「新ゲーム候補・グレンモア」「ひょろひょろバドミントン」「初の居残り」「予想以上に難しいグレンモア」「資料を揃え本格研究」「楽しくなってきたグレンモア」
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■11/10/02(日) □ 新ゲーム候補「グレンモア」
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こんな感じに個々の小さな集落ができる
「ボードゲーム 拡大再生産」でひたすら検索を続けて、ついにプエルトリコより軽そうなゲームが見つかった。「グレンモア」という、スコットランドの牧草地帯をタイルで表したゲーム (
iska の道楽日記「そこそこの時間で楽しめる拡大再生産ゲーム」)。
土地の購買、資源産出、加工、売却、建物効果と俺がほしいものが全部あり、ルールを読んでいるとワクワクしてくる。これは面白いに違いない。45 分で終わり、2人戦もきっちり面白いとのこと。これだ。
問題はチケライと違い、萌とMが気に入り、やろうと誘ってくれるような軽さと華やかさに欠けていそうなことだな。タイル1枚1枚はきれいだが、機能タイルなので並べても景観はできず美しくないのである。カルカソンヌみたいに美しい領地ができ、そこに建物があるという絵柄になれば印象は全く違うのだが。
それに建物種類が多い=処理が煩雑ということなので(だからいろいろできて面白いのだが)、導入に失敗するとプレイを拒否されそうである。その辺はやってみないとなんとも言えない。
グレンモアの元ネタ? アルハンブラ
これと見た目がそっくりでファミリーゲームとして評価が高いアルハンブラというのも浮上している。これはみんなが問題なく楽しいだろうが、ルールを読むと「カードを集めタイルを買い並べて各色が多いものがポイント」とある。つまりチケライとカルカソンヌとコロレットがあるうちでは、このゲームで新しい要素はないわけだ(笑)。やっぱ町を作ったら生産したいに決まってるわけで、アルハンブラプレイヤーのその当然の欲求がグレンモアを作ったに違いない。
ボードゲームで生産をしたい。プエルトリコやサンファンの面白さを、萌とMにもやらせたい。別に勝たなくても自分の町構築と生産と拡大が楽しめれば、萌もMも喜ぶと思うのだ。
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■11/10/04(月) □ ひょろひょろバドミントン
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手足がひょろひょろと伸びすぎて運動神経が鈍い萌の hand-eye-coordination(動体視力系)と敏捷性を鍛えるため、今日からバドミントンのレッスン。行ってみたら生徒とコーチが全員アジア人で、ああそうか、バドミントンはアジアのスポーツなのかと気がついた。中国とマレーシアあたりが強豪だったもんな、たしか。
そしてヘッドコーチは頑固そうなオヤジで、意外やお楽しみ要素皆無のシリアスクラブだった。上級者は素振り百回、萌たち初級者は床に投げられた羽根を素早く拾い投げるという反復練習から始まる。うひゃー、こりゃマジだ。
萌はナニコレなんなのという顔で嫌々やっているが、なにしろ羽根を投げるとき左を前足に2軸動作で投げることすらできない運動音痴なので、体を動かせば何をやってもためになる。右を前足でしばらくやっていると、コーチが直してくれた。よしよし。過去に萌が入ったスポーツクラブの中にはやる気がまるでないコーチも多く、こういう明らかに駄目なフォームを放置されたりもしたのである。このクラブはためになるためになる。
ほんとにヒョロヒョロな娘ざんす
次にようやくラケットを持ってサーブの練習。萌は当然ながらまるで羽根にラケットが当たらない。これはまあ予期した通りで、萌が空振りを続けていると中国体育公司羽球部出身風ひっつめ髪の女子コーチがやってきて(萌によるとやはり英語は少しなまっていたとのこと)、羽根から手を放し落ちてくるところを迎え撃つのよという感じでコツを教えてくれる。これで 1/2 回くらい当たるようになった。萌は遠目にもうれしそうである。よしよし。
しかし回りのレベルが高いのが予想外だった。体育館のこちら側半分の上級エリアで全力ラリーをやってるシリアスにうまい小学生たちは、どう見ても中高で州選手権を目指すような子たちだ。このクラブはおそらく地域で真剣にバドミントンに打ち込む子供が入る、虎の穴的クラブなんだろうな。
続いてシャドウレシーブ動作をしてからバックステップしオーバーヘッドで打ち返すという練習。これはもう動体視力ゼロの萌には無理に決まってるのだが、それでもサーブをくれる子がかなり上手でいい弾道のサーブをくれるので、1/4 回くらいは打ち返せていた。これも楽しそう。こりゃいいぞ。これまでやったサッカーやホッケー、つまり下手な子は手も足も出ずただ立ち尽くすだけだったチームスポーツとは違った手応えがある。
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ジムから出てくると萌は、超楽しい、もうバドミントンに夢中だと声が弾んでいた。やっぱバドミントンは楽しいよな。ラケットを使うスポーツで一番素人が楽しめる種目だろう。羽根がゆっくりと落ちてくるから、駄目かと思っても間に合うんだよね。私も高校の時大好きで、県大会に出てる選手に挑戦して1ポイントも取れずヘロヘロになったりしたよと体験談を話す。頑張って楽しんでくれ。うちの前の道でも練習できるしな。
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■11/10/06(木) □ 初の居残り
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この学区だけかもしれんが、カナダ小中学校では百科事典みたいな巨大ハードカバー数学教科書を生徒がレンタルして代々使うというシステムになっている。5キロもあるバカ本(いったいどうやったら数学教科書をあんなにでかくできるのだ)を子供が毎日運ぶことが馬鹿馬鹿しい上に、レンタルなので理解を助けるために書き込みすることもできない。さらに宿題では、教科書が手元に残らないからだろうが
数学設問の文章までノートに書き写せと命じられる。信じられん。そんな無意味拷問的作業はやめろ答えだけ書けくだらんと俺は昨夜萌に命じたのだが、そのせいで今日彼女は初の居残りになってしまった。
もう我慢ならんと低能固陋数学教師マダムザザ(仮名)に抗議しに行くと、高圧的でいかにも物分かりの悪そうな銀髪の鬼婆……ではなくて、俺よりずっと若く優しそうな先生が出てきた。ありゃ。こりゃどうもとなぜか途端に冷静になった俺は、紳士的態度で質問する。「―――文章問題のコピーなんて意味のないことはやめろと私が止めて、それで娘が居残りになり悪いことをしたと思ってるんですがねえ。一体なぜ文章をコピーせねばならなかったのか。いかような教育的意図がそこにあるのでしょうかねえ?」
するとマダムザザは全文コピーなどとは言っておりませんわ、テストのため復習する際ひと目でわかるよう、また生徒が各問題について実際に考えたことを示すため、問題の要点をノートに書き留めなさいということなんですのよと答える。
なるほど。すると全文逐語コピーじゃなく、単に
《自分のための要点メモ》でよいと? ――そうですわ。そうですか。そうですわ。――といったあたりで談話終了。本当はこの膨大な量の宿題を全部やめてくれ、これじゃあんまりだ子供ライフが台無しだと言いたいのだが、他の生徒もいる手前そこまでは言えなかったのであった。まあ一歩ムダ削減か。やれやれ。日本の学校は詰め込みで海外の学校は自由だなんて、まったくの嘘だよな。どこから発生したのかという都市伝説のたぐいである。
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居残りになって悪かったね、先生とは話したよと謝り、萌と家に帰りバドミントンをした。萌は本当に動体視力がないのだが、それでも振りを小さく速く、シャトルは落ちてくるのに時間がかかるから、よく見てステップすれば落下地点に入りフォームを崩さず打てると指示していると5回くらいラリーが続くことがあり、気持ちいーと叫んでいた。よしよし。とにかく敏捷性とボディバランスと判断力と動体視力、このすべてを鍛えていこう。
晩飯後暗くなってシャトルが見えなくなるまでもう一度バドミントンをし、そのあとまたパフュームのビデオを一緒に見たり、友達のことなどいろいろと話をしたりした。やっぱTVを消すと話が弾むな。
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■11/10/07(金) □ 予想以上に難しいグレンモア
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ニューウエストのゲーム屋でついにグレンモアをゲット。あそこのオヤジは俺がこれで購入4~5個目だというのに、そして俺はおそらくそれなりに珍しいだろう外国人ゲーマーだというのに、毎度ありがとう的態度が全然ない。カナダじゃ珍しいくらい口下手な人らしい。
「グレンモア」は箱を開けてみて驚いた。ち、小さい。タイルはカルカソンヌより1回り以上小さく、城カードも小さく、説明書とそのフォントまで小さい。トラベル用ミニチュア縮刷版ゲームという感じ。小さいタイル上の極小アイコンは正直見えない(見えないほど極小なアイコンは1枚だけだったので、これは木と石と覚えてしまえば支障はなかったが)。箱の仕切りも他のゲームの流用で、パーツが全然きれいに収まらない。いろんなところでコストをカットしていることをヒシヒシと感じる。
ともあれソリテアで始めてみると、やはり連鎖処理が難しい。置いたタイルの8方向がアクティベートするというのを忘れそうになり、まごまごとキューブを置いていく感じ。産物は思ったよりも大量に産出し、市場に売れる量は決まっているので処理に困る。
3周くらいしたところで産物をポイントに交換できる Annual Fair(歳の市)を取れ、これで
余剰の産物を一気に5点に変換。うおー気持ちいい。これだ。序盤はこの Fair の回りに俺の村を作っていけばいいのだ。次に持ってない産物を買ってそれを使い初めて城を買い建てる。美しい。これを建てることでまた産物が出て、購入費用はその場でペイできる。楽しくなってきた。
ソロ(相手はダミー1名)で1回最後まで回してみた感想は、やはり難しい。置いたタイルに接する全タイルにアクティベーションが起きるというのはカルカソンヌの建築士と似て
人工的で非直観的なルールなので、えーととこれか、いやこれはさっきもうやったかと考えないと処理できない。かなり慣れが必要だ。中間決算も最終決算も、どれを計算するんだっけと悩む感じ。全体にまごついている。これを家族に楽しんでプレイしてもらうには、よほど俺が熟達し、ルールをスムーズに説明し処理を明解にやらないと無理だなー。
それに処理手順が説明書からはわからないものがいくつもある(ネス湖の処理など)。このルールの曖昧さが片付かないとゲーム全体を集中して楽しむに至らないという感じ。そうした細々を BGG で調べ整理してからでないと、当分対人プレイはできなそうだ。ルール全体は
REDHAWK_Black さんの写真付き日本語ルール解説ページをメインに、わからないところを BoardGameGeek(英語)で検索する感じで進む。
もう一度プレイすると少し流れが出てきたが、家族ゲームとして捉えるとこれは難しすぎるかもなー。これがもし家族でプレイできなかったら、あきらめてカタンの中古でも買おうかと思いつつ寝る。
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■11/10/08(土) □ 資料を揃え本格研究
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グレンモアをやりたくてバキっと目を覚まし、これまで手に入れておいた資料を精査し、
「特別な土地」写真一覧と、各タイルの詳細を俺が整理しなおしたチャート、ルールサマリーの計3枚をプリントした(どれも英文)。これでようやくプレイに支障がなくなる。カードを使うゲームはすべて、最初からこれくらいしといてもらいたい。
ソロ3回目は森を取っておかなかったのが失敗で、R3 の段階では取れるカードがなくなり手詰まりになってしまった。失敗した、やり直したいと強烈に思う。そう思うということは面白いということだ。面白さレベルとしてカタンくらいになってきた。
これは想像してた自分のイメージ通りの町を作るという感じのゲームではなく、
手に入るタイルを組み合わせポイントを搾り出していくゲームだな。初期の生産地がだんだん内陸になりアクティベートできなくなるので、得点法を新たなプランへとシフトしていく必要がある。そこが難しく考えどころだが、重要なウイスキー工場を初期に建てても、だんだんその工場のアクティベート機会が減るのでそれだけで独走はできないという優れたバランス取り装置にもなっている。実にクレバーなメカニズムだ。
資料も揃ったしおよそのプレイ感覚は掴めたので、1人2役+ダミー1名の2P戦をシミュレートしてみる。赤と黄で黄をメインにプレイ。赤に工場を取られウイスキーは作れん、ここは肉屋と歳の市作戦だとサンファンのように見通しが立つようになってきた。プラン通りに歳の市でコツコツ稼ぎ、最後に教会のアクティベート効果で産物を5色揃え、それを歳末大歳の市(一番大きな Fair)に出し 12 点を加え、53 点。よし、会心の勝利。面白い。
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夜最後のソリテア2P戦は 62-61 と驚くべき接戦。一日中ソリテアをやってみて現時点での感想としては、戦術がやや単調かなというところ。少しやれば木と石と麦(ウイスキー)がなければ駄目とわかるから、ソリテア2P戦では序盤はまったく同じミラー戦術になってしまう。そして主要な得点源であるウイスキーを競って生産し、中盤の引きでできるだけいい城を取ろうと努力し、最後のまとめで歳の市を使って終わるというパターンに固定しかけている。これじゃちょっと戦術的に淡白すぎるな。
しかし BoardGameGeek を読むと、ウイスキーなしで勝てるという人も多い。明日はウイスキー対それ以外でやってみよう。
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■11/10/09(日) □ 楽しくなってきたグレンモア
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【ウイスキー対それ以外】赤がウイスキー量産に成功し大量9個生産。タベルナも合わせて 62 点のハイスコア。黄はテストのためウイスキーをわざと生産せず、肉屋と歳の市で稼ぐつもりだったのだが、畑類をあちこちに分散させのが失敗で一向に売るものが取れない不作に悩み、村x3点の城で一矢報いただけに終わり 49 点。ウイスキーゼロで進むなら畑類を集中させ、毎回順調にアクティベートできるよう最低でも牧場・肉屋・畑のどれかをダブルで量産体制にすべきだったのだろう。
しかし赤にはザクザクと作物が出、黄は不作に悩みつつ大物城タイル獲得にギャンブルで逆転を狙いと、別の戦術を取ったことにより明暗が分かれ面白いゲームだった。昨日の2P戦は全部同じ戦術だった(それしか俺にはできなかった)からイマイチだったんだな。
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萌とのバドミントンの合間に、ウイスキーなしで樽(ウイスキー生産)農家に勝てる方法はないかあれこれとトライを重ねる。何戦目かで樽農家に2件目を取らせないために自分が蒸留所を取り、他は思うようにプレイして熱戦となる。結果としてまた樽プレイヤーが勝ったが、これはウイスキーなしでも勝てるなとわかってきた。樽と同等の点を取れる首長などのオルタネイティヴ得点源も豊富に用意されている。今度は肉屋&首長点戦法を試してみよう。こうしていろいろ戦術を考えること自体がやはり楽しいタイプのゲームである。BoardGameGeek の戦術・ルールフォーラムを読むのも楽しい。
小皿がたくさんほしくなるキューブたち
こういうキューブやチップがある本格ボードゲームを持つのは初めてだが、サイズ的にミニチュアとはいえやはりなんともいえない気持ちよさがある。作物がじゃらっとタイルに乗るのは理屈抜きにうれしいし、スコアも実はカルカソンヌのスコアボードを使ったほうが計算は楽で正確だが、
自分のアクションの結果チップをもらったり、それをまとめて両替することにはなんともいえない満足感がある。チップは単なる厚紙なのだがさすがは Alea という大メーカー製で、数枚手に取るとチャリっというプラスチックとは違ったいい音がする。たまらん\(^-^)/。
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■11/10/10(月) □ ソリテアで楽しきグレンモア
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グレンモアソリテアを続行中。1人2役でも付属の特製サイコロによるダミーが頑張ってくれて本当に面白い。マーケットの取引もサイコロがやってくれるともっと面白いなと思い、
ダミーが生産タイルを取ったらその作物価格をサイの目に従い上下している。現在の価格より上のサイの目でそこに止まった場合はアップ、逆はダウンという感じ。これはやってみると非常に良い塩梅に働く。
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┃ ソリテアのみのグレンモア感想 ┃
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戦術的バラエティは期待通りに多彩で面白い。その分悩むことは多く、相当に慣れてもタイルの選択には時間がかかる。カルカソンヌなら「ここに置けるタイルがほしい」という待ち受けポイントを作り、出たタイルを見て次の手をほぼ瞬時に判断できるのだが、グレンモアは取れるタイル約 10 枚と自分の領地を見比べて、最も有効なポイント産出メカニズムを発見しなければならない―――というかしたくなるので時間がかかるわけである。まあ俺は1人2役ゲームなので、待ち時間に次の手を考える暇なく2人分をずっと考えており、それで時間もかかり悩むというのもあるが。
このように考えどころが複合的でときに難しいこと、システムがやや非直感的でとっつきが悪いところ、見た目が小さく視認性が悪いところ、そしてルールブックに不備がありこれだけではプレイしにくいところ(※)と、欠点はある。
しかしゲーム自体のデキは素晴らしい。
(※)BoardGameGeek のグレンモアフォーラムではルールの議論が一番多く、ファンによる英語版全文改訂訳が出ており、フォーラムではこっちが公式ルールになっている。
とっつき悪さの壁を突破すると、すべてのルールは
「取って置いて自由にアクティベート、売買はいつでも必要なだけ自由に」という3つほどの手番原則に則っており、妙な例外はなく、その原則通りにプレイすればほとんど何をしてもいいゲームなのだとわかる。
超自由度が高いのだ。何をしても壊れないほどシステムは堅牢で、そして間違いなく面白い。カルカソンヌにほしかった生産要素が加わり、カタンではサイの目に翻弄されコントロールできない資源産出が自分でデザインでき、プエルトリコでは限定されていた得点法がより多岐にわたっている。
これは面白いに決まってると、購入前にルールを読んで想像した通りの面白さがある。
今日最後のソリテアでは、赤が樽5差をキープし順調に進み、強力城タイルも有効に使い大量 55 点を取る。黄は初期は樽の5差を削ろうとしたがあきらめ、首長点を増やすメイ城もダミーに奪われたが、産物を選択して出せる「アイオナアビー」と毎ターン1タイル余分にアクティベートできる「ネス湖」を組み合わせ、毎ターン確実に3種の産物を揃えて小市場に出し 5pt を生み出す省燃費エンジンを組み上げ、村数×3pt のデュアート城ポイントも加えて 61-55 の逆転勝利。やっ・た。ウイスキーなしでの完璧な勝利。サイコー。これが Youtube でレビュアーが言っていた
「小さな得点エンジンを組み上げる喜び」だ。これはカタンでもプエルトリコでも味わえないのである。
というわけで夢見たような牧歌的な箱庭ゲームではなかったが、俺にはプエルトリコよりもはるかに面白い。まったくゲーマーではない家族が楽しんでくれるかはわからんが、1人2役でもどちらかを勝たせたいと思えば、知恵を絞りスリルに胸が鳴るくらいに面白い。ダミーがよく仕事をするとは事前に読んでいたが、1人2役でも面白いというのはボーナスだった。ありがたや\(^-^)/。