっている「冒涜性」については、北朝鮮の人たちが金正恩を実際どう思ってるのかわからないからなんとも言えない。神と信仰してるなら怒るだろうけど、そんなことはないんじゃないかな。ただ言えるのは、この映画の金正恩は不可思議な魅力を備えているということ。バカ映画なんだけどそこに見所がある。

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 【まれ】まだ俺のツイッター TL はマッサンの余韻でうるうるしてるのだが、まったく休みなく次の朝ドラは始まる。ハイキーな画面の色と村役場スタートなのが非常に「あまちゃん」っぽい。子役から始まる朝ドラの序盤はいつも説明的で苦手なんだけど、やはり子役まれちゃんが「夢が嫌いで利他的でしっかり者で…」と説明演技ばかり運動ホイール内のリスのようにさせられて、ちょっと気の毒であった。素はきっともっと普通にかわいらしい子なんじゃないかと思ってしまうのである。俺が途中でフェイドアウトしたこれまでの数々の朝ドラと同系の感触がする。

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■15/04/07(火) □ ドラゴンボート講座
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 萌がティーンエイジャー・ドラゴンボート講座というものに参加してきた。すごく長く両舷に12人もの漕ぎ手がつくボートで、キャプテン(ていうのかな?)の掛け声に合わせえっほえっほとキッズが漕いでいく様はなかなか壮観であった。



 ボート好きのMお母さんに強制されて来たので始まるまではぶすっとしてた萌なのだが、想像したよりずっと楽しそう。これで上手になったらバンクーバーの恒例ドラゴンボートレースにも出れるらしい。ただレースに出るには12人じゃ足りないのだそうだけど。

 しかし望遠で写真を撮ってモニターで見ると萌が俺にアカンベーをしており、全然いい顔で撮れていない。写真を撮られて恥ずかしかったとか言っているが、俺が親だなんて言わなければわからないのだから澄ましていればよかろうに。はあ。

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■15/04/10(金) □ 地元すぎる俺
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 地元スーパーの中国人レジおばちゃんは俺を見つけるたびに話しかけてくるのだが、昨日は「日本語で dumpling はなんていうのだ」と聞いてきた。「ん? 餃子?」「どういう字だ」「いや字は中国と同じ漢字でしょう」「ではどうやって作るのか。自作か」と俺の品物を一向にスキャンしてくれない。

「いや自作したいけど餃子はめんどくさくて…」
「ではどうやって調理するのか」
「…焼いて蒸す感じ?」
「アー!(それよ! という感じ) どうやって?」
「いやフライパンに油を引いて…水を入れて…あの手を動かしてもらえます?」

「アー! 水はどれくらい入れるのだ」
「(^_^; (^_^; …水はカップ半分くらいかなあ(いい加減にして)」
「それで餃子はどれだけ水に浸かるのか」
「これくらい?(後ろが怒ってるよ)」
「それで焼き具合はどうやって判断するのか」
「それは何度もやって体得するしか…」

もーなんなんだこの尋問展開(笑)。前に話しかけられた時の質問はカボチャの煮つけ方でしたよ。なぜ俺に、なぜ俺にそれを聞く! フレンドリーなんだけど話が長すぎて、もうこのおばちゃんの列には並びたくないです(笑)。

 ばば様を迎えにシニアアクティビティセンターへ行くと、聞いてもないのに知らないじい様が「彼女はあっちにいるよ」と教えてくれた。図書館では話したことがない司書さんが俺を呼び止め、「あなたのお義母さんのよ」と本を渡してくれた。俺は地元すぎる。

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■15/04/20(月) □ 市営菜園
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借りてる畑を耕してくれと奥様に頼まれ、ヨッシャわしとエリーの愛と感謝の物語じゃけな! と働いてきた。我が姿に新朝ドラ「まれ」塩田のガンジ師匠の影響が若干入っている気がする。



 河原の市営菜園は行ってみたら花は咲きツバメは舞い最高でしたわ。ピースフル。



 久々に写真を撮ったが、俺のマイクロフォーサーズ PEN はやっぱイイな。標準レンズでも開放 20mm~あたりで撮ると背景前景がボケる。距離によってはこのボケに筋が出ちゃうのが安いレンズゆえで、高級レンズだとボケが美しいのだろうなあ。春の光をふわっと撮っていきたい。

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■15/04/22(水) □ 忘却の中の選択肢
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 NHK の壇蜜の番組で Nico の「フェアレストオブシーズンズ」がかかって胸を衝かれた。俺はカナダに行くべきなのか、そんなことがはたして俺に可能なのだろうかと考えながら働く警備車の中に、誰かが忘れていったカセットテープにこの歌が入っていた。あれはベルベットアンダーグラウンド好きなミゾのテープだったんじゃないかな。



Nico - The Fairest Of The Seasons
(Jackson Browne)

Now that it's time
Now that the hour hand has landed at the end
今はもう、時計が終わりを指している

Now that it's real
Now that the dreams have given all they had to lend
今はもう、夢が貸してくれたものも終わり現実

I want to know do I stay or do I go
私は知りたいの、ここに残るべきか行くべきか

And maybe try another time
別な機会を待つべきなのか

And do I really have a hand in my forgetting ?
忘却の中に選択肢は本当にあったのかしら

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 結局カナダに行くことを決めた俺は、こっそりとそのテープをもらってきちゃったのだった。なんでこれもらっていくよと言えなかったのか、忘却の中に選択肢は本当にあったのかしら。

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■15/04/24(金) □ 小さな恋のメロディ
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図書館で古い映画を借りられると知り、71 英ムービー【小さな恋のメロディ】を見た。やっぱりかかる曲を全部知ってるなあと出だしのビージーズ「インザモーニング」からじんわりしてると、子供らがワルサや喫煙や勝手なことをしまくる。ひでえなこいつら(笑)。楽しいことをモラルおかまいなしになんでもする、自己主張の小悪魔たちをカメラは追う。

 ロンドンで遊び暮らす子供たちの姿をセリフなしで延々と撮ってるシーンが多く、メロディが金魚を遊ばせるシーンとかただただ美しい。セリフをしっかり覚えちゃんと演技しお仕事してる日本の子役と違って、撮りたいなら撮ればと美しい動物がただ気ままに振る舞ってるように見える。過ぎてしまいもう戻らない瞬間をフィルムが保存している。

 '70s 英国キッズは勝手なことばかりし、汚れ散らかし火遊びをし、大人を愚弄し嘘をつきとんでもない。しかしとにかく美しい。大人たちも身勝手でいい加減な俗物で、退屈させることと罰することしかできない。大人が子供に対して正しいことを言ったり苦悩させたりしたがる日本映画とぜんぜん違う。

 ボウイーにこの映画と同年発表の「美しきものたちよ、君らがママやパパを狂わせてるんだよ」という歌があるが(プリティ・シングス)、この子供たちはほんと美しく気ままな理不尽モンスターで、大人たちは振り回される無力な存在だなと思う。メロディが不安を煽る嘘をいい母と祖母を戦慄させていたが、あの二人の大人の野暮ったさもすごくリアルだなあと思った。

 そんでですね、うちの娘らプリティ・シングスにとってはこの俺も、この映画の校長みたいに退屈な俗物ドンキーに見えるのだろうなあトホホと情けなくなります(笑)。大人たちは子供らに何もイントレスティングなことを与えられず困惑しているが、俺もそうだからね。やれやれ。

◇

 小さな恋人たちは大人を「老いて惨めな人々」と呼ぶ。あんなふうになる前に結婚しようという。「あんなふうになる前に」と思わせるような大人ではアカンよね。劇中の名曲 CSN&Y ティーチ・ユア・チルドレンは言っておりましたよ、「理由など問うな。ただ子供を見守りため息をつき、そして結局は愛されているのだと知りなさい」。だけど俺はついつい「なんでそんなバカなことをするのか」と説教してしまうんだ。

 主人公の友達のかっこいい少年(真ん中)はこの後きっとパンクになるんだろうなというイングランドの時代感も感じさせてくれ、すごくよかったです。英米カナダではこの映画がまるでヒットしなかったそうでおばあも奥様も知らなかったけど、これがヒットした日本はセンスいいなと思う。この美しいものたちと彼らがいる空気を遠くからただ写しているのはなにかとても懐かしいと思ったら、追憶の70年代日本ドラマ「俺たちの旅」だった :-)◆

2015/05/07

ムスメ@ナンバーワンinカナダ

娘が学校から電話をしてきて、「私のビデオがかか勝った」と言う。

――「あ、あの課題で作った『私のパッション:写真とビデオ』ってやつ? あれよかったもんね。じゃあ(市の選考突破で)州レベルかなんかに行くの?」
「いやもう勝ったの、ナショナルで!」
「へ?」
「ナンバーワンinカナダ!」
「えーっ!!」

というわけで、娘の作った美しいイメージビデオがカナダの全国フランス語科高校のアートビデオ大賞的なものをいただいてしまった。賞金プラス(主催した大学にもし行くなら)大学奨学金までゲットですよ。うひゃー! 俺は君の才能を信じていたよ、最初から!



この映像は素晴らしい、州予選くらいには間違いなく行くだろうと思ったけれど、予想を二段上回ってくれたな。なんてことだ。まあ主催は寒いところにある大学なので娘は行きたくないそうだけど(笑)。

――しかし俺はこんなに写真が下手なのにその写真と映像の才能はいったいどこから? 今日撮った俺のアート写真なんてこれだよ、虫だよ虫。絶望的な才能の壁を感じる(笑)。◆

2015/04/05

日記「マッサン最終回」

「ダークソウル平常心効果」「ダークソウル疲れ」「助けたいという気持ち」「震災のメッセージ」「バットマン・アーカムシティ終了」「エリーがいない」「大相撲最高」「この手を離してくれるなよ」

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■15/03/02(月) □ ガーゴイル打破
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俺史上最高難度ゲーム Xbox 360【ダークソウル】の苦闘は続いており、実質2つ目のボス、教会屋上の鐘のガーゴイルに死ぬほどやられる。こんなん勝てるわけないって。ゲームポッドキャスト「タコラジ」のダークソウル回を聞いてみたらナヴェさんもここで詰まりに詰まっておられた。それぞれがみな同じ苦難を各様に味わうのか(笑)。

 ツイッターで先達にいただいたガーゴイル戦のアドバイスは、「位置取りを考えろ」というもの。それを考えながらやられること30回、突然見えた。ボスの槍が俺に届かない間合いが見えた。見切った。紙一重で攻撃を交わし、足元に跳び込んで斬る斬る斬る! ―――か、勝った。

 信じられん。あげな怪物を真っ向勝負で俺が倒すとは。震える手で鐘楼のはしごを登り、物陰からまた伏兵が飛び出して俺の努力を無にするんじゃないかとハラハラしながら登りきり、谷間に鐘を打ち鳴らす。勝ったぞ皆の衆。――ってこの世界で生者は俺だけか。やっ・た…。この達成感が、このゲームを輝かせている。

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■15/03/04(水) □ ダークソウル平常心効果
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 大物を倒し鐘を鳴らし名も実も得た俺は、次なる難所「下層」へと赴く。…街だ。こんなところに人影もない狭い街路がある。痛いほど緊張する。慎重に行こう。そろりそろりと探索し、ドアを開け…デーモン的なものにドカスカバキと瞬殺された。あまりの瞬殺に、相手が何者だったかさえわからない。とても狭い場所だったような…そして相手は1人じゃなかった気がする。

 寝よう。ああなぜ俺はあのドアを開けてしまったんだ。ドアを開ける前にいったん戻ってセーブすべきだった。とほほ…。

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 あまりに悲痛なダークソウルに疲れ、1週間ぶりに Forza3 レーシングを起動。すると俺は先週よりうまくなっていた。やや。見える。コーナーに飛び込むまでのコンマ数秒でどれだけ速度を落としどのラインに乗せていけばいいのかが見える。――ダークソウル効果ですよこれは(笑)。極限状況でどれだけ平常な目を保てるかが鍛えられている。マジで。

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■15/03/08(日) □ ダークソウル疲れ
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 ダークソウルは「下層」のデーモンを試行 20 回ほどで倒し、「最下層」のうんざりする毒闇をネット地図を頼りに抜けボスを 15 回で倒し、だんだん落ち着いてボス戦を戦えるようになってきたぞと思ったが、次の「病み村」で超強い雑魚の毒おっさんに瞬殺された。はあ。この苦労の先に苦労が待つパターンにまあ慣れてはきましたが…(ため息笑い)。

 この毒おっさんに何十回もやられながら、しかしよくできてるなあと逆に感心する。制作者は『面白い地形を作り賢い敵をいやらしい配置で置く』ことだけで、こやつらをどうやって倒すか手を変え品を変え考えるという極上の楽しみを作り出している。シンプルで美しいゲームメカニクスだと思う。

 とはいえつらいのはつらく、、ダークソウル疲れがたまってきた。そろそろいったん休もうかな。初回プレイ時はこんなん無理と即スイッチをオフにしたこのゲームで、めんどくさいことの嫌いな俺がこんな奥まで来ただけでも信じられないくらいだ。それくらいすごいゲームだということである。

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■15/03/09(月) □ 助けたいという気持ち
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 スーパーへ買い物に行くと見覚えある青年がハローと俺に微笑みかける。「ん?…あ、ベジタブルマン?」「イエース」、私服で買い物中の野菜売り場のお兄ちゃんだった。俺を知ってるのか。ああ地元だなあ。

 ここでは4年前にもレジのおばさんに突然話しかけられたことがある。「日本は…大変なことになってしまったわね…」。彼女の娘もかつてかつて日本に住んでたことがあり、日本の難事が気にかかるのだと言ってくれた。ありがとうございます。地元へ帰ろう。地元で買おう。あなたの野菜。私のお肉。地元、地元。地元で買おう。

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 こないだ見て感動した NHK スペシャル【史上最大の救出】を萌に見せた。映画やドラマと違って日本の救助隊員たちは、「あそこに誰かいるんじゃないですか? 見えない…とりあえず降りてみましょう」と強がりもポーズもなく平易な言葉ですごい救助活動をしている。

 極限状態にいる人々のこの口調の普通さ、非演劇性に彼女も気付く。「わざと明るく喋ってるんじゃない? あまりにもトラウマティックだから…」。そうかもしれないね。「すごい、すごいよね」と萌はポロポロ涙を流していた。1人で見た時は俺も泣けてきて仕方がなかった。とにかく助けたい、助けたいという気持ちが伝わってくる。感動的としか言いようがない。

 萌は震災関連の映像をそんなにちゃんと見たことがないと思う。実際津波の映像なんか当時小5の子供に見せたくはなかった。この番組は衝撃的な映像は控えめで、いかに広い地域が水の下となり絶望的な状況だったのかはよくわかる番組だったので、これを見せられてよかったと思う。

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■15/03/11(水) □ 震災のメッセージ
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「私の友だちは東日本大震災がどれほどの悲劇だったのかわかっていない。わかってほしい」と、萌は今日 SNS ポストを書いた。アップする前にどう思うかと見せられ、相談してちょっと直させた。君がどう思うかだけ書けばいい。どう感じてほしいかは書かなくていい。

 萌は当時小5だったのだが、そのとき日系キッズと父兄が中心となって行った全校集会や義援金募集のときから、誰も災害の重大さをわかってないと感じていたのだそうだ。まあわかるけど、こんなにひどかったんだから君らも悲しめとカナダの子供らには言えないしね。ムスメの気持ちはわかるけど。そんなこんなであの震災について、今日は萌とたくさん話した。こんなに話したのは「進撃の巨人」で盛り上がってた時以来だと思う(笑)。

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 寝る前に日本語 TV で追悼式を見せる。4年前はまだ子供だったからこの時間はもう寝ていたけれど、今は寝ろと言っても寝ないのはなぜなんだティーンエイジャー。

 萌は天皇皇后両陛下をわーかわいいと言っております。「こんな悲しいセレモニーなのにかわいいなんて言ってて、悪いよね私」「いや別にブーイングしてるわけじゃないからいいよ。…あ、そういえばうちのこの首相がこないだ国会中にブーイングしててだね、TV カメラに見つかってえらい怒られたのだ…」。はは :-)


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■15/03/12(木) □ ダークソウル休止
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 暗い地下の村「病み村」底の篝火までがこれまでで最も辛い道中で、敵を倒して倒して倒しまくらねばならず、腕がもげそうだった。1つ1つの敵は倒せる強さだが、物音に反応して集結してくるので、よほど気をつけて個々に釣り出し倒さないとすぐに囲まれてしまう。人指し指トリガーって引きにくいし疲れる。Wii リモコンでやれたらずっと楽なゲームになるだろう。

 数日間十数時間でようやくたどり着いた病み村の底。―――しかしここはいったい…。この毒沼で何をすればいいのだ俺はと途方に暮れてしまった。あの苦しい迷路を抜けてやっと少しは楽になるかと思ったら、歩くだけで毒状態になる沼かよ。これはさすがに気持ちが落ちる。疲れた。いったんここまでとしよう。面白かった。だがもうここまででお腹いっぱい。

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 そして寄り道したダークソウルにはまり数週間放置していたバットマン・アーカムシティを再開する。バットマンは落ちても死なないのが素晴らしいな(笑)。このゲームをまず終わらせよう。もうストーリーは大詰めのはずである。

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■15/03/18(水) □ バットマン・アーカムシティ終了
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 【バットマン・アーカムシティ】のメインストーリーが終わった。短かったが楽しかった。ゼルダでもなんでもだいたい終盤はボスバトルが非常にしんどくなるのだが、このゲームはその辺抑制が効いていた。最後のボスは2回めのトライであっけなく倒せてしまった。しかしストーリーも演出も見事。エンドロールに合わせ流れる音楽が胸を打つ。こうした細部まで実に練られたゲームだった。

 メインが終わってもゲームの達成率は半分ほどで、あとは飽きるまでサブミッションを達成していけばいいという作りになっている。しかし大きな建物に侵入してコツコツ敵を倒していくあの楽しさはもうこれで終わりだろうな。残念。最後のタワーに登っていくのは最高に楽しかったな。

 アーカムシティはゼルダ・スカイウォードソードと同年度のゲームで、こっちのほうがはるかに評価が高かったのだと思う。アイデアの詰め込み具合ではゼルダのほうがお買い得感がある。しかしパッケージとしてこちらのほうがすべての面で端正でスタイリッシュで、国産車と外車感があるな。

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ゲーム本編をクリアしても町は悪漢だらけなのだが、悪娘ハーレイクインはどこへ行ったのだろう。彼女がアジトにしていた製鋼所にもいなかった。しかし前とは違うちょっとした仕掛けが製鋼所に施されており、ああと胸を打たれる。エンドロールの歌と共に、唸らされるほどの演出。気づかない人も多いだろうこの小さな仕掛けに、洋ゲーのドライで抑制された詩を感じる。

 もう一度会いたいなハーレイクイン。君の理不尽な罵声をもう一度浴びてゲームを終えたいよ。――そういえばこのゲームの有料追加ダウンロードが「ハーレイクインの復讐」だった。俺みたいなやつが買うんだ間違いない(笑)。商売うまいなあ。それを俺が買うことはまずないので、Youtube で見てしまおう。――見た。はは、相変わらず口が悪いな、ハーレイかわいいよハーレイ。

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■15/03/19(木) □ ヤンキー漫画的センス
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 数シーズンぶりに欠かさず見ている朝ドラ【マッサン】も最終盤。戦争中の迫害に傷ついたエリーは先週末、キャサリンの「よう頑張った」という一言で解放された。このあと「エリーと戦後日本の邂逅」が1シーンくらい描かれるかと思ったら、工場の外に行くことなく彼女はまた背景に引っ込んでしまった。俺は背景ではなく前景にいるエリーを一番見たいのだが。

 政春は相変わらずわしのウィスキーが喜ばれんのはなんでじゃ苦悩をやってるし、らせんを描き同じ地点を何度も通るが一向に上に上がっていかない物語だなと思っていると、戦争帰りの悟という新キャラが登場する。ここで戦争のトラウマだとかマッサンの酒スノッブへの反発だとか濡れ衣ケンカだとかの大道具が運び込まれ、エリーの階段落ちのときと同じきな臭いにおいが立ち込める。

 結局この仕掛けは、悟がシベリアでの罪悪感や屈辱を「三級酒が許してくれた」と大見得を切り、これでマッサンがピープルのための三級酒開発&成功となるというものだった。やれやれ。政春のウィスキーをうまいと言ってくれない人々の気持ちではなく、辛抱強い株主の声でもずっと一緒にいたエリーや俊兄の助言でもなく、戦争の傷という大きな装置がドスンときてようやく政春を動かすところがこの物語なんだな。

 俺はこのドラマを全体として愛しているが、脚本家と演出家のヤンキー漫画的なセンスはどうにもしっくりこない。ヤンキーだからこそ感情の衝突のようなところで散る火花は鮮やかで、はっとさせられるのだけれども。反射神経的なところは素晴らしいが、プロットを練るとそうでもないと思うのだ。

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■15/03/20(金) □ エリーがいない
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 【赤毛のアン】も最終回。カスバート家を思いやるギルバートの温情を知ったアンが長年のツンを詫び、二人はこれが運命だったんだよとデレの道をゆく。いいなあ。物語はブラウニングの引用で終わる。ブラウニングには「共に老いよう。まだ見ぬ最高が、この先にあるはず」という、アンとマリラの未来を歌ったような詩もありますね。

 「赤毛のアン」の続編を読みたくなってしまうな。日本へ行ったら文庫を探そうと調べてみたら、10冊もあるのね。75歳まで描かれてるのか。朝ドラじゃん。とりあえず次の「アンの青春」だけは読んでみたい。

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 【マッサン】政春のウィスキーがついに人々に喜ばれる待ちに待ったこの場面に、エリーがいないことが俺はとてもさびしい。今日に限って彼女は立ち聞きすらしていない。この物語である意味いちばん見たかったものが、酷薄なほどにスルーされてしまった。これを見ずして何がエリーの冒険だったのだろう。

 ほんとエリーの「冒険」ってなんだったのだろう。政春初のヒット製品誕生の喜びをエリーがねぎらうシーンすらないのだから、今週の「三級酒が許してくれた」はエリーはウィスキーの妖精だという壮大な思い込みへの「違います」というアンサーだったのだろう。エリーは政春のウィスキーの冒険から徹底的に排除され、「ダーリンのウィスキーがこの国の人たちに愛されること」がエリーの冒険ではなかったということになる。では演出は何をもって来週エリーの死に際に、「すてきな冒険だった」と言わせるのだろう。

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■15/03/22(日) □ 大相撲最高
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 大相撲千秋楽はここ数年の相撲で特筆すべき1日だった。モンゴルのすばらしい若手・照ノ冨士というのが出てきたのだが、こいつが強いわ物腰に若造の可愛げがあるわで非常に好ましい。

 でこのテルちゃん照ノ冨士が2敗でキング白鵬を追いかけ千秋楽を迎えたのだが、相手の大関豪栄道もやっぱり強いな決まったと二度くらい思わせる体勢から、力と技で豪栄道をねじり伏せてしまった。本当に見事なまでにねじり伏せ、これはもうすごいと満場が騒然となる一番。

 で彼の兄弟子である日馬富士が白鵬を倒せば、照ノ冨士と白鵬の優勝決定戦となる。これで今場所調子イマイチの日馬富士が弟弟子のために気合が入る。一歩も退かず、白鵬に組ませないために(組まれたら一気に持っていかれるからね)ありとあらゆる手管を使い牽制し、ついに回しを取って頭をつけ圧倒的有利な態勢に持ち込む。現在の調子実力の大きな差を思えば、もうここまでで胸熱ですよ。

 しかし圧倒的不利になってもそれだけじゃ負けないのがキング白鵬の恐ろしいところで、ここから日馬富士を投げようとする。投げるのは物理的に不可能なんだけど、あまりの膂力に日馬富士の有利な態勢が徐々に崩れていく。そして何度目かで白鵬の胸につけたつっかい棒の頭が外れ、組まれてしまい日馬富士は万事休す、ずいーっと押し出されてしまった。いやいやいや、すばらしい! 日馬富士もよくやってくれた。えらい。白鵬ももちろんえらい。満場拍手喝采。

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 あまりによかったんで翌朝奥様に、昨日の相撲は素晴らしかったと力説してしまった。

「モンゴルのすごい若手が出てきたし、横綱同士の最後の一番も素晴らしかった」
「横綱は日本人なの?」
「いや両方モンゴル人だけど、いいんだよいい相撲が見れれば、会場はちゃんと歓喜の場所になるんだ」

 で今朝↓こう書いている人を見つけた。相撲を面白くしてくれる力士たちはほんと、リスペクタブルだよ。

玉川 薫
千秋楽を録画で観たが、モンゴル出身の力士数人に、古代の金剛力士とか不動明王の魂が吹き込まれるのを目の当たりにしたような思いをした。その頂点を長年一人で守ってきた白鵬が審判の判定に多少不服を漏らした程度でちくちく嫌味を言うなど、相撲協会の「伝統」も大したことないな、としか思えない。


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■15/03/25(水) □ この手を離してくれるなよ
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 【マッサン】政春の一級酒の方も知らぬ間に大成功していた。あれま。結局このドラマは政春の理想と人々の気持ちがどのように出会うかを描く物語ではなかったのか。うーん。ではエリーと政春の物語が大きく後退した後半3ヶ月、俺は何を見ていたのだろう。よくわからん。まあいいか、おばあちゃんエリーかわいいから。喋り方がほんとに日本のお年寄り :-)

 もう今週でお別れだけれど、シャーロットさんの演技を見るのはほんとうに楽しかった。あの出会いの日のまばゆいばかりの美貌の少女と、手紙を持つ手がカサカサ震えるエリーおばあちゃんがわずか半年違いだという物語のワンダー。

エマとマイクを見つめわしらもあげなときがあったのうと微笑む二人の胸に、美しい思い出が浮かぶ。若きマッサンが「この手離すなよ!」と言ってたのはずいぶん乱暴だったけれど、雪の小道でそっとつなぐ手には政春の、「この手を離さんといてくれ…」という願いがこもってるようにちゃんと見える。若い頃も気持ちは同じだったんだろうなとしみじみわかる美しいシーン。

 この物語を通して見てもエリーは国を出て幸せだったのだろうかという、政春が抱いてただろう問いに答えはない。それは俺自身も同じなんだけど、一緒に歩くと妻はエリーのようにいつも、手をつないでくるのです。答えのない毎日なのだけれども、いつもああしてつなぐ手と手が、言葉にしたり比較したりはできない幸せの答えなのかな。

 この最終週を見ていて思うのは、何も起きずマッサンとエリーがそこにいるということが、なんとすてきなのだろうということだ。これを見ていたかったし、これだけを描いてくれればよかったのかもしれない。この物語は実際のところ俺たちが知りたいことがあまり描かれず、あまり知らずともよいような部分に力が入っていた。でも二人がかわいい人たちでラブラブだったということが、一番大事なことだったんだろうな。

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■15/03/28(土) □ マッサン最終回
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 【マッサン最終回】「私の夢はマッサンでした」というエリーの手紙で物語はきれいに閉じて終わる。エリーのお墓にありがとうのうとささやくマッサンを見ながら、これは愛と冒険というより愛と感謝の物語だったなと思う。あなたのウィスキーがわかってはいなかったゴメンナサイとエリーは告白し、知っておったよと政春は微笑み涙をこぼす。それでも君がいたから、あなたがいたから、すべては可能だったのです。

 何もかもあなたなしには不可能だったというのは書物の献辞やアカデミー賞謝辞の感動の定番だけれど(俺ももらったことあります!)、マッサンは献辞の代わりに生涯最高のウィスキーにエリーの名前を込めたんだな。お墓の前で振り返った彼の目に映る二人の姿。フィナーレ。

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 「ダーリンのウィスキーがこの国の人たちに愛されることがエリーの冒険ではなかったのか」と先週鋭い疑問を感じたが、「味はわかりませんでした。私の夢はマッサンでした」と最後に答えは示された。そうか。エリーはただ愛と感謝の物語を生きており、それが政春の力になっていたのね。それをもってして「冒険」と呼ぶのは現代の物語ならば弱いと思うが、あの時代のエリーとそしてシャーロットさん自身にはマッチした言葉だったのだろう。

 NHK「マッサン」サイトに「国際結婚をしてよかったことは?」というアンケートがあったのだが、それは愛と感謝だと俺ならば答える。持っているものがあまりに違うので滅茶苦茶補完し合い、ありがとうのうと常に微笑み合える。脚色に不満を言えばキリがないがこの物語前半はそこを描いてくれたと思うし、最後にそこに戻り終わってくれてよかった。終わってみると楽しかったし、好きだったとしか言いようない。「半年間の役者やスタッフの撮影ドキュメンタリー by たけ」もほんとそうだなと思う。

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「Massan」by John Lennon
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エリー。わしゃ言葉にできん
考え足りんわしの、この混乱をじゃ
エリーには世話になりっぱなしだったけえ
エリー。わしゃ見せたいんじゃ
わしの本当の気持ちや、感謝をじゃ
ウィスキー品評会で優勝する意味を
エリーは教えてくれたんじゃて
Ooh well well Doo doo doo

マッサン。あなたはわかってるでしょ
私がウィスキーの味わからなかったこと
私の人生は離さなかったあなたの手の中にある
ねえマッサン。抱きしめて
どんなに離れてもわたしたちは一緒よ
結局これは星に書かれた運命だったのよ
愛してる。今もこれからも
愛してる。今もこれからも
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 という物語だったなあと、ジョンとヨーコを思い出すのです。