萌は俺の中高時に比べあまりロックを聞かないのだが、iTunes/iPod 内に美麗なロックコレクションを作るということに趣味的にハマっていて、家中の CD を取り込んではカバー写真を探し「アルバム」を作っている。取り込んでもあまり聞いてないと思うが、「ミックって声が嫌い。『アンジー』だけはいい」と言ってた(笑)。
友だちと出かけるとおこづかいで CD を買ってきては壁にピンでジャケットを貼り付け、音は iPod に入れて聞いている。で車の中で俺にも自分の CD を聞かせるのだが、彼女が好きな現代ロックがその…ピンとこなくて…なんとも反応のしようがなく気まずい。すまん。
お気に入りの中で最も有名なアークティック・モンキーズも、初期のルースターズみたいなやつ( I Bet You Look Good~や Fluorescent Adolescent)は悪くないねと思うが、萌が選んで俺に聞かせる曲はザラザラ尖ってうるさいんである。
行事は生徒の学業スポーツアート実績の表彰式で、まあ小学校時のリコグニションアセンブリー(頑張ったことを認めてあげましょうの会)と同じで、違いはより大仰で時間が長いこと。そして小学校時は「ハードワーク」「思いやり」といった抽象的な美徳を表彰されたのだが、高校はより具体的で成績オール A とか学年首席とかスポーツ大会での優秀成績となっている。
萌は友だちに作ってもらった美しいサマードレスで参加。しかし単に一般の学業優秀オール A をもらっただけだったので、他のさまざまな賞をもらった子をうらやんでいた。こないだの仏語ビデオアート大賞のほうが萌にとってははるかに特別なことなわけだがそこに言及なしで、彼女はがっかりしていた。おそらく賞を取ったことを、関わった仏語担任が学校に通知してないのだと思う。
じっさいスイス戦も、会場で見ていたカメ戦もオランダ戦も俺は、「この程度のプレスを交わせなくてどうする、決勝は USA だぞ」とずっと7月5日のことを考えていたんだよな。4年の蓄積でプレスされてもショートパスでスイスイ交わして進むという夢を描いていたんだけど、それができるのは対オーストラリアレベルまでだったようです。
英語話者は deserved to win(勝利に値した)か否かとやたら問いがちなんだけど、それは印象だからね。ゴールでしか勝敗が決まらないスポーツで君は、印象点でどうこう言うのー? 肝心なのはゴールなんだから、語りたいなら deserved to score か否かと問えばいい。そう言えば deserve という印象言葉で勝負の是非を語るズレに気づくだろう。印象言葉でチームの健闘を称えるのはいいが、けなすのは馬鹿げている。英は完璧に力を出しきり戦術を遂行し、なでしこはあれだけ不利な試合でも1点多く入れた。Of course both teams deserved to win.カナダ解説は「イングランドほど悲劇的な敗退が似合う国はない」と形容していたよ。
しかし練習は見学禁止で、今日も写真ビデオは撮影禁止。映像をほしければ公式 DVD や写真アルバムを買えというシステムになっている。このカナダの子供の楽しみを人質にしたビジネスモデルには本当にうんざりさせられる。こんなモンキービジネスに関わらず日本の田舎でのんびり高校生をやっていた俺は、その点だけは幸せだった。
タブレットの機種は台湾 ASUS の高級品 T300 Chi といい、美しく高性能である。しかしやや重くバランスが悪い。タブレット部とキーボードがマグネットでガシッと接続する形態になっておりその堅牢さが売りなのだが、しかしその特殊な機構ゆえに角度の自由度が低く、膝の上に置くと斜め上からスクリーンを見る角度になる。しかも手を載せていないとキーボードが浮いてしまいそうなくらいバランスが悪い。また合体しただけではキーボードが接続されずキーボードスイッチを別途入れる必要がある。各種スイッチも異常に小さく押しにくい。USB は全部マイクロなのでマウス等使うにはアダプタが必要となる。月に一度キーボードと本体をワイヤでつないで充電しなければならないのも欠点。全体として、見た目はいいがえらい使いにくいなコレという感想になる。
ASUS は社のフラッグシップとしてこの Chi(漢字で「気」)に精魂つぎ込んでるようで、たしかに台湾製らしからぬ高級感がありよくできている。しかしどうしてこうも明らかな欠点だらけなのかという感じ。日本製ならばこんなあからさまな欠点は残すはずもないし、キーボードやスイッチ類の操作感は2倍よくできるだろう。
NHK の壇蜜の番組で Nico の「フェアレストオブシーズンズ」がかかって胸を衝かれた。俺はカナダに行くべきなのか、そんなことがはたして俺に可能なのだろうかと考えながら働く警備車の中に、誰かが忘れていったカセットテープにこの歌が入っていた。あれはベルベットアンダーグラウンド好きなミゾのテープだったんじゃないかな。
Nico - The Fairest Of The Seasons
(Jackson Browne)
Now that it's time
Now that the hour hand has landed at the end
今はもう、時計が終わりを指している
Now that it's real
Now that the dreams have given all they had to lend
今はもう、夢が貸してくれたものも終わり現実
I want to know do I stay or do I go
私は知りたいの、ここに残るべきか行くべきか
And maybe try another time
別な機会を待つべきなのか
And do I really have a hand in my forgetting ?
忘却の中に選択肢は本当にあったのかしら